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内海 太禄*; 寺澤 俊春*; 工藤 勇*; 鈴木 常生*; 中山 忠親*; 末松 久幸*; 小川 徹
Journal of the Ceramic Society of Japan, 128(2), p.96 - 100, 2020/02
被引用回数:5 パーセンタイル:21.14(Materials Science, Ceramics)放射性廃棄物容器中の水素再結合触媒坦持材とすることを目的として、ジオポリマー中でミリメートル径の開気孔を制御することを試みた。ジオポリマー原料にポア形成材としてシリコン粉末を添加した。モールド注入前に原料スラリーを温浴で処理することで最大81%の気孔率のジオポリマー・フォームを調製した。開気孔率は温浴処理時間とともに増えた。温浴処理にともないジオポリマーの粘度が上がることで、気孔が内部にとどまることが影響している。このように、ポア形成材添加と温浴処理という簡単な方法で高い開気孔率をもったジオポリマーが調製できることを示した。
谷藤 隆昭; 八巻 大樹; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part2), p.1456 - 1460, 2002/12
被引用回数:9 パーセンタイル:50.32(Materials Science, Multidisciplinary)かさ密度71%TDから92.5%TDの種々気孔率をもつLiO焼結体からのトリチウム放出挙動を等速昇温法により調べた。その結果、71%TDから89%TDのあいだではトリチウムの放出挙動が中性子照射量に強く依存することが明らかになった。また放出律速過程として、次の三段階あることが判明した。すなわち、(1)放出ピークA領域(71%-86%T.D.); 照射欠陥にトラップされたトリチウムが欠陥の回復に伴い、トラップからの離脱により放出される。(2)放出ピークB領域(87%-89%T.D.); 連結開気孔を通じて、開気孔内壁への吸着,開気孔内壁からの脱離,開気孔内の気相拡散などを繰り返しながら表面まで移行する。(3)放出ピークC領域(91%-92.5%T.D.); 閉気孔からの離脱がトリチウム放出の律速過程となり、閉気孔の分布に従って、おもに700K,830K及び1000Kの三個の放出ピークを示す。
日高 昭秀; 工藤 保; 中村 武彦; 上塚 寛
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(7), p.759 - 770, 2002/07
被引用回数:6 パーセンタイル:38.77(Nuclear Science & Technology)軽水炉のシビアアクシデント時における燃料からの放射性物質放出は、ほとんどの場合、高温高圧下で起きると考えられる。放出挙動に対する温度の影響は既存の実験で数多く調べられてきたが、圧力の影響は実験の困難さのためにほとんど調べられてこなかった。そこで、原研のVEGA実験計画では、圧力の影響を調べるため、圧力を0.1MPaと1.0MPaとする以外はほぼ同じ条件で照射済UO燃料を不活性ヘリウム雰囲気下で2,773Kまで昇温する実験を2回行った。その結果、1.0MPaの加圧雰囲気下では、燃料からのセシウム放出割合が0.1MPa下におけるそれと比べて、測定した全ての温度域で約30%減少することを世界で初めて観測した。本報では、それらの実験の概要,測定結果について述べるとともに、試験後にホットセルで行った種々の解析結果について記述する。また、観測された圧力の影響を説明する機構及び計算モデルについて議論する。
高橋 常夫*; 石原 正博; 馬場 信一; 荒井 長利; 林 君夫; 小西 隆志*
JAERI-Research 2001-005, 62 Pages, 2001/03
微粒等方性黒鉛(平均粒径20m)を基準試料とし粗粒含有率(平均粒径125
m)の異なる黒鉛材料を用いて曲げ強度試験及び破壊靱性試験を行い、粗粒含有率が強度及び靱性に与える影響を検討した。また、微細組織に基づく強度分布予測手法の曲げ試験結果への適用性を検討した。曲げ強度は、粗粒含有率0%と比較して含有率40%では平均曲げ強度の増加と強度のばらつきの減少が認められた。画像解析からもとめた気孔径分布の統計結果との関係においては、粗粒含有率の増加に伴う平均気孔間距離の増加及び大径気孔部分における気孔径分散と強度分散との正の相関関係が認められた。破壊靱性値に関しては、応力ひずみ線図の非線形応答開始点と最大荷重点における破壊靱性値の検討を行った。き裂進展開始荷重に基づく破壊靱性値は、粗粒黒鉛を含有することにより増加するものの含有率(20%,40%)による違いは認められず、低い含有率で破壊靱性値が飽和する傾向を示した。一方、最大荷重に基づく破壊靱性値は、粗粒黒鉛の含有率が増すにつれて増加し、含有率による違いが認められた。さらに、単軸応力状態下で提案されている気孔径分布を考慮した確率論的強度分布予測モデルを曲げ強度試験結果に適用し、実験結果をおおむね一致する結果を得た。
