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渡辺 太郎*; 高田 孝; 山口 彰*
Nuclear Engineering and Design, 313, p.447 - 457, 2017/03
被引用回数:2 パーセンタイル:17.75(Nuclear Science & Technology)蒸気発生器伝熱管内部における気液対向流制限(CCFL)は、特にPWRにおいてLOCA発生時の炉心冷却に重要な影響を及ぼす。本研究では、VOF法を用いた数値計算においてより低コストでCCFL特性の評価精度を向上させることを目的に、CCFL発生時に見られる液膜流をモデル化しVOF法とのカップリングを行った。開発した手法を用い既存実験を模擬した試験解析を実施し、本手法の適用性を評価すると共に、配管下端において液膜流より滴下した液相が再度気相側にエントレイメントされることによりCCFL特性が大きく変化すること明らかにした。
井口 正
JAERI-Research 98-054, 216 Pages, 1998/10
PWR大破断冷却水喪失事故時の再冠水期における炉心内の熱水力挙動は、流路が管群であることや水流速が極めて小さく停滞水条件に近いことなどのために、従来広い研究対象とされてきた2相流挙動と異質な面がある。このため、上記の熱水力挙動を構成する素現象のうちには、原子炉安全評価の観点から重要であるにもかかわらず、現象の理解が不十分で、かつ予測精度が充分ではないかまたは適切な予測モデルがないものがあり、事故時の状況を高精度に予測するのに対し障害となっている。そこで、著者は定量的予測を達成する上で重要な素現象として、管群流路内のボイド率、再冠水現象に及ぼす炉心水平出力分布の影響、再冠水現象に及ぼす非常用炉心冷却水の複合注入の影響、複合注入型PWRの再冠水挙動に見られる炉心内循環流及び炉心2領域化現象を抽出し、これらの現象の解明と計算モデルの構築を行った。最終的には、代表的なPWR形式であるコールドレグ注入型PWR及び複合注入型PWRにおける再冠水挙動を充分な精度で予測する手法を確立した。以上の成果を原研で開発された再冠水現象解析コードREFLAに取り込み、予測精度の向上と適用性の拡大を実現した。
数土 幸夫
日本機械学会論文集,B, 60(576), p.2888 - 2894, 1994/08
垂直環状流路での対向二相流下での落下水制限即ちフラッディングの特性評価に関し、著者が先に円管、矩形流路に適用したと同じ「流路全体について気液の運動量の釣り合い式を考え、落下液膜厚さに関し落下水量が最大となる条件」を落下水制限メカニズムを与えるとしたモデルを適用し検討した結果、既存の実験結果を非常に高い精度で予測できることがわかった。解析の対象とした既存の実験は、流路長0.46~1.22m、周長0.91~1.85m、流路ギャップ12.7~50.8mmの環状流路及びこれを模擬した平板状流路であり、試験流体は空気-水系と蒸気-水系の2種類である。
井口 正; 榊 勲*; 岩村 公道; 秋本 肇; 大久保 努; 大貫 晃; 安達 公道*; 村尾 良夫
JAERI-M 91-172, 154 Pages, 1991/10
複合注水型ECCSを備えたPWRのLOCA時に重要な、炉心と上部プレナムとの境界における対向流制御(CCFL)現象を解明するために、平板第3次試験装置(SCTF-III)により試験を行った。試験では炉心に蒸気を注入して上昇蒸気流を形成し、上部プレナムに注水してCCFLを起こさせた。試験の結果、大規模の実半径炉心では、上部プレナムから炉心への落水は一様ではなく局所的に生じ、他の領域を蒸気が集中して上昇することが分かった。また、落水は上部プレナム内の水温の低い位置で生じ、落水面積は蒸気流量の減少に伴い増加した。典型的なPWRの条件に対しては、落水面積比は約20%だった。このときの落水流量は、小規模試験結果と同様に低水温ほどまた小蒸気流量ほど増加するものの、その値は落水と上昇蒸気の領域分離のため小規模試験結果からの予測値に比べて約10倍になることが分かった。
