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報告書

燃料デブリ取出し時における放射性核種飛散防止技術の開発(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*

JAEA-Review 2022-010, 155 Pages, 2022/06

JAEA-Review-2022-010.pdf:9.78MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「燃料デブリ取出し時における放射性核種飛散防止技術の開発」の平成30年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである(令和3年度まで契約延長)。本課題は令和3年度が最終年度となるため4年度分の成果を取りまとめた。本研究は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出し時に発生する放射性微粒子を着実に閉じ込めるために、気相及び液相における微粒子の挙動を明らかにするとともに、微粒子飛散防止技術を開発することを目的としている。具体的には、微粒子飛散防止技術として、(1)スプレー水等を利用して最小限の水で微粒子飛散を抑制する方法、及び(2)燃料デブリを固化して取り出すことで微粒子飛散を抑制する方法について、実験及びシミュレーションにより評価し、実機適用可能性を評価した。

論文

Simulation of the self-propagating hydrogen-air premixed flame in a closed-vessel by an open-source CFD code

Thwe, T. A.; 寺田 敦彦; 日野 竜太郎; 永石 隆二; 門脇 敏

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(5), p.573 - 579, 2022/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

高レベル放射性合水廃棄物容器内発生している水素の燃焼及び爆発の危険性について注意する必要がある。本研究では、密閉容器内での水素燃焼の特性を調査するためにオープンソースコードOpenFOAMを使用してシミュレーションを行い、初期火炎速度の影響による火炎面の挙動を調べた。初期の層流火炎速度が増加すると、火炎の半径,圧力,温度が増加し、流体力学的効果によりセル状火炎形状は堅牢になったことが分かった。コードの検証分析のために既存の水素-空気爆発実験から導出した火炎速度モデルをコードに実装し、火炎面に格子解像度の影響を明らかにした。格子サイズが小さくなると、火炎面のセル分離がより明確に形成され、火炎半径が大きくなった。シミュレーションによって得られた火炎半径とセル状火炎面は実験結果と合理的に一致した。

論文

Development of an ${it in-situ}$ continuous air monitor for the measurement of highly radioactive alpha-emitting particulates ($$alpha$$-aerosols) under high humidity environment

坪田 陽一; 本田 文弥; 床次 眞司*; 玉熊 佑紀*; 中川 貴博; 池田 篤史

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1030, p.166475_1 - 166475_7, 2022/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.07(Instruments & Instrumentation)

福島第一原子力発電所(1F)の長期的な廃止措置において、損傷した原子炉に残存する核燃料デブリの取り出しは、技術的に多くの困難を伴う不可避の重要課題である。デブリ取り出しは機械的な切断を伴い、$$alpha$$放射性核種を含む微粒子($$alpha$$エアロゾル)が高濃度で発生し、吸入時の健康リスクが大きい。1Fの解体・廃止措置における作業員の放射線被ばくを最小化するためには、粒子の発生場所である原子炉格納容器(PCV)内における$$alpha$$エアロゾルの濃度を監視することが重要である。このため、$$alpha$$エアロゾルのin-situモニタリングシステム(in-situ alpha air monitor: IAAM)を開発し、1Fの実環境で想定される条件下でその技術的性能を検証した。IAAMは次の4つの技術的要求を満たすことが確認された。(1)高湿度下での安定動作、(2)フィルターレス動作、(3)高計数率の$$alpha$$線測定能力、(4)高バックグラウンドの$$beta$$/$$gamma$$線下でも$$alpha$$線が選択的に測定できること。IAAMは、高湿度環境(相対湿度100%)及び$$beta$$/$$gamma$$線高バックグラウンド(最大100mSv/hの$$gamma$$線)下で、濃度3.3 $$times$$ 10$$^{2}$$ Bq/cm$$^{3}$$以上の$$alpha$$エアロゾルを計数の飽和なしに、選択的に測定することが可能であることが確認された。これらの結果は、IAAMが燃料デブリの解体時及び1Fの長期的な廃止措置全体において、信頼性の高い$$alpha$$エアロゾルのモニタリングシステムとして利用できる可能性を示すものである。

