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木村 貴海
ぶんせき, (291), p.246 - 247, 1999/00
超臨界流体は温度並びに圧力をパラメータとして、種々の溶媒物性を目的に応じて制御することができる。この新しい溶媒の特徴を活用して、分離溶媒あるいは反応溶媒としての利用が活発に研究されてきている。一方、分子間相互作用に基づいて超臨界流体の溶液構造を解明することは、溶媒物性を分子レベルから理解し、各物性値を理論的に推定するためだけでなく、新たな分離・反応系などへの応用分野を開発するための基礎研究として重要である。最近、分光学的研究から、超臨界流体中での化学反応やエネルギー移動などでは、溶質分子周りに形成される溶媒和が影響を及ぼしていることが明らかになってきた。超臨界流体中での溶媒和が関係する現象に時間分解蛍光分光法を適用した例をいくつか紹介した。
木村 貴海; 加藤 義春
Journal of Alloys and Compounds, 275-277, p.806 - 810, 1998/00
被引用回数:100 パーセンタイル:3.22ランタノイド[Ln](III)イオンの内部水和数Nと発光寿命との相関を調べるために、一連のポリアミノポリカルボン酸を配位子とするLn(III)錯体[Ln=Sm,Eu,Tb,Dy]の水和状態を詳細に研究した。D
O-H
O溶液中のLn(III)の発光寿命測定から得た直線相関と、前に報告したH
O中でのN
から、錯体中のN
を評価した。各錯体中のEu(III)とTb(III)の平均のN
は文献値とよく一致した。Sm(III)とDy(III)の最低励起状態と基底状態のエネルギー差はほぼ等しいため同様な消光挙動が期待できるが、測定したSm(III)のN
はDy(III)のそれより大きな値を示した。また、D
O中の錯体の発光寿命の測定では、これらの配位子によるLn(III)の消光はみられなかった。これらの結果は、Sm(III)の総配位数はEu(III),Tb(III)及びDy(III)よりも約1大きいことを示唆する。Ln(III)のN
決定のための相関関係の導出を検討した。
木村 貴海; 加藤 義春
Journal of Alloys and Compounds, 278, p.92 - 97, 1998/00
被引用回数:65 パーセンタイル:6.47(Chemistry, Physical)時間分解蛍光法を用いて、流動(室温)及び凍結(液体窒素温度)状態にある高濃度塩溶液(NaCl,NaNo及びNaClO
)中のランタノイド[Ln](III)イオン[Ln=Sm,Eu,Tb,Dy]の内部水和数N
を発光寿命測定により研究した。凍結溶液中のLn(III)の消光挙動は、流動溶液と同様にイオンの励起状態から水和水のOH振動へのエネルギー移動によることを明らかにした。各温度でのD
O-H
O溶液中のLn(III)の発光寿命測定から得た直線相関と、前に報告したH
O中でのN
から塩溶液中のN
を評価した。流動溶液中でのLn(III)のN
から、NO
は内圏錯体を生成するがCl
とClO
は生成しないこと、ClO
は高濃度で水和水の消光効果を促進することを明らかにした。一方、凍結溶液中では、Cl
とNO
が内圏錯体を生成しN
が約1及び2~3減少すること、ClO
は高濃度でも水和に全く影響しないことを見出した。
木村 貴海; 加藤 義春; 武石 秀世; G.R.Choppin*
Journal of Alloys and Compounds, 271-273, p.719 - 722, 1998/00
被引用回数:43 パーセンタイル:11.28(Chemistry, Physical)III価アクチノイド、ランタノイドの分離は、高濃度塩素系での陽イオン交換で可能であるが、硝酸系や過塩素酸系では不可能である。媒質中での分離機構の違いは、吸着種の分子レベルでは明らかではない。これまで、時間分解蛍光法によるCm(III)及びEu(III)の内部水和数Nの決定法を報告してきた。本報では、この方法を固液界面でのこれらイオンの水和状態の研究に適用した。陽イオン交換樹脂AGWX8を試用し、トレーサーによる分配計数K
,ならびに酸溶液及び樹脂/溶液界面におけるN
を測定した。5M以上の塩酸溶液中でCm(III)とEu(III)のK
及びN
に違いがみられた:K
(Eu)
K
(Cm),N
(Eu)
N
(Cm)。これは、Eu(III)よりCm(III)がクロロ錯体形成が強いことによる。高濃度塩酸中で樹脂上のイオンの内圏から約3-4の水分子が排除されていた。硝酸、過塩素酸溶液での結果も併せて報告する。
木村 貴海; 加藤 義春
Journal of Alloys and Compounds, 271-273, p.867 - 871, 1998/00
被引用回数:60 パーセンタイル:7.26(Chemistry, Physical)金属イオンの内部水和数N、すなわち第1水和圏にある水分子数は、化学種の配位環境に関する重要な情報を提供する。励起状態の寿命からIII価アクチノイド及びランタノイドのN
を決定するために、蛍光寿命とN
との相関を研究してきた。本報では、ナノ秒オーダーの寿命を持つAm(III)及びNd(III)を対象に、この相関を検討した。D
O-H
O溶液及び一連のポリアミノポリカルボン酸錯体中のAm(III)とNd(III)の寿命をそれぞれ692nm及び890nmにおいて測定した。D
O-H
O溶液中での結果から、Am
とNd
の励起エネルギーはともに配位水のOH振動へのエネルギー移動で緩和されることを明らかにした。一連の錯体中のN
の結果はいずれもEu(III),Tb(III)などよりも大きく、Am(III)とNd(III)がより大きな総配位数を持つことが示唆された。これらを基に、蛍光寿命とN
との相関を報告する。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳考*; 富永 健*
Chemical Communications, (2), p.223 - 224, 1997/00
固液界面に吸着した金属イオンの化学種の構造に関しては、それに適用できる分析法が限られるために、未解明な点が多い。ここでは、初めての試みとして時間分解蛍光法をイオン交換樹脂に吸着したユウロピウム(III)の水和構造の研究に適用した。強酸性(スルホン酸系)及び弱酸性(アクリル酸系)イオン交換樹脂に吸着したEu(III)と、比較のために鎖状高分子のポリスチレンスルホン酸系及びポリアクリル酸系におけるEu(III)の水和数Nを測定した。強酸性樹脂にEu(III)はpH
1で吸着され、7
N
8であった。ポリスチレンスルホン酸系ではほぼ9であるため、この違いは樹脂の網目状の骨格による効果と推定した。弱酸性樹脂にはpH
4で吸着され、ポリアクリル酸系と同様に2.5
N
3.5であった。以上のように、水和数の直接決定により吸着機構の違いを定量的に証明することができた。