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竹永 秀信; 朝倉 伸幸; 久保 博孝; 木島 滋; 仲野 友英; Porter, G.*; Rognlien, T.*; Rensink, M.*
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.7, p.35 - 39, 2006/00
不純物入射により放射損失が高められたJT-60Uの高 ELMy Hモードプラズマにおける不純物輸送のモデル化を行った。不純物入射による放射損失増大は、核融合炉において、ダイバータ板への熱負荷を低減するために有効な手法であると考えられている。主プラズマでの不純物輸送は1次元輸送コードを用い、ダイバータ及びスクレイプオフ層では2次元の流体コードUEDGEを用いた。主プラズマでは、入射されたアルゴンからの放射損失分布が中心領域でピーキングしているのに対して、もとから装置内に存在する炭素からの放射損失分布は周辺領域に局在している。UEDGEコードによる不純物輸送モデリングからは、ダイバータ及びスクレイプオフ層においては、炭素からの放射損失がアルゴンからの放射損失より大きいことが示された。主プラズマにおけるモデル化により評価された放射損失分布は、測定結果よりピーキングした分布となっている。また、UEDGEコードにより評価されたダイバータでの放射損失分布は測定結果と矛盾しないが、絶対値は2倍程度小さな値となっている。
竹永 秀信; 朝倉 伸幸; 久保 博孝; 東島 智; 木島 滋; 仲野 友英; 大山 直幸; Porter, G. D.*; Rognlien, T. D.*; Rensink, M. E.*; et al.
Nuclear Fusion, 45(12), p.1618 - 1627, 2005/12
被引用回数:19 パーセンタイル:53.12(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの内部輸送障壁を有する先進トカマクプラズマの運転領域を、高閉じ込め及び高放射損失割合を達成しつつグリーンワルド密度(n)を超える領域まで拡大した。負磁気シアプラズマでは、/n=1.1においてHモードからの閉じ込め改善度HH=1.3を得た。この時、周辺ペデスタル密度はグリーンワルド密度の半分程度と低いにもかかわらず、強い密度内部輸送障壁を形成することにより高い平均密度を得ている。同放電では、金属不純物の蓄積が観測されており、主プラズマからの放射損失が加熱パワーの65%に達しているが、閉じ込めの劣化は観測されない。また、ダイバータでの放射損失を増大するために、ネオンを入射した放電では、/n=1.1にて、HH=1.1,総放射損失割合90%以上を達成した。高ELMy Hモードプラズマ(弱正磁気シア)では、アルゴン入射と高磁場側ペレット入射により、/n=0.92,HH=0.96,放射損失割合100%を達成した。同放電でも、強い内部輸送障壁の形成により高平均密度が得られている。アルゴン輸送解析から、主プラズマ中心での放射損失はおもにアルゴンによること、ダイバータでのアルゴンの放射損失は20-40%程度であることが明らかになった。
木島 滋; Peterson, B. J.*; 芦川 直子*; 三浦 幸俊; JT-60チーム
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 29C, 4 Pages, 2005/00
イメージング・ボロメータは広い視野が取れるなど核燃焼トカマク実験装置の放射損失計測法として有望である。2003-2004年に接線方向にも視野を持つ赤外イメージング・ボロメータをJT-60トカマクに設置した。2.5ミクロンの受光薄膜の耐久性はこれまで2年間の運転で確かめられた。測定装置としてはまだ未完成であるが、これまでの予備試験で幾つかの興味ある観測結果が得られた。ディスラプション時には受光膜に明瞭な温度上昇が観測され、温度分布は既存の抵抗型ボロメータの測定結果と矛盾しない。さらに、トーラスに沿って弧状に分布するダイバータ部の放射損失を初めてとらえることにも成功した。得られた温度上昇のアナログ画像データをディジタル処理し、既存のボロメータの結果との比較検討を開始した。放射損失のトロイダル分布など新しい知見も得られると期待している。
竹永 秀信; 朝倉 伸幸; 久保 博孝; 東島 智; 木島 滋; 仲野 友英; 大山 直幸; Porter, G. D.*; Rognlien, T. D.*; Rensink, M. E.*; et al.