報告書

令和2年度東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の分布データの集約(受託研究)

福島マップ事業対応部門横断グループ

JAEA-Technology 2021-025, 159 Pages, 2022/01

JAEA-Technology-2021-025.pdf:46.66MB

東京電力(株)福島第一原子力発電所(福島第一原発)事故による放射性物質の分布状況を平成23年6月より調査してきた。本報告書は、令和2年度の調査において得られた結果をまとめたものである。空間線量率については、走行サーベイ、平坦地上でのサーベイメータによる定点測定、歩行サーベイ及び無人ヘリコプターサーベイを実施し、測定結果から空間線量率分布マップを作成するとともにその経時変化を分析した。放射性セシウムの土壌沈着量に関しては、in-situ測定及び土壌中深度分布調査をそれぞれ実施した。さらに、これまで蓄積した測定結果を基に空間線量率及び沈着量の実効半減期を評価した。測定箇所の重要度分類のためのスコア化の検討では、福島県及び福島第一原発から80km圏内でのスコアマップを作成するとともに、多年度のモニタリングデータを使用した場合のスコアの変化要因について考察した。実測データの統合的解析では、階層ベイズ統計手法を用いて、航空機サーベイ、走行サーベイ、歩行サーベイにより取得した空間線量率分布データを統合し、福島第一原発から80km圏内を対象とした統合マップ及び解析対象を福島県全域に広げた統合マップを作成した。これらの他、「放射線量等分布マップ拡大サイト」への令和2年度の測定結果の公開、総合モニタリング計画に基づく放射線モニタリング及び環境試料分析測定データのCSV化を実施した。

論文

Comparison of dose rates from four surveys around the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant for location factor evaluation

眞田 幸尚; 石田 睦司*; 吉村 和也; 三上 智

Journal of Radiation Protection and Research, 46(4), p.184 - 193, 2021/12

[背景] 9年前の福島第一原子力発電所事故により放出された放射性核種は、現在も様々な研究チームや日本政府によりモニタリングが行われている。異なる調査結果を比較することで、被ばく量や当該地域の都市環境における放射性セシウムの挙動メカニズムを評価することができる。そこで、本研究ではビッグデータを用いて、土地利用と周辺線量率(空間線量率)の時間変化との関係を明らかにした。[材料と方法] FDNPPの80km圏内に1$$times$$1km$$^{2}$$のメッシュを連続して設定し、異なる調査結果を比較検討した。そして、すべての調査メッシュから解析データセットを作成し、空間線量率の時間変化を解析した。選択したメッシュには、歴代の調査キャンペーンで得られたすべての調査タイプ(空中,定点,バックパック,車載)のデータが含まれている。[結果と考察] 次に、このデータセットを用いて測定対象に依存する各調査結果の特徴を評価した。データセット解析の結果、例えば、カーボーン調査の視野は舗装道路に限定されるため、カーボーン調査の結果は他の調査結果よりも小さくなることがわかった。また、4つの調査方法の特徴を考慮し土地利用の違いによる立地要因の評価も行った。FDNPP事故後9年経過した時点で立地係数は0.26から0.49の範囲にあり、空間線量率の半減期は0.5秒であった。

