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報告書

原子炉圧力容器用確率論的破壊力学解析コードPASCAL4の使用手引き及び解析手法(受託研究)

勝山 仁哉; 眞崎 浩一; 宮本 裕平*; Li, Y.

JAEA-Data/Code 2017-015, 229 Pages, 2018/03

JAEA-Data-Code-2017-015.pdf:5.8MB
JAEA-Data-Code-2017-015(errata).pdf:0.15MB

軽水炉構造機器の高経年化評価に関する研究の一環として、確率論的破壊力学解析コードPASCALの開発を進めている。本コードは、原子炉圧力容器に加圧熱衝撃事象等の過渡が発生した場合における容器の破損確率や破損頻度を解析するコードである。破壊力学に関する最新知見や国内RPVに適した評価手法・評価モデルを踏まえ、新規解析機能の導入やコード検証等を通じて解析精度と信頼性向上を図った。具体的には、応力拡大係数解や破壊靭性モデル等の解析機能の高度化を図るとともに、健全性評価に係る影響因子の認識論的不確実さと偶然的不確実さを考慮した信頼度評価機能の整備等を実施した。また、確率論的計算手法を改良し、解析コードの計算速度を著しく向上させた。さらに、PASCAL-RVにより算出される亀裂を対象とした破損確率からRPV炉心領域部を対象とした破損頻度を算出する機能を有するモジュールPASCAL-Managerを整備した。本報告書は、PASCAL-Managerを含むPASCAL4の使用方法、解析理論をまとめたものである。

論文

Statistical analysis using the Bayesian nonparametric method for irradiation embrittlement of reactor pressure vessels

高見澤 悠; 伊藤 裕人; 西山 裕孝

Journal of Nuclear Materials, 479, p.533 - 541, 2016/10

 パーセンタイル:100(Materials Science, Multidisciplinary)

高中性子照射量領域における照射脆化に関して、ノンパラメトリックベイズ法を用いて日本国内の監視試験データや試験炉照射データに対して統計解析を実施した。ノンパラメトリックベイズ法は実測データを正規分布の和で表す解析手法であり、正規分布の数と平均値や分散は実測データの複雑さに応じて決定される。本研究では、照射脆化の主因として考えられている溶質原子クラスタを構成する元素(Cu, Ni, Mn, Si, P)や照射条件を入力パラメータとして、照射脆化との関係を評価した。解析の結果、中性子照射量が異なるデータであっても同じ材料のデータは同じ正規分布に分類されており、中性子照射量に依存した脆化メカニズムが顕在化していないことが示唆された。

論文

Bayesian statistical analysis on chemical composition contributing to irradiation embrittlement at high fluence region

高見澤 悠; 西山 裕孝

Proceedings of 2016 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2016) (Internet), 5 Pages, 2016/07

原子炉圧力容器の照射脆化に関して、高照射量領域における脆化に寄与する化学元素を明らかにするため、国内のPWRプラントの監視試験データを対象にノンパラメトリックベイズ法に基づく統計解析を実施した。すべての脆化予測式でパラメータとして考慮されている中性子照射量、Cu, Ni含有量に加えてP, Si, Mnの照射脆化への寄与を評価した。その結果、シリコンを入力パラメータとして考慮することで予測性がよくなることから、高照射量領域においてシリコンが脆化に寄与していることが示唆された。

論文

Radiation hardening and -embrittlement due to He production in F82H steel irradiated at 250 $$^{circ}$$C in JMTR

若井 栄一; 實川 資朗; 富田 英樹*; 古谷 一幸; 佐藤 通隆*; 岡 桂一朗*; 田中 典幸*; 高田 文樹; 山本 敏雄*; 加藤 佳明; et al.