阿部 豊; 秋本 肇; 村尾 良夫
JAERI-M 90-215, 81 Pages, 1991/01
二流体モデルを用いて対向流の解析を行う場合、流体に働く剪断応力の評価精度が重要になる。しかしながら、現在二流体モデルにおいて、対向流の解析に用いられているのは並向流で得られた相関式や壁面摩擦を無視した相関式である。これらの相関式を用いた二流体モデルによる計算では、対向流における落水流量や差圧を充分な精度で予測できていない。本研究においては、対向流における界面および壁面剪断応力を知るため、定常の環状流を仮定した解析モデルを作成、Bharathanらの実験データを用いて対向流における液膜内の局所剪断応力分布を解析的に評価した。その結果、対向流においては壁面剪断応力係数の値が従来の相関式より過大になること、界面剪断応力係数の値が従来の相関式と異なることを見いだした。本解析で得られた結果をもとに、二流体モデルによる対向流解析のための界面および壁面剪断応力係数に関する新たな式を提案する。
与能本 泰介; 安濃田 良成; 久木田 豊; Y.Peng*
Proc. of the Int. Topical Meeting on Safety of Thermal Reactors, p.522 - 529, 1991/00
ROSA-IV大型非定常装置(LSTF)を用いてリフラックス凝縮実験を行なった。LSTFは、加圧水型原子炉の体積比1/48の模擬装置である。実験結果は、蒸気発生器細管入口における無次元蒸気流速√Jが0.64を越える場合に、対向流制限(CCFL)によって細管内に顕著な蓄水が生じる事を示した。実験結果ならびに重力、界面せん断応力、壁面せん断応力間のつりあいの解析により蒸気発生器細管におけるCCFL特性を明かにした。本実験結果を用いたRELAP5/MOD2及びMOD3コードの評価結果は、1)MOD2コードでは蓄水挙動が計算されない事、及び2)MOD3コードは蓄水挙動を定性的に再現する事を示した。
大貫 晃
JAERI-M 85-219, 19 Pages, 1986/01
環状流および層状流の流動様式を示す円管内での空気-水対向流制限(CCFL)のデータを使い、TRAC-PF1/MOD1の予測性能の評価を行った。形状パラメータとして長さ、内径、傾斜角度をとり、加圧水型炉のホットレグを模擬した傾斜管付き水平管のデータに対しても評価を行った。環状流の相関摩擦係数に対しては、Wallis型およびBharathan型の2種類の相関式を調べた。データとの比較から、Wallis型の相関式のほうが落水が止まる点(バイパス点)をよく予測した。一方落水を生じる領域ではBharathan型のほうがよりよい予測を示すものの、正確な予測のためには円管の上下端に付加的な形状損失係数が必要なことがわかった。層状流およびホットレグ模擬管のデータに対しては、バイパス点を与える空気流速を過小評価するものの落水を生じる領域に対してはよい予測を与えた。
大貫 晃
Journal of Nuclear Science and Technology, 23(3), p.219 - 232, 1986/00
加圧水型炉、冷却材喪失事故時のシステム内および炉心内の熱水力挙動を評価するさい、ホットレグでの対向流抑制(CCFL)は蒸気発生器への水流量および圧力容器内上部プレナムへの水流量を決めるため重要となる。ホットレグでのCCFLを評価するため、テスト部として傾斜管付き水平管をホットレグ模擬流路とし、実験的にその流路でのCCFL特性を解明した。模擬実験の結果、定常分離流でのデータに対しては Wallis型の相関式(Jg+mJe
