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佐藤 正泰; 諫山 明彦; 稲垣 滋*; 長山 好夫*; 川端 一男*; 岩間 尚文*
Proceedings of 13th Joint Workshop on Electron Cyclotron Emission and Electron Cyclotron Resonance Heating, p.89 - 94, 2005/00
磁場閉じ込め装置(トカマクとLHD)の高温プラズマにおける電子サイクロトロン放射(ECE)の相対論的効果について、数値計算を行った結果について報告する。トカマクにおいては、ECEを強磁場側から観測した場合、電子サイクロトロン周波数(EC周波数)が相対論的効果により低い周波数側へ大きくシフトし、非相対論的EC周波数からのずれが大きくなる。数値計算によれば、この周波数のずれは電子温度にほぼ単調に比例し、かつ電子密度に依存することがわかった。この依存性を用いて電子密度を測定する可能性について発表する。また、LHD装置のECE測定では、通常観測されている磁場に直角な視線では、視線に沿って磁場構造はベル型になり、プラズマ中心位置で磁場が最大になる。電子温度が高くなると相対論的効果が現れ、周波数のダウンシフトが起こり、プラズマ中心に対応する非相対論的EC周波数の位置に放射がなくなり、ECEで測定する電子温度が見かけ上小さくなることを定量的に明らかにした。
佐藤 正泰; 諫山 明彦; 稲垣 滋*; 長山 好夫*; 川端 一男*; 岩間 尚文*
Review of Scientific Instruments, 75(10), p.3819 - 3821, 2004/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Instruments & Instrumentation)LHD装置の高温プラズマにおける電子サイクロトロン放射(ECE)の相対論的効果について、数値計算を行った結果について報告する。LHD装置のECE測定では、通常観測されている磁場に直角な視線では、視線に沿って磁場構造はベル型になり、プラズマ中心位置で磁場が最大になる。電子温度が高くなると相対論的効果が現れ、周波数のダウンシフトが起こり、プラズマ中心に対応する非相対論的EC周波数の位置に放射がなくなり、ECEで測定する電子温度が見かけ上小さくなることを定量的に明らかにした。電子密度110m,電子温度5keVにおいて、規格化小半径の0.1以内に見かけ上、減少する。また、LHDにおいて、この相対論的効果の温度測定への影響を実験的に検証するプラズマパラメーター領域を評価し、充分検証可能なことがわかった。
川島 寿人; 都筑 和泰; 谷 孝志; 佐藤 正泰; 鈴木 貞明; 木村 晴行
プラズマ・核融合学会誌, 78(9), p.935 - 940, 2002/09
JFT-2Mにおいて高空間時間分解能を持つ2次元赤外線カメラ(IRTV)システムを開発した。目的は、フェライト鋼板(FP)による高速イオンのリップル損失低減効果を評価することにある。IRTV本体は、時間分解能1/60秒,測定可能温度範囲0-500を有す。検出部分には、3~5mの赤外線に感度を持つPtSi素子が256256個並べられている。第一壁を見込むための光学系構成を簡素化(レンズ,反射鏡,サファイア真空窓各1枚)し、カメラ位置から壁までの距離を3.5mまで短くして高空間分解能約3mmを得た。これを用いて、NBIが熱中,リップル補足損失イオンによる局所的温度上昇を観測することができ、FP装着前には、温度の最高上昇分Tsが約75に達した。FP装着後、Tsは明らかに減少し、リップル低減の最適条件では温度上昇がほぼ零になってFPの高速イオン損失低減効果を明らかにできた。
諫山 明彦; 伊世井 宣明; 石田 真一; 佐藤 正泰
Review of Scientific Instruments, 73(3), p.1165 - 1168, 2002/03