谷藤 隆昭; 八巻 大樹; 高橋 正; 岩本 昭
Journal of Nuclear Materials, 283-287(Part.2), p.1419 - 1423, 2000/12
被引用回数:11 パーセンタイル:56.42(Materials Science, Multidisciplinary)71%TD-98.5%TDの嵩密度を持つLiO焼結体からのトリチウム放出挙動を2K/minの等速昇温加熱法により調べた。嵩密度71から86%TDまでの焼結体では放出ピークは約300
であり気孔率依存性を示さなかったが、87-89%TDでは放出ピークは約340
となり嵩密度の増大とともに高温側に移行した。さらに、嵩密度87%-98.5T.D.焼結体ではトリチウム放出のピークは430
から760
にわたり2-3個の放出ピークが現れ、大きな気孔率依存性を示した。以上のことからトリチウム放出の律速過程は次の三種類の放出過程であると推定された。(1)照射欠陥にトラップされたトリチウムがその欠陥の焼鈍に伴って放出される。(2)開気孔内壁への吸着・脱離を繰り返しながら連結気孔内を移行する過程。(3)閉気孔内にトラップあるいは蓄積されていたトリチウムの逃散が律速する過程。
高橋 常夫*; 石原 正博; 馬場 信一; 林 君夫; 荒井 長利; 小西 隆志*
Proceedings of 1st World Conference of Carbon (EUROCARBON 2000), 1, p.397 - 400, 2000/00
高温工学試験研究炉(HTTR)の炉心構造材料にも用いられているIG-11黒鉛を基準試料として粗粒含有率の異なる試料を用いた曲げ強度試験を行うとともに画像解析による気孔寸法等の微細組織の観察を行い、強度分布と微細組織の関係について検討を行った。強度試験結果からは、粗粒含有率を増加することで平均曲げ強度の増加と強度のばらつきの減少することが認められた。また、微細組織の観察結果からは、粗粒含有率の増加により大径気孔数の減少と気孔径分布における大径気孔部分での分散の減少が認められた。これらを受けて粗粒含有黒鉛の強度特性について大径の気孔数及び分散に基づく考察を行った。この試験結果に対し、微小き裂の破壊靱性値及び気孔径分布を考慮した確率論的強度評価モデルを適用した。その結果、粗粒含有率に対して評価と試験結果に大きな違いが見られた。評価モデルの改良を要することが示唆された。
井上 賢紀; 浅賀 健男
JNC TN9400 98-005, 40 Pages, 1998/11
高速炉燃料の設計評価および照射挙動評価に資するため、高速炉用ウラン-プルトニウム混合酸化物燃料(MOX燃料)の熱伝導特性を前報(PNC TN9410 98-014:同題その1)に引き続き検討し、照射初期段階の評価に適用する熱伝導度式を再作成することを目的とした。熱伝導メカニズムを考慮すると、気孔を含む燃料の熱伝導度()は、気孔率ゼロの燃料の熱伝導度(
0)と気孔効果の補正式(F)の積で表わされる(
=F
0)。今回の評価では、前報と同様に、気孔率ゼロの燃料に対する熱伝導度式を作成することにした。前報に対し、熱伝導度式の作成に利用するデータベースの選定基準を見直し、複数の測定方法および測定機関による測定値が同等のデータを採用した。気孔率の影響が比較的小さいと推定される高密度燃料(相対密度
95%)の測定結果(221点)をデータベースとした。データベースの値を気孔効果の補正式(修正Loeb式:F=1-2.5P(Pは気孔率))を用いて気孔率ゼロの値に換算した後に、最小自乗法プログラムを用いてフィッティングし、下式を得た。なお、高温領域のデータ不足を補う手段として、UO2燃料とMOX燃料の物性が近いことに着目し、Hardingの報告したUO2燃料用熱伝導度式の電子伝導項をそのまま適用した。
0=式省略
0:気孔率ゼロの燃料の熱伝導度(W/mK)T:温度(K)O/M:O/M比(-)フィッティングに使用したデータベースはPu富化度20
30%、O/M比1.98と2.00、相対密度94.3
96.4%、温度64
2279
