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論文

Automatic retuning of superconducting linacs using LightWin

Pla$c{c}$ais, A.*; Bouly, F.*; Froidefond, E.*; Lagniel, J.-M.*; Normand, G.*; Orduz, A. K.*; Yee-Rendon, B.; De Keukeleere, L.*; Van De Walle, J.*

Proceedings of 32nd Linear Accelerator Conference (LINAC 2024) (Internet), p.563 - 568, 2024/10

高出力粒子加速器にとって信頼性は重要である。特に加速器駆動システム(ADS)では、ビームの停止が原子炉の稼働率に大きく影響し、停止の多くは、加速空洞やその関連システムの損失に起因する。空洞に起因するビーム停止は、リニアックの他の空洞を再調整することで補償できる。しかし、理想的な補償設定を見つけることは、ビームダイナミクスと多目的最適化を伴う難しい課題であり、対象のリニアックによって大きく異なる問題が生じる。SPIRAL2リニアックでは、多くの空洞が補償のために動員され、探索空間は非常に多くの次元を持ち、ビーム進行方向の許容マージンがかなり低い。MYRRHAやJAEAで検討を進めているADS用リニアックには、最適化を容易にする特定の耐故障設計を適用しているものの、空洞は数秒で再調整する必要がある。そこで我々は、任意のリニアックのすべての空洞障害に対する補償設定を自動的かつ体系的に見つけるツールであるLightWinを開発した。本研究では、LightWinの最新の開発状況と、SPIRAL2とADSリニアック用に開発した補償戦略について、ビームダイナミクスと数学的な観点から紹介する。

報告書

無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発(委託研究); 令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 海上・港湾・航空技術研究所*

JAEA-Review 2024-020, 77 Pages, 2024/09

JAEA-Review-2024-020.pdf:3.34MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和2年度に採択された研究課題のうち、「無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発」の令和2年度から令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、日英共同研究体制の下、耐放射線性を持ちつつ中性子検出効率を向上させた中性子検出器と、強力な切削能と収集能を持ったエンドエフェクタ並びにマニピュレータを融合させた燃料デブリサンプリング装置を開発し、それらを無人航走体へ搭載させた燃料デブリサンプリングシステムを構築することを目指したものである。さらに、システム位置を同定する測位システムと、光学カメラ、ソナー、今回開発する中性子検出器の計数情報を仮想現実システムへ投影させる技術を開発し、遠隔操作技術の向上に貢献する技術開発を行った。日本側が担当した燃料デブリマッピングツールの開発では、1)高耐放射線小型高効率中性子センサの開発、2)UUVプラットホームの開発、3)放射線環境シミュレーション及び積算中性子線量計の特性評価を実施した。実施項目1)ではシリコン半導体検出器に微細構造を施して中性子の感度を上げ、ガンマ線の感度を下げたMSNDの特性評価と専用集積回路を開発し、小型高効率中性子センサを実現した。実施項目2)では、燃料デブリマッピングツール構成要素(中性子センサ、水中カメラ、ソナー、LiDAR)が連動するための通信制御系とUUVプラットホームとのインターフェースを完成させた。

論文

High-temperature test for BGaN semiconductor neutron detectors

沖田 将一朗; 櫻井 辰大*; 工藤 涼兵*; 都木 克之*; 中野 貴之*; 日野 正裕*

KURNS Progress Report 2023, P. 97, 2024/07

BGaN semiconductor neutron detectors are currently under development at Shizuoka University as promising compact and high-temperature resistant neutron detectors. In this experiment, we observe the pulsed detection signals for thermal neutron beams irradiated to the BGaN semiconductor neutron detectors installed on a high-temperature hot plate wih ambient temperatures of 300 Celsius degree. This experiment is performed in the cold neutron beam line (CN-3) in KUR, which has relatively low background noise and can irradiate low-energy neutrons for sensitive detection. As a result, clear pulsed detection signals were successfully found several times per hour for both detectors. These results suggest that BGaN semiconductor neutron detectors demonstrate the operability at around 300 Celsius degree at least.