被引用回数:12 パーセンタイル:55.18(Instruments & Instrumentation)電子温度及びその揺動を測定するために、JT-60Uの回折格子型分光装置用20チャンネル電子サイクロトロン放射(ECE)検出システムを開発した。1列に並べられたインジウム・アンチモン(InSb)検出器は、直径約50cmのクライオスタットに貯蔵された液体ヘリウムにより冷却されている。クライオスタット及び開口部の断熱特性を向上することにより液体ヘリウムの保持時間は7週間に達し、少ない作業頻度で装置の維持が可能となった。20チャンネルの前置増幅器は直流結合のものであり、低周波数のECEも測定することができる。直流結合前置増幅器を用いるときにはバイアスのドリフトが問題となるが、本システムでは放電1分前にCAMACモジュール制御用の信号を受信し増幅器内部に設置したタイマーを起動することにより、放電直前にバイアスをキャンセルしている。既設の20チャンネル検出システム(冷凍機によりInSb検出器を冷却し、前置増幅器には交流結合のものを使用している)と比較すると信号雑音比が大幅に改善されていて、これにより小さい揺動も検出できるようになった。この検出システムを用いることにより、負磁気シア放電の内部輸送障壁近傍の電子温度や電子温度揺動を測定した結果、内部輸送障壁の成長過程における電子温度の変動を観測することができた。
技術協力課*
JNC TN1400 2001-013, 70 Pages, 2001/08
機構は、機構が取り組む研究開発プロジェクトに関する基礎・基盤的研究を大学及び研究機関(以下「大学等」という。)と研究協力を図り進めている。本報告書は、平成12年度に実施した大学等との共同研究14件の実施結果についてその概要をまとめたものである。なお、本報告書には、核燃料サイクル公募型研究及び先行基礎工学研究により進めている大学等との共同研究については除いている。
稲垣 照美*; 石井 敏満
Infrared Physics & Technology, 41(6), p.325 - 337, 2000/12
被引用回数:21 パーセンタイル:72.62(Instruments & Instrumentation)著者らはこれまでに、対象物の表面温度を非接触で定量的に計測する二色温度計測技術を提案した。本研究では、異なる検出波長域を有する三種類の赤外線放射温度計を併用した三色温度計測技術、または透過波長域の異なる三種類のフィルタを内蔵する赤外線カメラを用いて三色温度計測技術を提案する。実験に用いた放射温度計は、2~13mの波長範囲内で、それぞれ数m範囲の異なる波長域を検出することが可能である。また、計測誤差や手法の適用性を評価するために、対象物表面の放射率をパラメータとした数値解析、及び一連の検証実験を行った。その結果、三色温度計測技術が対象物の放射率、反射率及び周囲環境条件を特定することなく約10Kの誤差で対象物表面の真の温度を評価できることがわかった。また、この計測技術は、原子力を含んだ工学分野及び医学分野において、反射率の特定が困難な対象物の二次元定量温度計測に有効となり得る可能性がある。
Lee, S.; 近藤 貴; 米本 義一*; 三浦 幸俊
Review of Scientific Instruments, 71(12), p.4445 - 4448, 2000/12
被引用回数:6 パーセンタイル:44.10(Instruments & Instrumentation)本論文ではJT-60Uにおける炭酸ガスレーザーを用いた協同トムソン散乱法の信号解析手法と新たに開発した周波数分解用フィルターバンクについて言及した。プラズマ中のイオン温度や高速イオン分布を評価するためには十分なS/N比(信号-雑音比)を確保しながら散乱光の周波数成分を分解する必要がある。また協同トムソン散乱では散乱光はパルス的に受信されるため回路内にフィルターする必要がある。そこでJT-60U協同トムソン散乱で予想される散乱スペクトルの周波数分布を計算で求め、透過周波数等フィルター特性を最適化しフィルターバンクの設計、製作を行った。さらに本研究では周波数フィルターの設計の際、炭酸ガス励起迷光フィルターやヘテロダイン検波器の特性についても詳細に議論しており、協同トムソン散乱計測の信号検出にかかわる基本特性を総合的に評価している。
久保 篤彦
JNC TN9410 2000-010, 72 Pages, 2000/03
高速実験炉「常陽」は、昭和57年に照射用炉心(MK-II炉心)として初臨界を迎えて以来、31サイクルの定格出力運転を行い、平成9年12月にMK-III炉心への移行を開始した。その間、「常陽」では多くのプラント特性試験データを蓄積しており、これをMK-II炉心の運転開始に先立って原子炉の性能を確認する性能試験、原子炉の安全な運転を確保するためサイクル毎に実施する運転特性試験、高速炉開発に関するデータ取得と解析評価手法の開発・整備のために実施する特殊試験がある。本報告書では、試験項目毎にその内容と結果を示した。また、本文中に記載したデータの他、動特性に関する時系列データを含め、ユーザーがこれらのデータを机上のPC環境下で利用できるように、光磁気ディスクにて支給可能とした。
