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宮川 和也; 下茂 道人*; 丹羽 正和; 天野 健治; 徳永 朋祥*; 戸野倉 賢一*
深田地質研究所年報, (22), p.139 - 153, 2021/00
深田地質研究所と東京大学,原子力機構は、共同研究の一環として、地下深部で生成したガス(地下ガス)が断層を通じて地表へ放出されることに着目し、キャビティーリングダウン分光法を用いた可搬型分析装置による大気環境中のメタンや二酸化炭素濃度の時空間変化を迅速に捉えることで、断層の地表分布の調査手法の開発に取り組んでいる。大気環境中のガス濃度の微小変化には、地下ガスのみでなく、動植物や自動車などの複数の放出源の影響が含まれており、測定結果から地下ガス以外による影響を取り除くことで(スクリーニング)、断層の地表分布の推定精度の向上および調査の効率化が期待される。本稿では、各起源ガスの影響調査とスクリーニングの試行例を報告する。自動車の排ガスや人の呼気の影響については、そのほとんどを除外できたが、微生物発酵ガスの影響については、地下ガスとの区別が困難な場合があることが分かった。本共同研究で得られた断層の情報は、令和2年度以降の幌延深地層研究計画において日本原子力研究開発機構(原子力機構)が取り組んでいる課題「地下水の流れが非常に遅い領域を調査・評価する技術の高度化」において地質環境モデルを検討する際に活用できるものである。
勝身 俊之; 吉田 康人*; 中川 燎*; 矢澤 慎也*; 熊田 正志*; 佐藤 大輔*; Thwe Thwe, A.; Chaumeix, N.*; 門脇 敏
Journal of Thermal Science and Technology (Internet), 16(2), p.21-00044_1 - 21-00044_13, 2021/00
被引用回数:8 パーセンタイル:40.27(Thermodynamics)水素/空気予混合火炎の動的挙動の特性に及ぼす二酸化炭素と水蒸気の添加の影響を実験的に解明した。シュリーレン画像により、火炎面の凹凸が低い当量比で明瞭に観察された。火炎半径が大きくなると共に伝播速度は単調に増加し、火炎面の凹凸の形成に起因する火炎加速が生じた。不活性ガスの添加量を増やすと、特にCO添加の場合、伝播速度が低下した。さらに、マークスタインの長さと凹凸係数が減少した。これは、CO
またはH
Oの添加が水素火炎の不安定な動きを促進したことを示してあり、拡散熱効果の強化が原因であると考えられる。水素火炎の動的挙動の特性に基づいて、火炎加速を含む伝播速度の数学モデルで使用されるパラメータが得られ、その後、さまざまな条件下での火炎伝播速度が予測された。
宮川 和也; 奥村 文章*
Geofluids, 2018, p.2436814_1 - 2436814_11, 2018/10
被引用回数:6 パーセンタイル:39.68(Geochemistry & Geophysics)地下深部の炭化水素ガスの濃度組成や同位体組成を調べる事により、炭化水素ガスの起源や長期的な流体移動に関する知見が得られる。地上からのボーリング孔を用いてガス採取を行う場合によく用いられる方法として、ボーリングのカッティングスあるいはコアに吸着したガスをサンプル容器のヘッドスペースに追い出して分析する方法がある。しかしながら、この方法により得られた結果は、しばしば大きなばらつきを示す。本研究では、上述の手法により採取・分析した結果を、地下施設を利用して得られた結果と比較し、ばらつきの原因が試料の採取・保管方法に起因することを明らかにし、正しい値を得るための要点を指摘した。
佐藤 治
JAERI-Research 2005-012, 32 Pages, 2005/05
2050年に至る我が国のエネルギー需給の動向と原子力エネルギー利用の将来的なポテンシャルについて検討を行った。この目的のため、今後の経済成長,エネルギー原単位改善,各種エネルギー源とエネルギー技術の価格と利用可能量等を設定した。次に、これらの前提条件に基づいて原子力エネルギー利用規模の異なる3ケースの長期エネルギーシナリオを作成し、その比較評価を通じて原子力エネルギー利用の役割を検討した。この検討の結果、原子力エネルギー利用の拡大は化石燃料の消費量を低減し、エネルギーセキュリティの向上と低コストでの二酸化炭素排出量の大幅な低減に貢献できる可能性を有することが示された。
