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瀬古 典明; 武田 隼人*; 笠井 昇; 玉田 正男; 長谷川 伸; 片貝 秋雄; 須郷 高信*
JAERI-Tech 2004-075, 51 Pages, 2005/01
放射線グラフト重合技術を利用して合成した繊維状捕集材は、極低濃度の重金属や有害気体成分に対する選択吸着特性に優れている。液相グラフト重合反応によって不織布や織布などの基材に各種金属に対して選択性の高い官能基を導入するためのグラフト重合装置として捕集材合成反応装置を設置した。また、グラフト重合反応と洗浄工程を連続的に処理可能な装置としてガス吸着材合成反応装置を設置した。これら両装置は、グラフト重合の反応可能な酸素濃度までの制御を可能にし、定量的にグラフト物を得ることができた。槽内温度も反応に必要な温度範囲を満たした。連続処理の重要課題である基材の走行は110m/minの範囲での運転を可能にしたことで、この面からもグラフト率の制御を可能なものにした。GMAのグラフト重合反応を行った結果、グラフト率は4070パーセントの範囲で制御できることを確認できた。
高橋 学*; 田中 和也*; 玉田 正男; 青井 透*
環境工学研究論文集, Vol.41, p.229 - 235, 2004/11
放射線を用いるグラフト重合法により、グリシジルメタクリレートを不織布にグラフトさせ、化学処理により金属捕集機能を持つイミノ二酢酸型捕集材を合成した。40Cで2時間グラフト重合させ、グラフト率は170%に増加した。合成したイミノジ酢酸基量が2.1mmol/g-捕集材の捕集材を用いて、鉄イオンとマンガンイオンの吸着性能を評価した。鉄イオンとマンガンイオンの各分配係数は共存イオンの増加によって減少した。鉄イオンとマンガンイオンは、捕集材を充填したカラムを用いて空間速度SV=1000hで完全に除去できた。両イオンの吸着容量は、5回の繰り返し吸脱着試験で80%に減少することがわかった。
玉田 正男; 瀬古 典明; 吉井 文男
Radiation Physics and Chemistry, 71(1-2), p.223 - 227, 2004/09
被引用回数:71 パーセンタイル:96.43(Chemistry, Physical)放射線加工によるグラフト重合と橋かけは汎用性ポリマーを改質するために有力な手法である。グラフト重合では、キレート機能を基材ポリマーに導入することにより金属捕集材を作製した。得られた金属捕集材は海水中のウラン捕集に応用した。グラフト捕集材を使用した3年間の海域試験で1kgのウランを捕集することができた。澱粉やセルロースの誘導体などの天然ポリマーはペースト状態で放射線橋かけしハイドロゲルとなる。これらのハイドロゲルは橋かけ後も生分解性を維持している。生分解性ハイドロゲルのマットは蓐瘡を防止できることから福祉品として有効である。ハイドロゲルは分解により肥料となるため、使用後の処理が容易である。
玉田 正男
環境資源工学, 51(2), p.99 - 101, 2004/04
ポリエチレン製の不織布へ放射線グラフト重合を行い繊維状の金属捕集材を合成した。グラフト重合は基材ポリマーの放射線照射により開始される。照射した基材はモノマーと反応させキレートまたはその前駆体を導入した。前駆体は化学処理により、キレート基へと変換した。得られた繊維状の捕集材は鉛溶液か除去において、空間速度が500hという高い空間速度での使用が可能であった。このキレート捕集材はホタテ加工残渣からのカドミウム除去や焼却炉の洗浄水からの鉛の除去に応用が可能である。
玉田 正男
応用物理, 72(4), p.453 - 456, 2003/04
放射線グラフト重合法は既存の基材ポリマーに目的とする機能を導入することができる優れた手法である。基材ポリマーに放射線を照射して活性種を作成し、グラフト重合を行うが、その手順により、同時照射法と前照射法がある。前照射法はホモポリマーの生成が少なく、照射とグラフト重合の過程が分離できるため、工業化には有利である。金属とキレート結合する官能基を導入することにより、高い選択性有する金属捕集材を作製することが可能となる。作製した捕集材について、海水中の有用金属捕集や排水中の有害金属除去へ応用した例について記述した。
玉田 正男; 笠井 昇; 瀬古 典明; 長谷川 伸; 武田 隼人*; 片貝 秋雄; 須郷 高信
JAERI-Tech 2000-072, 40 Pages, 2000/12
有用金属捕集材実海域試験装置のクッションブイ取付ロープの切断原因について検討し、その対策を記載した。クッションブイは捕集試験装置を固縛する枠ロープを海中2.5mの深さに保持する。全8個のクッションブイそれぞれに2本ずつ計16本あり、4か所でロープの切断が起きた。切断箇所のクッションブイについては、短い周期で水平方向の揺れや回転をすることが観察された。そのため、ロープの引っ張り疲労に加えて曲げ疲労を考慮し強度計算を行った結果、ほぼ切断に至ることがわかった。今まで用いていたポリエチレンロープに換えて、より曲げ疲労に対し優れた強度特性をもつナイロンロープを使用することとした。強度計算により、ナイロンロープの引っ張り及び曲げ疲労強度は2年間の試験期間中は切断の生じない十分な強度を有する。