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池部 友理恵*; 大島 真澄*; 伴場 滋*; 浅井 雅人; 塚田 和明; 佐藤 哲也; 豊嶋 厚史*; Bi, C.*; 瀬戸 博文*; 天野 光*; et al.
Applied Radiation and Isotopes, 164, p.109106_1 - 109106_7, 2020/10
被引用回数:2 パーセンタイル:20.42(Chemistry, Inorganic & Nuclear)ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は難治性がんの治療に有効な放射線療法である。BNCTでは、中性子照射時間や中性子被曝量のコントロールのために、全血試料中のB濃度の正確な定量が不可欠である。我々は荷電粒子誘起放射化分析法(CPAA)を全血試料中B濃度の非破壊・精密測定に適用した。実験は原子力機構(JAEA)タンデム加速器にて8MeVの陽子ビームを用いて実施した。B(p,)Be反応で生成するBeからの478keV 線を用いてBを定量した。また血液中の鉄との核反応で生成するCoの線を用いて線強度を規格化した。実験の結果、開発したCPAA法は血液中のB濃度の定量に適用できることが明らかとなった。
柴田 靖*; 山本 和喜; 松村 明*; 山本 哲哉*; 堀 直彦; 岸 敏明; 熊田 博明; 阿久津 博義*; 安田 貢*; 中井 啓*; et al.
JAERI-Research 2005-009, 41 Pages, 2005/03
ホウ素中性子捕捉療法において腫瘍及び正常組織への照射線量を正確に評価するためには照射中性子束と血液中ホウ素濃度の測定が必須であるが、中性子照射中に患者からの直接の採血をすることは困難である。したがって、初回手術時に少量のホウ素化合物BSHを投与し、経時的に血液中ホウ素濃度を測定する低量投与試験を行い、照射当日の濃度予測を行った。また、低量投与試験が行えない場合、照射当日のホウ素濃度測定のみで照射中のホウ素濃度が精度よく予測できる方法についても、Two compartment Modelを用いた方法を検討した。BSH末梢静脈内点滴投与後の血液中ホウ素濃度が予測の95%信頼区間に入っていれば、照射中の予測値と実測値の誤差は6%程度であった。投与後6または9時間後の血液中ホウ素濃度が予測の95%信頼区間に入っていない場合は、比率補正することにより誤差を12%程度に抑えることができた。また、Two compartment Modelを用いた予測方法では、最適な評価値に対して4.9%(標準偏差)の予測誤差で推定可能であった。これらの方法により、照射中の血液中ホウ素濃度は合理的に正確に予測可能であり、安全で効果的な治療を行うことができる。
Tolmachyov, S.; 桑原 潤*; 野口 宏
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 261(1), p.125 - 131, 2004/07
被引用回数:24 パーセンタイル:80.73(Chemistry, Analytical)人の体液(尿と血液)中のトリウムとウランを同時に定量するため、ICP-MSと結合したフローインジェクション抽出クロマトグラフィーを用いた方法を開発し、その妥当性を検証した。抽出クロマトグラフィーを用いることによって、Th, U及びUの検出下限値として、それぞれ0.06, 0.0014及び0.05ng/lを達成した。本方法のaccuracyはThとUに対して、それぞれ、102.4と101.5%であり、全precisionは5.3と4.9%であった。U/Uの比は1.8%のprecisionで測定できた。この技術をマイクロウェーブ法で灰化した人の尿と血液試料中のトリウムとウランの同時分析に適用し、その妥当性を検証した。
柴田 靖*; 松村 明*; 山本 哲哉*; 阿久津 博義*; 安田 貢*; 中井 啓*; 能勢 忠男*; 山本 和喜; 熊田 博明; 堀 直彦; et al.
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.1055 - 1060, 2002/09
腫瘍摘出する初期開頭手術時に患者にホウ素薬剤(BSH)を少量投与し、得られた生物学的薬剤分布データを用いて、医療照射当日の血液ホウ素濃度の予測について予備調査を行った。悪性グリア腫瘍の患者9名は1995から2001年の間に日本原子力研究所においてホウ素中性子補足療法を受けた者である。その内7名については、腫瘍摘出の前にBSH1gを注入し、即発線分析装置(PGA)を用いてホウ素濃度の測定を行った。BNCT照射12時間前にBSHを100mg/kgの投与量を患者に注入し、ホウ素濃度を再び決定した。その結果、ホウ素の生物学的薬剤分布データは2相指数曲線の薬物動態分布を示した。もし、注入後から6時間又は9時間の医療照射直前のホウ素濃度が予測値に対して95%予測信頼区間にあれば、2相指数曲線フィットからの直接予測は照射時間内の血液ホウ素濃度の誤差を6%程度に抑えることができる。
山本 和喜; 岸 敏明; 堀 直彦; 熊田 博明; 鳥居 義也; 堀口 洋二
JAERI-Tech 2001-016, 34 Pages, 2001/03
BNCTにおいて、効果的な線量を与えるためには、患部内のホウ素濃度を正確かつ迅速に測定することが必要とされている。即発線分布装置はB濃度測定に対し、高感度、前処理不要などの利点があり、本報告は、JRR-4に新設された即発線分析装置を用いたホウ素濃度の測定方法について報告する。ボロンのピークは一般に見られるガウス分布の形をとらない。これはB(n,)反応で生成されたLi核が高速運動中に線を放出するため、ドップラー効果により真の線エネルギーよりずれた波長を伴う。このドップラーピークの関係形態を明らかにするとともに、スペクトルデータより非線型最小二乗法を用いてフィッティングするプログラムの開発を行った。本方法で検証された検量線を用いて実際のBNCTが行われた。
柴田 靖*; 松村 明*; 山本 哲哉*; 阿久津 博義*; 安田 貢*; 中井 啓一*; 能勢 忠男*; 山本 和喜; 熊田 博明; 堀 直彦; et al.
