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高見澤 悠; 端 邦樹; 西山 裕孝; 外山 健*; 永井 康介*
Journal of Nuclear Materials, 556, p.153203_1 - 153203_10, 2021/12
被引用回数:4 パーセンタイル:40.86(Materials Science, Multidisciplinary)原子炉圧力容器鋼における中性子照射脆化に及ぼすシリコンの影響を明らかにするため、三次元アトムプローブにより、高照射量領域まで中性子照射された監視試験片中の溶質原子クラスタを分析した。高Cu含有材では、Ni, Mn, Siがクラスタ中心のCu原子を囲むように凝集し、コアシェル構造を形成するのに対して、低Cu含有材ではNi, Mn, Siがクラスタ中を均一に分布していた。クラスタ内のCu原子の数はCu含有量の減少と共に減少したが、それを補うようにSi原子数が増加した。材料中の公称のSi含有量の増加とともに、クラスタのギニエ半径は減少し、数密度が増加した。結果として、クラスタの体積率は一定であった。延性脆性遷移温度移行量とクラスタの体積率とギニエ半径の積の平方根が良い相関関係を示すことから、脆化の主要因は、溶質原子クラスタを転位が切断するメカニズムによる硬化であることが示された。また、Si含有量の増加により、クラスタの体積率は一定のままギニエ半径が減少することで脆化の程度を減少させることが示された。
若井 栄一; 江沢 正志*; 今村 淳子*; 武中 剛志*; 田辺 哲朗*; 大嶋 隆一郎*
Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part.1), p.367 - 373, 2002/12
被引用回数:36 パーセンタイル:88.11(Materials Science, Multidisciplinary)Ni合金の照射による微細組織変化に及ぼす溶質原子の効果を500Cで25keVのヘリウムイオン照射により調べた。用いた試料はNi及び溶質原子のサイズ因子が異なる数種類のNi合金(Ni-Si,Ni-Co,Ni-Cu,Mi-Mn,Ni-Pd,Ni-Nb)である。1
10
ions/m
まで照射すると約1.5
10
m
の高密度の転位ループが形成されたが、アンダーサイズ因子を持つNi-Si合金のみ、その密度がやや高くなった。また、4
10
ions/m
まで照射した試料では、キャビティが成長し、溶質原子のサイズ因子に依存してスエリングが0.2%から4.5%まで変化した。キャビティの数密度は溶質原子のサイズ因子の絶対値の大きさにしたがって増加する傾向にあり、スエリング値は増加した。これらの結果と反応速度論による点欠陥濃度の計算結果からヘリウム及び原子空孔の移動度し、溶質原子とヘリウム及び原子空孔との相互作用によって影響を受けることを推測した。
神田 北斗; 山県 一郎; 堂野前 貴子; 赤坂 尚昭
JNC TN9400 2000-046, 24 Pages, 2000/02
オーステナイトステンレス鋼では照射により、溶質原子が表面や結晶粒界等に偏析し、合金組成が局所的に変化する事が知られている。粒界偏析挙動を詳細に調べ、理解するために高速炉炉心材料として開発中であるPNC1520の基本合金系であるFe-15Cr-20Ni合金に、原子サイズの違いを考慮したSi,Moを各々添加したモデル合金について照射誘起偏析を検討した。高速実験炉「常陽」により476、3.5
10の26乗n/mの2乗(E
0.1MeV)の条件で照射された試料を、透過型電子顕微鏡(TEM)とエネルギー分散型X線分光分析装置(EDS)により微細組織の観察および溶質濃度を測定した。照射誘起結晶粒界偏析挙動は概ね溶質原子のサイズ効果に従っており、Feよりサイズの大きな(oversize)原子は結晶粒界で枯渇し、小さな(undersize)原子は濃化した。またボイド表面における偏析は結晶粒界とほぼ同等であり、析出物界面における偏析はこれらよりも大きい傾向を示した。また粒界によっては粒界近傍にボイドの存在しないボイド欠乏帯が存在していた。その生成理由の一つとして粒界移動現象によりボイドが掃き出されたことが考えられる。
河 侑成; 高見澤 悠; 塙 悟史; 西山 裕孝; 海老澤 直樹*; 外山 健*; 永井 康介*
no journal, ,
