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田村 格良
波紋, 28(4), p.204 - 207, 2018/11
中性子導管は中性子ビームを輸送するデバイスの一つである。中性子導管の使用することで、中性子源より遠方へ中性子ビームを輸送可能となったため、実験用の広いスペースが得られ、数多くの実験装置に中性子を供給することができるようになった。曲導管を使用することで線及び高速中性子を除去することができ、必要なエネルギー領域の中性子だけを取り出すことができるので、実験のS/Nが向上した。さらに、曲導管を応用して中性子ビームの分岐をおこなっている。また、実験装置に供給する中性子ビームの発散角度及び強度の制御のために中性子導管は使用されている。
米田 安宏; 松本 徳真; 古川 行人*; 石川 哲也*
Physica Scripta, T115, p.995 - 997, 2005/00
サジタルフォーカスは放射光X線の集光技術の中でも最も効率的な方法の一つで、サンプル位置におけるX線強度を増大させるために用いられる。この結晶ベンダーとして、シリコン(311)結晶を用いた場合についての結果を報告する。ベンダーはSPring-8標準2結晶分光器の第2結晶としてインストールされるもので、4ポイントメカニズムにより、定位置出射を実現している。このベンダーにリブなし結晶を用いたところ、35-60keVのエネルギー領域において0.5mmの集光サイズを達成した。このようなエネルギー領域においては、全反射ミラーなどはまだ使うことができないため、多くの実験に結晶ベンダーが用いられることになる。
米田 安宏; 松本 徳真; 古川 行人*; 石川 哲也*
AIP Conference Proceedings 705 (CD-ROM), 4 Pages, 2003/00
フラットシリコン(311)結晶を使ったベンダーの性能を報告する。フラット結晶のアンチクラスティックなゆがみを最小限に押さえるための結晶加工を施した。加工は結晶の縦横比を1.42とするのが理想であるが、最終的な結晶の形状は98mm90mm
2mmとなった。縦横比は1.435である。この結晶を用いることによって、30-60keVという高エネルギーX線領域においてもサブミリ集光が可能となった。
曽山 和彦; 鈴木 正年; 市川 博喜; 川端 祐司*
原子力工業, 43(10), p.36 - 41, 1997/10
最近原研及び京大炉外で開発された中性子光学応用機器の中から中性子レンズ、スーパーミラー中性子ベンター、極冷中性子ベンダー、スーパーミラー集束機器について紹介する。中性子光学応用機器は、低速中性子が全反射やブラッグ反射等の波動性を示すことを利用して、中性子を効率良く輸送、分岐、集束化等を行う装置である。中でも中性子レンズは、多数本のマルチキャピラリー(多重毛細管)ファイバー(チャネル内径10m)を1点に集束させるように配置したもので、これにより冷中性子の強度を1mm
当たりで10倍増加させることが可能である。本稿では、この中性子レンズの特性及び応用と、スーパーミラー等を応用した中性子ベンダー等について述べる。
曽山 和彦; 鈴木 正年
ASRR-V: Proc., 5th Asian Symp. on Research Reactors, 2, p.894 - 900, 1996/00
原研JRR-3Mにおいて中性子ビーム実験の高度化を目的として行っている中性子光学デバイスの開発と応用について報告する。本報告では、中性子導管端末で中性子束を約1桁増加させるためのNiC/Tiスーパーミラーの作成技術開発及びこれを応用したスーパーミラー導管の中性子収率解析について述べる。また、中性子ビームを短距離で分岐するためのスーパーミラー中性子ベンダーの製作及び特性測定の結果について述べる。さらに、近年薄膜等の表面界面研究の有効手段として注目されてきた中性子反射率法についてNiC/Ti多層膜を主として述べる。
曽山 和彦; 鈴木 正年; 古平 恒夫; 海老沢 徹*; 川端 祐司*; 田崎 誠司*
Physica B; Condensed Matter, 213-214, p.951 - 953, 1995/00
被引用回数:2 パーセンタイル:18.23(Physics, Condensed Matter)スーパーミラー中性子ベンダーの試作及びその中性子透過特性測定を行った。設計仕様は、特性波長5、曲率半径1660mm、全長48.4mm、ビーム有効サイズは巾12mm高さ55mmである。本装置の構造は、シリコン基板の両面に蒸着したNi/Tiスーパーミラー20組を0.3mm間隔でスリット状に配列したものである。本装置は従来のニッケル鏡の2倍の臨界角を有するスーパーミラーを応用することにより曲率半径の極小化を、また、シリコン基板を用いることにより中性子透過率の向上を可能とした。中性子透過特性測定をJRR-3Mのビーム実験装置を用いて行った。その結果、特性波長5.2
、ビーム偏向角1.6°、中性子透過率76%(12.6
を得た。また、これらの結果は、モンテカルロ法による設計計算と良い一致を示した。