=C)が適応できた。しかし水プラグを伴う非定常流では適応できなかった。包絡線理論に基づく解析により、定数Cは水平管部長さと流路直径の比および傾斜管部長さの関数となるべきことを示した。この関数はRichterらの結果を十分予測した。定数mは本実験データに対してほぼ一定値、0.75となった。この定数Cの関数およびm=0.75により非定常流の場合を除く本実験のデータが整理できた。
傍島 真; 安達 公道; 岩村 公道; 大貫 晃
Proc.2nd Int.Topical Meeting on Nuclear Power Plant Thermal Hydraulics and Operations, p.2 - 129, 1986/00
平板炉心試験で通常観測される上部プレナム蓄水頭不均一に関し、その生成が落下水流量および炉心冷却の分布に及ぼす影響について個別に調べた。炉心部に上昇蒸気流を形成させて各バンドル上に一様に注水した。炉心には発熱を500Kw/バンドルで与えた場合と、発熱なしの場合とを試験し、落下冷却の分布と上部プレナム蓄水位分布の関係を評価した。蓄水頭の高い位置の下方のバンドルでは冷却がよく、落下流量も多くなることが、モデルをバンドル毎に適用することによって示された。また落下流量の多くの評価されたバンドルでは、蒸気発生量も相対的に多かった。注入水温が未飽和の場合には、局所的な未飽和水の落下があり、モデル計算よりも多い落下流量となったが、飽和水の場合は総落下流量の計算値と測定値はほぼ一致した。
岩村 公道; 安達 公道
Journal of Nuclear Science and Technology, 22(6), p.451 - 460, 1985/00
被引用回数:2 パーセンタイル:37.24(Nuclear Science & Technology)複合注入方式下でのPWR-LOCA時再冠水開始前後の炉心熱水力挙動を、PWRの半径を模擬した平板炉心試験装置(SCTF)を用いて3回の試験を行うことにより、実験的に調べた。ECC水は上部プレナムと健全コールドレグに同時に注入された。上部プレナム注入水のサブクール度と半径方向分布を試験パラメータとした。底からの再冠水開始前にフォールバック水により炉心は冷却された。しかしながら最終的なクエンチは底からの再冠水によりなされた。再冠水開始以前に下部プレナム水位は3つの場合で異なる挙動を示した。すなわち、下部プレナム水位が急速に増加する場合,ゆっくり増加する場合,および炉心バレル下端以下に留まる場合があった。サブクール水を大量に上部プレナムに注入し、下部プレナムから蒸気が流出する条件下でも、連続的なフォールバックは観察されず、サブクール水は蒸気上昇流により間欠的に支持された。
岩村 公道; 傍島 真; 阿部 豊; 安達 公道; 大貫 晃; 刑部 真弘
JAERI-M 84-221, 151 Pages, 1984/12
PWR-LOCA時再冠水過程において、ECC水を健全コールドレグと上部プレナムに同時に注入した場合の炉心熱水力挙動を調べるため、平板炉心試験装置を用いて、飽和水および67Kサブクール水を上部プレナムに注入する試験S1-SH3およびS1-SH4を実施し、以下の知見を得た。(1)上部プレナム注入量が多い間は、炉心への落下水による冷却が見られたが、本格的な冷却は下部からの昇水開始時に行われる。(2)上部プレナムにサブクール水を注入し、下部プレナムからダウンカマに上記が流出できる条件下でも、サブクール水の連続的落下は起らず、落下水の蒸発による上向き上気流量の急増により落下が制限された。(3)炉心下端再冠水開始前には、落下水の蒸発により発生する上記の圧力上昇効果のため、下部プレナム水位の上昇がおさえられ、下からの炉心冠水が遅れる現象が認められた。
吉田 一雄; 田辺 文也; 松本 潔; 下桶 敬則
JAERI-M 9394, 65 Pages, 1981/03