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
JT-60Uの内部輸送障壁を有する先進トカマクプラズマの運転領域を、高閉じ込め及び高放射損失割合を達成しつつグリーンワルド密度(n)を超える領域まで拡大した。負磁気シアプラズマでは、/n=1.1においてHモードからの閉じ込め改善度HH=1.3を得た。この時、周辺ペデスタル密度はグリーンワルド密度の半分程度と低いにもかかわらず、強い密度内部輸送障壁を形成することにより高い平均密度を得ている。同放電では、金属不純物の蓄積が観測されており、主プラズマからの放射損失が加熱パワーの65%に達しているが、閉じ込めの劣化は観測されない。また、ダイバータでの放射損失を増大するために、ネオンを入射した放電では、/n=1.1にて、HH=1.1,総放射損失割合90%以上を達成した。高 ELMy Hモードプラズマ(弱正磁気シア)では、アルゴン入射と高磁場側ペレット入射により、/n=0.92,HH=0.96,放射損失割合90%を達成した。同放電でも、強い内部輸送障壁の形成により高平均密度が得られている。アルゴン輸送解析から、主プラズマ中心での放射損失はおもにアルゴンによること,ダイバータでのアルゴンの放射損失は20-40%程度であることが明らかになった。
白井 浩
プラズマ・核融合学会誌, 79(7), p.691 - 705, 2003/07
エネルギーバランスの式に基づいたトロイダルプラズマにおける熱輸送解析及び熱輸送シミュレーションの手法をまとめた。ジュール加熱,NBI加熱,RF加熱,加熱の概要を説明した。エネルギー損失機構の中で、熱伝導損失と放射損失は、それぞれプラズマ中央部及び周辺部において支配的である。トカマクにおいてによって生じる異常輸送は新古典輸送よりもはるかに大きい。輸送を増加させるその他のメカニズムである鋸歯状振動及び磁気島形成についても示す。
川島 寿人; 仙石 盛夫; 都筑 和泰; 小川 宏明; 木村 晴行
Journal of Nuclear Materials, 313-316, p.1338 - 1342, 2003/03
被引用回数:3 パーセンタイル:25.70(Materials Science, Multidisciplinary)JFT-2Mでは閉ダイバータ形状(CD2)において、Hモードと低温高密度ダイバータの両立性を示した。今回、閉ダイバータを構成する遮蔽板をすべて撤去し(開ダイバータ化:OD)、CD2と比較して、CD2の結果がダイバータ部の粒子保持力なら生じていることを明らかにした。ODでは、定常的Lモード中にダイバータ部に協力ガスパフした場合、中性粒子の主プラズマ側への逆流が2倍増大するとともに主放射損失域が主プラズマ側に移動して、CD2の場合とは対照的になった。Hモード中の強力ガスパフにおいても放射損失割合が急増し、早期にしきい値(Pred/Pin=0.6)を越えH/L遷移して、CD2のような低温高密度ダイバータとHモードの両立は困難だった。この後、JFT-2Mの放射損失レベルを低減するためボロナイゼーションを導入した。ジュール加熱の初期実験では、放射損失割合が50%低減された。今後の高密度高閉じ込め実験が期待される。
Bakhtiari, M.; 河野 康則; 玉井 広史; 三浦 友史; 芳野 隆治; 西田 靖*
Nuclear Fusion, 42(10), p.1197 - 1204, 2002/10
被引用回数:49 パーセンタイル:81.01(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク型核融合炉では、プラズマのディスラプション時に急激に放出される熱エネルギーと逃走電子の発生とによって、第一壁等が損傷を受けることが懸念され、その緩和・抑制を行う手法の開発が進められている。その中で、プラズマ電流を急激に減少させてディスラプションを模擬し、そこへアルゴンと水素の混合ガスをプラズマ中に入射して、逃走電子の発生を防ぎつつ放電を速やかに停止するシナリオを考案し、JT-60Uにおいて実験的に証明した。この結果、アルゴンガスは放射損失を高めて放電の高速遮断に寄与する一方、水素ガスは電子密度を高めるとともに逃走電子の抑制に寄与することが明らかとなり、混合ガスパフの有効性が示された。
竹永 秀信; 久保 博孝; 東島 智; 朝倉 伸幸; 杉江 達夫; 木島 滋; 清水 勝宏; 仲野 友英; 伊丹 潔; 逆井 章; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.327 - 356, 2002/09
被引用回数:10 パーセンタイル:15.15(Nuclear Science & Technology)JT-60Uでは、開ダイバータ及びより先進的なW型ダイバータにおいて高パワー加熱条件下での熱・粒子制御に関する研究を行ってきた。熱・粒子制御は、(1)ダイバータ板への熱負荷低減、(2)主プラズマの密度制御、(3)ヘリウム排気、(4)不純物低減の観点から重要である。本論文では、JT-60Uのこれまでの研究成果に関して、(1)-(4)に着目して報告する。(1)スクレイプオフ層及びダイバータでの熱・粒子輸送の理解をもとに放射損失ダイバータを開発してきた。これは、ITERのダイバータ設計に大きく貢献した。不純物入射により、高密度・高放射損失・高閉じ込めを得た。(2)粒子閉じ込め時間のスケーリングを中心・周辺供給粒子の2つの閉じ込め時間を用いて導出した。また、高磁場側ペレットを用いて、高閉じ込めが得られる密度領域を拡大した。(3)W型ダイバータにおいて、ITERでの要求値を満足するヘリウム排気性能を実現した。(4)パフ&ポンプ効果により主プラズマ内の不純物を低減出来ることを示した。の発生を考慮して化学スパッタリング率を導出した。また、不純物輸送コードの開発を行い、実験結果をよく再現できることを示した。
久保 博孝; 櫻井 真治; 朝倉 伸幸; 木島 滋; 玉井 広史; 東島 智; 逆井 章; 竹永 秀信; 伊丹 潔; 清水 勝宏; et al.
