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論文

孔径を自由に変えることができる温度応答性分離多孔膜の開発; 目的物質を選択分離する高機能膜の作製と応用性

浅野 雅春; 吉田 勝

工業材料, 52(12), p.65 - 69, 2004/12

イオン照射・エッチング処理技術により得られた円柱状の貫通孔を持つ穿孔膜表面と孔壁面に、温度に応答して伸縮するゲル層を放射線グラフト重合によって導入し、温度変化に追従させてゲル層厚(孔径)を制御することで、目的物質を選択的に分離できる温度応答性多孔膜を開発した。エチレングリコールビスアリルカーボネートに基づく基材フイルム(50$$mu$$m厚)に6.19MeV/nのエネルギーを持つ$$^{84}$$LiKrイオンを1$$times$$10$$^{7}$$Li ions/cm$$^{2}$$Liのフルエンスで照射し、次いで6M NaOH水溶液に浸漬し60$$^{circ}$$Cで所定時間エッチングを行い、1.3$$mu$$m径の円柱状貫通孔からなるイオン穿孔膜を作製した。次いで、アクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)水溶液にイオン穿孔膜を浸漬し、$$^{60}$$LiCo線源からの$$gamma$$線を30kGy照射することで、イオン穿孔膜にA-ProOMeに基づくポリマーゲルを重量で1.1%化学修飾した。この膜の温度による孔のon-offスイッチング機能を知るため、0.1M KCl水溶液中、0$$^{circ}$$Cと30$$^{circ}$$Cの間で電流値を測定したところ、温度と孔のサイズの変化に追従して電流値は可逆的に応答することがわかった。

論文

Impedance effect on ion transport in a temperature-sensitive gel membrane

Chen, J.; 長谷川 伸; 大橋 仁; 前川 康成; 吉田 勝; 片貝 良一; 坪川 紀夫*

Macromolecular Rapid Communications, 23(2), p.141 - 144, 2002/01

 被引用回数:8 パーセンタイル:67.72

14$$^{circ}C$$に下限臨界共溶温度(LCST)をもつポリ(アクリロイル-L-プロリンメチルエステル)ゲルの体積相転移挙動をin situ観察するため、5$$^{circ}C$$から60$$^{circ}C$$まで温度を徐々に昇温させながらゲル膜を透過したリチウムイオンの電気伝導度の変化を測定した。電解質溶液のみの場合、一般的な性質として、電気伝導度は温度とともに直線的に増加する。ゲル膜では電気伝導度がLCST直下の温度まで増加したのち、急激な低下を示すことがわかった。この低下はL-プロリンメチルエステル基に基づく疎水性相互作用によりゲルのネットワークが収縮したことに起因している。これらの結果から、電気伝導度のin situ観察は、ゲル膜の僅かな体積変化を調べる手段として有用であることが結論できた

論文

Thermoresponsive conductivity of poly(${it N}$-isopropylacrylamide)/potassium chloride gel electrolytes

Chen, J.; 前川 康成; 吉田 勝; 坪川 紀夫*

Journal of Polymer Science, Part B; Polymer Physics, 40, p.134 - 141, 2001/11

N-イソプロピルアクリルアミドに基づくポリマーゲルは、水中において、外部環境から僅かな温度刺激を受けるとゲル体積が著しく変化することが知られている。この体積変化を電気伝導度から調べる目的で、$$gamma$$線重合反応を利用してポリマーゲル電解質(PGE)を合成した。PGEのゲル体積は、32$$^{circ}C$$付近の温度で急激に変化し、この温度を境に低温側で膨潤、逆に高温側で収縮した。このようなゲルの温度特性を電気伝導度から調べたところ、ゲルの膨潤収縮挙動と良く一致することがわかった。この結果から、ポリマーの構造変化を調べる手段として、電気伝導度測定が有用であることが結論できた。

論文

Temperature-switchable vapor sensor materials based on ${it N}$-isopropylacrylamide and calcium chloride

Chen, J.; 吉田 勝; 前川 康成; 坪川 紀夫*

Polymer, 42(23), p.9361 - 9365, 2001/11

 被引用回数:30 パーセンタイル:26.36(Polymer Science)