伊藤 和寛; 根本 昌明; 佐井川 拓也*; 助川 一弥*
JNC TN9410 2000-008, 66 Pages, 2000/03
高速実験炉「常陽」は、昭和57年に、照射用炉心(MK-II炉心)として初臨界を迎えて以来31サイクルの定格出力運転と13項目の特殊試験のための短期間運転及び8回の定期検査を行い、平成9年12月にMK-III炉心への移行を開始した。この間、1次系ナトリウムは67回、2次系ナトリウムは81回、1次系カバーガスは75回、2次系カバーガスはオーバフロータンク及びダンプタンクから各89回のサンプリングを実施し、不純物濃度データを蓄積してきた。「常陽」MK-II炉心の集大成として、これらのデータ及びこれらに関連するプラントデータについてユーザが利用できるようにデータベースとして整備した。本データベースには、関連するプラントデータと「常陽」実機で測定した1次系ナトリウム及び2次系ナトリウム中の酸素、炭素、水素、窒素、塩素、鉄、ニッケル及びクロムを、1次カバーガス及び2次カバーガス中の酸素、水素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン及びヘリウムの濃度を収録している。これらのデータは、ユーザが利用しやすいようにその時の炉心状態と併せて収録した。
矢野 肇*; 半沢 正利*; 近沢 孝弘*; 西村 建二*
JNC TJ8400 2000-061, 92 Pages, 2000/03
晶析法は不純物を含む大量のU溶液から、Uのみを部分的に回収するのに適しておりPUREX法を基盤とする新しい再処理施設の要素技術として適合すると思われる。昨年度までに、溶解液へ晶析法を適用した再処理プロセスは十分なメリットを有することが確認されている。しかし晶析法適用プロセスの検討に必要なデータのうちPuの析出に関するデータは乏しい。そこで本年度は、晶析法適用プロセスにおける想定晶析条件下でのPu(IV)の挙動を把握するためのビーカ試験を英国AEA Technology Harwell研究所にて実施し、結果の評価を三菱マテリアルが実施した。試験内容は、想定する晶析供給液濃度付近でのPu(IV)単身でのPu結晶又は凝固温度の測定であり、以下の6パラメータについての試験を実施した。試験結果は以下の通りである。・硝酸プルトニウムの結晶が生成する可能性が高いと想定された200gPu/l,6M HNO3及び200gPu/l,4M HNO3で硝酸プルトニウムの結晶は生成せず、H2Oの固体及びHNO3・3H2Oの結晶混合物が生成している。・残りのPu濃度が低い溶液についても同様である。・従って、Puの原子価が4価の場合には、晶析法適用プロセスにおける想定晶析条件下で硝酸プルトニウムの結晶の生成の可能性はないと言える。・試験結果から、Pu(NO3)4-HNO3-H2O系の溶解度データを作成した。
千々松 正和*; 杉田 裕; 藤田 朝雄; 雨宮 清*
JNC TN8400 99-034, 177 Pages, 1999/07
地層処分における技術開発の観点からは、工学規模での試験によるニアフィールド環境である周辺岩盤の挙動が人工バリアに与える影響の把握および周辺岩盤を含むニアフィールド性能の定量的評価と室内および原位置における大型試験による人工バリアの品質性能の確認を行い、地層処分技術の信頼性向上を図ることが重要となっている。そのため、核燃料サイクル開発機構東海事業所の地層処分基盤研究施設等における工学規模の試験と並行して、原位置試験場において、人工バリアの品質性能の確認およびその実岩盤条件下でのニアフィールド連成挙動を評価することが必要となっている。そこで、実条件でのニアフィールド環境を把握するため釜石原位置試験場において粘土充填・熱負荷試験を実施した。1995年には14本のボーリング孔の試錐を行い、種々のセンサーの設置を行なった。透水試験を実施した後、岩盤の力学物性を取得するために孔内載荷試験を実施した。その後、直径1.7m、深さ5.0mのテストピットの掘削を行なった。ピット掘削中は、試錐孔内に設置した計測機器により、間隙水圧、変位、温度の測定を行なった。その後、1996年にピット内に緩衝材および発熱体を設置し、連成試験を開始した。連成試験としては、ヒーターの加熱を行なう加熱試験を約260日間、ヒーター停止後の減熱試験を約180日間実施した。本論では、加熱試験および減熱試験期間中に岩盤内および緩衝材に設置した計測機器により観測された結果について報告する。また、加熱試験終了時、減熱試験終了時および緩衝材解体時に実施した緩衝材のサンプリング結果についても報告する。
