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高田 弘
Plasma and Fusion Research (Internet), 13(Sp.1), p.2505013_1 - 2505013_8, 2018/03
大強度陽子加速器施設(J-PARC)のパルス核破砕中性子源は、以下に示す独自の特長を有するモデレータを用いて高強度かつ幅の狭いパルス状の冷中性子を供給している。独自の特長とは、(1)100%比率のパラ水素を用いることでピークが高くテイル成分の低い中性子パルスをつくる、(2)直径14cm、高さ12cmの円筒形状とすることで、50.8という広い取り出し角度範囲で高強度の中性子を利用できる、(3)銀-インジウム-カドミウム合金製の中性子吸収材を使用し、幅が狭く、テイル成分の低い中性子パルスをつくる、というものである。実際、低出力運転時の測定によって、1MWの運転時には、結合型モデレータで4.5
10
n/cm
/s/srの中性子束が得られ、ポイズン型モデレータを使用する中性子実験装置(BL08)では
d/d 0.035%の優れた分解能が得られることを確認した。ここで、dは結晶試料内のある方向の格子面と中性子の入射方向とのなす角度に垂直な方向の面間隔を意味する。1MWで年間5000時間の運転を行うという目標の達成に向けて、現在、微少気泡を水銀ターゲットに注入し、ターゲット容器に生じるキャビテーション損傷を抑制する技術開発やターゲット容器構造を溶接部やボルト接続をできるだけ減らす設計改良を行っている。
勅使河原 誠; 池田 裕二郎; 大井 元貴; 原田 正英; 高田 弘; 柿白 賢紀*; 野口 学*; 島田 翼*; 清板 恭一*; 村島 大亮*; et al.
Nuclear Materials and Energy (Internet), 14, p.14 - 21, 2018/01
被引用回数:1 パーセンタイル:9.77(Nuclear Science & Technology)J-PARCの1MWパルス中性子源では、中性子パルスの成形に用いるデカップラとして、異なる共鳴吸収材から構成し、1eVと高い中性子吸収エネルギーを有するAg-In-Cd合金を開発した。このデカップラによりパルス成形された中性子は、粉末解析の実験装置において最高分解能を更新したが、中性子照射によって生成される長半減期の108mAgの放射能が高いため使用済み機器の取扱においては短所であった。そこで、放射能を大幅に減らす代替材としてAuを使用したAu-In-Cd材の開発を行ってきた。しかしながら、実機のモデレータ・反射体に実用化する上で、大型のAu-In-Cd板と構造材のA5083材とをHIP接合し十分な接合強度を得ることが課題であった。本研究では、Au-In-Cd材の表面状態、大型化した熱容量の変化による接合部界面温度に関わる検討を行い、実規模大のHIP接合において、最適接合条件を見つけることができた。この結果、反射体へのAu-In-Cd材の実用化に成功し、中性子性能を損なわず、大幅な放射能低減の見通しを得た。
勅使河原 誠; 原田 正英; 斎藤 滋; 及川 健一; 前川 藤夫; 二川 正敏; 菊地 賢司; 加藤 崇; 池田 裕二郎; 直江 崇*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 356(1-3), p.300 - 307, 2006/09
被引用回数:10 パーセンタイル:55.89(Materials Science, Multidisciplinary)現在、J-PARCで建設が進められている核破砕中性子源において、パルス特性を向上させるために熱中性子吸収材としてAg-In-Cd合金が採用された。一方、熱除去及び冷却水による浸食の観点からAg-In-Cd合金をAl合金(Al5083)で被覆する必要があり、Ag-In-Cd合金とAl5083と接合に関する開発が急務になった。そこで、HIP(熱間等方圧延)を用いてAl5083と3元系Ag-In-Cd合金との接合に関する試験を行った。小試験片(20mm)において良い接合条件が見つかり、接合領域にAlAg
生成による硬い相の形成が見られるものの、必要とされる機械的強度(20MPa)より大きい結果が得られた。実機を模擬した大型試験片(200
200
30mm
)においても、接合が成功し、小試験片と比較して機械的強度が多少落ちるが必要とする強度を満足した結果が得られた。
永瀬 文久; 上塚 寛; 大友 隆
JAERI-Research 95-085, 48 Pages, 1995/11
軽水炉のシビアアクシデント時における炉心溶融の初期段階を解析するために必要な基礎データを得る目的で、炉心構成材料間の高温反応試験で生成した反応相のSEM-EDX/WDXによる元素定量分析を行った。分析の対象としたのは、i)ジルカロイ-4/インコネル-718、ii)ジルカロイ-4/ステンレス304鋼、iii)Ag-In-Cd合金/ジルカロイ-4、iv)BC/ジルカロイ-4、及びv)B
