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今野 力
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(1), p.121 - 126, 2024/01
被引用回数:1 パーセンタイル:63.33(Nuclear Science & Technology)JENDL-4.0/HEの中性子と陽子ACEファイルは2017年に作られ、そのうちの22核種の中性子ACEファイルと25核種の陽子ACEファイルがPHITSコードと一緒に公開されている。最近、JENDL-4.0/HEの中性子と陽子ACEファイルに入っている以下の5つのデータに問題があることが見つかった; Nと
OのACEファイル、発熱数、損傷エネルギー生成断面積、2次中性子多重度、核分裂断面積。そこで、これらの問題を修正したJENDL-4.0/HEの新しい中性子と陽子ACEファイルを作成した。この論文では問題点及び新しい中性子と陽子ACEファイルをどのように作成したかについて詳述する。
今野 力; 佐藤 聡; 太田 雅之; 権 セロム; 落合 謙太郎
Fusion Engineering and Design, 109-111(Part B), p.1649 - 1652, 2016/11
被引用回数:8 パーセンタイル:59.58(Nuclear Science & Technology)今回、最新の核データJENDL-4.0, ENDF/B-VII.1, JEFF-3.2, FENDL-3.0の公式のACEファイルにあるKERMA係数, DPA断面積を詳細に調べたところ、以下の問題点を見つけた。(1)核データの誤りやNJOYコードのバグにより、低エネギー中性子でエネルギーが小さくなるにつれてKERMA係数, DPA断面積が大きくならない。(2)低エネルギー領域で非常に大きなヘリウム生成断面積により非常に大きなKERMA係数, DPA断面積になる。(3)NJOYコードはFile12-15ではなくFile6に捕獲反応の線データが入っていると正しく処理できないようである。(4)運動学的手法のKERMA係数は、2次粒子の詳細なデータがないと正しくない。本研究をもとにこれらの問題を解決すべきである。
古田 琢哉; 橋本 慎太郎; 佐藤 達彦
医学物理, 36(1), p.50 - 54, 2016/00
放射線輸送計算コードPHITSを医学物理計算に用いる一例として、放射線治療計画を目的としたシミュレーションがある。通常、治療計画シミュレーションでは、患者CTデータを読み込んでコンピュータ上の仮想空間に患者体系を構築し、外部から照射される治療ビームの輸送計算を実行することで患者体系内での線量分布を計算する。しかし、CTデータから患者位置やCT値の分布などの情報を取得して患者体系を構築すること、非常に複雑で医療用加速器メーカーが公開していない加速器部分をシミュレーションすることは容易ではない。そこで、患者CTデータを用いて患者体系をPHITS形式で構築するためのプログラムDICOM2PHITS、医療用加速器から放出される粒子プロファイルをまとめたIAEA phase-space fileをPHITSで使用可能とするプログラムPSFC4PHITSを開発した。本解説では、これら2つのプログラムについて解説するとともに、プログラムで構築した体系および変換した線源をPHITSコードに組み込み、放射線輸送計算により検証した結果を示す。
飯田 健*; 富岡 雄一*; 吉本 公博*; 緑川 正彦*; 塚田 裕之*; 折原 操*; 土方 泰斗*; 矢口 裕之*; 吉川 正人; 伊藤 久義; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 41(2A), p.800 - 804, 2002/02
被引用回数:15 パーセンタイル:52.22(Physics, Applied)SiCは高周波、高パワー,高温,放射線照射下等、過酷な環境下で動作する素子用材料として優れた物性を持つ。また熱酸化で表面にSiO層が形成されMOS構造が作製できるが、酸化層/SiC界面には欠陥が多いため、物性値から期待される性能が得られない。そこで本研究では、分光エリプソメーター(SE)を用いて、その界面欠陥の発生原因を光学的に追究した。試料には、SiC基板を乾燥酸化して得た60nm程度の酸化膜を用いた。これをHF溶液を用いて斜めにエッチングし、酸化膜の光学的周波数分散特性を、膜厚をパラメータとして測定した。得られた値は、セルマイヤーの式を用いたカーブフィッティング法により、屈折率に変換した。その結果、SiC上の酸化層の見かけの屈折率は、Si酸化膜より小さくなった。また、屈折率は酸化膜厚の減少と共にも小さくなり、膜厚が1nm程度では1にまで近づいた。この屈折率の膜厚依存性は、酸化層がSiO
層と高屈折率界面層から成ると仮定することで説明できる。このことから、酸化層/SiC界面には屈折率の高い界面中間層が存在し、それらが界面欠陥を発生させていると推定された。
