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大道 博行
レーザー研究, 31(11), p.696 - 697, 2003/11
本小特集では、超短パルス超高強度レーザーと物質との相互作用に関し、電離,プラズマへのレーザーエネルギーの変換,電子加熱,プラズマからの粒子,X線の放射等について順を追って解説している。超ペタワットレーザーの拓く相対論の世界と題する解説では、相対論的レーザープラズマの中で、電子のみでなく陽子も相対論効果が顕著になる10W/cm以上のレーザー強度のプラズマ物理について論じている。実験室宇宙物理学と題する解説では、繰り返し超短パルス高強度レーザーの特徴を活かした研究テーマを検討する。このようなレーザーによる照射で生じる固体密度プラズマを用いた極限物性状態について論じている。超強磁場生成等超高強度レーザー生成プラズマ中でおこる現象と天体現象との関連を論じている。このほか産業利用に向けた取り組みを紹介し、小特集の位置づけを行っている。
大道 博行
レーザー研究, 31(11), p.698 - 706, 2003/11
現在、集光レーザー光強度10W/cmが達成されておりターゲット照射実験が活発に行われている。レーザーパルス幅を10フェムト秒程度にすることができれば、エネルギー1J程度で強度10W/cmが達成可能である。このレーザーのコヒーレントエネルギーがプラズマ中の電子の相対論的運動エネルギーに変換される過程を論文中で詳しく紹介している。この変換過程はレーザーのコヒーレンスを物質中のコヒーレントエネルギーに変換する過程とも解釈でき、電子はレーザー光伝播方向に集団加速される。発生する高エネルギーイオン,X線等にも指向性が生じる。相互作用を工夫するとエネルギー領域のスペクトルを狭くすることも可能であるとのシミュレーション結果もあり、アイデアを先鋭化させる必要がある。これらの結果は基礎科学に大きく貢献するのみならず、小型高繰り返し運転に支えられた産業利用への発展も示している。
今村 俊幸; 村松 一弘; 北端 秀行*; 金子 勇*; 山岸 信寛*; 長谷川 幸弘*; 武宮 博*; 平山 俊雄
情報処理学会研究報告2001-ARC-142, p.49 - 54, 2001/03
世界各国の計算機資源のみならずさまざまなネットワーク上の装置を有機的に結合し、一つの仮想計算機システムを構築する試みとしてメタコンピューティングが提案されている。原研では、これまで開発したSTA基本システムを利用してローカルエリアネットワーク内での実験を行ってきたが、さる11月に開催されたSC2000において、世界4ヶ国のスパコンを結合して世界規模での実験の試みに成功した。本実験では放射線情報推定システムを用いて世界4機関の並列計算機を利用し最大計510CPUの計算を行うことができた。また、計算と同時に放射線源の拡散過程の実時間可視化を行うことも成功した。本報告では、実験に使用した要素技術並びに実験の結果について報告する。
沢村 卓史*
PNC TJ1600 94-002, 61 Pages, 1994/02
核燃料施設からの直接およびスカイシャイン線による線量評価は、施設の環境評価項目の1つに位置づけられており、遮蔽計算コードにより解析が行われているが、ベンチマークデータが極めて少ないことなどもあり、評価に置いては十分な安全裕度が見込まれている。このため、合理的な評価を行うためには、スカイシャイン線に係わる実測データの取得が不可欠である。本研究は、施設からのスカイシャイン線のベンチマークデータの取得および各種計算コードの検証を目的として実施するものである。今年度は、スカイシャイン線の実データに関する文献調査、スカイシャイン線の測定手法の検討および汎用ユーザーズ版EGS4のスカイシャイン線評価への適用検討として、以下の検討を行った。・米国カンサス州立大学所有の遮蔽実験用野外実験場で行われたCo-60線源を用いた実験について調査した。・パルス状放射線源を用いた手法について調査し、スカイシャイン線ベンチマークデータ取得のために有効であることを確認した。・EGS4により高エネルギー電子線による制動放射線および消滅線の発生についてシミュレーション解析を行い、パルス状放射線源を用いたスカイシャインベンチマーク実験へのEGS4の適用性を検討した。
熊沢 蕃
日本原子力学会誌, 35(7), p.596 - 599, 1993/07
特集記事「放射線の利用に伴うリスク」の中で、原子力、医療、工業、自然放射線等、広範囲にわたる放射線利用と、これに伴う被曝の実態を明らかにしたものである。放射線の利用はX線発見以降に行われた。1950年代に原子力の利用が先進各国で開始され、放射線利用に伴う被曝の評価が各国及び原子放射線の影響に関する国連科学委員会などで実施されるようになった。この評価はまだ進展中であるので、現状における評価結果を自然放射線源、人工放射線源(大気圏内核爆発,原子力発電,医療被曝,職業被曝),雑線源に分けてまとめた。ただし、印は自然放射源による被曝を含む。日本の評価結果は市川龍資、委員会報告書(1992)、また世界の評価結果は国連科学委員会報告書(1982と1988)を参考とした。一人あたりの年実効線量当量は世界平均で自然放射線2.4mSv、放射線利用1.1mSv、また日本平均ではそれぞれ1.5mSv、2.5mSvと評価されている。
