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横山 賢治; 谷中 裕
核データニュース(インターネット), (132), p.25 - 33, 2022/06
日本原子力学会2022年春の年会の企画セッションにおいて報告した高速炉体系におけるJENDL-5の積分ベンチマーク解析の結果について紹介する。日本の評価済核データライブラリJENDLの最新版となるJENDL-5が2021年12月に公開された。JENDL-5の高速炉体系への適用性を確認するため、原子力機構で整備を進めている高速炉核設計基本データベースに含まれる積分実験データを対象としたベンチマーク解析を行った。高速炉の標準的な体系における主要な核特性に対して、JENDL-5の解析値と実験値の比(C/E値)はJENDL-4.0とほぼ同じ値となることを確認した。企画セッションでは、感度解析による分析結果を報告したが、この結果については学会の予稿に記載したので、ここではJENDL-5の開発途中のバージョンの結果を追加し、報告済みの感度解析の結果との関係について議論する。
桑垣 一紀*; 長家 康展
JAEA-Data/Code 2017-007, 27 Pages, 2017/03
これまでJENDL-4.0のU-233体系に対する積分ベンチマークテストは、連続エネルギーモンテカルロコードMVPを使用して、国際臨界安全ベンチマーク評価プロジェクト(ICSBEP)ハンドブックに掲載されている金属燃料高速体系、溶液燃料体系の一部のみで行われていた。本研究では、U-233体系に対する包括的な積分ベンチマークテストを行うため、化合物燃料熱体系(主に格子体系)を含むMVP入力データが未整備の体系についてその入力データを作成し、JENDL-4.0の臨界性に対する予測精度を評価した。その結果、すべての体系において実験値に対して過小評価する傾向があることが分かった。また、ENDF/B-VII.1のU-233熱体系に対する積分テストでは、炉特性パラメータATFF(Above-Thermal Fission Fraction)に対するC/E値の依存性の問題が指摘されており、JENDL-4.0を用いた積分ベンチマークテストにおいてもATFFを計算し、C/E値との依存性を調べた。その結果、JENDL-4.0にENDF/B-VII.1と同様の傾向があることが確認された。
長家 康展; 多田 健一
no journal, ,
原子力機構では、核データの供給から炉心計算までを全て国産コードで取り扱うシステムを整備することを目的として、新規の核データ処理システムFRENDYを開発している。今回、FRENDYモジュールを用いて評価済み核データJENDL-4.0を処理してMVPライブラリを作成し、様々な炉心体系に対して積分ベンチマーク計算を実施した。MVPライブラリ作成コードシステムLICEMで作成された従来のMVPライブラリを用いた計算結果と比較し、ほぼ同等の結果が得られることを確認した。
横山 賢治; 谷中 裕
no journal, ,
日本の評価済核データライブラリJENDLの最新版となるJENDL-5が2021年12月に公開された。JENDL-5の高速炉体系への適用性を確認するため、原子力機構で整備を進めている高速炉核設計基本データベースに含まれる積分実験データを対象としたベンチマーク解析を行った。高速炉の標準的な体系における主要な核特性に対して、JENDL-5の解析値と実験値の比(C/E値)はJENDL-4.0とほぼ同じ値となることを確認した。しかしながら、感度解析の結果から、これは核種・反応毎の改訂の寄与が相殺した結果であることが分かった。一方で、マイナーアクチノイドに関連する一部の核特性においては、JENDL-4.0に比べてC/E値が大幅に改善されていることを確認した。感度解析の結果から、これらの改善効果は、Pu-242, Cm-244の核分裂断面積の改訂、Cm-245, Cm-246の捕獲断面積の改訂の効果であることが分かった。