Journal of Nuclear Materials, 343(1-3), p.285 - 296, 2005/08

 被引用回数:36 パーセンタイル:6.83(Materials Science, Multidisciplinary)

低放射化マルテンサイト鋼F82Hの照射硬化と脆化に及ぼすHe生成効果とその生成量依存性を引張試験片(SS-3)と破壊靭性試験片(0.18DCT)を用いて評価した。中性子照射はJMTR炉にて250$$^{circ}$$Cで約2.2dpaまで行った。本研究ではHeを材料中に生成させるためにボロン10を添加した。He生成量を変数にするため、ボロン10とボロン11の配合比(0:1, 1:1, 1:0)を変えて、ボロン添加総量を60mass ppmに揃えた3種類の添加材を作製し、照射前後の特性を比較してボロンの化学的な効果を最小限に抑えた。また、これらの試料での生成He量は約5, 150, 300appmである。一方、ボロンの効果を完全に排除した50MeVのサイクロトロン照射実験も行った。この方法ではボロンを添加しないF82H鋼を用い、直径3mm,厚さ0.3mmのTEM片に約120$$^{circ}$$Cで約85appmのHeを均一に注入した後、スモールパンチ試験によって強度特性を評価した。この弾き出し損傷量は約0.03dpaであった。これらの試験結果から中性子照射後の降伏応力と最大引張応力はHe生成量の増加に伴ってやや増大した。また、中性子照射後の延性脆性遷移温度(DBTT)は40$$^{circ}$$Cから150$$^{circ}$$Cの範囲にあり、He生成量の増加に伴って高温にシフトした。また、サイクロトロンHe照射法によっても同様のHeによるDBTTシフト効果が確認できた。

論文

Microstructure property analysis of HFIR-irradiated reduced-activation ferritic/martensitic steels

谷川 博康; 橋本 直幸*; 酒瀬川 英雄*; Klueh, R. L.*; Sokolov, M. A.*; 芝 清之; 實川 資朗; 香山 晃*

Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.283 - 288, 2004/08

 被引用回数:18 パーセンタイル:21.18(Materials Science, Multidisciplinary)

低放射化フェライト鋼は、核融合炉ブランケット構造材料の候補材料である。これまでの研究により、300$$^{circ}$$C5dpaの中性子照射による鋼の延性脆性遷移温度がF82H(Fe-8Cr-2W-V-Ta)に比べて、ORNL9Cr-2WVTa及びJLF-1(Fe-9Cr-2W-V-Ta-N)が小さいことが明らかになっている。これらの違いは、照射硬化の影響のみでは説明することができない。また一方、Cr量の違いとして解釈できるものでもない。本研究では、これらの鋼の衝撃特性変化の違いについて、その要因を探るべく、微細組織解析を行った、その結果について報告している。

論文

原子炉容器用鋼材の中性子照射脆化の評価

大岡 紀一*; 石井 敏満

非破壊検査, 52(5), p.235 - 239, 2003/05

国内の原子力発電プラントの使用期間延長が計画されている中で、長期間運転に伴う原子炉圧力容器の照射脆化の予測や評価に資する新たな手法の開発への取り組みが盛んに行われている。本稿は、原子炉圧力容器の供用期間中の健全性を評価するための現行の監視試験法について、また、運転期間の延長に伴う監視試験片数の不足への対応として、試験を終了した照射後試験片の一部を利用して新たな照射試験片を製作するための「監視試験片の再生技術」などの技術開発及び原子炉圧力容器の照射脆化を非破壊的に評価するための技術開発について紹介したものである。

報告書

陽電子親和力による量子ドット内閉じこめを利用した原子炉圧力容器鋼及びそのモデル合金(Fe-Cu)中の超微小銅析出物の形成過程と構造解明,原子力基礎研究 H11-034(委託研究)