論文

Atomic position and the chemical state of an active Sn dopant for Sn-doped $$beta$$-Ga$$_{2}$$O$$_{3}$$(001)

Tsai, Y. H.*; 小畠 雅明; 福田 竜生; 谷田 肇; 小林 徹; 山下 良之*

Applied Physics Letters, 124(11), p.112105_1 - 112105_5, 2024/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)

Recently, gallium oxide (Ga$$_{2}$$O$$_{3}$$) has attracted much attention as an ultra-wide bandgap semiconductor with a bandgap of about 5 eV. In order to control device properties, it is important to clarify the chemical state of dopants and doping sites. X-ray absorption near edge structure (XANES) and hard X-ray photoemission spectroscopy were used to investigate the dopant sites and chemical states of Sn in Sn-doped $$beta$$-Ga$$_{2}$$O$$_{3}$$(001) samples. The results show that the chemical state of the Sn dopant is the Sn$$^{4+}$$ oxidation state and that the bond lengths around the Sn dopant atoms are longer due to the relaxation effect after Sn dopant insertion. Comparison of experimental and simulated XANES spectra indicates that the octahedral Ga substitution site in $$beta$$-Ga$$_{2}$$O$$_{3}$$(001) is the active site of the Sn dopant.

論文

Anisotropic electrical conductivity changes in FeTiO$$_3$$ structure transition under high pressure

山中 高光*; 中本 有紀*; 坂田 雅文*; 清水 克哉*; 服部 高典

Physics and Chemistry of Minerals, 51(1), p.4_1 - 4_10, 2024/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)

FeTiO$$_3$$イルメナイトの中性子及び放射光X線回折と電気伝導度測定を高圧下で行った。イルメナイトの構造は28GPaまで保持された。構造解析の結果、8GPa以下ではFeO$$_6$$は圧縮され、TiO$$_6$$はほとんど圧縮されないことが分かった。抵抗率は、金属イオン対の中で原子間距離が最も短いFe-Ti方向で最も小さかった。c軸に垂直な方向の抵抗率は圧力とともに単調減少するが、c軸に沿った抵抗率は圧力とともに山なりとなった。最大エントロピー解析の結果、Fe$$^{2+}$$(3$$d^6$$)の電子配置はTi$$^{4+}$$(3$$d^0$$)よりも圧縮下で大きく変化することがわかった。異方的な電気伝導度とFe-Ti原子間距離の非一様な圧縮は、Feイオンの高スピン状態から中間スピン状態へのスピン転移によって説明できるかもしれない。

論文

Fully gapped pairing state in spin-triplet superconductor UTe$$_2$$

末次 祥大*; 酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 芳賀 芳範; 他12名*

Science Advances (Internet), 10(6), p.eadk3772_1 - eadk3772_6, 2024/02

 被引用回数:5 パーセンタイル:95.83(Multidisciplinary Sciences)

The superconducting gap structure of UTe$$_2$$ was determined by the thermal conductivity measurement on ultra-clean UTe$$_2$$ single crystals. The result demonstrates the absence of nodes around the $$a$$-axis, contrary to the previous study. The finding reveals that UTe$$_2$$ is likely to be a long-sought three-dimensional strong topological superconductor.

論文

Thermal conductivity measurement of uranium-plutonium mixed oxide doped with Nd/Sm as simulated fission products

堀井 雄太; 廣岡 瞬; 宇野 弘樹*; 小笠原 誠洋*; 田村 哲也*; 山田 忠久*; 古澤 尚也*; 村上 龍敏; 加藤 正人

Journal of Nuclear Materials, 588, p.154799_1 - 154799_20, 2024/01

 被引用回数:3 パーセンタイル:80.03(Materials Science, Multidisciplinary)

MOX燃料の照射により生成する主要なFPであるNd$$_{2}$$O$$_{3}$$及びSm$$_{2}$$O$$_{3}$$、模擬FPとして添加したMOXの熱伝導率を評価した。MOX中の模擬FPの均質性の観点から熱伝導率を評価するため、ボールミル法及び溶融法で作製した2種類の粉末を用いて、Nd及びSmの均質性が異なる試料を作製した。模擬FPが均質に固溶した試料では含有量が増加するにしたがってMOXの熱伝導率が低下するが、不均質な模擬FPは影響を及ぼさないことが分かった。熱伝導率に対するNd及びSmの影響を古典的フォノン輸送モデル$$lambda$$=(A+BT)$$^{-1}$$を用いてNd/Sm依存性を定量的に評価した結果、A(mK/W)=1.70$$times$$10$$^{-2}$$ + 0.93C$$_{Nd}$$ + 1.20C$$_{Sm}$$, B(m/W)=2.39$$times$$10$$^{-4}$$と表された。