塩化カルシウムを含むアルコール溶液中でN-イソプロピルアクリルアミドを放射線重合して得られた高分子素材を温度応答性蒸気センサーに応用した。センサー素材の電気伝導度は、温度変化に追従して、水とエタノール蒸気中で顕著に変わることがわかった。すなわち、電気伝導度は昇温と共に、エタノール蒸気中で増加、逆に水蒸気中で減少する傾向を示した。二つの蒸気が電解質に対し正反対の応答を示すことから、有機溶媒中に含まれる微量の水を測定するための濃度計を試作し、性能を評価した。その結果、電気伝導度と水の濃度の間で良好な直線関係が得られた。

論文

Effects of irradiation temperature on swelling and shrinking kinetics of thermo-responsive gels prepared by radiation-induced polymerization

廣木 章博*; 前川 康成; 吉田 勝; 片貝 良一*

Polymer, 42(15), p.6403 - 6408, 2001/07

 被引用回数:7 パーセンタイル:66.03(Polymer Science)

$$gamma$$線照射時の温度及び照射線量を細かく制御して合成したアクリロイル-L-プロリンメチルエステルゲルの膨潤-収縮速度を比較検討した。0$$^{circ}C$$と40$$^{circ}C$$の間の温度変化に伴うゲルの膨潤収縮速度は、ゲル化時の温度に大きく影響されることを見いだした。膨潤状態から収縮平衡に達するのに、LCSTより低温側で合成したゲルでは6時間、高温側で合成したゲルでは1分であることがわかった。また、SEMによる内部構造観察から、LCSTより低温側で合成したゲルは、収縮過程においてゲル表面を形成することがわかった。それに対し、高温側で合成したゲルは被覆を形成せず、多孔構造を保持していた。この被覆の存在がゲルの収縮速度を低下したと考えられる。ゲル化温度がLCSTより低温側では、ポリマー鎖が伸びた状態で架橋するのに対し、高温側では糸繭状態で架橋する。この差異が、ゲルの架橋構造を均一・不均一にし、被膜の形成を引き起こしたと推察される。

論文

The Spartial effect of hydrophobic groups in pendant amino acid monomers on the thermal volume phase transition of hydrogels

Hendri, J.*; 廣木 章博*; 前川 康成; 吉田 勝; 片貝 良一*

Radiation Physics and Chemistry, 61(2), p.155 - 161, 2001/05

 被引用回数:2 パーセンタイル:79.11(Chemistry, Physical)

メタクリロイルL-アラニンイソプロピルエステル(MA-AlaOiPr)とメタクリロイルL-バリンメチルエステル(MA-ValOMe)は、ポリマー側鎖の異なった位置にメチル基とイソプロピル基をもつ位置異性体である。温度変化に追従したポリマーの体積相転移(VPTT)から、疎水基(メチル基とイソプロピル基)の位置効果を評価するため、32$$^{circ}C$$にVPTTをもつメタクリロイルL-アラニンメチルエステルと位置異性体を共重合した。コポリマーのVPTTと組成の直線プロットから求めたMA-AlaOiPrとMA-ValOMeのVPTTは、-25$$^{circ}C$$と-78$$^{circ}C$$に存在することがわかった。この結果から、アミノ酸残基にイソプロピル基を含むMA-ValOMeの方がMA-AlaOiPrに比べ、より強い疎水の場合をポリマー側鎖に付与できることが明らかとなった。

論文

Permeability control of metal ions using temperature- and pH-sensitive gel membranes

Hendri, J.*; 廣木 章博*; 前川 康成; 吉田 勝; 片貝 良一*

Radiation Physics and Chemistry, 60(6), p.617 - 624, 2001/03

 被引用回数:31 パーセンタイル:9.93(Chemistry, Physical)

アクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)とアクリル酸(AAc)を含むモノマー水溶液系に$$gamma$$線を照射した場合、これらのモノマーは重合の過程で架橋反応が同時に進行することが知られている。この放射線重合反応を利用して、コポリマーゲル膜を合成し、温度、pH変化に追従した疎水性、空孔率、カルボキシル基などの変化と金属イオンの膜透過特性について調べた。70/30mol%A-ProOMe/AAcコポリマーゲル膜を用いて、30$$^{circ}C$$で金属イオンの透過挙動を調べたところ、リチウムイオンがpH4.75以下で、セシウムイオンがpH4.65e以下で透過しなくなることがわかった。この透過挙動の違いを利用して、リチウムイオンとセシウムイオンを選択的に分離した。