山根 剛; 土橋 敬一郎*
JAERI-Data/Code 99-011, 46 Pages, 1999/03
CVTRANコードは2次元Sn輸送コードTWODANT用にその標準入出力ファイルの一つXSLIBの形式で巨視的断面積を準備する。入力ファイルはSRACで作成しPDS形式で納められた断面積ファイルである。SRACコードシステムはすでにLANLで作成された2次元Sn輸送コードTWOTRANが収容されているが、オリジナル版にあったサーチ、密度サーチ、厚みサーチやいろいろの出力編集機能が削除されている。TWODANTが発表されて以来、その短い計算時間、収束の早さ、豊富な出力編集機能は利用者にとって魅力的である。このCVTRANコードは巨視的断面積をカードイメードファイルXSLIBに用意することで、SRACの利用者はTWODANTを容易に利用できる。CVTRANコードはさらに、CVLIBと名づけた別のカードイメージファイルに、物質依存の核分裂スペクトル、群別の中性子速度、エネルギー群境界や物質名を書き込む。これらはTWODANTの入力に、cut-and-paste操作で、利用できる。
曽我 猛; 大和田 謙
Spectrochimica Acta, Part A, 55(7-8), p.1337 - 1345, 1999/00
ヂメチルスルホオキシド中の酢酸ウラニルの共鳴ラマンスペクトルを測定した。アルゴンイオンレーザーの10本の励起線の波長変化(528.9-454.5nm)に対して、829cmに観測されたウラニルの全対称伸縮振動の相対強度をプロットし、f-fラポルト禁制電子遷移の共鳴ラマンのプロフィールを得た。この励起プロフィールをTransform Theoryに基づいて考察した。その結果、電子的励起状態(
g)でのウラニルの結合距離は基底状態(
)と比較して0.068
伸びていた。
大和田 謙; 高橋 昭; 藤沢 銀治
Spectrochimica Acta, Part A, 52, p.149 - 156, 1996/00
アルゴンイオンレーザーの10本の励起線(528.7、514.5、501.7、496.5、488.0、476.5、472.7、465.8、457.9、454.5nm)を用いて、アセトン溶液中の硝酸ウラニルの共鳴ラマンスペクトルを室温で測定した。レーザー励起線の波長変化に対し、863cmに観測されるウラニル全対称振動の比較強度をプロットすることによって、共鳴ラマン効果の励起プロフィールを得ることができた。ウラニル全対称伸縮振動の励起プロフィールは電子吸収スペクトルに現れる振電構造に類似しており、この励起プロフィールをTang-Albrechtの理論に基づいて簡単に考察した。また、ウラニル全対称伸縮振動の散乱強度を考察して、電子的励起状態におけるウラニルイオンの平衡構造を明らかにした。
小出 芳彦; 石田 真一; 逆井 章; 白井 浩; 平山 俊雄; 久保 博孝; 杉江 達夫; 船橋 昭昌
Nuclear Fusion, 33(2), p.251 - 261, 1993/00
被引用回数:13 パーセンタイル:45.50(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60の高イオン温度モードで観測されたピークしたイオン温度分布Ti()とトロイダル回転速度分布Vt(
)の特性を調べるために、安全係数を4.5から15の範囲でスキャンした。その結果、Ti(
),Vt(
)のピークした部分は局所的に形成されており、その境界は安全係数に依存した。高イオン温度モードにおける閉込め改善の領域はTi(
)のピークとして現れるq=3面で決まっており、その閉込めの良い領域が十分広くなった結果、巨視的閉込めの改善となって観測されたことが解った。
小出 芳彦; 石田 真一; 逆井 章
JAERI-M 91-041, 8 Pages, 1991/03
イオン温度とトロイダル回転速度の空間分布測定により、これらが整数モード有理面の内側でピークする事がわかった。JT-60で得られた高イオン温度モードでは、q=2面からq=3面内のピークへと、プラズマが自発的に移行することがわかった。
中川 正幸; 阿部 純一*; 佐藤 君英*
JAERI-M 83-066, 74 Pages, 1983/04
高速炉の核特性解析に汎用されるコードをシステム化し、使用効率を高め、エラーを少くするように工夫した。システムに含まれる主なコードは、実効断面積計算用として、EXPANDA-G,SLAROM,ESELEM5を用い、ここで作成した断面積は全て統一された形式で、PDSファイルに記憶される。核計算コードは、CITATION-FBR,ANISN-JR,TWOTRAN2.MORSE,CIPER,SNPERT,PHENIX,3DBであるが、これらを継ぐインターフェイスプログラムとしてJOINTコードが開発された。その他にサービスプログラムと、ユーティリティプログラムがシステムに含まれる。これらを組合せて用いることにより、高速炉の殆どの核特性量が計算可能となった。