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黒石 武; 野村 靖
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(6), p.433 - 440, 2003/06
被引用回数:2 パーセンタイル:18.89(Nuclear Science & Technology)実際の使用済み燃料輸送容器の臨界安全性解析において有効な核分裂源収束加速手法を研究した。OECD/NEA燃焼度クレジットベンチマーク問題II-Cでは、炉内中性子束測定に基づいて、ほぼ対称形から強非対称形に至るまでのさまざまな軸方向燃焼度分布が提案された。その中のいくつかのケースにおける従来モンテカルロ手法の計算結果は、核分裂源分布の極めて緩慢な収束性を示し、臨界性統計評価のための信頼し得る核分裂源分布を得るためには、極めて大きなスキップサイクル数が必要となった。核分裂源収束緩慢性を改善すべく開発され従来モンテカルロ計算に組み込まれてきた行列固有値計算をこのベンチマーク問題に適用した。行列固有値計算の有効性は、その行列要素の評価精度に依存する。核分裂源の収束が不十分な状態でさらなる加速手法を適用する際に、特に極めて緩慢な収束性を示す本ベンチマーク問題に対して、小さい核分裂源の行列要素の統計評価による大きな変動により、異常な加速結果を示した。このような場合、行列要素を評価する際のヒストリー数を単純に増加させる場合と比較して計算時間的により有効な核分裂源加速手法を提案する。
黒石 武; Hoang, A.; 野村 靖; 奥野 浩
JAERI-Tech 2003-021, 60 Pages, 2003/03
OECD/NEAベンチマーク問題II-Cにおいて提案されたPWR使用済み燃料輸送容器を対象に、軸方向燃焼度分布の非対称性による反応度効果について研究した。炉内中性子束測定に基づき、軸方向燃焼度分布は21の組成領域で模擬される。連続エネルギーモンテカルロコードMCNP-4B2と核データライブラリーJENDL-3.2を用いて、3次元モデルの臨界計算を実施した。アクチニドと核分裂生成物を考慮する手法に加え、アクチニドのみ考慮する手法についても実施した。計算の結果、燃焼度A.O.の増加に伴って、実効増倍率及び端部効果はほぼ直線的に増加することが示された。また、より高い燃焼度に対して、燃焼度分布非対称性の端部効果への感度はより高い。軸方向分布を持つ燃焼度に対して、核分裂源分布は、燃料下端部より燃焼度の低い上端部に向かってピークがシフトするという強非対称になった。さらに、平均燃焼度の増加に伴って、核分裂源分布のピークはより高くなった。実測値から得られた最も非対称性の強い軸方向燃焼度分布を用いてアクチニドと核分裂生成物を考慮する手法に基づく実効増倍率計算結果と比較することより、一様燃焼度分布を仮定したアクチニドのみ考慮する手法の保守性を定量的に評価することができる。