論文

Volume phase transition induced by temperature sensitive DL-amino acid methyl ester side chain based copolymer gels

廣木 章博*; 岩上 秀明*; 吉田 勝; 諏訪 武; 浅野 雅春; 片貝 良一*

Designed Monomers and Polymers, 3(3), p.381 - 387, 2000/00

 被引用回数:3 パーセンタイル:83.68(Polymer Science)

$$alpha$$-アミノ酸の側鎖アルキル基をメチル、エチル、プロピルと変化させたメタクリロイル-DL-アミノ酸メチルエステル(MA-DL-AAOMe)を合成し、放射線重合させて得られたゲルについて、温度変化に追従した膨潤収縮挙動を側鎖アルキル基の疎水性と関連づけて調べた。メタクリロイル-DL-アラニンメチルエステル(AA=Ala)ゲルの場合、22$$^{circ}$$C付近で体積相転移を示した。このゲルは、22$$^{circ}$$C以下の温度で膨潤、逆にこの温度より高くなると収縮する。一方、メタクリロイル-DL-アミノ酪酸メチルエステル(AA=Abu)及びメタクリロイル-DL-2-アミノ吉草酸メチルエステル(AA=nVal)ゲルでは、0$$^{circ}$$C$$sim$$60$$^{circ}$$Cの測定温度範囲で、いずれも収縮状態(1以下の膨潤率)のみを保つことが分かった。このようなゲル(AA=Abu及びnVal)に膨潤収縮挙動をもたせるため、温度応答性をもつMA-DL-AlaOMeとの共重合を検討した。その結果、所定の温度における体積転移組成と組成の関係から求めた体積相転移温度は、MA-DL-AbuOMeゲルが-35$$^{circ}$$C、MA-DL-nValOMeゲルが-58$$^{circ}$$Cの値を示すことが分かった。

論文

Permeation of p-nitrophenol through N-isopropylacrylamide-grafted etched-track membrane close to $$theta$$-point temperature

廣木 章博*; 吉田 勝; 長岡 範安*; 浅野 雅春; N.Reber*; R.Spohr*; 久保田 仁*; 片貝 良一*

Radiat. Eff. Defects Solids, 147, p.165 - 175, 1999/00

N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)のポリマーゲルは、32$$^{circ}$$C付近に下限臨界共溶温度(LCST)を持つため、この温度の前後で可逆的な膨潤収縮挙動を示すことが知られている。孔径が2.5$$mu$$mで、かつ形状が円柱状の貫通孔からなるイオン穿孔膜に、上述のNIPAAmゲルを放射線グラフトした。グラフトしたNIPPAmゲル層は温度変化に追従した、伸びたり縮んだりするため、孔のサイズ制御が可能となる。この機能性多孔膜の性能をp-ニトロフェノール(PNP)の透過から調べた。その結果、PNPの透過は、30$$^{circ}$$Cで著しく抑制され、7.12$$times$$10$$^{-5}$$cm/minの値を示した。これに対し、29$$^{circ}$$Cと31$$^{circ}$$Cでの透過は、30$$^{circ}$$Cに比べて約100倍近く加速された(29$$^{circ}$$Cが3.84$$times$$10$$^{-3}$$cm/min,31$$^{circ}$$Cが2.46$$times$$10$$^{-3}$$cm/min)。30$$^{circ}$$Cにおける透過の抑制は、29$$^{circ}$$C付近に存在する$$theta$$温度の存在により説明することができる。$$theta$$温度ではNIPPAmと水との親水性相互作用が見掛け上、消失する。この作用によって、30$$^{circ}$$Cで透過が抑制されたものと考えられる。

論文

Thermo- and pH-responsive gels for application in colon delivery systems

吉田 勝; 浅野 雅春; 諏訪 武; 片貝 良一*

Radiation Physics and Chemistry, 55(5-6), p.677 - 680, 1999/00

 被引用回数:24 パーセンタイル:14.52(Chemistry, Physical)