長谷川 雅幸*; 永井 康介*; Tang, Z.*; 湯葢 邦夫*; 鈴木 雅秀

JAERI-Tech 2003-015, 137 Pages, 2003/03

JAERI-Tech-2003-015.pdf:9.03MB

材料試験炉(JMTR)で中性子照射した原子炉圧力容器銅のモデルFe‐Cuについて陽電子消滅実験を行い、照射によって生じたナノボイドや超微小Cu析出物を調べた。その結果、ナノボイドの表面は、Cu原子で覆われていること、このようなナノボイドは、約400$$^{circ}C$$の焼鈍でその内部の空孔が解離・消滅するために超微小Cu析出物となることを見いだした。また、照射脆化に重要な役割を果たすと考えられているNi,Mn,PなどをFe‐Cuモデル合金に添加した効果を調べた結果、(1)NiやPは、ナノボイド形成を促進するが、Mnは逆に遅らせること,(2)約400$$^{circ}C$$の焼鈍によって生ずる超微小Cu析出物はほぼ純銅でこれら添加元素を含んでいないこと、などを見いだした。さらに単結晶Fe‐Cuの陽電子消滅2次元角相関(2D‐ACAR)測定から、Fe中に埋め込まれた超微小Cu析出物(体心立方結晶構造)のFermi面を求めた。この結果はバンド計算の結果と良く一致した。FeCuモデル合金中のCu集合体の陽電子親和力閉じ込めの理論計算を行い、約1nm以上の埋め込み粒子になると陽電子量子ドット状態が実現することがわかった。

論文

低銅原子炉圧力容器鋼の照射脆化特性

鈴木 雅秀; 西山 裕孝

金属, 71(8), p.42 - 45, 2001/08

Cu含有量が少ない原子炉圧力容器鋼材(以後、低銅圧力容器鋼材と呼ぶ)の照射特性について、実験的に検討した結果を紹介し、脆化にかかわる課題について解説した。照射データは全てJMTRを用いて取得したものである。全般的な照射特性としては、シャルピー衝撃特性の変化量($$Delta$$T41J)は小さく、良好な性質を有することがわかるが、鋼材間のばらつきが大きく、鋼材によっては、2$$times$$1019 n/cm$$^{2}$$ (E$$>$$1MeV)の照射で$$Delta$$T41Jが60$$^{circ}C$$を超える。高純度の低銅鋼材に対しては、脆化予測式から判断すればもっと脆化の低減が期待されてもよいものである。低銅鋼材における照射特性の相違、ばらつきは鋼材組織の何を反映しているのかについて、未照射材を用いた検討を行った。この結果、中性子による変化の少ない低銅鋼材ほど微細で高密度の炭化物を有する組織となっていることがわかった。この他、化学成分として窒素の効果等について言及した。

論文

超音波を用いた圧力容器鋼の照射脆化診断法の技術開発

石井 敏満; 大岡 紀一; 新見 素二; 小林 英男*

金属, 71(8), p.20 - 24, 2001/08

JMTRホットラボにおいて、原子炉圧力容器鋼など構造材料について超音波を応用した非破壊的照射脆化診断技術の開発を進めている。これまでに、原子炉圧力容器用A533B cl.1鋼材,不純物Pの含有量を低く調整したA533B cl.1鋼材及びサブマージアーク溶接材の3種類の材質の衝撃試験片をJMTRにおいて523K又は563Kで中性子照射を実施した。これらの試験片について遠隔操作による超音速測定を行い、試験片中を伝わる超音波の音速及び減衰率を求めた。その結果、未照射材に比べて照射材では、横波及び縦波の音速が低下するとともに、縦波の減衰率が上昇することがわかった。また、音速の低下は、中性子照射による鋼材の剛性率及びヤング率の低下に起因することが予測される。更に、シャルピー吸収エネルギーの41Jレベル遷移温度のシフト量が増加するのに伴い横波の音速が低下し、縦波の減衰率が上昇する特性データを得た。

論文

Comparison of transition temperature shifts between static fracture toughness and Charpy-V impact properties due to irradiation and post-irradiation annealing for Japanese A533B-1 steels

鬼沢 邦雄; 鈴木 雅秀

Effects of Radiation on Materials: 20th International Symposium (ASTM STP 1405), p.79 - 96, 2001/07

