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坂口 肇*; 広瀬 茂久*; 久米 民和; 萩原 啓実*
FEBS Letters, 305(2), p.144 - 146, 1992/06
被引用回数:3 パーセンタイル:8.52(Biochemistry & Molecular Biology)アンジオテンシン変換酵素(ACE)は、血圧調節の鍵となる重要な酵素である。ACEは肺に多量に存在する他、睾丸にも存在することが知られている。睾丸ACEの分子量は約8万であるのに対し、肺ACEの分子量は約15万で、非常に高いボモロジー(約90%)を持つ2つのドメインからなることが報告されている。そこで、放射線失活法を用いて、実際に肺と睾丸で発現しているACEの活性ユニットのサイズを測定した。失活曲線のD線量から、肺ACEのサイズは14万、睾丸ACEは74,000と求められた。この結果から、肺ACEの活性発現には2つのドメインが必須であり、しっかりと結合していることが示唆された。
大内 俊治*; 萩原 浩美*; 石堂 正美; 藤田 哲郎*; 久米 民和; 石垣 功; 広瀬 茂久*
Biochemical and Biophysical Research Communications, 158(2), p.603 - 609, 1989/01
被引用回数:9 パーセンタイル:30.61(Biochemistry & Molecular Biology)放射線失活法により、ANPレセプター(Rc)とグアニレートサイクレース(GC)の間の相互作用を検討した。ウシ肺膜の照射により、GC活性は高線量では著しい失活がおこるが低線量では増加することが認められた。予めANPで処理しておいたウシ肺膜では、Gc活性は指数関数的に減少した。腎臓膜でも同様の結果が得られた。これらの放射線失活に関するデータから、ANPによるグアニレートサイクレースの活性化に関する、次のような解離メカニズムを推定した:Rc・GC(不活性)+ANPRc・ANP+GC(活性)
石堂 正美; 藤田 哲郎*; 下中 基幸*; 佐伯 敏彦*; 大内 俊治*; 久米 民和; 石垣 功; 広瀬 茂久*
J. Biol. Chem., 264(1), p.641 - 645, 1989/00
ANPレセプターに対する抗血清を用いて、このレセプターがグアニレートサイクレース(GC)の活性化に連関していることを示した。これまでは、ANPレセプターは一般にサイクレースに連関しているとは考えられていなかったが、今回の結果でGCの活性化に対応していることが明らかになった。すなわち、ウシ内皮細胞組織に抗血清を加えることにより、ANPによって誘導されるCGMPの応答がブロックされた結果から、ANPレセプターのGC活性化作用が明らかになった。また、ANPレセプターとGCの解離型複合体の存在が、放射線失活法の結果でわかった。
久米 民和; 渡辺 祐平; 広瀬 茂久*; 石垣 功
食品照射, 23(2), p.84 - 87, 1988/00
放射線失活法を用いて生物性物質の分子サイズを測定する上で、比較的低エネルギーの電子線を用いるための条件について線と比較しながら検討した。照射は3MeV、0.77mA(1kGy/pass)の電子線およびCo-線(10kGy/hr)を用いて室温で行った。
久米 民和; 石垣 功
Biochimica et Biophysica Acta, 914, p.101 - 103, 1987/00
トリプシンインヒビターの生物活性を示す分子の大きさについて、放射線失活法により検討した。種々の酵素やレセプターの分子量がターゲット説に基いた放射線失活法により測定できるが、オボムコイド(鶏卵中のトリプシンインヒビター)の場合分子量28,000よりはるかに小さい10,200という値が得られた。オボムコイドは3つのドメインから成り、その1つが活性を有していることが知られている。そこで活性を有しているドメインの分子サイズは、9,300であり、放射線失活法で求めた値とほぼ一致することを見出した。他のトリプシンインヒビター:オボインヒビター(MW49,000)でも活性を有するドメインサイズ14,000に近い17,800が得られた。これらの結果から、放射線失活法によって得られるトリプシンインヒビターの分子サイズはドメインの大きさであり、またin situでも同様の結果が得られると結論した。