アキラ トーマス トクヒロ; 木村 暢之; 宮越 博幸
JNC TN9400 2000-014, 86 Pages, 1999/06
高速炉のサーマルストライピング現象について熱流動に関する実験シリーズが水流動試験装置を用いて行われた。ここで言うサーマルストライピング現象とは、炉心出口部において、制御棒チャンネルや集合体から流出する温度・速度の異なる噴流が十分に混合せずに炉心上部構造材に衝突することにより構造材に熱疲労を与える現象である。本試験体系は、鉛直噴流を平行に3本配置しており、中心噴流が低温、左右の噴流が高温である。噴流は、矩形ノズルから試験容器中に準2次元形状で吐出している。試験パラメータは、噴流の平均吐出流速(U)と中心噴流と周辺噴流の吐出温度差(T=T-T)である。流速測定はレーザードップラー流速計(LDV)と超音波流速計(UDV)を用いて行った。本試験は、中心噴流を吐出させた単一噴流条件と3本の矩形噴流を吐出させた三噴流条件で行った。第1報は主にUDV計測結果、第2報は主に温度計測結果をまとめ、これらの結果を踏まえ、本報においてフェーズ1試験のまとめを行った。単一噴流条件における流速測定結果は、噴流出口領域から下流において、LDVとUDVとも既知の試験結果と良い一致を示した。三噴流試験条件において、3つの噴流の吐出速度が等速の場合、噴流が左右に振動することにより対流混合が行われていることが明らかとなった。また、速度変動は、流れに垂直方向において、左右の噴流と中心噴流の間の領域で大きくなっていることがわかった。UDVによる速度変動および温度変動から得られた噴流振動の卓越周波数は、噴流が主に混合する領域(混合領域)でf = 2.25Hz、噴流の混合がほぼ終了した領域では f = 0.7Hzであった。左右の噴流吐出速度が中心噴流吐出速度より大きい場合、混合領域が下流側にシフトし、混合領域の流れ方向長さが短くなっていることがわかった。
青砥 紀身; 天藤 雅之; 木村 英隆; 堀切 守人; 小峰 龍司; 平川 康
PNC TN9420 97-007, 786 Pages, 1997/06
高速増殖原型炉-もんじゅ-2次主冷却系Cループ中間熱交換器(IHX)出口温度計からのナトリウム漏えい事故における熱電対ウェル損傷部(ウェル段付部の破断部)以外を対象とした調査報告である。調査は、熱電対ウェルと管台、および管台と配管溶接部廻りの健全性の確認として、主に溶接欠陥または隙間腐食による熱電対ウェルの破損の可能性、ならびにナトリウム漏えい量評価上の支配寸法、漏えい経路等における情報を得る目的で種々の試験検査を実施した。試験検査は、当該温度計の熱電対ウェル破断部を除く部分の温度計、ウェル、ウェル-管台溶接部および管台-配管溶接部等で、以下に示す通りである。 (1)精密寸法計測 (2)温度計-ウェルの固定状況把握のための試験検査 (3)残留応力測定 (4)各部非破壊検査 (5)成分分析 (6)溶接部の金属組織観察 (7)硬さ試験 (8)隙間腐食に関する調査 (9)ウェルの強度特性試験 (10)シース高温曲げ試験(破断部を除く部分)
下山 一仁; 宇佐美 正行; 三宅 収; 西村 正弘; 宮原 信哉; 田辺 裕美
PNC TN9450 97-007, 81 Pages, 1997/03
「もんじゅ」2次冷却系ナトリウム漏えい事故の原因究明の目的で、第1回目を平成8年2月15日に、第2回目を平成8年3月28日に、大洗工学センターのナトリウム漏洩火災基礎試験装置(SOFT-1)を用い、温度計を模擬してナトリウム漏えい速度、漏えい形態の確認実験を行った。なお本実験データ集については、情報公開の一環として平成9年3月21日付けで、本社インフォメーションルーム、大洗工学センター展示館、敦賀事務所アトムプラザの3カ所で公開を開始した。
川田 耕嗣; 宮原 信哉; 田辺 裕美; 寺奥 拓史; 三宅 収
PNC TN9450 97-005, 145 Pages, 1997/03
「もんじゅ」2次冷却系ナトリウム漏えい事故の原因究明の目的で、平成8年4月8日に、大洗工学センターの大規模ナトリウム漏えい燃焼試験施設(SAPFIRE)内の大型密閉試験装置(SOLFA-2)を用い、「もんじゅ」2次系配管室の温度計、換気空調ダクト、グレーチング、床面には同仕様の受け皿等の配置を模擬してナトリウム漏えい燃焼実験-Iを行った。なお本データ集については、情報公開の一環として平成9年3月21日付けで、本社インフォメーションルーム、大洗工学センター展示館、敦賀事務所アトムプラザの3カ所で公開を開始した。
