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山野 秀将; 飛田 吉春
Proceedings of 11th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-11) (Internet), 3 Pages, 2018/11
本研究では、イベントツリー解析を踏まえて、1次元燃料集合体体系および隣接集合体を含む制御棒案内管を対象にした2次元体系を用いて、燃料流出能力を数値解析により調べた。単一集合体解析により、下部遮蔽体領域で燃料閉塞が生じることが示された。これはFPガスがない場合にナトリウムとの接触により燃料が固化されるからである。FPガス放出を仮定すると、溶融燃料は炉心下部へ再配置することが可能であることも示された。次に、CGRT対象解析により、CRGT流路を通じて燃料流出が有意であることが分かった。これはCRGT壁破損直後は燃料温度がまだ高温であること、少量の溶融燃料が侵入するとCRGT内のナトリウムがすぐにボイド化するからである。
大井川 宏之; 飯島 進; 桜井 健; 岡嶋 成晃; 安藤 真樹; 根本 龍男; 加藤 雄一*; 大杉 俊隆
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(2), p.186 - 201, 2000/02
高速炉用断面積の信頼性評価を目的としたFCA臨界実験に基づくベンチマーク計算問題を提案した。対象とした炉心は、金属燃料高速炉模擬炉心のXVI-1及びXVI-2炉心、並びにMOX燃料高速炉模擬炉心のXVII-1炉心である。計算を行う炉物理パラメータは、臨界性、反応率比、プルトニウム及びBCのサンプル反応度価値、ナトリウムボイド反応度価値、Uのドップラー反応度価値である。簡単な2次元拡散計算を行うだけで実験と計算を比較できるように、均質原子数密度と各種の補正係数を与えた。補正係数の妥当性は計算方法及び使用する核データファイルを変更することにより検証した。
大井川 宏之; 飯島 進; 板東 勝*
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(10), p.902 - 913, 1999/10
被引用回数:2 パーセンタイル:21.18(Nuclear Science & Technology)FCAの金属燃料高速炉模擬炉心において軸方向燃料膨張及び径方向燃料湾曲を模擬し、反応度価値を測定した。実験と計算の比較から、一次摂動理論と厳密摂動理論の双方について適用性を評価した。軸方向燃料膨張に関しては、一次摂動と厳密摂動の双方ともに実験値に対して10~20%小さな値を示すことがわかった。この過小評価の傾向はプルトニウムサンプル反応度価値の軸方向C/E値分布の傾向と一致することを示した。径方向燃料湾曲に関しては、一次摂動は厳密摂動に比べて10%程度大きな値を示すことがわかった。軸方向にみて炉心中央近辺では厳密摂動による計算は実験と良く一致するが、炉心の軸方向端面近辺では10%以上の過小評価となることがわかった。
大井川 宏之; 飯島 進; 安藤 真樹
Journal of Nuclear Science and Technology, 35(4), p.264 - 277, 1998/04
被引用回数:6 パーセンタイル:49.07(Nuclear Science & Technology)FCAにおいて金属燃料高速炉及びMOX燃料高速炉におけるナトリウムボイド反応度価値を測定し、計算精度を非漏洩項と漏洩項に分けて検討した。非漏洩項に関しては、JENDL-3.2は実験と良い一致を示し、金属燃料と酸化物燃料は中性子スペクトルが大幅に異なるのにも関らず計算精度の相違は見られなかった。しかし、ボイド領域がプルトニウムと濃縮ウランで構成されている場合は、JENDL-3.2は非漏洩項を約7%過大評価した。さらに、プルトニウムの同位体組成の効果も検討した。漏洩項に関しては、計算精度はセルに占めるボイドの割合で異なることが分かった。ブノアの理論に基づく方向別拡散係数の妥当性を燃料板の方向を換えることによって検証した。さらに、ナトリウムボイド反応度低減のためにナトリウムプレナムを備えた高速炉の設計概念についても計算精度を検証した。
桜井 健; 根本 龍男
JAERI-Research 95-054, 36 Pages, 1995/08
原研FCAに構築した1つのMOX燃料高速炉模擬体系と2つの金属燃料高速炉模擬体系において、増殖性能指標として重要なU捕獲反応/Pu核分裂率比(C8/F9)とU捕獲反応/U核分裂率比(C8/F5)の測定を箔放射化法により行い、セル平均の反応率比を実験誤差2~3%(1)で求めた。解析はJENDL3.2核データライブラリーに基づくJFS3-J3.2群定数セットを用いて行った。さらに、用いた箔放射化自体の実験精度の確認を目的として、京都大学研究炉重水設備の標準熱中性子場においてC8とF5反応率を実験誤差1~1.5%で測定した。測定結果を、精度良く評価されている熱中性子断面積と熱中性子束より得た反応率(基準値)と比較した。FCAの3つの模擬炉心いずれにおいても、計算と実験値の比(C/E)は、C8/F9に関しては1.01~0.99であり、C8/F5に関しては1.02~1.01であった。標準熱中性子場におけるC8及びF5反応率の測定値は、それぞれ基準値と実験誤差内で一致した。
大井川 宏之; 岡嶋 成晃; 向山 武彦; 佐藤 邦雄
JAERI-M 92-113, 36 Pages, 1992/08
金属燃料高速炉を模擬したFCAXVI-1及びXVI-2炉心において、天然ウランサンプルのドップラー反応度価値をサンプル加熱法により測定した。金属燃料高速炉特有の硬い中性子スペクトル場においては、JFS-3-J2を用いたこれまでと同じ計算は、40.9keV以上の高エネルギー領域のドップラー効果を考慮できないため過小評価を招くことが判った。Uの共鳴領域を149keVまで考慮しているENDF/B-VIを用いて計算値にこのエネルギー領域の寄与分の補正を加えたところ、金属サンプルで13%、酸化物サンプルで8%程度ドップラー反応度価値の計算値は大きくなり、金属燃料炉心の解析のためにはJFS-3-J2でも40.9keV以上のエネルギー領域での共鳴を取り込む必要があると考えられる。補正後のC/E値は0.6~1.0の間に広く分布しており、実験誤差を考慮しても依然として計算は実験よりも小さなドップラー反応度価値を与える。
大井川 宏之
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(11), p.1058 - 1060, 1991/11
金属燃料高速炉におけるUのドップラー効果に対する高エネルギー中性子の寄与を計算により評価した。日本で高速炉の設計に標準的に使われいる群定数セットJFS-3-J2には40.9keV以上のエネルギー領域でUの共鳴が無視されているが、スペクトルが硬い金属燃料高速炉では40.9keV以上の中性子によるUのドップラー効果が大きな寄与を持つと考えられる。そこで、燃料温度の変化によるUの捕獲反応断面積のドップラー効果による変化を高エネルギー領域に外挿することにより、40.9keV以上の寄与を計算した。その結果、金属燃料高速炉では約20%以上の寄与があり、酸化物の場合の約4倍の効果があることが判った。この効果をFCAにおけるドップラー反応度測定の解析に適用したところ、金属燃料高速炉模擬炉心であるXVI-1炉心で、C/Eが0.62から0.82に改善された。この効果は酸化物炉心の場合のC/E=0.85~0.99も改善の方向へ向かわせる。
大釜 和也; 原 俊治*; 太田 宏一*; 永沼 正行; 大木 繁夫; 飯塚 政利*
no journal, ,
柔軟性の高いMA回収・核変換技術開発の一環として、全炉心に約20wt%の高濃度MA含有金属燃料を装荷できる高効率MA核変換用SiC/SiC複合材装荷金属燃料炉心を構築した。