原子炉圧力容器の健全性評価では、シャルピー衝撃試験から得られる遷移温度シフトが破壊靱性のシフトと等しいと仮定して、照射後の破壊靱性を評価している。そこで本研究では、予き裂シャルピー破壊靱性(PCCy)試験片を用いて求めた破壊磁性シフトとシャルピー遷移温度シフトとの比較を行った。4種類の国産圧力容器用ASTM A533B-1鋼を用い、中性子照射試験はJMTRにおいて、最高13$$times$$10$$^{19}$$(n/cm$$^{2}$$,E$$>$$1MeV)まで実施した。また、照射後焼鈍による脆化の回復挙動についても、双方のシフトを比較した。焼鈍条件は、350$$^{circ}C$$及び450$$^{circ}C$$で100時間である。破壊靱性シフトは、最弱リンク理論に基づくマスターカーブ法を適用して求めた。ばらつきは大きいものの、破壊靱性遷移温度のシフトは、シャルピー試験から求まる遷移温度シフトとほぼ等しいという結果を得た。

論文

軽水炉構造材料の経年劣化; 炉内構造材と圧力容器鋼

塚田 隆; 海老根 典也

日本AEM学会誌, 9(2), p.171 - 177, 2001/06

経年劣化とは、各種機器・材料の時間に依存する劣化を意味し、それはプラント構造物の信頼性・安全性及び使用寿命を決定する主要因である。わが国でも既に運転開始後30年を越える軽水発電プラントが出てきており、軽水炉プラントの高経年化に伴う保全技術開発及びその基礎となる材料の経年劣化機構の研究が重視されている。軽水炉本体を構成する材料は、炉内構造材と圧力容器鋼に大別されるが、これらは高温高圧水と中性子・$$gamma$$線照射という、ほかの工業プラントにはない特殊な環境で使用される。軽水炉における材料の経年劣化は、主にこの特殊な環境の影響が材料に蓄積されることにより生じる。軽水炉の高経年化にかかわり考慮すべき経年劣化事象は、炉内構造物については疲労,応力腐食割れ,照射誘起応力腐食割れ,圧力容器については中性子照射脆化,疲労などであり、これらの現象の機構解明と対策技術の開発研究が進められている。さらに今後は、材料の経年劣化を損傷の発生前に検知すること、それに基づき損傷発生の予防策を講じることが重要となる。本報では、軽水炉の炉内構造材及び圧力容器鋼を対象とし、使用材料と環境、主要な劣化損傷現象について概観し、それらの電磁気的手法による非破壊評価の可能性にも触れる。

論文

磁気問いかけによる原子炉圧力容器の健全性評価と磁気解析の課題

荒 克之*; 海老根 典也

電気学会マグネティックス研究会資料 (MAG-01-55), p.1 - 6, 2001/03

原子炉圧力容器の経年劣化とその磁気的な手法による非破壊計測評価について述べ、それを実現していくうえで重要な課題の一つである「磁気問いかけ」で材料のヒシテリシス磁化特性を同定するという困難な問題を「磁気測定」と「磁界解析」との関係で議論し、それにかかわる研究開発課題についてレビューした。原子炉圧力容器は強磁性を示す低合金鋼で作られており、長期間の供用中に中性子の照射を受け機械的特性が劣化するとともに、その磁気的特性も変化する。そこで圧力容器鋼の磁気的特性の変化を非破壊的に測定し、その結果から圧力容器の材質劣化を評価しようとするのが磁気問いかけ法であり、そこでは磁界解析の支援が必要となる。

論文

超音波を用いた圧力容器鋼材の照射脆化診断法の技術開発

石井 敏満; 大岡 紀一; 星屋 泰二; 小林 英男*

KURRI-KR-62, p.29 - 41, 2001/03

原子力発電プラントの寿命延長により、炉内に装荷されている圧力容器監視試験片の不足が予想される。このため、試験片を再利用し、長期にわたる監視試験データを得るために、非破壊評価方法の適用が検討されている。ホットラボ課では、超音波を用いた圧力容器鋼材などの照射脆化診断法の技術開発を進めている。これまでに、原子炉圧力容器用A533B-1鋼材,不純物Pの含有量を低く調整したA533B-1鋼材及びサブマージアーク溶接材の3種類の材質からなる衝撃試験片をJMTRで照射した後、遠隔操作による超音波測定を行い、照射材中の音速及び減衰率の変化を求めた。その結果、全ての照射材で音速が低下し、減衰率が上昇する傾向が得られた。また、音速低下は照射材のヤング率の低下に起因することが予想された。さらに、シャルピー吸収エネルギーの41Jレベル遷移温度のシフト量増大に対して音速が低下し、減衰率が上昇する傾向が得られた。