アクリロイル-L-プロリンエチルエステル(A-ProOEt)のホモポリマーゲルは、水中において、2$$^{circ}$$C付近で体積相転移を示す。一方、このA-ProOEtゲルは、pH2.5-7.5の緩衝液中、37$$^{circ}$$Cで処理した場合、収縮状態(0.5以下の膨潤、Sw)のみを保持することがわかった。このA-ProOEtゲルに、末端にカルボキシル基を持つ温度・pH応答型メタクリロイルグリシン(MA-Gly)及び比較のためpH応答型メタクリル酸(MA-Ac)を導入し、コポリマーゲルを得た。A-ProOEt/MA-Gly(30/60mol%)からなるコポリマーゲルの場合、pH7.5の緩衝液中、37$$^{circ}$$Cで処理したところ、2時間後に平衡膨潤(Sw=46)に到達した。これに対し、MA-Acを含むコポリマーゲルでは、9時間後でさえ平衡膨潤(Sw=18)に到達しなかった。この結果から、MA-Glyのように温度・pH応答機能を兼ね備えたアミノ酸基をもつゲルの方がpH応答機能のみのMA-Acよりも大腸デリバリー用のゲルとして優れていることが明らかとなった。

論文

P-nitrophenol permeability and temperature characteristics of an acryloyl-L-proline methyl ester-based porous gel membrane

廣木 章博*; 吉田 勝; 山下 淳子*; 浅野 雅春; N.Reber*; R.Spohr*; 熊倉 稔*; 片貝 良一*

J. Polym. Sci., Part A, 36(10), p.1495 - 1500, 1998/00

アクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)を水の共存下で放射能重合させ、多孔性ゲル膜を合成した。電子顕微鏡観察から、このゲル膜の多孔構造は、A-ProOMeの直鎖状ポリマーのもつ下限臨界共溶温度(LCST、14$$^{circ}$$C)以下では迷宮細孔構造からなることが判明した。この迷宮細孔の形、サイズは、温度によって制御できる。例えば、温度を低温から高温に変化させた場合、孔の形は連続した迷宮細孔から独立した孔に、また、そのサイズは20$$mu$$mから0.02$$mu$$mまで変わる。このような温度応答機能をもつ多孔性ゲル膜の特性を、p-ニトロフェノール(p-NP)の透過から調べた。その結果、迷宮細孔構造からなるゲル膜(10$$^{circ}$$C)からのp-NPの透過定数は0.60$$times$$10$$^{-3}$$cm/minの値をもつことが分かった。一方、独立した微細孔からなるゲル膜(18$$^{circ}$$C)からのp-NPの透過定数は検出限界以下の値(0.10$$times$$10$$^{-7}$$cm/min)であった。

論文

Creation of thermo-responsive ion-track membranes

吉田 勝; 浅野 雅春; 諏訪 武; N.Reber*; R.Spohr*; 片貝 良一*

Advanced Materials, (9), p.757 - 758, 1997/09

 被引用回数:27 パーセンタイル:1.74(Chemistry, Multidisciplinary)

イオン穿孔膜にアクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)を放射線グラフトし、温度変化に追従して孔が開閉する温度応答性多孔膜を合成した。A-ProOMeに基づくゲル層は14$$^{circ}$$Cで体積相転移を起こすため、これ以下の温度で膨潤、逆にこれ以上温度で収縮する。この温度応答性多孔膜(10$$^{7}$$孔/cm$$^{2}$$)の特性をP-ニトロフェノールの透過から評価した。14$$^{circ}$$C以下の温度の場合、物質の透過は8.2$$times$$10$$^{-6}$$cm/minであった。これに対し、温度が14$$^{circ}$$C以上になると、物質の透過は5$$times$$10$$^{-3}$$cm/minまで増大した。この結果から、物質の透過が温度応答機能をもつゲルの働きによって制御できることが示された。

論文

Simultaneously occurring process of radiation-induced polymerization, crosslinking, and degradation of N-isopropylacrylamide