近藤 貴; Richards, R. K.*; Hutchinson, D. P.*; 杉江 達夫; Costley, A. E.*; 三浦 幸俊; Lee, S.*
Proceedings of 30th EPS Conference on Controlled Fusion and Plasma Physics (CD-ROM), 4 Pages, 2003/07
燃焼プラズマでの支配的な熱源である粒子の挙動を理解するために、
粒子の密度とエネルギースペクトルの空間の分布を測ることが必要とされている。そこで、ITERの
粒子測定のために、パルス炭酸ガスレーザーを用いた協同トムソン散乱(CTS)システムを開発している。ITERでは加熱ビームイオン(E=1MeV)は、接線方向に入射され、
粒子で類似した速さを持つ。しかし、CTS測定は一般的に、同じ速さを持つビームイオンと
粒子を識別することができない。この問題を解決するため、ビームイオンと
粒子を区別できる垂直散乱配置を提案した。この配置のCTSが、ビームイオンによってマスクされることなく
粒子を分析できることを計算により示した。また、垂直散乱配置によるビーム線とレシーバー・システムの予備的な設計を示す。さらに、JT-60Uプラズマを使ったCTSシステムの原理実証実験について示す。
近藤 貴; 河野 康則; Costley, A. E.*; Malaquias, A.*; 杉江 達夫; Walker, C.*
Proceedings of 30th EPS Conference on Controlled Fusion and Plasma Physics (CD-ROM), 4 Pages, 2003/07
ITERの電子密度測定に用いられる、炭酸ガスレーザー干渉計/偏光計システムの設計の現状について報告する。干渉計/偏光計システムは長時間のプラズマ放電の密度の実時間制御の参照信号に用いられるので、高い信頼性が要求される。従来の設計では、レーザーの光源として炭酸レーザー(波長10.6m)と一酸化炭素ガスレーザー(波長5.3
m)の組合せを用いていた。しかし、波長の短い一酸化炭素ガスレーザーは、真空容器内に設置する逆反射鏡の反射率の低下が懸念される。反射率低下を抑えて信頼性を向上させるため、JT-60Uで開発した2波長炭酸ガスレーザー(波長9.3
m,10.6
m) を用いた干渉計/偏光計のITERへの導入を検討した。2波長炭酸ガスレーザーは、反射率の低下の観点からは有利であるが、波長が近接しているために従来設計の干渉計/偏光計より密度分解能が劣る。そこで、ITERでは同位体炭酸ガスを用いた2波長炭酸ガスレーザー(波長9.0
m,12.1
m)を使用することを提案した。この同位体レーザーの使用により、JT-60Uの干渉計/偏光計より密度分解能が約2倍向上することを示した。また、逆反射鏡の真空容器内部への設置方法、並びにレーザー光路の実時間制御の技術的課題について解決策を示し、本計測システムの信頼性を向上させた。
Choi, Y.; 山本 春也; 齊藤 宏*; 住田 泰史*; 伊藤 久義
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206(1-4), p.241 - 244, 2003/05
被引用回数:7 パーセンタイル:46.48(Instruments & Instrumentation)二酸化チタン薄膜に対する炭素イオン照射とプラズマ処理による光触媒活性への影響を調べた。陽極酸化によって作製したアナターゼ薄膜はイオン照射でもプラズマ処理でも活性が落ちた。この試料は酸素欠陥と結晶粒界が多く含まれるため元々強度が弱く、イオン照射とプラズマ処理によって、活性点と考えられる表面の酸素欠損がこわれすぎて活性が落ちたと考えている。しかし、レーザー蒸着によってサファイア上にエピタキシャル成長させたアナターゼ薄膜はプラズマ処理によって活性が増大することがわかった。この試料は、陽極酸化によって作製した試料より強度が高く、丈夫であるためプラズマ処理をすると酸素欠損が表面上に生成され活性が増大したと考えている。これらの結果からイオン照射とプラズマ処理の制御により活性点のコントロールができ、光触媒活性の向上が期待される。
近藤 貴; Lee, S.; 三浦 幸俊
プラズマ・核融合学会誌, 76(9), p.883 - 887, 2000/09
協同トムソン散乱の計測原理と特徴、及び被計測物量の概観を行い、最近の進歩を述べる。協同トムソン散乱計測法は粒子の速度分布測定に対してITERにおける重要な候補として目されており、同計測方式の信頼性を確立する必要がある。JT-60Uの協同トカマク散乱計測は、イオン温度計測を実証し、さらにNNB加熱中の高速イオンからの散乱光を受信することにより、