報告書

東海ホットラボにおける高温工学試験研究炉用材料の照射後試験

木崎 實; 本田 順一; 宇佐美 浩二; 大内 朝男*; 大枝 悦郎; 松本 征一郎

JAERI-Tech 2000-087, 50 Pages, 2001/02

JAERI-Tech-2000-087.pdf:2.78MB

東海ホットラボでは、四半世紀以上にわたって高温工学試験研究炉用燃料・材料の研究開発のための照射後試験を実施してきており、被覆粒子燃料,アロイ800H,圧力容器鋼材等の開発や選定、安全審査・設計工事認可対応に有用なデータを提供してきた。本報は、HTGRからスタートして最終的にHTTRに至る開発に伴って実施してきた材料関連照射後試験の技術的変遷と試験成果をまとめたもので、高温引張試験,クリープ試験,シャルピー衝撃試験,弾塑性破壊靱性(J$$_{IC}$$)試験,動的破壊靱性(K$$_{Id}$$)試験,スモールパンチ試験,電気化学的腐食試験等について開発整備してきた試験装置,遠隔操作技術,評価技術,及び,耐熱・耐圧材料の高温照射脆化の特徴,さらには、これら材料の研究開発やホットラボ技術の進展への寄与等を概説する。

論文

原子炉圧力容器鋼の破壊靱性評価法に関する検討

鬼沢 邦雄; 鈴木 雅秀

日本機械学会平成12年度材料力学部門講演会講演論文集, p.431 - 432, 2000/10

原子炉圧力容器の高経年化に対応して健全性評価の精度向上に資するため、圧力容器鋼の照射脆化挙動評価に関して、小型試験片による破壊靱性評価法について検討した結果を報告する。試験には、国産の原子炉圧力容器用鋼材を用い、JMTRにおいて中性子照射試験も実施した。ASTMのマスターカーブ法とJEACの破壊靱性評価法を適用し、試験片寸法効果や破壊靱性下限値の評価を行った。本研究から、ASTMの寸法効果補正式が必ずしも十分でないこと、及びシャルピー型試験片により十分下限破壊靱性を評価できることが示された。さらに、中性子照射効果に関しては、ばらつきは大きいものの、破壊靱性遷移温度のシフトが、シャルピー試験から求まる遷移温度シフトとほぼ等しいという結果を得た。

論文

原子炉構造体の経年変化の磁気的非破壊計測評価; 研究の現状

荒 克之*; 海老根 典也

電気学会マグネティックス研究会資料 (MAG-00-182), p.23 - 31, 2000/09

原子炉構造体の経年変化の非破壊計測評価の研究の現状を原研及び日本AEW学会の活動を中心にレビューした。原研では、原子炉圧力容器鋼の磁気的性質と機械的性質に良い相関があることに基づき、磁気問いかけ法が提案され、関連して圧力容器肉盛溶接部厚さ測定法、増分透磁率測定法が研究されている。また、日本AEM学会では、ラウンドロビン試験により、人工的に劣化させた鋼材のヒステリシス磁化特性、バルクハウゼン雑音測定などを行い、有効性を確認している。

論文

Effect of irradiation on fracture toughness in the transition range of RPV steels