Nuclear Fusion, 41(2), p.227 - 233, 2001/02
被引用回数:53 パーセンタイル:81.48(Physics, Fluids & Plasmas)高加熱入力を伴う大型トカマク装置において高い放射損失と高い閉じ込め性能を有する高密度プラズマを実証することが、国際熱核融合実験炉(ITER)開発の重要な物理課題である。JT-60Uでは、ITERの標準運転シナリオであるELMy Hモードに、Arを入射することによって、Greenwald限界の約70%の密度まで比較的対閉じ込め改善度(H~1.4)を得た。この時、放射損失パワーは加熱パワーの約80%に達し、ダイバータプラズマは非接触状態になった。また、先進運転シナリオとして期待される負磁気シアプラズマに対しては、内部輸送障壁を維持しつつ、Ar入射によって放射損失パワーを加熱パワーの約65%に増加した。
久保 博孝; 櫻井 真治; 朝倉 伸幸; 清水 勝宏; 伊丹 潔; 木島 滋; 小出 芳彦; 藤田 隆明; 竹永 秀信; 東島 智; et al.
Proceedings of 28th European Physical Society Conference on Controlled Fusion and Plasma Physics, Volume 25A, p.1353 - 1356, 2001/00
負磁気シア放電は、定常トカマク型核融合炉の運転シナリオとして有力な候補である。一方、ダイバータ板への熱負荷の低減には、不純物入射による放射損失の増大が有効である。JT-60では、内部輸送障壁を有する高閉じ込め(閉じ込め改善度: H2)の負磁気シア放電に、Ne及びArを入射することにより、放射損失を増大(放射損失割合: P/P0.7)した。特に、Neをダイバータ側から入射した場合には、X点MARFEの発生により放射損失が増大し、ダイバータプラズマが非接触状態になった。この非接触ダイバータを維持しつつ、内部輸送障壁が成長し、閉じ込め改善度が1.2から1.6に増大した。この時、Ne及びCの密度分布にも内部輸送障壁が観測されたが、その密度分布は電子密度分布とほぼ同じであり、不純物の選択的な蓄積は観測されなかった。
福田 武司; 滝塚 知典; 土屋 勝彦; 鎌田 裕; 朝倉 伸幸
Plasma Physics and Controlled Fusion, 42(suppl.5A), p.A289 - A297, 2000/05
被引用回数:45 パーセンタイル:77.17(Physics, Fluids & Plasmas)閉じ込め性能の顕著な改善が得られるHモードは、ITERの標準運転方式に採用されており、これまで実験と理論の両面で活発な研究が進められてきた。その結果、H-モード遷移の物理機構に関する描像が確立されたが、遷移に必要な条件の定量的な理解には至っていない。ITERにおける遷移加熱閾値の評価も数多くの実験装置で得られた結果を統計処理した外挿値に基づいており、この予測値の幅が大きいことが問題となっている。本研究では、予測値の幅を拡げる要因として従来不明瞭であったダイバータの幾何形状効果をJT-60で調べた。その結果、開放型のダイバータに比較して排気付の閉構造ダイバータでは、Hモード遷移に必要な加熱入力が顕著に低減することがわかった。また、その要因として不純物量の低減による放射損失強度の低下とプラズマ周辺部の中性粒子がダイバータ領域に圧縮されることを明らかにした。
福田 武司
プラズマ・核融合学会誌, 75(12), p.1377 - 1395, 1999/12
1980年代以降、大型トカマク装置の開発と高速計算機の実用化が相俟ってプラズマ制御技術は飛躍的な進展を果たした。位置形状検出にかかわる基本技術が確立した現在、プラズマ制御の中核をなすのはプラズマ物理量の実時間帰還制御であり、実験研究の結果が随時制御アルゴリズムに組み込まれる動的な展開で開発が進んでいる。本稿では、トカマクにおけるプラズマ制御技術の現状と今後の方向性を展望する。統計処理法を用いた位置形状検出技術と多変数線形帰還制御を駆使することにより、高い自由度で平衡配位を設定できるようになった結果、高性能炉心プラズマの開発に必要不可欠な基盤データが蓄積された。これを踏まえてプラズマ物理量の実時間帰還制御に焦点を当てた開発が進展し、世界最高の等価エネルギー増倍率達成に貢献した。今後は、高い統合性能の実現を目的とした先進制御技術の開発が重要な研究課題になる。
海老沢 克之*; 安東 俊郎; A.E.Costley*; G.Janeschitz*; E.Martin*; 杉江 達夫