粒子計測法を実証することにある。パルス炭酸ガスレーザシステムにより1
s,10J,0.5Hzの発振に成功した。ヘテロダイン受信システムは、広帯域の赤外線検出器、並びに迷光フィルタから構成され、所定の性能を満たした。また、光学系の設置を完了し、散乱光の計測を開始した。
Huang, Z.*; 大橋 弘史; 稲垣 嘉之
JAERI-Tech 2000-022, p.30 - 0, 2000/03
日本原子力研究所では、高温ガス炉、高温工学試験研究炉(HTTR)から供給される核熱(10MW,1178K)を利用し、天然ガス(主成分: メタン)の水蒸気改質反応により水素を製造する、HTTR水素製造システムを計画している。このため、HTTRとの接続の前に、安全性、制御性及び水蒸気改質システムの性能を明らかにすることを目的として、通電式加熱器を用いて中間熱交換器以降を模擬する、水素製造量に関して1/30スケール(100Nm/h)の炉外技術開発試験を計画し、試験装置の建設を行っている。一酸化炭素と水素から成る合成ガスを製造する天然ガスの二酸化炭素改質反応(CO
改質)は、近年、温室ガスの低減技術として期待されており、炉外技術開発試験装置における試験の実施が検討されている。しかし、水蒸気改質のために設計された炉外技術開発試験装置を用いて、CO
改質を行うにあたり、熱・物質収支計算による改質器性能の事前解析が必要である。そこで、本研究では、CO
改質及び二酸化炭素と水蒸気を同時に供給し、CO
改質と水蒸気改質を同時に行う場合(CO
+H
O改質)について、数値解析による改質器性能解析を行い、圧力、温度、原料ガス組成等の転化率及び生成ガス組成に対する影響を明らかにした。数値解析の結果、設定した定格運転時(改質器入口He温度1153K)のCO
改質及びCO
+H
O改質のメタン転化率は、各々1085,1100Kにおける平衡転化率と等しい0.36,0.35であった。これらの結果より、炉外技術開発試験装置がCO
改質及びCO
+H
O改質にも使用可能であることを明らかにした。
峯尾 英章; 八木 知則; 高橋 昭*; 内山 軍蔵; 藤根 幸雄
Proc. of 7th Int. Conf. on Radioactive Waste Mamagement and Environmental Remediation (ICEM '99)(CD-ROM), 3 Pages, 1999/00
高度化再処理プロセスPARCの重要な機能である、環境への影響低減化技術の1つとして、炭素-14を二酸化炭素として吸着する技術の開発を行っている。天然モルデナイト、水素化モルデナイト及び改質水素化モルデナイトの二酸化炭素吸着容量を破過曲線の測定により取得し比較した。使用した二酸化炭素の濃度は350ppmで、NOガスの濃度を0.05~1%に設定した。実験の結果、天然モルデナイトと2mol/l水酸化ナトリウム水溶液で改質した水素化モルデナイトが高い吸着容量を示すことがわかった。NO
ガスの濃度を1%までに増加させると、試験対象とした吸着材すべての吸着容量は減少した。
稲葉 良知; 文沢 元雄; 菱田 誠; 小川 益郎; 有富 正憲*; 神前 康次*; 桑原 信一*; 野村 眞一*; 小坂 伸一*; 小林 繁鋪*; et al.
JAERI-Tech 96-019, 122 Pages, 1996/05
本来核エネルギーの持つ大きな可能性を、長期的な世界のエネルギー需給において現実に利用可能なものとしていくために、核熱利用の様々な可能性を具体的な利用システムとして構築していく必要がある。本検討では、資源としては豊富に存在するが、取り扱う物量や環境影響という点で最も大きな問題を抱えている石炭と、物量という点で最もコンパクトな原子力を組み合わせたシステムの可能性について重点的な考察を行った。まず石炭の改質技術の最近の開発状況について、石炭ガス化技術開発の立場から検討した。また高温核熱と石炭改質を組み合わせたシステムを比較・検討し、このようなシステムを総合的に評価するモデルの開発を行った。さらに、核熱利用と化学原料製造の関係や開発途上国等での核熱利用の開発状況を調査した。そしてこれらにより、核熱利用システムの有用性を示した。
稲葉 良知; 文沢 元雄; 菱田 誠; 小川 益郎; 飯塚 隆行; 有富 正憲*; 神前 康次*; 桑原 信一*; 野村 眞一*; 村上 信明*; et al.