鬼沢 邦雄; 飛田 徹; 鈴木 雅秀

Effects of Radiation on Materials (ASTM STP 1366), p.204 - 219, 2000/00

原子炉圧力容器鋼の延性-脆性遷移温度域における破壊靱性評価への照射効果について、予き裂シャルピー破壊靱性(PCCv)試験片を用いて検討した。試験には、4種類の国産圧力容器用ASTM A533B-1鋼を用いた。PCCv試験片に対する中性子照射試験は、JMTRで行った。破壊靱性試験結果に現れた試験片寸法効果を補正するため、最弱リンク理論に基づく補正式を適用した。破壊靱性のばらつきに関しては、ワイブル統計処理に基づく評価を行った。中性子照射は、破壊靱性のばらつきにはほとんど影響しないという結果が得られた。また、ASTMで提案されているマスターカーブ法及び国内の手法を適用し、照射後破壊靱性遷移曲線を評価した。破壊靱性遷移温度のシフトは、シャルピー試験から求まる遷移温度シフトよりもやや大きいという結果を得た。破壊靱性の下限値の評価法についても検討を行った。

論文

Newly developed non-destructive testing method for evaluation of irradiation brittleness of structural materials using ultrasonic

石井 敏満; 大岡 紀一; 加藤 佳明; 齋藤 順市; 星屋 泰二; 芝田 三郎*; 小林 英男*

JAERI-Conf 99-009, p.163 - 172, 1999/09

原子力プラントの寿命延伸に伴う監視試験片数量の減少により、圧力容器鋼などの中性子照射脆化量を合理的に評価する新手法の確立が必要となる。本研究では、超音波を利用した非破壊試験手法を構造材料の照射脆化量の評価に適用するため、中性子照射したA533B1鋼や溶接金属に入射した超音波の音速及び減衰率の評価を行い、これらの超音波伝播特性と41Jシャルピー遷移温度の移行量との関係を明らかにした。その結果、遷移温度の移行量が増大すると超音波の音速が減少し、一方、減衰率が増加する傾向が認められた。特に、超音波横波音速の変化と遷移温度の移行量との間には良い相関があることがわかり、照射脆化量を非破壊的に評価する手法としての超音波法の有効性を明らかにした。

論文

Nondestructive evaluation for characterizing neutron irradiation embrittlement of materials by using ultrasonic technique

石井 敏満; 大岡 紀一; 小林 英男*

Proc. of 2nd Japan-US Symp. on Advances in NDT, p.151 - 156, 1999/00

原子炉圧力容器鋼の経年的な中性子照射脆化量を評価するために炉内に装荷した監視試験片数量の減少が懸念され、監視試験を補う合理的な非破壊試験手法の確立が急務となっている。本報告では、A533B1鋼等の炉内構造材料の照射及び未照射試料に入射した超音波の伝播時間や底面エコー高さを測定した結果をもとにその音速及び減衰率の変化を評価した。照射脆化した材料では、超音波の音速が減少し、一方、減衰率が増加する傾向が認められた。さらに、超音波の横波音速変化と41Jシャルピー遷移温度の移行量との間に良い相関が認められたことから、超音波法が照射脆化量を非破壊的に評価する手法として有効であることを明らかにした。このほか、超音波の伝播時間やエコー高さなどの特性値をホットセル内で、容易かつ高精度に測定するために開発した遠隔操作用の超音波探触子固定治具の概要について紹介した。

論文

Fracture toughness evaluation by precracked Charpy specimens in the transition temperature range of RPV steels

鬼沢 邦雄; 飛田 徹; 鈴木 雅秀

Proceedings of 15th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-15), 4, p.137 - 144, 1999/00

本報告の目的は、原子炉圧力容器の監視試験に適用可能な、小型試験片による破壊靱性評価法について検討することである。延性-脆性遷移温度域の破壊靱性評価に関して、予き裂シャルピー破壊靱性(PCCv)試験片の適用性を検討した。試験には、IAEAの共通鋼材を含む5種類の国産の圧力容器用ASTM A533B-1鋼を用いた。PCCv試験片は、監視試験片である標準のシャルピー衝撃試験片から作製できるために選択した。標準型の1T-CT及び4T-CT試験片を用いた破壊靱性試験も実施した。JMTRにおいてPCCv試験片に対する中性子照射を行い、照射前後の破壊靱性のばらつきがほとんど変化しないことを確認した。さらに、破壊靱性マスターカーブ法を適用して、照射による破壊靱性参照温度のシフトを求めたところ、シャルピー試験から求まる遷移温度シフトよりもやや大きいという結果が得られた。

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