Review of Scientific Instruments, 70(1), p.328 - 331, 1999/01
被引用回数:2 パーセンタイル:27.52(Instruments & Instrumentation)ITERのダイバータ領域においては、Ne,Ar,DT燃料による100MW級の放射損失が生じる。放射スペクトルを観測して発光粒子の同定、粒子束の算出、放射位置の測定を行うことは、ダイバータの運転制御上重要である。真空紫外波長の分光からは原子の再結合、荷電交換に基づく放射損失の知見も得ることが可能なので、同波長向け計測装置の実現性を検討した。排気ポートからダイバータプラズマを直接観測する方法として、ダイバータカセット間の約10mmの間隙を利用してダイバータ板上半分とプラズマX点までを測定することとした。検出器をクライオスタット外部に置く案では、真空領域の延長を最少限にして二重壁で囲んだ。検出器は直入射回折格子とイメージセンサで小型化を図った。クライオスタット内部に置く場合は、検出器用磁気遮蔽体のほかの機器への影響、中性子、線遮蔽体の取り合いを検討し、従来と比較した。
朝倉 伸幸; 細金 延幸; 伊丹 潔; 逆井 章; 櫻井 真治; 嶋田 道也; 久保 博孝; 東島 智; 清水 勝宏; 竹永 秀信; et al.
Journal of Nuclear Materials, 266-269, p.182 - 188, 1999/00
被引用回数:66 パーセンタイル:96.64(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uにおけるオープン型ダイバータからW型ダイバータへの形状変化によるデタッチメントの発生とエネルギー閉じ込め特性への効果について調べた。(1)ダイバータ・デタッチメント時のプラズマ測定を精度よく行い、同じ主プラズマ密度でも、ダイバータで密度が増加し、温度から5eV程度まで低下することを観測した。(2)周辺部でのプラズマ流の方向について大型トカマクでは初めて測定した。放射損失分布の内外非対称性か、プラズマ流の方向に関係することを明らかにした。(3)ダイバータ部での粒子リサイクリングはW型が大きく、主プラズマ周辺部の粒子リサイクリングは、1/2程度に低下していることを観測した。ダイバータ部からの粒子の逆流を低減できた。(4)密度増加に伴いELMy Hモードの閉じこめ改善度は依然と同様低下する。W型改造により周辺部での中性粒子密度を1/2~1/3に低下できたが、閉じこめ改善効果は少ない。今後、ダイバータ部からの逆流やバッフル部からの粒子源を減少させることが必要である。
三枝 幹雄; 森山 伸一; 木村 晴行; 濱松 清隆; 藤井 常幸; 細金 延幸; 杉江 達夫; 久保 博孝
Japanese Journal of Applied Physics, 36(1A), p.345 - 349, 1997/01
被引用回数:1 パーセンタイル:9.49(Physics, Applied)JT-60Uでの少数イオンの第2高調波イオンサイクロトロン共鳴加熱(ICRH)実験において、加熱に伴う放射損失の増加率が、ICRH入力の増加に伴って40%から10%以下にまで減少する現象が観測された。この現象は、ICRHによって加速された高速イオンの増加に伴って、速波の吸収が改善されたためであることが、実験データ解析及び数値計算によって解明された。
逆井 章
Fusion Engineering and Design, 34-35, p.45 - 52, 1997/00
被引用回数:4 パーセンタイル:37.06(Nuclear Science & Technology)JT-60Uでは、種々の計測装置をダイバータ部を観測できるように配置して、ダイバータの物理研究を行っている。ダイバータ研究において、炉心プラズマの定常化に向けて解決すべき、いくつかの重要な課題がある。その主なものは、熱・粒子の制御、排出、ヘリウム灰の輸送、排気、ダイバータ板上での不純物発生機構の解明、ダイバータの放射損失の分光的解明及びダイバータのモデリングである。特に、熱・粒子の制御、排出は、ITER等の実験炉の設計において、熱負荷をどのように許容値まで抑制できるか、問題となっている。このために、JT-60Uダイバータ部を3方向が観測できるように、3つのボロメータアレイを設置し、放射損失を測定している。これにより、高密度放電及び不純物ガスパフにおける遠隔放射冷却の進展、X点付近のMARFEに至る時の放射損失領域の挙動を明らかにした。