須永 博美
Radioisotopes, 41(3), p.75 - 76, 1992/00
放射線加工処理には専ら加速器からの電子線とコバルト60線源からのガンマ線が用いられてきたが、最近、電子加速器に高原子番号物質(タングステン、タンタルなど)製のターゲットをとりつけてX線を発生させ、これを用いる方法が実用化されようとしている。電子加速器をX線源として用いるこの方法について、まず技術的進展の様子を1979年頃より文献を紹介しながら振り返える。次にこのX線を加工処理に用いる場合に重要な線量計測について、X線の測定上の特徴と測定法の研究の現状を主に筆者らの報告を基に述べた。
近藤 康雄; 久保田 益充; 阿部 忠*; 長渡 甲太郎*
JAERI-M 91-147, 191 Pages, 1991/09
使用済燃料中には、熱源や放射線源等としての利用価値が高い有用元素が多数含まれ、これらを分離・回収して有効利用することが可能となれば、放射性物質の資源化が可能となると同時に、廃棄物発生量の低減化や処理処分方法の合理化も期待でき、極めて有益である。本調査では、使用済燃料に含まれる有用元素の分離・回収・利用法に関する文献調査を行い、その研究開発の現状及び動向を探り、今後の展望について検討を行った。本分野の研究開発は、米国、欧州、日本を中心に行われており、Cs-137線源を利用した食品照射装置、Sr-90を利用した電源等が既に開発されている。しかし、本分野の研究開発は余り進んでいないのが現状であり、今後の発展に期待する部分が多い。尚、本調査は科学技術庁の委託により平成2年度に実施したものである。
梅澤 弘一
日本原子力学会誌, 32(7), p.658 - 660, 1990/07
アイソトープ利用の現状をレビューし、また今後の展望をまとめる特集記事の第1章として、アイソトープ利用の状況を、利用の形態と応用分野ごとに概観的にまとめた・
須永 博美; 田中 進; 金沢 孝夫; 上松 敬; 四本 圭一; 田中 隆一; 吉田 健三; 谷口 周一*; 水沢 健一*; 鈴木 光顕*; et al.
JAERI-M 89-182, 31 Pages, 1989/11
制御放射X線を放射線加工処理に利用するため、照射用電子加速器に取りつけるX線発生用ターゲットを開発した。実用規模のX線源に用いる電子加速器としては5MeV、300kWの性能を仮定した。ターゲット設計に必要な基礎データは、電子線の吸収、散乱、X線発生などの相互作用データをモンテカルロ計算コードを用いて取得した。また、ターゲット設計のための工学的なデータを得るため、既設の2MeV、60kWの電子加速器に取り付ける水冷式の平板型及び湾曲型の2種類の実験用ターゲットを試作し、その特性試験を行った。その結果、湾曲型が優れた性能を示した。これらの検討結果に基づき、湾曲型の実用規模ターゲットの設計を行った。
加藤 久; 木暮 広人; 鈴木 恭平
JAERI-M 8810, 37 Pages, 1980/04
日本原子力研究所におけるガンマ放射線源(工業用Ir、Co、Tm線源および医療用Au、Ir線源)の製造の概要を報告する。本論分では照射および製造用施設、放射能の生成量計算、各線源の特質、ターゲットの仕様、非密封および密封線源の製造法等について述べる。
岡本 次郎; 渡辺 博正; 松田 修; 町 末男
JAERI-M 7496, 37 Pages, 1978/01
放射線源の有効利用と工業化プロセスとしての最適化を目的として、テトラフルオルエチレン-プロピレンの放射乳化共重合の反応工学的研究のために連続重合装置の設計を行った。本報は装置の安全性、緊急時の対策について詳しく述べるとともに、事故時に漏洩すると考えられる気体の毒性、モノマー気体の物理、化学的性質についても参考として述べた。装置の設計条件、取り扱われるモノマーの性質等、また、制御性、操作性の点から本装置は十分に安全であることが確認された。
加藤 久; 木暮 広人; 立川 克浩; 源河 次雄
JAERI-M 7209, 14 Pages, 1977/08
癌治療に使用される医療用放射線源Auグレインの製造は、日本原子力研究所アイソトープ事業部製造部において、1975年に開始した。Auグレインは0.5mm2.5mmlの金線から成り、肉厚の0.15mmの白金によって被覆されている。これら14個のグレインがアルミニウムチューブの中に装填され、そのまま中性子照射される。このアルミニウム製チューブを4本(グレイン数にして56個)が、JRR-2のHR孔、JRR-3のHRとしてVR孔そしてJRR-4のSとTパイプにおいて照射された。Auグレインの1個あたりの使用時における放射能は5mCiとなるように計画し、実際に得られた平均放射能はおよそ5.8mCiであった。製品は通常毎週1回出荷された。
大塚 徳勝
合成樹脂, 18(11-12), p.16 - 20,10, 1972/11
