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山田 進; 今村 俊幸*; 町田 昌彦; 荒川 忠一*
日本計算工学会論文集, 7, p.243 - 252, 2005/05
ほとんどすべての並列計算機では、データの通信にMPIライブラリを使用する。このMPIには通信処理と演算処理を同時に実行し、通信時間を隠蔽することができる通信命令が用意されている。しかしながら、実際に2つの処理が同時に実行できるかどうかは、計算機のハードウエアの機能やMPIの実装方法に依存しており、多くの計算機で同時に実行することが不可能である。そこで、本研究では共有分散メモリ型並列計算機のノード内並列機能とMPIを組合せて通信処理と演算処理を同時に行う方法を提案した。この方法は単純なプログラムの修正で実現できる。サンプルプログラムに提案方法を適用し、地球シミュレータ,日立SR8000,Compaq AlphaServer上で実行したところ、実際に通信と演算を同時に実行することが確認でき、最大で約1.8倍の高速化が実現できた。また、通信量の多い物理問題(ハミルトニアン行列の対角化)に適用し、地球シミュレータで実行したところ、約1.6倍の高速化が達成できた。