の範囲であるが、上式は高速炉用MOX燃料ペレットの一般的な製造仕様の範囲に対して常温から融点まで適用可能と考えられる。
B.J.Marsden*; 荒井 長利; N.McLachlan*
ECN-R--98-005, p.81 - 89, 1998/00
原子炉黒鉛の熱膨張係数(CTE)はその気孔の変化によって変化するとの観点から、高速中性子照射効果、付加応力効果及びクリープ歪依存性について、実験データ及び理論的取り扱いを検討・整理した。黒鉛のCTEは照射によって一旦増加し、その後減少する。圧縮応力付加によって増加し、又、圧縮クリープによっても増加する。この変化は2種類の気孔(潜在的なMrozonskiクラックと照射による生成気孔)の量的関係から定性的に説明できる。定量的評価は、結晶子の層間距離の温度変化、結晶子の歪/応力のパラメータである構造因子によって定式化が可能である。しかし、CTEの変化の理論的説明にはなお未検証の問題が残されている。黒鉛の高温照射効果を微細組織の定量的変化の測定と解析で検討することの重要性が改めて提起された。
中西 幸紀*; 荒井 長利; Burchell, T. D.*
Extende Abstracts, International Symposium on Carbon, Science and Technology for New Carbons, p.332 - 333, 1998/00
原子炉用セラミック系材料の工学的物性値の統一的予測法の検討として、メソスコーピック組織(結晶粒子と気孔の集合組織)の強度特性への影響を理論的に調べた。基本とした確率論的脆性破壊理論は筆者の一人であるBurchellが開発したものである。本研究では、原研の黒鉛材料及びSiCセラミックスの引張破壊データを参照し、結晶粒子気孔の寸法が大巾に異なる材料系に対して、その理論の適用性を検討した。この検討結果は、粒子径範囲が1~1000m、気孔径範囲が1
数mmの実用セラミックスの引張り強度の予測が統一的に可能であることを示した。なお、本研究は外国人研究者招へい制度の共同研究を契機として、原研独自の研究を含めてまとめたものである。
岩井 孝; 中島 邦久; 荒井 康夫; 鈴木 康文
IAEA-TECDOC-970, 0, p.137 - 153, 1997/10
高速炉用新型燃料として期待されるウラン-プルトニウム混合窒化物及び炭化物燃料をJMTR及びJRR-2で照射し、核分裂ガス放出を調べた。優れた熱的特性を活かしたコールドフューエル概念の採用により核分裂ガス放出を抑制できることが確認された。また、熱安定型ペレットの導入により核分裂ガス放出を5%FIMA燃焼度で2~3%に低減できた。その他、核分裂ガス放出の抑制にも拘らず、燃料と被覆管との機械的相互作用に有意の影響は認められなかった。実験データの解析から、核分裂ガス放出は開気孔率に強く依存することが示唆されている。
*
PNC TJ1635 97-001, 3 Pages, 1997/03
硝酸セリウム水溶液を噴霧熱分解して得られた酸化セリウム顆粒(H8-1H8-6)及び他の方法で作製した粉末(H8-7)を、成形特性、焼結特性の観点から以下の測定により評価した:顆粒粉末のSEM観察、熱重量/示差熱分析、成形時の圧密特性、成形体の気孔径分布、焼結挙動、焼結体破断面のSEM観察。顆粒粉末のSEM観察では7種類の試料は4つのグループに分類された:第一グループH8-1、2、3、第二グループH8-4、第三グループH8-5、6、第四グループH8-7。このグループ分けは成形体の気孔径分布、焼結体の焼結挙動および微構造にも当てはまった。熱重量・示差熱分析では800
まで重量の単調な減少が観測されたが、熱分解反応等を示すDTAピークは観測されなかった。圧密特性評価では3800kgf/cm2までの加圧で成形体の密度変化に編曲点を示すものと示さないものの二種類が観測された。噴霧熱分解顆粒より作製した成形体の焼結挙動は全てH8-7に劣り、その中で第三グループが良、第一グループが中、第二グループ(H8-4)が下の成績であった。H8-7を除くグループにおいて、1600
一時間の焼結で得られた最高密度はH8-6の6.19g/cm3、RD:84.8%であった。微構造観察では、焼結後も顆粒内の気泡に起因すると思われる大型の気孔が多数観測された。高圧成形(3800kgf/cm2)されたペレットは焼結による到達密度が通常圧で成形されたペレットより大幅に向上した。
新 麻里子; 天野 光; 一政 満子*; 一政 祐輔*; 金子 正夫*