JAERI-Review 96-007, 87 Pages, 1996/05
本来核エネルギーの持つ大きな可能性を、長期的な世界のエネルギー需給において現実に利用可能なものとしていくためには、核熱利用の様々な可能性を具体的な利用システムとして構築していく必要がある。本報告書では、このような課題に対し、核熱利用システム導入の前提条件と導入シナリオについて検討した。特に、高温核熱と石炭改質を組み合わせたシステムに重点を置いてシステムの設計検討と評価を行った。その結果、本システムでは炭酸ガス排出量を従来のシステムに比べて抑制できる反面、その経済性については炭酸ガス課税がキーポイントになることがわかった。
熊丸 博滋; 大津 巌; 村田 秀男; 久木田 豊; 秋山 守*; 大橋 弘忠*; 後藤 正治*; 田中 伸和*; 大川 富雄*; 小野 勇司*; et al.
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 1(PART B), p.669 - 674, 1996/00
シャフト高さ約1000m、内径約3m、水-空気系のCAESシステムを模擬した、シャフト高さ約25m、内径0.2m、水-炭酸ガス系の実験装置を製作した。本装置を用いて合計15実験を実施した。高炭酸ガス濃度(~0.4MPa)、中水注入流速(~0.5m/s)の実験においては、下部リザーバへのガス貯気中(すなわちシャフトへの水注入中)のシャフト内ボイド率が全実験中最大となった。この実験はCAESシステムにおける最も厳しい状況に対応していると考えられるが、ブローアウトは発生しなかった。また、高濃度(~0.4MPa)、極高注入流速(~2.5m/s)の実験では、ガス貯気停止後、シャフト内に残存した過飽和炭酸ガス溶存水より急激に発泡が生じ、ブローアウトが発生した。しかし、実験装置での~2.5m/sは、CAESシステムでの~100m/sに相当し、非現実的流速である。
羽田 一彦
JAERI-M 93-029, 99 Pages, 1993/03
水素、一酸化炭素、二酸化炭素及びメタンの熱物性値推算パッケージを、公開文献に提案されている理論式や実験式を検討し、選定することにより構築した。熱物性値としては、密度、定圧比熱、粘性係数及び熱伝導率を対象とした。選定した推算式は次のとおりである。(1)密度については、Peng-Robinson-Redlich-Kwongの状態方程式、(2)定圧比熱については、van der Waalsの状態方程式に熱力学的な関係式を適用して求めた式、並びに、(3)粘性係数及び熱伝導率については、Thodosらが開発した次元解析法を適用した一般化関係式。これらの選定推算式を選定値集の値や試験データと比較した結果、比熱以外の密度、粘性係数及び熱伝導率の推算式の精度は、工学的に十分許容される範囲内にあることが明らかになった。
小川 徹; 福田 幸朔; 鹿志村 悟; 飛田 勉; 小林 紀昭; 角 重雄; 宮西 秀至; 高橋 五志生; 菊池 輝男
Journal of the American Ceramic Society, 75(11), p.2985 - 2990, 1992/11
被引用回数:42 パーセンタイル:84.86(Materials Science, Ceramics)ZrC被覆UO粒子は有望な高温ガス炉用燃料である。熱分解炭素とZrCとによって多層被覆を施した粒子燃料を最高約4%FIMAまで照射した。高速中性子照射量は2
10
/m
を越えた。寿命末期の核分裂生成物放出量は極く僅かであって、黒鉛マトリックスのU汚染で説明できた。照射後の破損率は実質的に0であった。最高2400
Cまでの照射後加熱試験では、同温度で約6000秒保持してようやく破損が発生した。
湊 和生; 小川 徹; 鹿志村 悟; 福田 幸朔; 高橋 五志生; 清水 道雄; 田山 義伸
J. Mater. Sci., 26, p.2379 - 2388, 1991/00
