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堀田 貴嗣
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.51 - 53, 2006/05
被引用回数:4 パーセンタイル:22.69(Physics, Condensed Matter)Prを含む充填スクッテルダイト化合物の低温電子物性を支配するスピン及び軌道揺らぎを明らかにするために、-結合描像によって構築された多軌道アンダーソン模型に基づいて多極子感受率を計算した。その結果、低温において、磁気及び四極子揺らぎが支配的となることを見いだした。さらに、ラトリングの効果を動的ヤーンテラーフォノンとして考慮すると、四極子及び八極子揺らぎが低温において顕著に残ることがわかった。これらは軌道揺らぎとなり、エキゾチック超伝導を誘起する可能性がある。
堀田 貴嗣
Journal of the Physical Society of Japan, 74(9), p.2425 - 2429, 2005/09
被引用回数:26 パーセンタイル:73.50(Physics, Multidisciplinary)充填スクッテルダイト化合物の特異な多極子物性を明らかにするために、-結合描像を用いて構築された多軌道アンダーソン模型に基づいて、局所電子数が1から5の場合に多極子感受率を計算した。=1の場合、磁気揺らぎが低温電子物性を支配するが、=2と4の場合は、電子状態は磁気及び四極子揺らぎによって支配される。=3及び5に対しては、結晶場ポテンシャルに依存して、八極子揺らぎが顕著になる場合がある。これらの結果と、充填スクッテルダイトに対する実験結果との関連を議論する。
堀田 貴嗣
Journal of the Physical Society of Japan, 74(4), p.1275 - 1288, 2005/04
被引用回数:25 パーセンタイル:72.84(Physics, Multidisciplinary)充填スクッテルダイト化合物の電子物性を理解するために、希土類イオンの-電子数1から13のそれぞれの場合に軌道縮退アンダーソン模型を数値繰り込み群法によって解析し、磁化率とエントロピーを計算した。Prを含む充填スクッテルダイトに対応する-電子系の場合、たとえ基底状態が非磁性の一重項でも、三重項が小さな励起エネルギーを持つ第一励起状態として存在していれば、磁気揺らぎが低温まで生き残ることがわかった。さらに、-結合描像に基づいて構築された軌道縮退ハバード模型を解析した結果、一重項及び三重項基底状態が入れ替わるごく狭い領域で、磁気揺らぎに媒介される異方的クーパー対が現れることを見いだした。
堀田 貴嗣
Physica B; Condensed Matter, 359-361, p.1003 - 1005, 2005/04
被引用回数:1 パーセンタイル:6.20(Physics, Condensed Matter)充填スクッテルダイト化合物の磁気的性質を理解するために、軌道自由度のあるアンダーソン模型の磁化率を数値繰り込み群法によって計算した。その結果、Prイオンを含む充填スクッテルダイト化合物で実験的に示唆されているように、局所基底状態がであっても、がわずかなエネルギー差で励起状態として存在していれば、磁気揺らぎが顕著に残ることを見いだした。
堀田 貴嗣
Physical Review Letters, 94(6), p.067003_1 - 067003_4, 2005/02
被引用回数:15 パーセンタイル:62.63(Physics, Multidisciplinary)充填スクッテルダイト化合物の磁気的性質を明らかにするために、a伝導電子バンドと混成する7つの-電子軌道を含むアンダーソン模型を数値的手法によって解析した。局所的な-電子数をとすると、Prを含む充填スクッテルダイト化合物は=2に対応するが、このとき、たとえ基底状態が非磁性の一重項でも、わずかなエネルギー差で磁気的な三重項励起状態が存在していれば、顕著な磁気揺らぎが低温まで生き残ることがわかった。この結果は、充填スクッテルダイト構造においては、伝導電子バンドとよく混成する遍歴的な-軌道と、ほとんど混成しない局在的な-軌道に分かれるということで理解される。このような遍歴・局在描像は、=1から13までの-電子の磁化率とエントロピーの複雑な計算結果をよく説明する。