報告書

HAIROWorldPluginマニュアル

鈴木 健太; 阿部 文明; 八代 大; 川端 邦明

JAEA-Testing 2020-009, 254 Pages, 2021/03

JAEA-Testing-2020-009.pdf:18.61MB

本稿は、日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)が開発したHAIROWorldPluginのマニュアル(利用手順書)である。原子力機構楢葉遠隔技術開発センターでは、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所におけるロボットを用いた遠隔による廃炉作業を支援するための技術として、ロボット等の動力学シミュレーションが可能なオープンソースソフトウェアであるロボット用統合GUIソフトウェアChoreonoidを基盤としたロボットシミュレータを開発している。HAIROWorldPluginは、ロボットの遠隔操作により行われる廃炉作業を模擬するための機能を提供するChoreonoidの拡張機能である。具体的には、我々がこれまでに開発を行った水中ロボットの挙動、無人航空機の挙動、視覚効果(ノイズ・歪み・色相変化)を含む不鮮明なカメラ画像の提示、ネットワーク通信障害(遅延・帯域減少・パケットロス)を模擬し、廃炉作業時を想定したロボットの遠隔操縦体験を提供するための機能をChoreonoidプラグインとしてまとめたものである。本稿では、Ubuntu18.04-LTSにChoreonoidを導入してHAIROWorldPluginをインストールする手順と、HAIROWorldPluginが提供する機能を利用する際の操作手順やパラメータの設定方法等を、Choreonoidを初めて使用するユーザにもわかりやすいように画面のスナップショットを用いて説明している。

論文

Prediction of thermodynamic data for radium suitable for thermodynamic database for radioactive waste management using an electrostatic model and correlation with ionic radii among alkaline earth metals

北村 暁; 吉田 泰*

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 327(2), p.839 - 845, 2021/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:76.71(Chemistry, Analytical)

高レベル放射性廃棄物地層処分の性能評価のためのラジウムの熱力学データについて、静電モデルおよびアルカリ土類金属間のイオン半径の関係を用いて推定した。ラジウムの溶存化学種および化合物のギブズ標準自由エネルギー変化および標準モルエントロピーについて、イオン対生成モデルをもとにストロンチウムおよびバリウムの熱力学データを外挿することで推定した。これらの推定値を用いて、標準モルエンタルピーも推定した。ストロンチウムとバリウムの熱力学データとして原子力機構(JAEA)が整備した熱力学データベース(JAEA-TDB)を用いることで、JAEA-TDBに組み込むのに適切なラジウムの熱力学データを算出した。得られた熱力学データを既往の文献値と比較した。

論文

The Effects of addition of carbon dioxide and water vapor on the dynamic behavior of spherically expanding hydrogen/air premixed flames

勝身 俊之; 吉田 康人*; 中川 燎*; 矢澤 慎也*; 熊田 正志*; 佐藤 大輔*; Thwe, T. A.; Chaumeix, N.*; 門脇 敏

Journal of Thermal Science and Technology (Internet), 16(2), p.21-00044_1 - 21-00044_13, 2021/00

 被引用回数:2 パーセンタイル:57.11(Thermodynamics)

水素/空気予混合火炎の動的挙動の特性に及ぼす二酸化炭素と水蒸気の添加の影響を実験的に解明した。シュリーレン画像により、火炎面の凹凸が低い当量比で明瞭に観察された。火炎半径が大きくなると共に伝播速度は単調に増加し、火炎面の凹凸の形成に起因する火炎加速が生じた。不活性ガスの添加量を増やすと、特にCO$$_{2}$$添加の場合、伝播速度が低下した。さらに、マークスタインの長さと凹凸係数が減少した。これは、CO$$_{2}$$またはH$$_{2}$$Oの添加が水素火炎の不安定な動きを促進したことを示してあり、拡散熱効果の強化が原因であると考えられる。水素火炎の動的挙動の特性に基づいて、火炎加速を含む伝播速度の数学モデルで使用されるパラメータが得られ、その後、さまざまな条件下での火炎伝播速度が予測された。

報告書

平成31年度東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の分布データの集約(受託研究)

