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高橋 弘行*; 工藤 祐介; 土屋 勝彦; 木津 要; 安藤 俊就*; 松川 誠; 玉井 広史; 三浦 幸俊
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1005 - 1011, 2006/02
被引用回数:2 パーセンタイル:16.81(Nuclear Science & Technology)JT-60定常高ベータ装置(トカマク国内重点化装置)のセンターソレノイドのケーブルインコンジット(CICC)は、矩形断面のSUS製のコンジットの中心に円形に超伝導線材を配置した構造であり、全長約2.2kmのコンジットを約10mごとに溶接して製作される。この溶接部の健全性を評価するためには、想定される最大溶接欠陥の応力拡大係数を求める必要がある。この応力拡大係数は、平板表面に半楕円亀裂を想定し、Newman-Rajuの式により計算することはできるが、実形状のCICCとの相違が評価に与える影響が明らかではなかった。そこで、この形状ファクタを求めるために、三次元有限要素法を用い実形状のCICCの想定欠陥について応力拡大係数を計算した。この結果、矩形断面のCICCの最大想定欠陥の最大応力拡大係数について三次元有限要素法で求めた値は、Newman-Rajuで求めた値よりも3%大きいだけであることがわかった。このことから、Newman-Rajuの式はこのような矩形断面のCICCに関する破壊靭性の評価に用いることが適用可能であることが判明した。本論文ではこの結果も含め欠陥形状,溶接開先のシニング形状をパラメータに多数有限要素法解析の値とNewman-Rajuの値と比較した結果についての詳細を述べる。
布谷 嘉彦; 礒野 高明; 奥野 清
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1468 - 1472, 2004/06
被引用回数:45 パーセンタイル:83.07(Engineering, Electrical & Electronic)ITER CS インサートに用いられているNbSn製のCIC導体で得られた電圧温度曲線(V-T曲線)には、別途行われた導体を構成する超伝導線の測定結果より予想されるV-T曲線に比較し、より緩慢な立ち上がりが認められた。この緩慢な立ち上がりはn値の低下に対応し、n値として超伝導線で約30、CSインサートでは7の測定値が得られている。導体は通電中のフープ力により長手方向に均一の引っ張りひずみを受けるが、n値の低下はこのひずみの影響では説明できない。そこで特に通電中に受ける導体垂直方向からの電磁力による影響を明確にする必要がある。CIC導体内での各超伝導線は撚りピッチで定められる間隔で隣接の超伝導線と点接触で機械的に支持されるため、5mm程度の周期の連続的な変形を受ける。この変形により、超伝導線には長手方向に不均一な曲げひずみの発生が予想される。このような変形の影響を定量的に評価するために、われわれはこの連続変形を超伝導線に模擬する試験装置を考案し、電圧特性を測定した。その結果、CSインサートの通電時の超伝導線1本当たりの電磁力と同程度である520N/mの垂直方向力が負荷されるとn値が約8に低下し、CSインサートと同程度となることを見いだした。これは、超伝導線に作用する垂直方向力がCIC導体のn値の低下を説明できることを示している。
池添 博; 吉田 忠; 竹内 末広
JAERI-Conf 2003-017, 175 Pages, 2003/10
原研タンデム加速器・ブースター施設は、高性能で多様な重イオンビームを提供できることから、原子核物理,核化学,原子分子及び物性,材料などの基礎科学研究への利用を推進してきたところである。過去2回の研究会と同様に本研究会では、これまで2年間で得た成果の報告をしていただくだけでなく、各分野の研究者間、つまり原子核分野の研究者,物性関連分野の研究者,その他の境界領域の研究者等の間の異分野間で活発な討論をすることとした。また、今後予想される研究分野まで講演の幅を広げることで新たな重イオンを利用した科学研究の出発点となるように企画した。特に今回は、KEKとの共同研究による短寿命核ビーム加速装置開発の現状と短寿命核科学研究に向けた研究計画を中心テーマとした。
濱田 一弥; 松井 邦浩; 高橋 良和; 中嶋 秀夫; 加藤 崇; CSモデル・コイル実験グループ
低温工学, 38(8), p.417 - 424, 2003/08
日本原子力研究所は、 ITERの工学設計活動の一環として、NbAlインサート・コイル等を製作し、13Tの磁場下で国際共同実験を行った。これらの実験の結果、通電中の導体の圧力損失の変化を調べることによって、コイル状態では見ることのできない導体内部の撚線の動きを推測できることが明らかとなった。今回、Nb
Sn素線とは機械的性質が異なるNb
Al線材を用いた導体について、電磁力に対する圧力損失の挙動に注目して圧力損失を測定し、過去に行われた導体の測定結果とともに解析してまとめた。その結果、(1)定常状態における圧力損失は、Nb
Snを使用した導体とNb