Proc. of Int. Meeting on Influence of Climatic Characteristics upon Behavior of Radioactive Elements, p.236 - 242, 1997/00
植物生理とトリチウムの植物による取込みとの関係を明らかにすることを目的として、トリチウムの安定同位体である重水を用いた放出実験を行い、植物の葉の気孔抵抗、温湿度と植物葉の重水取込量の関係を調べた。温湿度、光量の制御が可能な2.25mのチャンバー内に重水を水蒸気の形で放出し、内部に置いたラディッシュの葉の生理学的パラメータの測定と葉の自由水中重水濃度の測定を行った。同じ葉について測定した結果では、湿度の高い時に気孔抵抗が低い傾向が見られ、湿度が低くなるに従い、気孔抵抗は高くなる。しかし、放出実験時に測定された気孔抵抗の値は個々の差が大きく、平衡状態の重水の濃度は相対湿度との関係は見られるが、気孔抵抗との関係は明らかでなかった。
荒井 長利
IAEA-TECDOC-901, 0, p.225 - 237, 1996/00
構造用脆性材料の微視的組織構造と材料強度及び構造健全性を研究する一環として、潜在的なマイクロポアの集合である気孔に着目し、特に黒鉛材料での照射による変化を解析的に検討した。ここでは、照射実験による寸法変化またはバルク体積変化の離散的データを、黒鉛損傷モデル(GDM)を用いて温度、照射量に関し連続的な変化を計算することによって求めること、及び、黒鉛の寸法変化に関するKellyらの結晶光子理論を応用している。検討では種々の製作プロセスによる黒鉛材料について、総合的に気孔率変化の相違を定量的に明らかにした。結論として、各種銘柄の照射効果の複雑な変化は結晶形状変化パラメータによって解釈することが適切であること、及びそのことの故に、気孔率の変化が重要な指標であることが明らかになった。
B.J.Marsden*; 荒井 長利; R.Charles*
Proc. of meeting: Open Discussion on Current Issues in Nuclear Graphite and Carbon Topics, 0, 1 Pages, 1996/00
英国AGRや原研のHTTRに用いられる減速材用黒鉛の照射寸法変化挙動を、それぞれの黒鉛の微細組織(結晶子と気孔)の物理的構成と変化を考慮した解析モデルによる検討を、英国AEA Technologyと共同して行った。このモデルにより広範囲の照射データを分析し、特に気孔率変化の相異を明らかにすることを目的とした。この論文では、モデルの定式上の問題を評価するとともに、ギルソナイト黒鉛、異方性PGA黒鉛のデータ分析を重点的に論じた。この結果、結晶子の体積変化が無いとする簡略化は適切でないこと、モデルの基本データとなる黒鉛結晶(HOPG)の照射変化を再吟味する必要があること、など解析モデルの一般化のための検討課題が明確になった。
*
PNC TJ1635 95-001, 9 Pages, 1995/03
セリウム硝酸塩水溶液を種々の条件で噴霧熱分解して得られた酸化セリウム粉体を以下の測定により評価した:熱重量/示差熱分析、粉末X線回折、比表面積、タップ密度、安息角、圧密体密度、気孔径分布、粉末X線回折により粉体中に依存する結晶層は酸化セリウムのみであることが確認されたが、熱重量分析によりかなり高温(800程度)まで重量減少が続き、硝酸根が残留していることが示された。重量減少量は高温で調製された粉体ほど少ない。比表面積は調製温度が高くなるほど小さく(一次粒径が大きく)なる傾向を示した。X線回折の回折線の半値幅と比表面積には対応関係があった。タップ回数を増やして行ったときのタップ密度の変化の仕方には二つのパターンが見られた。第一のグループの粉体はタップ回数とともにタップ密度が単調に増加し、第二のグループの粉体ではある回数まで密度が増加した後一定となった。安息角の測定は粉体の流動性の目安となるが、流動性の高い粉体がタップ密度の第二グループの粉体に対応した。タップ密度の最も高かった粉体は最も流動性の低い粉体であった。高い圧密体密度が得られた粉体もタップ密度の第二グループの粉体に対応した。これらタップ密度、安息角、圧密体密度の測定値は粉体の粒径と粒子間の相互作用を反映したものと考えられるが、与えられた調製条件(原料水溶液濃度、調製温度)との間には系統的な関係は見いだせなかった。気孔径は0.02
mと0.085
mにピークを持つバイモーダル分布を示した。
荒井 長利
Proc. of 12th Japan-Korea Seminar on Ceramics, 0, p.301 - 305, 1995/00