福島マップ事業対応部門横断グループ

JAEA-Technology 2020-014, 158 Pages, 2020/12

JAEA-Technology-2020-014.pdf:23.82MB

東京電力福島第一原子力発電所(福島第一原発)事故による放射性物質の分布状況調査を実施してきた。本報告書は、平成31年度(令和元年度)に得られた結果をまとめたものである。空間線量率については、走行サーベイ,平坦地上でのサーベイメータによる定点測定、歩行サーベイ及び無人ヘリコプターサーベイを実施し、測定結果から空間線量率分布マップを作成するとともにその経時変化を分析した。放射性セシウムの土壌沈着量に関しては、in-situ測定及び土壌中深度分布調査をそれぞれ実施した。これら測定結果を基に空間線量率及び沈着量の実効半減期を評価した。測定箇所の重要度分類のためのスコア化の検討では、平成30年度に開発した「スコア」化手法を基に福島県及び80km 圏内でのスコアマップの作成を試みた。また、陸域における放射性物質モニタリングの在り方について検討し、モニタリング地点の代表性について提言した。実測データの統合的解析では、階層ベイズモデルを用いて、航空機サーベイ,走行サーベイ,歩行サーベイにより取得した空間線量率分布データを統合し、福島第一原発から80km 圏内及び福島県全域について統合マップを作成した。これらの他、「放射線量等分布マップ拡大サイト」への令和元年度の測定結果の公開、総合モニタリング計画に基づく放射線モニタリング及び環境試料分析測定データのCSV化を実施した。

論文

Evaluation of decreasing trend in air dose rate and ecological half-life within an 80 km range from Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant, using car-borne survey data measured by KURAMA systems up to 2018

安藤 真樹; 佐々木 美雪; 斎藤 公明

Journal of Nuclear Science and Technology, 57(12), p.1319 - 1330, 2020/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:24.6(Nuclear Science & Technology)

KURAMAシステムを用いた福島第一原子力発電所から80km圏内における2011年から2018年までの走行サーベイ測定の解析から得られた空間線量率の経時変化傾向について評価するとともに指数関数フィッティングによる環境半減期を評価した。7年間に物理半減期から予測される減少(0.3)に対して走行サーベイによる空間線量率測定結果(80km圏内全域)は0.08にまで減少した。避難指示区域内での環境半減期の速い成分は、2-3年となり、0.4-0.5年の避難指示区域外に比較し非常に減少が遅いことを示した。避難指示区域内において観測された空間線量率の減少加速をモデル化するため、従来の2成分モデルを改良した2グループモデルを導入した。本モデルにより、空間線量率の減少加速により2013年以降の環境半減期の速い成分は0.5-1年と評価され、2013年までの2-3年に比べて半減期が非常に短いことを明らかにした。

報告書

高温工学試験研究炉における航空機落下確率に関する評価

小野 正人; 塙 善雄; 園部 博; 西村 嵐; 菅谷 直人; 飯垣 和彦

JAEA-Technology 2020-010, 14 Pages, 2020/09

JAEA-Technology-2020-010.pdf:1.74MB

平成25年12月18日に施行された「試験研究の用に供する原子炉等の位置、構造及び設備の基準に関する規則」の適合性確認のために、高温工学試験研究炉における航空機落下確率を評価した。評価は、「実用発電用原子炉施設への航空機落下確率の評価基準について」を参考にして、原子炉建家, 使用済燃料貯蔵建家及び冷却塔を標的として実施した。その結果、落下確率は5.98$$times$$10$$^{-8}$$(回/年)であり、基準である10$$^{-7}$$(回/炉・年)を下回り、防護設計が不要であることを確認した。さらに、落下確率の大きい事故については、事故件数の増加を仮定して評価を行い、評価基準に対する裕度を確認した。