論文

Measurement of mechanical behavior of $$^{11}$$B-enriched MgB$$_{2}$$ wire using a pulsed neutron source

町屋 修太郎*; 長村 光造*; 菱沼 良光*; 谷口 博康*; Harjo, S.; 川崎 卓郎

Quantum Beam Science (Internet), 7(4), p.34_1 - 34_17, 2023/10

Measuring the actual strain on the MgB$$_2$$ filaments are of paramount importance, since tensile stress and strain diminish the critical current. In this study, the strain measurement using neutron diffraction during tensile loading was established. We fabricated a MgB$$_2$$ wire enriched with boron-11, an isotope having a smaller neutron absorption cross- section than natural boron, and succeeded in obtaining changes in the lattice constant under tensile loading through Rietveld analysis.

論文

Development of a tool for cavity failure compensation in superconducting linacs; Progress and comparative study

Pla$c{c}$ais, A.*; Bouly, F.*; Yee-Rendon, B.

Proceedings of 14th International Particle Accelerator Conference (IPAC 23) (Internet), p.4097 - 4100, 2023/09

大強度ハドロン加速器の信頼性は、特に加速器駆動システム(ADS)にとって大きな問題となる。例として、日本原子力研究開発機構(JAEA)で検討を進めているADSでは、5分以上のビーム停止の最大頻度は年間42回に設定されている。ビーム停止の大半は加速空洞または関連するシステムの故障によって引き起こされるため、これらを効果的に削減する方法を検討した。この目的のため任意の超伝導(SC)リニアックの補償設定を、自動かつ体系的に決定することを目的とした数値ツールLightWinを開発した。このツールは、MYRRHA SCリニアックに使用されて成功した。本報告では、JAEA ADSリニアックの最後段に関連するいくつかの障害シナリオをLightWinにより補償し、関連する再調整された設定とビーム性能とを以前にTraceWinを適用し行った結果と比較した。

報告書

高温ガス炉用SiC母材燃料コンパクトの作製に関する検討

河野 貴大*; 水田 直紀; 植田 祥平; 橘 幸男; 吉田 克己*

JAEA-Technology 2023-014, 37 Pages, 2023/08

JAEA-Technology-2023-014.pdf:2.35MB

現在用いられている高温ガス炉用燃料コンパクトは、被覆燃料粒子を黒鉛母材で焼き固めた黒鉛母材燃料コンパクトである。これに対して、SiC母材燃料コンパクトは、母材を従来の黒鉛から新たに炭化ケイ素に換えたものである。高温ガス炉用燃料コンパクトを従来の黒鉛母材燃料コンパクトからSiC母材燃料コンパクトに換えることで、高温ガス炉の出力密度等の性能向上が期待される。本研究では、高温ガス炉用燃料コンパクトに適用するための焼成条件を選定し、試作したSiCの密度や熱伝導率を測定した。

論文

Chiral superconductivity in UTe$$_2$$ probed by anisotropic low-energy excitations

石原 滉大*; 六本木 雅生*; 小林 雅之*; 今村 薫平*; 水上 雄太*; 酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 芳賀 芳範; 橋本 顕一郎*; et al.

Nature Communications (Internet), 14, p.2966_1 - 2966_7, 2023/05

 被引用回数:22 パーセンタイル:97.82(Multidisciplinary Sciences)

重い電子系超伝導UTe$$_2$$の超伝導対称性を極低温磁場侵入長測定により研究した。異方的な低エネルギー準粒子励起が観測され、多成分カイラル超伝導を強く示唆する。このうち最も実験をよく説明するのは、カイラル非ユニタリー状態である。

論文

Anisotropic enhancement of lower critical field in ultraclean crystals of spin-triplet superconductor candidate UTe$$_2$$

石原 滉大*; 小林 雅之*; 今村 薫平*; Konczykowski, M.*; 酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 芳賀 芳範; 橋本 顕一郎*; 芝内 孝禎*

Physical Review Research (Internet), 5(2), p.L022002_1 - L022002_6, 2023/04

重い電子系超伝導UTe$$_2$$の下部臨界磁場$$H_{rm c1}$$を決定した。直方晶UTe$$_2$$$$a$$軸が磁化容易軸であるがそれと垂直方向の磁場中では$$H_{rm c1}$$が増強されかつ低温で上昇するという特徴を持つことを明らかにした。上部臨界磁場の異方性と比較することにより磁気揺らぎが超伝導に影響を与えていることが示唆された。