C/ステンレス304鋼の各反応で生じた反応相である。分析結果は、反応開始温度や反応速度の温度依存性の不連続点が共晶生成現象と強く関連していることを示した。
上塚 寛; 永瀬 文久; 大友 隆
Transactions of the American Nuclear Society, 69, p.309 - 310, 1993/00
軽水炉の炉心部品の一つである制御棒の溶融は、シビアアクシデント時における炉心損傷の進展に大きな影響を及ぼす可能性が指摘されている。しかし、制御棒の溶融現象を解析するために必要な材料の高温反応についての信頼できるデータはほとんどない。そこで、制御棒を構成する材料であるAg-In-Cd合金、BC、ジルカロイ、ステンレス鋼について、反応対を用いて高温における反応を試験した。調べた反応系は、B
C/SS,B
C/Zry,Ag-In-Cd/ZryおよびZry/SSである。多くの場合、反応は界面に形成された共晶層の成長によって進展した。いずれの反応においても、反応量と時間の間にほぼ二乗則が成立することがわかった。実験データに基づいて、反応速度式と反応の見かけの活性化エネルギーを求めた。
永瀬 文久; 大友 隆; 上塚 寛; 古田 照夫
JAERI-M 92-179, 31 Pages, 1992/11
ジビアアクシデント時におけるPWR用銀-インジウム-カドミウム制御棒合金とジルカロイの反応は、集合体溶融に大いに影響を及ぼすし、著者らはジルカロイ-4と制御棒合金の反応を調べすでに報告をした。この複雑な反応系のメカニズムを探るために、合金の主成分である銀とジルカロイ-4を、アルゴン中1273~1473Kで等温加熱しジルカロイの溶解挙動を調べた。本実験の結果と制御棒を用いた試験の結果を比較し、インジウムの寄与を考察した。反応速度は制御棒合金を用いた反応と同様に、試験温度の上昇とともに増大したが、低温側で制御棒材/ジルカロイ反応に比べて小さかった。この差は主に銀と制御棒合金の融点の差によるものと考えられる。1473Kでは2つの反応速度はほぼ同等であった。反応時間の経過に伴うジルカロイの肉厚減少はほぼ2乗則に従った。各温度での反応速度定数と見かけの活性化エネルギ580.8kJ/molを求めた。
永瀬 文久; 大友 隆; 上塚 寛; 古田 照夫
JAERI-M 92-001, 28 Pages, 1992/02
加圧水型軽水炉のシビアアクシデント時における、溶融した制御棒合金とジルカロイの反応性を調べるために、銀-インジウム-カドミウム制御棒合金とジルカロイ-4を、アルゴン中、1273K~1473Kの温度範囲で等温反応させた。反応速度は試験温度の上昇とともに増大し、1473K60秒間の反応でジルカロイの肉厚は約1mmが減少した。反応時間の経過にともなうジルカロイの肉厚減少はほぼ2乗則に従った。各温度での反応速度定数を求めるとともに、反応の見かけの活性化エネルギ約334KJ/molを求めた。また、反応試験後、金属顕微鏡やEPMAを用いて反応相の金属組織や元素の移動を調べた。
上塚 寛; 大友 隆
JAERI-M 89-150, 27 Pages, 1989/10
加圧水型軽水炉のシビアアクシデント時における制御棒材料の蒸発挙動を調べるために、80%銀-15%インジウム-5%カドミウム合金を、アルゴン中で1073~1673kの温度に加熱し、60~3600秒間等温保持した。この合金の溶融温度は1123~1173kの範囲であり、溶融温度より低い温度での蒸発量は極めて少量であった。高温における保持時間3600秒という条件に対して、蒸発による試料の重量減少は、1123kで0.5%、1673kで8.2%であった。カドミウムは、試料を1173k以上に昇温させた場合に100%放出された。一方、銀は1473k以下の温度では全く放出されなかった。試験条件の範囲においては、この合金の構成元素のうちで最も蒸発性の高いのはカドミウムであり、低いのは銀であることが確かめられた。試験結果は、元素の放出速度と全放出量の時間依存性が強いことを示した。
大井 元貴; 原田 正英; 勅使河原 誠
no journal, ,
J-PARCの中性子源施設は日本の1MWパルス核破砕中性子源である。3台の液体水素減速材が設置されており、そのうちの1台は大強度型、残り2台はショートパルス型減速材である。ここでは、中性子パルスを短くするために、デカップラーと呼ばれる中性子吸収材を減速材周辺に配置している。デカップラーの性能は、中性子カットオフエネルギー(Ed)で表される。J-PARCでは、Ag-In-Cd合金により、1MW核破砕中性子源において1eVのカットオフエネルギーを実現している。その一方で、放射線損傷やデカップラーの燃焼のためにこれらの減速材や反射体の交換が必要である。2台目の減速材と反射体において、低放射化材であるAu-In-Cd合金デカップラーを開発した。Au-In-Cdデカップラーのカットオフは、1eVであり、その放射化量はAg-In-Cd合金に比べると3桁小さい。我々はAu-In-Cd合金を自ら作成・加工を加え、減速材と反射体として完成させた。