Al導体は、撚線構造が同じであれば、同様の特性を示すことがわかった。(2)同じ撚線構造でも、圧力損失特性にはばらつきが見られる。これは4次撚線とジャケット,中心チャンネル間に発生する隙間の効果であり、撚線ピッチが長い導体に発生し易いと考えられる。(3)圧力損失に対する電磁力の影響は、同じ撚線構造のNb
Sn導体よりもその影響は小さく、Nb
Al撚線は剛性が高いことがわかった。(4)ボイド率が小さくなるにつれて、圧力損失に対する電磁力の影響は少なくなり、撚線の動きを低減できることが明らかとなった。
森田 健治*; 鈴木 宏規*; 曽田 一雄*; 岩原 弘育*; 中村 博文; 林 巧; 西 正孝
Journal of Nuclear Materials, 307-311(2), p.1461 - 1465, 2002/12
被引用回数:2 パーセンタイル:16.45(Materials Science, Multidisciplinary)原研と名古屋大学との協力研究に基づいて実施された酸化物セラミックス中に注入したトリチウムと大気中水蒸気の軽水素との同位体交換反応について報告する。実験は、まず、原研のイオン源により1試料あたり約7.4GBqの純トリチウムを注入した。トリチウム注入した試料を3グループに分け、それぞれ、大気(水分濃度約9000ppm),窒素ガス(水分濃度約100ppm),乾燥窒素(水分濃度0.01ppm以下)の環境に24時間曝露した後、0.5K/sec,1273Kまでの等速昇温脱離試験を実施した。試験の結果、水蒸気中の軽水素と材料表面に存在するトリチウムとの同位体交換反応が観察されるとともに、酸化物セラミックス中に打ち込まれたトリチウムは酸化物中の酸素原子と結合していることが明らかとなった。これらの結果をもとに、名古屋大学で考案された固体内水-水素同位体交換反応モデルに基づく解析を実施し、観察されたトリチウムの放出挙動との良い一致を得た。
濱田 一弥; 加藤 崇; 河野 勝己; 原 英治*; 安藤 俊就; 辻 博史; 奥野 清; Zanino, L.*; Savoldi, L.*
AIP Conference Proceedings 613, p.407 - 414, 2002/00
国際熱核融合実験炉(ITER)の工学設計活動の一環として、中心ソレノイド(CS)モデル・コイルが日本,欧州,ロシア及び米国の国際協力により、製作され、性能試験が行われた。CSモデル・コイルは、強制冷却型ケーブル・イン・コンジット導体を採用しており、導体内部に4.5Kの超臨界ヘリウムを流して冷却する。導体の圧力損失を調べることは、コイルの熱的な性能及び冷凍機の負荷の観点から、極めて重要である。今回CSモデル・コイルの実験において、ITER実機規模の超伝導導体として初めて、4.5Kの超臨界圧ヘリウムによって圧力損失特性が測定されたので、その結果について報告する。
藤田 あゆみ
Physical Review B, 64(6), p.064504_1 - 064504_6, 2001/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)磁場下での不純物を含む層状(2次元)超伝導体中で、ローレンツ力を受けて動いている磁束コア内の準粒子励起エネルギー準位の準位統計を調べる。磁束が移動する速度をさまざまに変化させた場合に、不純物濃度が異なる各相において数値計算によりユニバーサルな伝導度を求めた。速度が大きい場合に、ランダム行列理論の予測する結果と一致する結果を得た。反対に速度が小さい領域では、磁束芯内の不純物が1個というsuper-clean極限でのLarkin-Ovchinnikovの結果
と一致する結果を得た。この場合、エネルギー散逸はエネルギー準位の間隔が平均のそれより非常に小さくなるいわゆる"avoided crossing"と呼ばれる場所でのLandau-Zener転移により起こると考えられる。
原 英治*; 濱田 一弥; 河野 勝己; 加藤 崇; 榛葉 透*; CSモデル・コイル実験グループ
低温工学, 36(6), p.324 - 329, 2001/06
国際熱核融合実験炉(ITER)の工学設計活動の一環として、中心ソレノイド(CS)モデル・コイル及びCSインサート・コイルが開発され、このコイルの性能試験が行われた。コイル及びその支持構造物には48の並行冷却流路があり、超臨界圧ヘリウムにより4.5Kに冷却される。本論文では、実験によって得られた初期冷凍及び昇温特性ならびに非通電時における定常熱負荷について報告する。
松井 邦浩; 布谷 嘉彦; 河野 勝己; 高橋 良和; 西井 憲治*; CSモデル・コイル実験グループ
低温工学, 36(6), p.361 - 367, 2001/06
CSインサート・コイルは超伝導導体の特性を評価するための単層ソレノイド・コイルである。このコイル用の導体には、NbSn超伝導線を1152本撚り合わせたケーブル・イン・コンジット導体が使用されている。このような導体ではその構造が複雑なため、導体で発生する交流損失を評価するのが困難である。CSモデル・コイルの試験を通じてCSインサート・コイルの交流損失を熱量法により測定した。また、短尺導体の交流損失を測定し、コイルの試験結果と比較・検討した。
小泉 徳潔; 礒野 高明; 松井 邦浩; 布谷 嘉彦; 安藤 俊就; CSモデル・コイル実験グループ
低温工学, 36(6), p.368 - 372, 2001/06