G.F.Matthews*; 朝倉 伸幸; J.Goetz*; Guo, H.*; A.Kallenbach*; B.Lipshultz*; K.McCormick*; M.Stamp*; S.Allen*; U.Samm*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 241-243, p.450 - 455, 1997/00
被引用回数:59 パーセンタイル:95.78(Materials Science, Multidisciplinary)ITERのダイバータ設計では、ダイバータ板への熱負荷を低減するため、不純物ガス入射を行いプラズマ周辺部での放射損失を増加することを予定している。しかし、このため主プラズマのZは増加し、現在の大型トカマクでの実験結果は、ITERで予定している値(1.6)を越えている。そこで、各国の中型、大型トカマク(Alcator C・MOD,ASDEX,ASDEX-Upgrade,JET,JT-60U,TEXTOR)で行われた高密度ELMy Hモード中でのZと放射損失率のデータベースを集め、スケーリング則の導出を初めて試みた。この2つのパラメータの関係は、プラズマ表面積、平均密度、不純物電荷の関数として、簡単な比例則として表すことができた。このスケーリングの結果は、不純物輸送コードで計算した値とファクタ2の範囲で一致する。このスケーリングをITERの運転パラメータへ外挿すると、Z~13程度が予想されるが、低密度運転では、Zが増加する問題が生ずる。
玉井 広史; 木島 滋; 朝倉 伸幸; 伊丹 潔; 逆井 章; 細金 延幸; 東島 智; JT-60チーム
Proc. of 24th European Physical Society Conf. on Controlled Fusion and Plasma Physics, 21A, p.493 - 496, 1997/00
JT-60Uの放射冷却ダイバータプラズマにおいて、放射冷却のためにパフするガスの種類を変えてダイバータ放射損失量を比較した。冷却効率もリサイクリング率も高いネオンを用いた場合、最も少ないパフ量でダイバータ放出損失量を高めることができたが、同時に主プラズマ領域へのネオンの流入による主プラズマの放射損失の増大が観測された。通常シアのELM付Hモードでは、ダイバータ領域での放射損失増加に伴い分布のピークはX点の方向に移動し、やがてMARFEの発生による周辺プラズマの不安定性をもたらす。一方、逆転シア配位では、分布のピークがX点を越えてセパラトリクスの内側まで移動した状態でダイバータ放射損失量の高い状態で安定に維持される。一方、閉じ込めの改善度はダイバータ放射冷却の増加とともにいずれの配位でも劣化しており、改造ダイバータの重要課題の一つとして解明が期待される。
JT-60チーム
JAERI-Research 96-018, 231 Pages, 1996/03
プラズマ電流を増大し、ITERと等価なq3の領域での立上げの最適化を行い、高I-Hモードの領域を4.5MAまで拡大した。高三角度実験では、三角度を0.1から0.3~0.4に上昇させることでELM発生時の周辺圧力勾配を約2倍改善した。電流立上げ中のNB加熱により負磁気シアを形成し、電子及びイオンの輸送障壁を確認し、最大Hファクタ2.6、高Hモードと同程度の規格化ベータ2.4を得た。この負磁気シアをLHRFを用いた電流分布制御により、約7.5秒間維持することに成功した。ネオンと重水素の複合注入の手法により放射冷却ダイバータを形成し、重水素単独注入に比べて高密度でのHファクタの減少が緩和できることを確認した。接線NBによりトロイダル回転速度を制御することで、TAEモードの発生を制御することに成功した。
白井 浩; 清水 勝宏; 滝塚 知典; 平山 俊雄; 安積 正史
JAERI-Research 95-079, 43 Pages, 1995/11
トカマクプラズマに混入した不純物は、高密度領域における大きい放射損失によりプラズマのエネルギーバランスを崩し、MHD不安定性を誘発してディスラプションを引き起こす。一次元輸送コードにMHD不安定性解析コードを結合し、高密度のジュール加熱プラズマにおける密度限界の研究を行った。不純物の拡散過程を考慮したモデルを用いた数値計算では、密度限界ダイアグラムすなわちHugillダイヤグラムは、実験で得られたものと定性的に良く一致した。また、コロナ平衡モデルは密度限界値を過大に評価することを示した。