RELAP4/MOD6/U4/J3コードは、RELAP4/MOD6/UPdate4コードの原研改良版のうちで、最も新しい改良版である。この改良版に含まれている主要な改良、修正は、軽水炉の小破断LOCA解析および、沸騰水型炉のLOCA解析において炉心スプレー系作動中の熱水力解析のために行なわれたものである。たとえば、沸騰水型炉のLOCA解析のためにCCFL計算モデルあるいは、スプレー熱伝達モデルが、組み込まれている。このモデルを使うことにより沸騰水型原子炉のLOCA解析の一貫計算か可能になった。また、トリップ・リセット機能の追加により、異状過渡変化の解析が容易になった。本報告書には、改良・修正の説明、新しいモデルの説明変更・追加になった入力データの説明、およびサンプル問題の入力と結果の説明が含まれている。
傍島 真
Journal of Nuclear Science and Technology, 18(8), p.629 - 639, 1981/00
被引用回数:3 パーセンタイル:45.45(Nuclear Science & Technology)冷却材喪失事故の実験現象をよりよく理解し、解析コードの改良に必要な知識を得るために、ROSA-III試験装置の圧力容器を用いて、BWRのスプレー冷却に関する個別効果実験を定常状態の比較的高圧条件で実施した。その結果、種々のスプレー条件に対するエントレインメント率または溢水率が得られた。また上部タイプレートにおける対向流抑制(CCFL)について得たデータを既存の関係式と比較した。対向流抑制が発生すると炉心冷却は著しく劣化すること、落下流による燃料棒冷却は全く不規則で不安定なものであることが実証された。下部からの冠水による炉心冷却についても調べた。
安部 信明*; 田坂 完二
JAERI-M 9156, 40 Pages, 1980/11
均質平衡モデルのRELAP4Jコードを用いBWR LOCAの標準模擬実験であるROSA-III実験RUN 704の感度解析を行なった。その結果、炉内圧力変化およびヒータ表面での沸騰遷移動発生時刻はジェットポンプ吸込部の逆流抵抗に大きく影響される事がわかった炉心内水位変化とヒータ表面温度変化には密接な関連があり、リウェットおよびクエンチ過程でのヒータ表面温度変化を正確に計算するには炉心内の水位計算を正しく行なう必要がある。このためには現在の気水分離モデルに基づく水位計算のみでは不十分であり、炉心出入口におけるCCFLおよび気液間のスリップを直接考慮できるようにRELAP4Jコードを改良することが必要である。
傍島 真; 村田 秀男; 斯波 正誼
JAERI-M 8760, 195 Pages, 1980/03
BWRのLOCA試験装置であるROSA-IIIの炉心1チャネルを用いて、スプレー冷却の個別効果実験を行った。本報は、そのうち発熱実験についての報告である。その結果次のことが明らかにされた。(1)スプレーによる炉心上部からの冷却は、落下水自身の蒸発によるCCFLを容易に生じさせ、悪化しやすい。(2)落下流による冷却は不規則・不安定なものてあって、これに冷却を頼る考え方は取れない。(3)多孔板にかけるCCFLは単管よりも生じにくい。この定量的解明が再冠水速度を評価する上て望まれる。なお、ROSA-IIIの設計忙関する提言を行っている。
村松 健
JAERI-M 8119, 159 Pages, 1979/03
沸騰水型炉の冷却材喪失事故におけるECCSの性能評価のための計算コードTHYDE-B1及びTHYDE-B-REFLOODを開発した。前者は流体の保存式を積分型で解く、いわゆるノード・ジャンクションモデルを用いて一次冷却系内の流動現象を解析するものであり、各種ECCSの動作及び、燃料・構造材における発熱・内部熱伝導・流体との間の伝熱等を模擬する機能も持っている。その特徴は、小破断の場合の燃料温度計算上重要とされる炉心水位及び圧力の計算に適した特別のノードモデルを用いている点である。後者は解析の対象領域を炉心シュラウド内に限って再冠水過程における伝熱流動現象を解析して、炉心の各位置の再冠水時刻を計算するものである。その特徴はCCFFI現象等の炉心スプレイ水と意気流の水力学的相互作用の効果を考慮した解析が行なえる点である。