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吉富 寛; 辻 智也; 深見 智代; 西野 翔; 高峰 潤; 村山 卓; 谷村 嘉彦
no journal, ,
原子力機構放射線標準施設棟(FRS)は、世界でも有数の幅広い線種,エネルギー領域にわたる校正・試験が可能な2次標準機関である。本研究では、FRSで整備されている校正場の現状と、最近の研究開発活動について報告する。光子校正場については、X線発生装置、線源及び加速器を利用して、33keVから7MeVまでの場が利用でき、
線については、平均エネルギーで0.06MeVから0.8MeVまでの校正場が利用可能である。中性子については、
Cf及び
Am-Beを利用した速中性子場、重水及び黒鉛による減速中性子場、熱中性子場、加速器を利用した8keVから19MeVまで10点の単色中性子場が整備されている。FRSでは、これらのうちいくつかの場を利用して、4つのJISに基づくエネルギー特性試験を実施する手順を確立し、品質保証体制を整えることでJNLA制度に基づく放射線測定器のJIS試験所として2022年6月に日本で初めて登録された。その他のトピックスとしては、
Ba線源を利用して、これまでになかった
Iのエネルギー領域(350keV付近)をカバーする
線校正場を整備した。さらに、ICRU Report95に基づく新たな実用量に対する校正場の評価を行うことで、新たな実用量に対応した校正・試験が可能な環境を整えた。