CSモデルコイル,CSインサートコイルの実験結果のうち、パルス励磁試験の結果について報告する。CSモデルコイルは0.6T/Sのパルス励磁に、CSインサートコイルは1.2T/Sのパルス励磁に成功した。これらは、設計値0.4T/Sを満足するものであり、CS導体の設計が妥当であったことが実証できた。また、CSインサートコイルについては、パルス励磁時のクエンチ電流値の励磁速度依存性を研究した。この結果、交流損失だけでは説明のできないクエンチ電流値の低下現象が観測された。
HTTR利用研究委員会
JAERI-Review 2001-016, 232 Pages, 2001/05
高温工学試験研究炉(HTTR)を用いる照射研究である「高温工学に関する先端的基礎研究」の成果と今後の計画についてまとめた。本研究は、高温で広い照射空間が利用できるというHTTRの特徴を生かして、一連の先端的な高温照射研究を行うものである。原研は、大学及び研究機関の協力を得て、平成6年度以来、(1)新素材・材料開発分野、(2)放射線化学・核融合関連分野、(3)高温照射技術・その他原子力関連分野について、予備試験を実施してきた。HTTR利用研究委員会は、予備試験の研究成果や方法論、今後の計画について検討するとともに、HTTR熊射試験及び環射後試験のための設備の整備について検討を進めてきた。本報告書は、約7年間にわたる予備試験及び設備整備の成果についてまとめを行うとともに、今後の計画の概要を明らかにしたものである。
石野 栞*; 寺井 隆幸*; 奥 達雄*; 荒井 長利; 林 君夫; 伊藤 久義; 矢野 豊彦*; 本橋 嘉信*; 北村 隆行*; 筑本 知子*; et al.
JAERI-Review 99-019, 238 Pages, 1999/08
本報告書は、HTTRによるセラミックス系新素材の照射試験計画を効率的に遂行するため、関連研究動向、HTTR照射試験方法等の調査・検討を、原子力学会に委託した結果をまとめたものである。高温超伝導材料、高温半導体の照射改質、耐熱セラミックス複合材料の照射損傷のほか、新規テーマ(超朔性セラミックス材料の照射効果、変形・破壊のシミュレーション等)を対象とした。本調査により、各研究テーマの目標・意義、HTTR照射試験方法等が明らかになった。本調査は、高温工学に関する先端的基礎研究について、さらに詳細な計画を立案し、実施してゆくための重要な基礎を構築したものである。
放射線高度利用センター
JAERI-Review 97-015, 281 Pages, 1997/11
本年度報告は、原研イオン照射研究施設で、1996年4月1日から1997年3月31日までの間に行われた研究活動の概要をまとめたものである。(1)宇宙用半導体、(2)バイオテクノロジー、(3)放射線化学及び有機材料、(4)無機材料、(5)材料解析、(6)核化学及びラジオアイソトープ製造、(7)加速器施設の放射線遮蔽、(8)加速器技術の8部門にわたる88編の研究報告に加えて、施設の運転・利用状況、公表された文献、企業・大学等との研究協力関係、研究開発・施設運営組織を収録する。
細田 義門*; 島本 進
JAERI-M 7546, 37 Pages, 1978/02
ORNLのLarge Coil TaskのSpecificationのうち、熱的問題の検討を行った。熱的問題lこは、Stability、Nuclear Heating Simulation、及び初期冷却とWarm-upの問題が含まれる。Stabilityの問題に関しては、コイルの1/2ターンが常電導転位した時、超電導状態に復帰する条件を求めた。Nuclear Heating Simulationはヒーターテストでは殆んど問題のないことが判った。初期冷却とWarm-upに関しては、その所要時間と熱応力を求めた。所要時間は、Specificationを満足する条件を見出すことが出来た。熱応力に関しては、SUS構造材と超電導導体の間の絶縁物に発生する熱応力が最も厳しいことが判明した。
金原 節朗
日本原子力学会誌, 19(1), p.55 - 64, 1977/01
被引用回数:0ウィルキンソン型ADCの高速化と微分直線性の改善について、改善方式の開発とその実験結果について述べている。 ウィルキンソン型ADCの微分直線性がチャネル・スケーラの干渉作用によって生じていることを説明し、その改善方法として、干渉作用を平均化させる計数方式を4つ開発し、それぞれの改善効果を確認している。その内、特に実用性の高い方式について実験回路を作り特性測定を行い、300MHzクロック速度で、微分直線性は0.043%を得ている。 この結果、クロック速度を素子限界である400~500MHzに高速化することが可能になり、そのときの微分直線性として
0.1%以下が保証できるようになったことを述べている。
礒野 高明; 河野 勝己; 尾関 秀将; 齊藤 徹; 名原 啓博; 諏訪 友音; 下野 貢; 海老澤 昇; 佐藤 稔; 宇野 康弘; et al.
no journal, ,
原子力機構ではITER中心ソレノイド(CS)用導体の調達を進めており、今回、その超伝導性能をCSモデル・コイル試験装置を用いて評価した。試験において、16000回の繰り返し通電、3回の室温までの熱履歴を行い、分流開始温度(Tcs)の変化を測定した。また、試験コイルがフープ力により歪むことのTcsへの影響及びクエンチ試験を実施した。本稿では、これらの試験方法について報告する。