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山田 文昭; 有川 晃弘*; 深野 義隆
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 7 Pages, 2015/05
ナトリウム冷却高速炉において低圧である冷却材配管のギロチン破断は物理的に生じないが、高速増殖原型炉もんじゅでは安全評価の一つとして、ギロチン破断を念のために仮想的に設定し、許認可のための評価を行ってきた。本論文では、もんじゅ1次主冷却系配管大口径破損時の炉心冷却能力評価において、評価結果に影響を及ぼす現象について、以下のこれまでの試験データの蓄積を踏まえ、解析評価の妥当性を検証した。(a)炉心流量低下に伴い生じる炉心ナトリウム沸騰に関する試験データ、(b)1次主冷却系循環ポンプトリップ後のフローコーストダウンのもんじゅデータ、(c)燃料被覆管の破損評価に用いるLMP回帰曲線の照射済み燃料被覆管急速加熱バースト試験データ、さらに、原子炉トリップ信号応答時間等のもんじゅ実機データも適用し、炉心冷却能力を最新評価した。その結果、燃料被覆管の破損率は従来評価を上回ることなく、あえて1次主冷却系配管にギロチン破断を仮定したとしても、炉心の大規模な損傷に至らないことを評価した。
天谷 政樹
no journal, ,
原子力機構(JAEA)における燃料安全研究の目的は、軽水炉燃料に関して、現在の規制基準や安全裕度の妥当性を評価すること、新材料からなる被覆管やペレットを使用した改良型燃料に係る規制のためのデータを提供すること、及び規制に活用可能な計算コードを提供することである。本発表では、最近の反応度事故(RIA)模擬試験、冷却材喪失事故(LOCA)模擬試験の進捗に加え、JAEAにおける燃料安全研究の現状について述べる。
成川 隆文; 三原 武; 谷口 良徳; 垣内 一雄; 田崎 雄大; 宇田川 豊
no journal, ,
安全研究センター燃料安全研究グループの研究概要として、反応度事故,冷却材喪失事故、及び設計基準を超える事故における燃料挙動に関する研究、並びに燃料挙動解析コードの開発について紹介する。
谷口 良徳; 宇田川 豊
no journal, ,
事故耐性燃料の一つであるCrコーティング被覆管は、非コーティング材に比べ高い高温酸化耐性を示す一方、保護効果には限界があり、シビアアクシデント(SA)を含む過酷な条件での挙動を適切に把握できる評価手法の確立が望まれる。従来設計燃料の照射試験等で蓄積された知見の集約と、開発研究の進展が著しい事故耐性燃料の挙動評価への対応を両立し、通常運転時からSA時までをカバー可能な共通解析基盤の構築に向け、原子力機構では、燃料挙動解析コードFEMAXIの事故解析版となるRANNSの開発を進めている。本報では、LOCA解析ツールとしての開発方針、Crコーティング被覆管の高温酸化挙動を扱うために最近実施したCr層侵食モデル導入や解析体系の自動再構成機能の改良について述べるとともに、高温酸化試験の試解析結果に基づき、Cr層の保護効果消失とその後Cr層内側で生じるジルコニア層の成長挙動を模擬できることを示す。
谷口 良徳; 宇田川 豊
no journal, ,
事故耐性燃料(ATF)の一つであるCrコーティング被覆管は、従来材(非コーティングZr合金)に比べ高い高温酸化耐性を示す一方、その保護効果には限界があり、シビアアクシデント(SA)耐性の適切な評価や同材料に適した規制基準の検討に資する評価手法の確立が望まれる。従来設計の軽水炉燃料からATFまで、また通常運転時からSA時までをカバー可能な国内共通解析基盤の構築に向け、燃料挙動解析コードFEMAXI及びRANNSを開発している。この一環として、Cr層の保護効果への影響が指摘されている、Zr侵入によるCr層劣化等の素過程をモデル化し、実験解析を通じて、開発したモデルのパラメータ決定及び動作検証を実施した。Cr層が関与する高温反応として、(1)外面側CrO
成長、(2)母材金属層へのCr拡散、(3)母材金属層界面からのZr侵食とその酸化による析出ZrO
網形成、(4)同経路形成による母材金属層への酸素拡散加速、(5)Cr層と母材金属層界面でのZrO
層形成と成長を高温酸化モデルへ導入した。Crコーティング(15
m厚) M5
被覆管の高温酸化実験 を解析した結果、観察されたCr層の保護効果消失、Cr層下でのZrO
層形成、母材金属層への酸素侵入挙動を同時に再現することができた。金属層中への酸素吸収は有意なZrO
層形成のない段階で始まっており、SA条件は元より、事故時の炉心冷却形状維持に係るATFの性能把握の観点からも、保護効果喪失素過程の把握とモデルへの適切な反映を通じた挙動予測の信頼性向上が重要となる。