原子炉圧力容器鋼A533B材のステンレスオーバーレイクラッド直下に生じる溶接熱影響部(HAZ)に対するイオン照射硬化のメカニズムを明らかにするため、アトムプローブ(APT)分析を実施し、照射硬化の一因となる溶質原子クラスター形成における熱履歴の影響を調べた。APT分析の結果、照射領域にはCuやSi-Mn-Ni溶質クラスターが形成されていたが、未照射領域ではクラスターの形成が認められなかった。粗大粒HAZ, 微細粒HAZ及び母材においてはクラスターの分布形態がそれぞれ異なり、母材はHAZに比べてクラスターの形成が少なかった。一部の微細粒HAZで照射硬化量が最も高くなる結果が得られており、その理由を溶質クラスターの直径、組成、数密度の分析により考察した。
端 邦樹
no journal, ,
国内PWRで中性子照射された原子炉圧力容器鋼に対して三次元アトムプローブを用いた溶質原子クラスタ分析及びオージェ電子分光分析を用いた粒界偏析元素分析を行った。三次元アトムプローブ分析では、シリコン(Si)の含有量に着目し、溶質原子クラスタの数密度、大きさへのSiの影響について評価した。その結果、Si含有量が高いほどクラスタの半径が小さくなることが示された。また、脆化量の指標である関連温度移行量(RT
)の析出硬化メカニズムにおける切断機構(溶質原子クラスタの体積率と半径の積の平方根に比例)への依存性が見られたことから、Siの溶質原子クラスタの半径への寄与が切断機構を通して脆化量に影響を与えている可能性が示唆された。オージェ電子分光分析では、リン(P)の粒界偏析に着目し、既往研究データとも合わせて、原子炉圧力容器鋼における粒界脆化顕在化の可能性を調べた。実験の結果、照射量の増加に伴うP偏析量の増加は小さいことが示された。これにより、今回分析したリン含有量の範囲では、高照射量領域まで照射した場合でも、既往研究において粒界脆化の顕在化が懸念されるレベルよりも十分に低いものとなることが分かった。
塩谷 光平; 下平 昌樹; 外山 健
no journal, ,
中性子照射を受けた原子炉圧力容器(RPV)鋼には自己格子間型転位ループ(DL)やCu等からなる溶質原子クラスター(SC)が形成され、RPV鋼の照射脆化(硬化)の主因となることが知られている。従来はDL、SCはそれぞれ単独に存在すると考えられていたが、近年、DL/SC複合体としても存在する可能性が強いことが分かってきた。そのため、DL/SC複合体が照射硬化に及ぼす影響の評価が求められる。その端緒として、本研究では、分子動力学法を用いてDL/Cuクラスター複合体の転位運動に対する抵抗力(障害物強度)を評価した。まず純Cuクラスターの障害物強度を評価して先行研究と比較し、評価手法の妥当性を確認した。DL/Cuクラスター複合体に関しても解析を実施しており、講演ではその障害物強度も報告する。
鈴土 知明; 長谷川 晃*
no journal, ,
核融合材料の候補材として注目されているWでは、中性子照射下で核変換元素としてReやOsが生成される。これらの不純物は固溶限界以下でも照射によって析出する、すなわち照射誘起析出(RIP)を発生させることが知られている。RIP発生には溶質元素の拡散が不可欠であるが、本研究では第一原理計算手法を用いてW中の溶質元素の拡散様式を明らかにした。ReやOsは混合ダンベルを形成し非常に回転しやすく3次元運動になることがわかった。格子間原子の3次元運動は空孔との再結合を促進させるので、ReやOsをWに添加するとキャビティ形成が抑制されるとういう実験結果とも合致した。
鈴土 知明; 長谷川 晃*
no journal, ,
タングステンは将来の核融合炉のプラズマ対向被覆材として期待されている。しかしながら、材料を硬化させる照射誘起析出の発生が実用化に向けて課題とされている。照射誘起析出現象の出現を精度よく予測するには、レニウムやオスミウム等の照射下で核変換反応より生成される溶質原子の運動を把握することが重要である。本発表では、我々はアトミックキネティックモンテカルロ法を用いてこれらの溶質原子の運動を計算機シミュレーションより解析した。なお、溶質原子はタングステンと混合ダンベルを作っていると仮定した。解析の結果、回転障壁エネルギーが低いためこれらの混合ダンベルは3次元運動になり、その障壁エネルギーが拡散係数に大きく影響することがわかった。また、それらの3次元運動は空孔等の球状の欠陥の運動のような単純な運動モデルに帰結することができないことがわかった。