吉田 勝; 長岡 範安*; 浅野 雅春; 諏訪 武; 久保田 仁*; 片貝 良一*

J. Polym. Sci., Part A, 35, p.3075 - 3077, 1997/00

N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)は62$$^{circ}$$Cに融点を持つ結晶性モノマーであり、水に可溶である。このモノマーを、融点以下での結晶状態、逆にこの温度以上での溶融状態、あるいは水に溶解させた状態で放射線を照射すると、いずれの計においても、重合が起こることを見い出した。この場合、放射線による重合過程で、架橋剤が存在しないにもかかわらず自己架橋と分解が同時に起こることも明らかとなった。得られたポリマーゲルは、32$$^{circ}$$Cで体積相転移をともなう。0$$^{circ}$$Cと50$$^{circ}$$Cで測定した体積変化の比は架橋密度によって影響される。そこで、この関係から、NIPAAmの放射線による重合過程での架橋と分解のメカニズムを考察した。

論文

Reversible on-off switch function of ion-track pores for thermo-responsive films based on copolymers consisting of diethyleneglycol-bis-allylcarbonate and acryloyl-L-proline methyl ester

吉田 勝; 長岡 範安*; 浅野 雅春; 大道 英樹; 久保田 仁*; 小倉 紘一*; Vetter, J.*; Spohr, R.*; 片貝 良一*

Journal of Nuclear Materials, 122(1), p.39 - 44, 1997/00

イオン穿孔技術と新しい機能材料を組み合わせることによって、僅かな温度の変化に敏感に応答するインテリジェント化学弁を調製した。機能材料は、放射線感受性の材料として知られているジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR-39)と温度応答ゲルとして新しく開発されたアクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)のコポリマーからなる。このコポリマー膜へのイオン穿孔の形成は11.6MeV/n$$^{208}$$Pbイオンを照射ののち、6M水酸化ナトリウム水溶液中、60$$^{circ}$$Cで10分エッチングすることにより行った。コポリマー膜中に形成されたイオン穿孔の孔径は、水中において30$$^{circ}$$Cで0.3$$mu$$m、0$$^{circ}$$Cで完全に閉まった状態を示すことが分かった。

論文

Substrate-specific functional membranes based on etched ion tracks

吉田 勝; 浅野 雅春; 大道 英樹; Spohr, R.*; 片貝 良一*

Radiat. Meas., 28(1-6), p.799 - 810, 1997/00

 被引用回数:8 パーセンタイル:41.77(Nuclear Science & Technology)

円柱状の貫通孔からなるイオン穿孔膜に温度応答性ゲルのモノマーであるN-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)、アクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)を放射線重合によって化学的に修飾した。得られた温度応答性多孔膜中の孔の物理的構造の変化は電気伝導度、走査型電子顕微鏡、原子間力顕微鏡などで観察した。また、孔径変化にともなう物質の透過制御は、P-ニトロフェノールなどを用いて調べた。

論文

Polymerization, self-bridging, and degradation of acryloyl- and methacryloyl-L-proline methyl esters induced by radiation and characteristics of gel swelling

吉田 勝; Safranj, A.; 大道 英樹; 片貝 良一*

Macromolecules, 29(6), p.2321 - 2323, 1996/00

 被引用回数:40 パーセンタイル:16.89(Polymer Science)

外部環境からの刺激に応答するインテリジェント材料の創製研究の一環として、放射線プロセスにより側鎖にL-プロリンメチルエステルをもつ高分子ゲルを合成し、ゲルの体積相転移に及ぼす架橋の効果を検討した。その結果、アクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)をモノマーとした場合、60%の架橋度を得るには、10kGyの$$gamma$$線照射を必要とするのに対し、メタクリロイル-L-プロリンメチルエステル(MA-ProOMe)では320kGyの照射が必要であった。次に、0$$^{circ}$$Cと40$$^{circ}$$Cとの間での体積変化比を比較したところ、A-ProOMeゲルが20、MA-ProOMeが700となった。この違いは、両者の架橋構造の違いによるものと考えられる。

論文

Novel thin film with cylindrical nanopores that open and close depending on temperature: First successful synthesis

