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久米 民和; 石垣 功
Biochimica et Biophysica Acta, 914, p.101 - 103, 1987/00
トリプシンインヒビターの生物活性を示す分子の大きさについて、放射線失活法により検討した。種々の酵素やレセプターの分子量がターゲット説に基いた放射線失活法により測定できるが、オボムコイド(鶏卵中のトリプシンインヒビター)の場合分子量28,000よりはるかに小さい10,200という値が得られた。オボムコイドは3つのドメインから成り、その1つが活性を有していることが知られている。そこで活性を有しているドメインの分子サイズは、9,300であり、放射線失活法で求めた値とほぼ一致することを見出した。他のトリプシンインヒビター:オボインヒビター(MW49,000)でも活性を有するドメインサイズ14,000に近い17,800が得られた。これらの結果から、放射線失活法によって得られるトリプシンインヒビターの分子サイズはドメインの大きさであり、またin situでも同様の結果が得られると結論した。