報告書

総合モニタリング計画に基づく発電所から20km以遠における福島県内の放射線モニタリングデータ集

阿部 智久; 荻谷 尚司*; 柴田 和哉*; 塙 竜明*; 眞田 幸尚

JAEA-Data/Code 2020-004, 280 Pages, 2020/08

JAEA-Data-Code-2020-004.pdf:3.91MB

東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所事故発生後、日本原子力研究開発機構は事故直後より、文部科学省(後に原子力規制庁)からの委託を受け、平成23年6月から令和元年度まで放射性物質の分布状況調査等を実施してきた。本報告書は、これまで実施してきた福島県内の放射線モニタリング作業において、主に空間線量率・積算線量の測定及び試料(大気浮遊じん・土壌・松葉)中の放射性物質濃度の測定結果としてまとめたものである。空間線量率・積算線量の結果と試料中の放射性物質濃度は、測定地点ごとに経時変化を統一フォーマットの下、データベース化した。また、空間線量率・積算線量の結果と試料中の放射性物質濃度の実効半減期や変化におけるばらつきを評価した。

報告書

平成30年度無人飛行機を用いた放射性プルーム測定技術の確立(受託研究)

眞田 幸尚; 越智 康太郎; 石崎 梓

JAEA-Research 2020-006, 60 Pages, 2020/07

JAEA-Research-2020-006.pdf:4.84MB

原子力施設の事故時において、住民の避難計画の決定には放出された放射性プルームの挙動予測が不可欠である。現在は、大気拡散シミュレーションを基本とした予測システムは原子力防災のツールとして実用化されているものの、放射性プルームを実測できるツールは存在しない。本研究では、技術革新の著しい無人飛行機を用いて、大気中の放射性物質濃度を地上からの寄与や機体への汚染と弁別して測定できるシステムの試作機の開発を行った。また、前年度実施した放射性プルームのレスポンス計算に重要なパラメータとなる機体への沈着速度を求めるため、模擬エアロゾルを用いた暴露実験を実施した。さらに、検出システムの開発とともに、プルームの動きをリアルタイムに予測し、最適なフライトプランを導出するアルゴリズムの開発を行った。本レポートは3か年計画の3年目の成果をまとめたものである。

報告書

平成30年度東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の分布データの集約(受託研究)

福島マップ事業対応部門横断グループ

JAEA-Technology 2019-019, 135 Pages, 2020/03

JAEA-Technology-2019-019.pdf:22.01MB

東京電力福島第一原子力発電所(福島第一原発)事故発生後、文部科学省(後に原子力規制庁)からの委託を受け、平成23年6月から平成30年度まで放射性物質の分布状況調査等を実施してきた。本報告書は、平成30年度に実施した調査により得られた結果をまとめたものである。走行サーベイ、サーベイメータによる平坦地上の測定、歩行サーベイ及び無人ヘリコプターサーベイを実施し、測定結果から空間線量率分布マップを作成するとともに空間線量率の経時変化を分析した。放射性セシウムの土壌沈着量に関しては、in-situ測定及び土壌中深度分布調査をそれぞれ実施した。これら測定結果を基に空間線量率及び沈着量の実効半減期を評価した。これまでの分布状況調査で得られた放射線モニタリングデータや既存のモニタリングポストの設置位置などを考慮して測定箇所の重要度の「スコア」化を試みた。階層ベイズモデルを用いて、福島第一原発から80km圏内全域を対象として、航空機モニタリング、走行サーベイ、歩行サーベイにより取得した空間線量率分布データを統合した統合マップを作成した。平成30年度の測定結果を「放射線量等分布マップ拡大サイト」に公開するとともに、測定データをCSV化しデータベースとして保存した。国の総合モニタリング計画に基づく放射線モニタリング及び環境試料分析を実施した。

報告書

燃料デブリ取出し時における放射性核種飛散防止技術の開発(委託研究); 平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉国際共同研究センター; 東京大学*

JAEA-Review 2019-037, 90 Pages, 2020/03

JAEA-Review-2019-037.pdf:7.0MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉国際共同研究センター(CLADS)では、平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度「燃料デブリ取出し時における放射性核種飛散防止技術の開発」について取りまとめたものである。本研究は、福島第一原子力発電所の燃料デブリ取り出し時の放射性微粒子閉じ込めを着実に行うため、気相及び液相における微粒子の挙動を把握するとともに、飛散防止対策として(1)水スプレー等を活用し、極力少量の水で飛散を抑制する方法、(2)燃料デブリを固めて取り出すことで飛散を抑制する方法について実験及びシミュレーションによる評価、開発を行う。