放射線源に関する基本的な事項、ならびに工業用線源の現状について、一般的な解説を行なったものである。
町田 昌彦
not registered
【課題】数少ない測定結果から放射線源の分布を精度良く推定する。 【解決手段】線源推定装置1は、対象区域を分割して得られた複数の領域のそれぞれに存在すると仮定された放射線源を示す線源ベクトルωを作成する線源ベクトル作成部13と、測定点における測定値を示す線量ベクトルYを作成する線量ベクトル作成部15と、線源ベクトルωが示す放射線源の数と測定点の数とに対応する行列Xを計算する行列計算部16と、対象区域における放射線源の分布を推定する線源推定部17と、を備える。線源推定部17は、線源ベクトルωと行列Xとの積を線量ベクトルYの擬似ベクトルと見做し、線源ベクトルωをスパースベクトルとして、擬似ベクトルから線源ベクトルωを復元する逆解析を行うことにより、放射線源の分布を推定する。
町田 昌彦
not registered
【課題】観測点数を極力少なくしながら観測対象を確実に観測できるよう観測点の最適化を図る。 【解決手段】観測点決定装置1は、対象区域の構造物の表面を分割して複数の格子面を作成する格子面作成部13と、対象区域内の空間を分割して複数の空間格子点を作成する空間格子点作成部16と、を備える。観測点決定装置1は、観測点における観測結果から観測対象を推定する逆推定が成功する観測点の最少点数を、観測対象の数と格子面の数とに基づいて決定する最少点数決定部15を備える。観測点決定装置1は、各格子面の任意の点と空間格子点とを結ぶ直線が当該空間格子点に直接到達するか否かを、空間格子点毎に判定する直達判定部17と、観測点の最少点数と直達判定部17の判定結果とに基づいて観測点を決定する観測点決定部19と、を備える。
高橋 時音; 小泉 光生; 富川 裕文; 木村 祥紀; 佐藤 優樹; 寺阪 祐太; 鳥居 建男; 山西 弘城*; 若林 源一郎*
no journal, ,
文部科学省核セキュリティ強化等補助事業の下、広域における核・放射性物質検知技術を進めている。本技術開発では、大規模公共イベント会場等での核・放射性物質を用いたテロ行為を未然に防ぐため、ガンマ線源および中性子線源を迅速に探知するためのシステムの開発を目指している。本発表では、技術開発計画の概要として、線量率マッピング, ガンマ線イメージング, 中性子源検出器システムの各要素技術について、目標および課題について述べる。また、将来的にこれらを統合させ、さらに、ドローンや自走ロボットなどを用いた遠隔測定や、AI技術を用いた脅威判定技術を取り入れた汎用性の高い検出システムについて、開発の展望を発表する。
町田 昌彦
no journal, ,
本発表では、令和3年度に6月より開始した廃炉・汚染水対策事業費補助金事業(原子炉建屋内の環境改善のための技術の開発(被ばく低減のための環境・線源分布のデジタル化技術の開発))において研究開発を行う線源分布の逆推定技術について発表する。逆推定技術として、既存の手法とその限界について言及した後、本事業で実施する機械学習技術を用いる技術について説明する。また、その技術を活用し、廃炉のデジタル化に向けた取り組みの中でも、可視化技術を用いることで効果が期待される計画等についても、将来構想を紹介する。
奥村 啓介; 佐藤 若英; 前田 裕文; 若井田 育夫; 鷲谷 忠博; 片倉 純一*
no journal, ,
プラント内の最確な線源及び線量率分布の評価技術を開発するため、燃料燃焼計算, 構造材放射化計算及びシビアアクシデント解析等の結果に基づき、線源分布を評価するとともに、粒子輸送モンテカルロ計算コードPHITS用の3次元プラントモデルを構築し、各単位線源による線量率分布応答関数を得た。
町田 昌彦
no journal, ,
本発表では、令和3年度に6月より開始した廃炉・汚染水対策事業費補助金事業(原子炉建屋内の環境改善のための技術の開発(被ばく低減のための環境・線源分布のデジタル化技術の開発))において研究開発を行う線源分布の逆推定技術について発表する。逆推定技術として、既存の手法とその限界について言及した後、本事業で実施する機械学習技術を用いる技術について説明する。また、その技術を活用し、廃炉のデジタル化に向けた取り組みについても、将来構想を紹介する。
町田 昌彦
no journal, ,
本発表では、令和3年度に6月より開始した廃炉・汚染水対策事業費補助金事業(原子炉建屋内の環境改善のための技術の開発(被ばく低減のための環境・線源分布のデジタル化技術の開発))において、発表者が主たる研究開発を行う線源分布の逆推定技術について発表する。逆推定技術として、既存の手法とその限界について言及した後、本事業で実施する機械学習技術を用いる技術について説明する。また、その技術を活用し、廃炉のデジタル化に向けた取り組みの中で、点群から放射線輸送のための3次元モデリングの技術開発の重要性と、最近その発達が著しいXRと呼ばれる可視化技術を用いることで、廃炉現場で活用の効果が多いに期待される研究開発についても、その将来構想を紹介する。