セラミックスの熱機械的特性、特に強度が気孔(潜在的な欠陥又は初期き裂と見なせる)と密接に関連するので、強度によって潜在欠陥を定量評価し材質を判定することができる。この観点から、本研究では、低サイクル強度データから疲労き裂進展解析によって初期欠陥サイズ(EIFS)を評価する方法の基本的解析手法の総合検討(き裂形状、き裂進展則及び破断条件)を行った。具体的には、PGX黒鉛の疲労データによって、EIFSの寸法範囲と統計的分布を評価した。今回の解析による知見は以下の通りである。a.実効的表面き裂としては、形状係数の変化を考慮する半楕円形又は半円モデルが適当である。b.計算モデル定数の値は、通常の破壊力学試験によって得られる値を用いるべきでない。c.計算値は数mmになる。これは実効的表面き裂が幾つもの気孔の連結体に相当することを意味する。
荒井 康夫; 岩井 孝; 笹山 龍雄; 中島 邦久; 野村 勇; 吉田 武司; 鈴木 康文
JAERI-Research 94-027, 66 Pages, 1994/11
本報告書は、混合炭化物燃料ペレットを充填したHeボンド型燃料ピンを組み込んだ87F-2Aキャプセルの照射及び照射後試験結果についてまとめたものである。照射はJMTRにおいて平均線出力60kW/mの条件で行い、燃焼度は4.4%FIMAに達した。照射後の燃料ピンには有害な欠陥も無く健全であった。燃料ピンの断面写真からは、燃料ペレットと被覆管の間のギャップが閉塞されていることが確認された。熱安定型ペレットの採用に起因して、従来の燃料と比較して、極めて低い閉気孔率とFPガス放出率、緩やかな組織変化等が観測された。最大で~0.06mmの被覆管の外径増加が観測されたが、燃料ピンの照射健全性に影響するものではなかった。また、被覆管内面の浸炭現象もみとめられなかった。
岩井 孝; 荒井 康夫; 前多 厚; 笹山 龍雄; 関田 憲昭; 野村 勇; 鈴木 康文
JAERI-M 94-036, 81 Pages, 1994/03
炭素量の異なるウラン・プルトニウム混合炭化物燃料ペレットをそれぞれ充填した2本の燃料ピンを、JMTRを用いてキャプセル照射した。燃焼度は4.5%FIMAに達した。東海研燃料試験施設に搬入して照射後試験を実施した。本報告書は照射後試験の結果および考察をまとめたものである。照射後試験では、4.5%FIMAまでの照射健全性が実証された他、照射挙動として、燃料ペレットからのセシウムの移行、FPガス放出率、気孔分布の変化、被覆材の浸炭現象など、多くの知見を得ることができた。
岩井 孝; 鈴木 康文; 前多 厚; 笹山 龍雄; 半田 宗男
日本原子力学会誌, 34(5), p.455 - 467, 1992/05
被引用回数:1 パーセンタイル:17.03(Nuclear Science & Technology)高速炉用新型燃料として注目されているウラン・プルトニウム混合炭化物燃料ピン4本をJRR-2を用いてキャプセル照射し、破損することなく燃焼度13GWd/tまでの健全性を確認した。42および64kw/mと比較的低い線出力であったにもかかわらず、気孔成長や結晶粒径変化が顕著に観察された。燃料ペレット密度や炭素含有量などの燃料特性の違いは組織再編、クラッキングおよびFPガス放出などの燃料挙動に少なからず影響を及ぼした。ガンマスペクトロメトリによると、セシウムがFPガスに似た挙動を示し一部がプレナム部に凝縮していることが明らかになった。316ステンレス鋼被覆管の内面にわずかな浸炭が認められた。
荒井 康夫; 鈴木 康文; 岩井 孝; 大道 敏彦
Journal of Nuclear Materials, 195, p.37 - 43, 1992/00
被引用回数:33 パーセンタイル:92.08(Materials Science, Multidisciplinary)ウラン・プルトニウム混合窒化物の熱伝導度に対する気孔率並びにプルトニウム濃度の影響について検討を加えた。熱伝導度は、680~1600Kの範囲で、レーザフラッシュ法により測定した熱拡散率の値から決定した。はじめに気孔率の影響については、焼結温度と気泡形成剤の添加量をそれぞれ変化させて調製したペレットの熱伝導度を求め、開気孔及び閉気孔の影響を定量的に評価した上で、気孔率依存性を表す式上のパラメータを決定した。さらにプルトニウム濃度の異なる6種類の混合窒化物ペレットを調製して、その熱伝導度に対する影響を調べた。その中では、特にUNリッチ側の組成で、プルトニウム含有量の増加とともに熱伝導度が大きく減少するとともに、PuNリッチ側の組成では、熱伝導度の温度依存性が小さくなること等を明らかにした。