佐藤 正泰; 石田 真一; 伊世井 宣明; 諫山 明彦; 白井 浩; T.Oyevaar*; 寺西 大*; 岩間 尚文*; 内野 喜一郎*
Fusion Engineering and Design, 34-35, p.477 - 481, 1997/00
被引用回数:14 パーセンタイル:72.15(Nuclear Science & Technology)JT-60Uプラズマの閉じ込め・加熱機構の解明等に必要な電子温度分布の時間変化を測定するために、プラズマから放射される電子サイクロトロン放射(ECE)を測定する3つの装置からなるシステムを開発した。このシステムはそれぞれの3つの装置(フーリエ変化分光器、回折格子型分光器及びヘテロダインラジオメーター)の特徴を活かして世界最高レベルの高時間分解能と空間分解能を有する。その特徴は、長時間運転(半年以上)の極低温(4K)冷凍機の採用等により、将来の核融合炉における長時間炉心計測に対応できることである。核融合炉において重要性が認識されている相対論的効果のECE測定への影響は、現在のトカマクプラズマの電子温度領域においては無視されてきたが、詳細な解析の結果、その影響が電子温度分布のみかけ上のずれとして現われ、精密な電子温度分布測定を行う場合には、補正する必要があることを見い出した。
久保 真治; 秋野 詔夫; 秋山 光庸*; 杉山 均*
熱物性, 11(2), p.39 - 45, 1997/00
温度と共に色を変化させる「サーモクロミック物質」について、物質の温度とその色光の相関を定量的に測定した。試料温度のコントロールと色光の測定が、同時に可能な実験装置を製作した。色光の定量化に分光測定器を用いた。測定した試料は3種類で、温度と共に発光強度が変化する有機系蛍光体、金属錯体溶液、および、典型的なサーモクロミック物質であるカイラルネマチック液晶である。その結果、それぞれの試料において、試料の温度とその分光分布曲線の関係は特徴的に変化した。更に、測定した分光特性から、それぞれの試料の変色を定量的に表現しうる変色パラメータを定めた。これによって、試料の変色を温度と変色パラメータの相関として整理した。今回用いた試料は、温度と変色パラメータの間に明確な相関があり、これらの物質を応用した温度測定法が開発可能なことが示唆された。
久保 真治; 秋野 詔夫; 秋山 光庸*; 杉山 均*
可視化情報学会誌, 15(SUPPL.1), p.63 - 66, 1995/07
熱流動現象の研究には、温度分布などの可視化が有効であるが、流体中の温度場を可視化する方法は少なく、シュリーレーン法などの工学的方法と液晶混濁法が実用化されているのみである。本研究は、温度による物質の色彩の変化(サーモクロミズム)を応用した新しい流体中の温度場の可視化方法を検索することを目的として、金属錯体溶液、アルカリ性溶液とpH指示薬を組み合わせた溶液について、サーモクロミック物質の工学的性質と温度の関係を明らかにした。(1)今回測定に用いた感温変色性溶液の色スペクトルは、温度変化とともに変化しており、変化の仕方は資料によって違っていた。(2)今回の結果から、本資料を用いた溶液でも同様な可視化法が可能と思われる。
佐藤 正泰; 伊世井 宣明; 石田 真一
Japanese Journal of Applied Physics, 34(6A), p.L708 - L711, 1995/06
被引用回数:10 パーセンタイル:50.16(Physics, Applied)電子サイクロトロン放射(ECE)による電子温度測定は、トカマクプラズマにおいて有力な測定手段である。数keVトカマクプラズマにおける、相対論的拡がりによるECE計測の電子温度分布測定への影響について調べた。分布測定における周波数の拡がりに対応する半径方向のずれは、現在のECE測定システムの周波数分解能に対応するずれに比べて無視することが出来ない。よって数keVトカマクプラズマの詳細な電子温度分布測定において、相対論的効果によるずれを補正する必要がある。
森田 洋右; 山本 哲*; 福地 圭介*; 川神 裕志*
DEI-93-166, p.21 - 30, 1993/12
大型照射施設や原子力発電所などの放射線照射下で広い範囲にわたって環境の温度を測定する方法が求められている。本報告では光ファイバのラマン散乱光を用いた温度測定法を利用して、照射下での温度を実時間で広い範囲にわたって測定する方法を検討した。このために、光ファイバの種類、レーザ光波長、線線量率、線量を種々変化させて、ファイバの照射損失増加量、ラマン散乱光の測定を行った。この結果、石英コアファイバの特定の波長域で上記の温度測定が可能であることが明らかとなった。