報告書

福島県の帰還困難区域の除染シミュレーションと将来予測

山下 卓哉; 沢田 憲良*

JAEA-Research 2019-010, 227 Pages, 2020/03

JAEA-Research-2019-010.pdf:21.44MB
JAEA-Research-2019-010(errata).pdf:0.5MB

原子力機構は、国や自治体が進める除染活動を技術面で支援するために、除染の効果を予測するシミュレーションソフト「除染活動支援システムRESET」を開発した。また、放出された放射性セシウムに起因した空間線量率の長期的な変化傾向を予測することを目的に、放射性セシウムの物理減衰に加え、土地利用形態の違いや避難指示区域の違いによる減衰効果への影響を考慮した「空間線量率減衰の2成分モデル」を開発した。原子力機構は、これらのツールを用いて除染シミュレーションと将来の空間線量率の予測解析を行い、復興を目指す国や自治体への情報提供を行っている。本報告書では、除染後の空間線量率を予測するために開発した一連の手法を紹介するとともに、環境省が実施した「帰還困難区域における除染モデル実証事業」及び「除染モデル実証事業後の空間線量の推移に関する調査結果」で得られた実測データを用いて実施した予測手法の検証結果を示す。また、帰還困難区域全域及び特定復興再生拠点区域を対象に実施した除染シミュレーションと除染後の空間線量率の将来予測の結果を示す。

論文

Simulation study of the effects of buildings, trees and paved surfaces on ambient dose equivalent rates outdoors at three suburban sites near Fukushima Dai-ichi

Kim, M.; Malins, A.; 吉村 和也; 佐久間 一幸; 操上 広志; 北村 哲浩; 町田 昌彦; 長谷川 幸弘*; 柳 秀明*

Journal of Environmental Radioactivity, 210, p.105803_1 - 105803_10, 2019/12

 被引用回数:3 パーセンタイル:21.32(Environmental Sciences)

放射能被害地域において空間線量率のシミュレーション精度を向上させるには、環境内の放射性核種の異なる分布、例えば、農地, 都市, 森林の放射能レベル差を考慮して現実的にモデル化する必要がある。さらには建物, 樹木, 地形による$$gamma$$線の遮蔽効果をモデルに考慮すべきである。以下に、福島県の市街地及び農地の3次元モデルの作成システムの概要を述べる。線源設定は$$^{134}$$Cs及び$$^{137}$$Csの放射能分布をモデルのさまざまな環境要素に異なる分布設定が可能である。構造物については、現地の建物モデルにおいては日本の典型的な9種類の建物モデルを用いて作成される。また、樹木については広葉樹と針葉樹モデル、地形モデルは、地形を考慮した地表面モデルを取り込んだ。計算対象のモデルの作成時は、数値標高モデル(DEM),数値表面モデル(DSM)及びユーザー編集の際にサポートする対象領域のオルソ画像で作られる。計算対象のモデルが作成されたら、放射線輸送解析計算コードであるPHITSに適したフォーマットでシステムから出力される。上記のシステムを用いて、福島第一原子力発電所から4km離れた地域でかつ、まだ除染作業が行われてない郊外を計算対象としてモデルを作成した。モデル作成後、PHITSによる空間線量率の計算結果は走行サーベイの実測値との相関があった。

論文

External dose evaluation based on detailed air dose rate measurements in living environments

佐藤 哲朗*; 安藤 真樹; 佐藤 正子*; 斎藤 公明

Journal of Environmental Radioactivity, 210, p.105973_1 - 105973_7, 2019/12

 被引用回数:3 パーセンタイル:21.32(Environmental Sciences)