報告書

無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発(委託研究); 令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 海上・港湾・航空技術研究所*

JAEA-Review 2022-070, 70 Pages, 2023/03

JAEA-Review-2022-070.pdf:5.27MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、日英共同研究体制の下、耐放射線性を持ちつつ中性子検出効率を向上させた中性子検出器と、強力な切削能と収集能を持ったエンドエフェクタ並びにマニピュレータを融合させた燃料デブリサンプリング装置を開発し、それらを無人航走体へ搭載させた燃料デブリサンプリングシステムを構築することを目指すものである。さらに、システム位置を同定する測位システムと、光学カメラ、ソナー、今回開発する中性子検出器の計数情報を仮想現実システムへ投影させる技術を開発し、遠隔操作技術の向上に貢献する技術開発を行う。

論文

Superconducting fluctuation effect on epitaxially layered films of superconductor NbN and half-metallic Heusler alloy Co$$_{2}$$MnSi

重田 出*; Oku, Shuta*; 窪田 崇秀*; 木村 尚次郎*; 関 剛斎*; 篠崎 文重*; 淡路 智*; 高梨 弘毅; 廣井 政彦*

AIP Advances (Internet), 13(2), p.025116_1 - 025116_5, 2023/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nanoscience & Nanotechnology)

Superconducting properties were investigated in epitaxially layered films consisting of superconductor NbN and half-metallic Heusler alloy Co$$_{2}$$MnSi(CMS). Temperature dependence of the electrical resistivity $$rho$$(T) was measured by applying perpendiar magnetic fields to the surface of NbN/CMS films. With the increase of the CMS thickness $$d_{rm CMS}$$, the upper critical field $$mu$$$$_{0}$$H$$_{c2}$$ decreased monotonically, but the superconducting transition temperature T$$_{c}$$ had the minimum of 10.1 K at $$d_{rm CMS}$$ $$approx$$ 5 nm. The T$$_{c}$$ behavior was in qualitative agreement with the theory of the $$Pi$$-coupling. The pair-breaking parameter $$delta$$ determined by the superconducting fluctuation theory took the maximum at $$d_{rm CMS}$$ = 3$$sim$$5 nm, which would be related to the minimum of $$T_{rm c}$$. The experimental results reveal that the superconductivity of the NbN layer in NbN/CMS films is affected by the interplay between the superconducting NbN layer and the half-metallic CMS layer.

論文

Oxygen potential, oxygen diffusion, and defect equilibria in UO$$_{2 pm x}$$

渡部 雅; 加藤 正人

Frontiers in Nuclear Engineering (Internet), 1, p.1082324_1 - 1082324_9, 2023/01

UO$$_{2}$$の酸素ポテンシャル及び酸素拡散係数は燃料性能に大きな影響を与えるため、多くの実験データが取得されてきた。しかしながら、1673K以上の高温領域における酸素ポテンシャル及び酸素拡散係数のデータは非常に少ない。本研究ではこれらのデータを取得し、欠陥化学によって解析することを目的とした。1673-1873Kにおける定比組成近傍のUO$$_{2}$$の酸素ポテンシャル及び酸素化学拡散係数を気相平衡法によって測定した。測定した酸素ポテンシャルと文献値のデータを欠陥化学により解析し、UO$$_{2}$$の酸素ポテンシャルを温度及びO/U比の関数として定式化した。本研究で得られた酸素化学拡散係数は文献値との比較から妥当な値と判断された。酸素ポテンシャルの測定結果から酸素化学拡散係数は酸素分圧依存性を有することが推測されたが、実験データから明確な依存性は確認できなかった。

論文

Experimental evidence for the significance of optical phonons in thermal transport of tin monosulfide

Wu, P.*; 村井 直樹; Li, T.*; 梶本 亮一; 中村 充孝; 古府 麻衣子; 中島 健次; Xia, K.*; Peng, K.*; Zhang, Y.*; et al.