Proceedings of 9th International Symposium on Neutron Capture Therapy for Cancer, p.145 - 146, 2000/10
中性子捕捉療法BNCTでは血中ボロン濃度と中性子線量によって照射線量が決まる。われわれは初回手術前にボロン化合物であるBSHを少量静注し、手術前中後に採決し血中、腫瘍中ボロン濃度を測定し、これより照射中のボロン濃度の予測を試みた。過去5年間に日本原子力研究所にてBNCTを行った症例は7例で、男性2例、女性5例、年齢は20から66才である。5症例で初回手術前にBSH 1g静注を行い、手術前中後に採決した。BNCT前12時間にBSH 100mg/kg静注し照射前後に採決した。ボロン濃度の測定はPrompt gamma ray analysis及びICP-AESで行った。すべての症例で典型的な2相性薬物動態を示した。血中濃度の個人差は少ないことが確認された。事前にボロン投与量が低投与量のスタディから予測することができる。
山林 尚道; 出雲 三四六; 本木 良蔵; 山本 武夫; 仁志田 博司*; 進 純郎*; 佐藤 喜一*; 鈴木 康之*
Radioisotopes, 34(3), p.144 - 150, 1985/00
生体に全く放射線被曝の問題のない安定濃縮同位体Crを使用して新生児循環血流量を測定する方法を開発した。出生時臍帯より採決した血液中の赤血球をCrで標識し新生児に静注する注入後一定時間をおき0.5mlを静脈採血し凍結乾燥した。日本原子力研究所のJRR-2,3,4原子炉のいずれかで20分間照射し、約2週間放置後CrおよびFeの線をGe(Li)検出器で測定した。赤血球への標識化率,洗浄効果,Cr濃度又はCr/Fe比率による希釈率などを検討後、新生児の全血液量を同位体希釈法により求めた。新生児血行動態は出生後の時間経過と共に活発に変化することが示唆され、分娩形態により有意の差が認められた。
進 純郎*; 鈴木 康之; 中村 恒穂*; 仁志田 博司*; 山林 尚道; 出雲 三四六; 本木 良蔵
医学のあゆみ, 130(6-7), p.437 - 439, 1984/00
循環血液量の測定には色素法や放射性物質が用いられていたが、色素法では色素が組織にとり込まれるため正確性に欠け、放射性物質は生体に放射線被曝の問題があった。我々は生体への問題のない安定同位元素Crを使用して新生児循環血液量の測定方法を検討した。乾燥した赤血球を原研の原子炉で照射し、放射化分析後同位体希釈放により赤血球量を求めた。基礎的検討により血液1ml当り10gのCr量でほぼ赤血球に90%標識され、かつ赤血球洗浄が不必要であることが判った。保原中央病院および北里大学病院において出生した正常新生児4名と重症RDS児1名について循環血液量および赤血球量測定を行った。正常成熟新生児では比較的安定した値を示したが、病児の場合には大きく変動することが示唆された。
小杉 誠司; 佐々木 忍; 朝日 義郎
JAERI-M 82-115, 63 Pages, 1982/09
PKLテストK9の解析をTHYDE-Pコードを用いて行なった。テストK9は、OECD-NEA-CSNIの国際標準問題No.10である。実験の目的は、重力注水による再浸水・再冠水過程を研究することにあり、両端ギロチン破断がコールドレグに起ったとして、緊急炉心冷却水をコールドレグに注入している。THYDE-Pは、加圧水型軽水炉の冷却材喪失事故におけるブローダウン及び再浸水・再冠水過程を解析するコードである。本報告では、THYDE-Pの検証及びモデル開発のために、計算結果と実験値を比較し、検討した。最適評価オプションを用いることによって、実験値との良い一致が得られた。
赤石 準
Journal of Nuclear Science and Technology, 6(1), p.12 - 19, 1969/00
抄録なし
藤田 稔; 高田 和夫; 岩本 順子; 近藤 道夫
Journal of Radiation Research, 9(3-4), p.129 - 134, 1968/00
抄録なし
小林 佑吉
臨床病理, 9(7), p.453 - 457, 1961/00
放射線障害に際して血液細胞に変化を生ずることは周知の事実であり、われわれの研究所においても放射線作業者に対し法規にしたがって定期的に末梢血による一般血液検査を実施している。一方血球の算定は臨床的にも非常に重要な役割を果しているにもかかわらず、その算定法はメランジウルと血球計算板を用いる方法が10年1日のごとく行なわれている。この血算板を用いる従来の方法は労力的にもかなり骨の折れる仕事である上、相当の誤差を伴なうことから、もっと正確かっ迅速な算定法が望まれていた。最近になってエレクトロニクスを利用し血球を自動的に算定する装置が幾つか発表され注目を集めている。われわれの検査室でも英国製のEEL Blood Cell Counterを購入し、血球算定を行なっているのでその成績を報告する。