避難指示が解除された後に住民が帰還した場合の現実的な外部被ばく線量を推定する方法について考案し、考案した方法に基づき調査を行った。6つの町村に帰還を検討している211人の住民を対象に、2014年度, 2015年度及び2016年度の3年間にわたり調査を実施した。帰還後に想定される生活行動パターンについて対象者へのヒアリングを実施した後、ヒアリング結果に基づき詳細な空間線量率の測定を行った。自宅内の線量率測定ができなかった15名の対象者を除いて、外部被ばく線量の最大値と平均値はそれぞれ4.9mSv/y, 0.86mSv/yとなった。被ばく線量の平均値とばらつきの大きさは避難指示区域の区分により異なるが、全対象者の93.3%において、推定される外部被ばく線量は2mSv/y以下であった。本研究での調査対象者全員の生活行動パターンの解析において、年間の生活時間のうち平均で87%の時間を屋内で過ごすという結果が得られた。さらに、自宅での被ばく線量が年間の被ばく線量の66.8%を占めるという結果が得られた。このことから、被ばく線量を現実的に評価するには自宅内の空間線量率を測定することが重要であるといえる。

論文

Summary of temporal changes in air dose rates and radionuclide deposition densities in the 80 km zone over five years after the Fukushima Nuclear Power Plant accident

斎藤 公明; 三上 智; 安藤 真樹; 松田 規宏; 木名瀬 栄; 津田 修一; 吉田 忠義; 佐藤 哲朗*; 関 暁之; 山本 英明*; et al.

Journal of Environmental Radioactivity, 210, p.105878_1 - 105878_12, 2019/12

 被引用回数:23 パーセンタイル:85.69(Environmental Sciences)

We summarized temporal changes in air dose rates and radionuclide deposition densities over five years in the 80 km zone based on large-scale environmental monitoring data obtained continuously after the Fukushima Nuclear Power Plant (NPP) accident. The air dose rates in environments associated with human lives decreased at a considerably faster rate than expected for radioactive decay. The average air dose rate originating from the radiocesium deposited in the 80 km zone was lower than that predicted from radioactive decay by a factor of 2-3 at five years after the accident. The causes of this rapid reduction were discussed quantitatively considering the characteristics of radiocesium migration in the environment.

論文

The Deposition densities of radiocesium and the air dose rates in undisturbed fields around the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant; Their temporal changes for five years after the accident

三上 智; 田中 博幸*; 松田 秀夫*; 佐藤 昭二*; 星出 好史*; 奥田 直敏*; 鈴木 健夫*; 坂本 隆一*; 安藤 正樹; 斎藤 公明

Journal of Environmental Radioactivity, 210, p.105941_1 - 105941_12, 2019/12

AA2019-0019.pdf:2.65MB

 被引用回数:18 パーセンタイル:79.19(Environmental Sciences)

2011年から2016年にかけて福島第一原子力発電所から80km圏内の撹乱のない多数の測定点で放射性セシウムの沈着量と空間線量率を繰り返し測定し、それらの経時変化の特徴を明らかにした。この地域のバックグラウンド放射線量を除いた平均空間線量率は、2011年6月から2016年8月までの期間中に初期の約20%に減少した。これは主に$$^{134}$$Cs(半減期2.06y)の壊変の結果である。空間線量率の減少は放射性セシウムの壊変から予想されるものよりも約2倍早く、この減少の大部分は放射性セシウムの土壌への浸透によるものである。除染されていない土壌における$$^{134}$$Csと$$^{137}$$Csの平均沈着量は、ほぼ放射性壊変から予想されるペースで減少していた。すなわち水平方向の放射性セシウムの移動が比較的小さいことを示した。空間線量率と沈着量の測定結果では除染の効果が明らかに観察された。測定点の平均空間線量率は、その詳細な定量分析は今後の課題だが、除染やその他の人間の活動によって約20%減少した。

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