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毛利 智聡*; 竹村 守雄*
JNC TJ9450 2000-001, 96 Pages, 2000/03
本報告書は、1986年に開始されたJASPER(Japanese-American Shielding Program for Experimental Research)計画の中で企画された計8個の一連の実験の中の最後の実験として、1992年6月末から約1ケ月間かけて、米国オークリッジ国立研究所(ORNL)にて実施された新遮蔽材透過実験の測定値、実験体系の寸法・組成データ、実験状況、測定システム等の情報を一冊にまとめたものである。作成にあたっては、ORNLから発行された新遮蔽材透過実験結果報告書の内容を基本とし、それに現地派遣員より報告された情報を補足した。新遮蔽材透過実験は、高速炉の遮蔽合理化のための高性能遮蔽材料の開発に資する実験データを取得する目的で企画された。遮蔽材料として水素を含有し中性子遮蔽性能の優れた金属であるジルコニウムハイドライド(ZrH1.7)を対象とした。ORNL遮蔽実験施設TSF(Tower Shielding Facility)の実験炉TSR-II(Tower Shielding Reactor-II)のコリメータ直後に、入射させる中性子スペクトルを模擬するスペクトル・モディファイア、およびジルコニウムハイドライド模擬多重層を設置した実験体系のもと、その後方で各種検出器を用いた中性子測定が行われた。ジルコニウムハイドライド模擬多重層は、既にTSFに存在していたジルコニウムスラブと、水素を含有するポリエチレンスラブを組み合わせて構成された。同様な実験測定がポリエチレンだけの厚いスラブについても実施された。広いエネルギー範囲にわたる中性子束の測定が全8体系で、また高速中性子のエネルギースペクトルの測定も大部分の体系で行われた。なお、JASPER計画は日米両国の液体金属冷却炉(LMR)の現行設計内容の進展に資することを目的として、米国エネルギー省(USDOE)と動力炉・核燃料開発事業団(現核燃料サイクル開発機構)との協力関係の一環として行われた日米共同遮蔽実験である。