吉田 勝; 浅野 雅春; Safranj, A.; 大道 英樹; Spohr, R.*; Vetter, J.*; 片貝 良一*

Macromolecules, 29(27), p.8987 - 8989, 1996/00

 被引用回数:52 パーセンタイル:11.83(Polymer Science)

円筒状の貫通孔をもつイオン穿孔膜にアクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)を放射線グラフトし、温度変化に追従して孔が開閉する温度応答性多孔膜を合成した。A-ProOMeに基づくゲル層は14$$^{circ}$$Cで体積相転移を起こすため、これ以下の温度で膨潤、逆にこれ以上の温度で収縮する。原子間力顕微鏡による観察から、16$$^{circ}$$Cで処理した温度応答性多孔膜は、円筒状のイオン穿孔(1.3$$mu$$m径)とその表面に被覆された0.3$$mu$$mの厚さからなるグラフトゲル層からなることが分かった。この場合、0.7$$mu$$m径の円筒状の貫通孔が得られた。対称的に、12$$^{circ}$$Cではグラフトゲル層が膨潤するため、孔が完全に閉じた。この温度応答性多孔膜の性能は、p-ニトロフェノールの透過からも調べた。

論文

Thermo-sensitive permeability control of polymer membranes based on N-isopropylacrylamide

長岡 範安*; 吉田 勝; 浅野 雅春; P.Apel*; 久保田 仁*; 片貝 良一*

Pharm. Sci., 2(6), p.265 - 268, 1996/00

N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)を水溶液系で放射線重合させ、経皮デリバリーシステムへ応用するための自己架橋型ゲル膜を調製した。30kGy照射で得たゲル膜からP-ニトロフェノールの透過は、30$$^{circ}$$Cで極大に達した。電子顕微鏡観察の結果から、30$$^{circ}$$Cで極大に達した原因は収縮ゲルのネットワークが不安定なため、マトリックスがポンプ効果を発現したためである。これに対し、30$$^{circ}$$C以下の温度での透過抑制は、膨潤したゲルのネットワーク構造を介しての拡散が律速になることに起因している。逆に、30$$^{circ}$$C以上でのそれは硬い表面バリアーの形成に起因していることが判明した。

論文

Release control of 9-$$beta$$-D-arabinofuranosyladenine from thermo-responsive gels

宮嶋 勝春*; 吉田 勝; 佐藤 宏*; 大道 英樹; 片貝 良一*; Higuchi, W. I.*

Radiation Physics and Chemistry, 46(2), p.199 - 201, 1995/08

 被引用回数:6 パーセンタイル:43.57

パルス的に薬物を放出できる機能性ゲルを放射線法で調整する目的で、14$$^{circ}$$C付近で体積相転移を伴う温度応答性アクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)ポリマーゲルに疎水性のスチレン成分を放射線共重合法により導入し、さらにヘルペスウイルスの治療薬として知られている9-$$beta$$-D-アラビノフラノシルアデニン(Ara-A)を包括させた。このゲルは、電子顕微鏡観察の結果から、筆者の命名したポンプ型マトリックスであることがわかった。ゲルからのAra-Aの放出性能を、10$$^{circ}$$Cと37$$^{circ}$$Cの間でサイクルさせて調べたところ、パルス的に薬物が放出されること、放出量はそれぞれ11ng/hと33ng/hとなることがわかった。このような薬物のパルス的放出は、ゲルに含まれるsf組成により制御できる見通しを得た。

論文

知能を持つイオン穿孔膜

吉田 勝

BEAMS 1995: 第6回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム講演論文集, 0, p.139 - 154, 1995/00

イオン穿孔膜は、膜に重イオンを照射したあとに残るイオントラックをアルカリ溶液中でエッチングすると得られる。この多孔膜の特徴は、孔の数、密度、形状の制御が容易なことである。この多孔膜にインテリジェント機能を付与する目的で、側鎖にアミノ酸を有するゲルを用いて孔を化学修飾することにより温度、pH、電場などの外部環境からの刺激に応答し孔のサイズを任意に制御したり、あるいはゲルのもつ認識・識別機能により類似の物性やサイズを有する物質の分離が可能な環境応答性多孔膜を創製する研究を行っている。

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