New Journal of Physics (Internet), 25(1), p.013032_1 - 013032_11, 2023/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Multidisciplinary)

The understanding of the lattice dynamics is essential for engineering the thermal transport properties in quantum materials. Based on the canonical point of view, acoustic phonons are believed to be the principal thermal carriers in heat flow. Here, in this work, optical phonons are elucidated to play a pivotal role in determining the lattice thermal conductivity in thermoelectric material SnS by using the state-of-the-art inelastic neutron scattering technique combined with first-principles calculations. Additionally, in contrast to acoustic phonons, optical phonons are observed to exhibit pronounced softening and broadening with temperature. Our observations not only shed light on the significance of the optical phonons in thermal transport but also provide a vital clue to suppress the propagation of optical phonons to optimize the thermoelectric performance of SnS.

論文

Availability analysis for the 30-MW proton linac of the JAEA-ADS project

Yee-Rendon, B.; 近藤 恭弘; 田村 潤; 中野 敬太; 前川 藤夫; 明午 伸一郎

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.286 - 290, 2023/01

日本原子力研究開発機構(JAEA)は、加速器駆動未臨界システム(ADS)を提案している。この基本コンポーネントの1つとして、30MWの陽子線形加速器(リニアック)を設計している。ADSの加速器には、未臨界原子炉構造の停止に伴う熱応力回避のために、非常に高い信頼性と可用性が要求される。加速器の信頼性および駆動率評価では、設計におけるラティスの脆弱性を見出し、要求される運転を満足できる冗長構成を持つことと、これらの評価が必須となる。本研究では、信頼性ブロック図(RBD)法を適用し、候補となる様々なリニアック構成における平均故障間隔(MTBF)を計算で評価した。対象とする構成は、全リニアック直列構成、低エネルギー部のホットスタンバイ構成、及び高エネルギー部のk-out-nの冗長性を持つ構成とした。本検討では、リニアックのラティスを構成する空洞と磁石の詳細な配置を考慮した。本報告では、高い信頼性を得るリニアックの構成モデルおよびそのMTBFの結果に関し報告するとともに、必要な稼働率に向けた運転方法に関して議論する。

論文

Overview of ADS projects in the world

Yee-Rendon, B.

Proceedings of 31st International Linear Accelerator Conference (LINAC 2022) (Internet), p.310 - 313, 2022/10

加速器駆動未臨界システム(ADS)は、核廃棄物の核変換に有利なオプションを提供する。ADSは大強度の陽子線形加速器(ライナック)を利用し、未臨界原子炉内に核破砕中性子を生成する。ADS加速器は、数メガワット以上の陽子加速器の開発に対する課題に加えて、炉心構造材の熱応力を回避するため厳格な信頼性を所有し動作する必要がある。この動作要件を満たすために、ADSライナックの設計には信頼性指向を採用している。本発表では、世界のADSライナックの現状と課題に関し報告する。

論文

Characteristic Fermi surface properties in $$f$$-electron systems

大貫 惇睦*; 摂待 力生*; 芳賀 芳範; 竹内 徹也*; 辺土 正人*; 仲間 隆男*

Quantum Science; The Frontier of Physics and Chemistry, p.21 - 63, 2022/10

Fermi surfaces of $$f$$-electron systems and the novel physical properties related with crystal symmetry, electronic correlations and magnetic interactions are reviewed. The key materials are CeRhIn$$_5$$, CeIr$$_3$$, EuCu$$_2$$Ge$$_2$$ and EuPtSi.

報告書

ISO/IEC 17025に基づく試験所活動について; ゲルマニウム半導体検出器による環境試料の放射能測定

漆舘 理之*; 依田 朋之; 大谷 周一*; 山口 敏夫*; 國井 伸明*; 栗城 和輝*; 藤原 健壮; 新里 忠史; 北村 哲浩; 飯島 和毅

JAEA-Review 2022-023, 8 Pages, 2022/09

JAEA-Review-2022-023.pdf:1.19MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)では、東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故を契機に、2012年に福島県福島市内に分析所を開設し、ゲルマニウム半導体検出器による環境試料の放射能測定を開始した。2015年10月にゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線の放射性分析($$^{134}$$Cs、$$^{137}$$Cs)の試験所として、公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)からISO/IEC 17025規格の認定を受けた。試験所は、2022年3月末までに約60,000のさまざまな環境サンプルを測定した。試験所の品質管理および測定技術は、JABの定期的な監視によって認定されており、2019年9月に放射能分析研究機関として認定を更新した。

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