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阪井 英次
放射線, 10(2-3), p.93 - 99, 1984/00
1962年にFreckらがp型Ge単結晶にLiをドリフトして圧さ1.5mmのプレーナ型Ge(Li)検出器を作り,Csの661keV線ピークを半値幅21keV(真空管増幅器)を得て以来20年以上を経過した。1965年頃のTavendaleらの同軸型構造の考案で大体積の有感領域を持つ検出器が作られ,その頃出現した電界効果型トランジスタ(FET)を初段に用いた前置増幅副器と組み合わせて高分解能線スペクトル測定が実現された。しかしGe(Li)検出器には室温に戻すと特性が劣化するという問題点があり,General Electric(GE)社のHallが1966年に高純度Ge検出器を提案した。不純物濃度|N-N|(cm)のGe単結晶を用いて作った表面障壁型またはpn接合型の第オートに逆方向バイアス圧力V(V)を印加した場合にできる空乏層の厚さd(cm)はd=4.20810√V/|N-N|となる。d=1cm,V=1000Vの場合|N-N|=1.7710cmcmとなる。
大島 真澄; 石井 三彦
JAERI-M 9081, 14 Pages, 1980/09
インビーム線分光用にアンチ・コンプトン/ペア両用型分析器を製作した。装置は高純度ダルマニウム検出器(54cm)とNaI(Tl)シンチレーション・カウンター(20cm22cm)とから成る。アンチ・コンプトン型分析器としてはCoの線に対するコンプトン・スペクトルを約1/8に削減することが出来る。また本分析器は、陽電子消滅に対応する波高分布とコンプトン散乱に対応する波高分布との間の相違を検知することにより、ペア・スペクトロメーターとしての機能をも果す。この場合、シングル・スペクトルとの比較で相対効率1/8を有し、コンプトン・スペクトルを1/20に削減する。
石井 三彦; 大島 真澄; 松崎 幀市郎*; 武谷 汎*
JAERI-M 8069, 21 Pages, 1979/02
高純度ゲルマニウム検出器素子に、特殊な構造「バッファーリング」を持たせることによって、その逆耐電圧特性を著しく改善することが出来た。この報告ではバッファーリングを有する素子の製作方法を詳細に述べる。また これらの素子を用いて線検出器を完成させるために、高性能で簡便な真空ポンプ兼クライオスタットを開発した。
阪井 英次
JAERI-M 7321, 14 Pages, 1977/10
本報告書はInternational Electrotechnical Commission(IEC)の文書45(Central Office)108(1977年6月)「Test Procedures for High-Puvity Germanium Detectors for X and Gamma Radiation」の日本語訳である。本文書成立の事情についても触れた。
阪井 英次
放射線, 4(3), p.37 - 43, 1977/03
国際電子技術委員会(IEC)が6ヶ月ルールで1977年6月に発刊したIEC文書45(central office)108「X線、ガンマ線用高純度ゲルマニウム検出器の試験方法」と題する規格の内容、歴史的背景などを紹介した。この文書は、本文8章、図面2、表1からなっている英文11頁、佛文11頁のものである。範囲、目的、序論、温度サイクル可能性、完全電圧、スキャニング、X線、ガンマ線検出器用の追加試験方法、高エネルギーガンマ線検出器の追加試験方法の章があり、高純度ゲルマニウム検出器特有の温度サイクル可能性、完全電圧の測定方法などのほかに、X線検出器としての特性に関する試験方法、コリメートガンマ線ビームの使用が説明されている。
阪井 英次; 片桐 政樹
IEEE Transactions on Nuclear Science, 24(1), p.73 - 77, 1977/01
被引用回数:267cm clossed-end同軸型高純度ゲルマニウム・ガンマ線検出器のパルス波高の線源位置依存性を調べた。Na-22線源を検出器の軸上に置いて検出器に近づけたとき、線源検出器間距離20cmから1274keVガンマ線ピークの中心エネルギーは減少し始め、1.5cmで44eVパルス波高が減少した。検出器の中心を通り検出器の軸と直交する線上で線源を検出器に近づけたとき、1274keVガンマ線ピーク中心はほとんど変化しなかった。この傾向は、著者らが以前に調べた73.2cm closed-end同軸型Ge(Li)検出器と類似していた。 このパルス波高の減少の程度は、増幅器の時定数を増したとき、小さくなった。また、パルスの立上り時間が線源位置に依存することが判り、これがパルス波高の線源位置依存性をもたらす原因の1つであることを結論できる。