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論文

チェルノブイリ事故と水環境の放射能汚染

松永 武; 長尾 誠也*

水環境学会誌, 25(4), p.193 - 197, 2002/04

チェルノブイリ原子力発電所の事故による水系へのインパクトの明確化と、淡水中での放射性核種の挙動研究という2つの観点から、チェルノブイリ事故による水環境の放射能汚染の状況とその成り立ちについて概説した。事故後の短期・長期における河川・湖沼の汚染の状況を述べ、環境への放射性核種の放出と関係づけた。現在、137Csと特に90Srがチェルノブイリ発電所近傍の河川・湖沼の汚染の主要核種になっていることを核種の放出形態と元素特性から述べた。事故後に取られた水系汚染対策にも説明を与えた。原研が行った現地での研究成果の1つとして、汚染形成に関する核燃料微細粒子の役割、ならびに、河川におけるアクチノイドの移行への溶存有機物の関与を示した。この水系汚染に関する広域的・経時的な研究はチェルノブイル事故固有の汚染形成問題を越えて、放射性核種の水系環境中の振る舞いについての一般的な理解と、さらに、食物連鎖までを含めた「生態圏移行モデル」の検証・改良にもつながっていることを指摘した。

報告書

環境安全総合評価に関する調査研究(I)

松本 史朗*

PNC-TJ1533 91-001, 160 Pages, 1991/03

PNC-TJ1533-91-001.pdf:5.15MB

本調査研究の目的は,環境面から見た核燃料サイクルに係る安全研究の体系化を図り,現在の研究の動向を整理評価することによって,将来にわたって必要な研究を明確にすることである。このため,本年度は上記目的達成のための第一段階として以下の調査を実施した。(1) 年令依存線量係数に関するICRPの検討内容の把握,生態圏移行モデルの検証研究(BIOMOVS)の状況の調査および主要な学術誌を対象とした関連文献の抽出による国内外における研究の動向調査。(2) 他分野の環境研究調査として,最近の酸性雨モデルの検討。また,上記調査を踏まえ,核燃料サイクル各分野の環境安全研究の体系化を図るための基礎的検討を行った。

論文

Performances of assessment models for estimating the transfer of mercury in a lake ecosystem

外川 織彦

保健物理, 26, p.225 - 232, 1991/00

国際共同研究BIOMOVSで提案されたテストシナリオに参加することによって、湖の生態系における水銀の移行・蓄積を推定する評価モデルの性能を検証した。淡水魚中の水銀濃度を予測するために2種類のモデルを開発した。1つは平衡状態の系に適用される濃縮係数を使用した方法であり、他は水中濃度の変化と魚における代謝を考慮したダイナミックモデルである。このシナリオに関しては系における水銀濃度が平衡状態に達していなかったので、第1のモデルによる予測は十分でなかったが第2のモデルはより正確な予測をした。ここで使用された2つのモデルについて適用限界が示唆された。

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