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新里 忠史; 佐久間 一幸; 飯島 和毅; 中西 貴宏
no journal, ,
近年の激甚化・頻発化する自然災害に伴う放射性セシウム移行挙動を評価するためには、過去に発生した大雨時およびその前後における放射性セシウム流出量や分布データが基礎的な情報として必要となる。長期観測の結果、平成27年9月関東・東北豪雨および令和元年10月東日本台風(台風第19号)の前後において、源流域における渓流水の溶存態セシウム137濃度は季節変動の範囲内であり、河川上流域の森林斜面におけるセシウム137流出率は、林床が被覆されている場合には既往データの範囲内(0.06-0.16%)であった。また、河川中流・下流域においては、空間線量率の測定値および土砂の堆積状況を総合的に考察した結果、いずれの地点でも砂の堆積により線量率が低下しており、河道壁面から流出したセシウム濃度の低い土砂が堆積することで地面が遮へいされ、空間線量率が低下したと考えられる。