被引用回数:15 パーセンタイル:61.17(Materials Science, Multidisciplinary)照射済高温ガス炉用被覆燃料粒子において、一酸化炭素(CO)ガスによる炭化ケイ素(SiC)被覆層の腐食を観察した。観察には光学顕微鏡およびX線マイクロアナライザを用いた。SiC層が腐食されている領域では、内側高密度熱分解炭素(IPyC)層の機械的破損がしばしば観察された。反応の初期においては、SiCの結晶粒界が選択的に腐食されていた。粒子の低温側のバッファー層とIPyC層の間およびIPyC層とSiC層との間には、二酸化ケイ素またはより安定な(Si、Ce、Ba)酸化物が蓄積していた。燃料核内では、(Pd、Rh、Ru、Tc、Mo)ケイ化物が観察された。これらの反応生成物は、一酸化ケイ素が腐食領域から気相輸送された結果であると考えられる。
池添 康正; 小貫 薫; 清水 三郎; 中村 洋根*; 田川 精一*; 田畑 米穂*
Radiation Physics and Chemistry, 36(3), p.279 - 284, 1990/00
原子炉冷却材として用いられる炭酸ガス中のイオン反応を調べた。518K、大気圧のCO-CO(2.9%)-CH
(40ppm)-H
O(18ppm)混合ガス中の安定なイオン種は、H
O
・mH
O・nCO
とCH
CO
・nCO
の2種類であった。さらに反応(7)の反応速度(CO)
・CO
+CH
CH
CO
・CO
、HCO
・CO
(7')定数を測定し、室温では10
cm
s
より小さく、518Kでは1.3
10
cm
s
であることを明らかにした。これらの反応の原子炉冷却材の化学作用に関する寄与を論じた。
清水 雄一; 永井 士郎
Radiation Physics and Chemistry, 33(6), p.567 - 572, 1989/00
460Cにおけるモレキュラーシーブ5A上でのメタンの放射線分解への水蒸気の添加効果を、生成物の分析から検討した。水素、一酸化炭素、二酸化炭素及び低級炭化水素が高収率で生成した。3:1及び3:2メタン-水蒸気混合物からの炭化水素の収量は時間によってわずかに減少するが、3:4混合物からのそれは時間でほとんど変化しなかった。メタン流通下で照射後のモレキュラーシーブ5Aを水蒸気存在下で最照射すると、メタンからモレキュラーシーブ5A上へ生成した含炭素固体は二酸化炭素、一酸化炭素、水素及び主にアルカンから成る炭化水素に容易に分解された。以上の結果から、水蒸気の添加による生成物収量の経時変化の抑制は主として電子線照射下での水蒸気による含炭素固体の分解によるものであると考えられることができる。また、添加した水蒸気の作用を従来のメタン-スチームリフォーミング反応との関連において議論した。
佐伯 正克; 平林 孝圀; 荒殿 保幸; 長谷川 隆代*; 立川 圓造
Journal of Nuclear Science and Technology, 20(9), p.762 - 768, 1983/00
被引用回数:11 パーセンタイル:75.32(Nuclear Science & Technology)水素同位体分離用ガスクロマトグラムカラムの作製および使用条件を検討し、その結果を市販無担体トリチウムガス中の不純物分析に応用した。最も良い分離条件は固定相の酸化鉄添加活性化アルミナを230Cで16時間活性化した後、-7
Cで炭酸ガスにより不活性化した場合に得られた。分析した3種類の市販トリチウムガス中には、いずれもHT,DT,トリチウム化メタンおよびトリチウム化エタンが検出された。混入している軽水素は主に貯蔵容器内表面から供給されていることを実験的に確認した。
新井 英彦; 永井 士郎; 畑田 元義
Z.Phys.Chem.,Neue Folge, 131, p.47 - 56, 1982/00
大気圧で種々の組成のCH/CO
混合気体の電子線照射(0.6MeV)による放射線化学反応の研究を行なった。水素及び炭化水素の収量は、炭酸ガス含量の増加とともに次第に減少した。COとH
Oの収量は、CO
から生成するO(
D)の量で、ほぼ説明できる。但し、CO
含量の高い所では、この関係は成立せず、代ってギ酸、酢酸、プロピオン酸が生成した。ギ酸は、ホルムアルデヒドを経由してラジカル過程で、一方酢酸及びプロピオン酸はイオン機構で生成すると考えられる。