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論文

Cold sintering of whitlockite-based phosphate ceramics for ALPS carbonate slurry waste immobilization

Gubarevich, A.*; 久保 遼太郎*; 有阪 真; 大杉 武史; 吉田 克己*; 竹下 健二*

Journal of Nuclear Science and Technology, 63(6), p.667 - 676, 2026/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:50.28(Nuclear Science & Technology)

多核種除去設備(ALPS)で発生する炭酸塩スラリー廃棄物を固定化・固化するため、これらの廃棄物をリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウム相に変換する化学変換プロセスと続いてそれらを緻密化する新しい低温焼結プレス(CSP)技術の導入について検討した。炭酸カルシウム-マグネシウムスラリーの模擬物をリン酸処理してリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムを合成し、CSPを用いて300-500$$^{circ}$$Cで焼結した。カルシウムとマグネシウムの比率、ストロンチウムの取り込み、および塩化ナトリウムの添加が相組成およびCSPの緻密化に及ぼす影響を調査した。バルクサンプルを作製し、X線回折、走査型電子顕微鏡、エネルギー分散型X線分光法、およびアルキメデス法を用いて特性評価を行った。これらの結果から、(1)化学変換プロセスによってウィットロカイトとニューベライトが形成され、カルシウムとマグネシウムの比率によってこれらの相の相対的な割合が決定されること、(2)ストロンチウムはウィットロカイトの結晶構造に効果的に組み込まれ、ニューベライトは脱水促進プロセスによって緻密化を促進すること、(3)塩化ナトリウムは化学変換に影響を与えず、最終的な固体生成物には含まれないことがわかった。これらの結果は、炭酸カルシウム-マグネシウムスラリーをウィットロカイト系リン酸塩セラミックスに直接変換し、その後CSPを行うことで安定した固化が可能になることを示しており、この方法がALPS炭酸塩スラリー廃棄物の管理に有望であることを示している。

論文

Development of nano-sized graphene flowers as neutron reflectors; Intensify neutron beam caused by coherent scattering

勅使河原 誠; 池田 裕二郎*; 村松 一生*; 須谷 康一*; 君島 孝一*; 福住 正文*; 能田 洋平*; 小泉 智*; 川村 裕司*; 猿田 晃一; et al.

Canadian Journal of Physics, 103(12), p.1225 - 1231, 2025/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:41.22(Physics, Multidisciplinary)

ナノメートル(nm)波長領域の中性子をプローブとして用いる科学は、物質・生命科学の基礎研究から産業応用まで幅広い分野に広がっている。このような研究を推進するために、中性子ビーム強度を飛躍的に向上させる必要がある。我々は、中性子ビームの強度を高めるために、ナノサイズの粒子集団よって生じるコヒーレント散乱に着目した。先行研究として、ナノダイヤモンドが実用化に向けて精力的に研究開発が進められている。一方、グラフェンは、ナノダイヤモンドよりもファンデルワールス力が桁違いに大きく、炭素間のsp2結合が強いため、塊状への加工性や高放射線場への適応性が期待できる。我々は、化学気相成長(CVD)を促進することにより、ひまわりの花のような形状を持つナノサイズのグラフェン(グラフェンフラワーと呼ぶ)を形成する技術を確立した。本講演では、新たに開発したグラフェンフラワーのコヒーレント散乱に寄与する中性子散乱特性について報告する。

論文

タンク型ナトリウム冷却高速炉の一次冷却系統内非凝縮性ガス移行挙動評価手法の整備; コールドプレナム領域自由液面部からの気泡離脱挙動の予備評価

松下 健太郎; 江連 俊樹; 藤崎 竜也*; 中峯 由彰*; 今井 康友*; 田中 正暁

日本機械学会2025年度年次大会講演論文集(インターネット), 5 Pages, 2025/09

ナトリウム冷却高速炉の設計において、カバーガスの巻込みや溶解によって一次冷却系統内に混入した非凝縮性ガスの挙動の評価が重要となる。本研究では、分散相モデルを適用した三次元CFD解析によって、タンク型炉コールドプレナム領域内における気泡の移行の軌跡を評価した。コールドプレナム内に流入する気泡の半径をパラメータとした感度解析の結果、自由液面部からの気泡離脱率は、気泡の半径が増大するにつれて増加し、気泡半径が大きくなると漸近的に増加する傾向を示すことがわかった。

報告書

Input data preparation for PWR large-break LOCA analysis with RELAP5/MOD3.3 code

竹田 武司

JAEA-Data/Code 2025-005, 106 Pages, 2025/06

JAEA-Data-Code-2025-005.pdf:2.93MB

JAEAでは、加圧水型軽水炉(PWR)解析のためのRELAP5/MOD3.3コードの入力データを、主に大型非定常実験装置(LSTF)の参照4ループPWRである敦賀発電所2号機の設計情報を基に作成してきた。PWR解析に関する代表的なOECD/NEAの活動として、BEMUSEプログラムの枠組みにおける低温側配管大破断冷却材喪失事故(LBLOCA)の計算が挙げられる。また、わが国の新規制基準に係るPWRの炉心損傷防止対策の有効性評価事象には、低温側配管LBLOCA時の非常用炉心冷却系(ECCS)の再循環機能喪失事象が含まれる。本検討において、PWRの安全設計上想定すべき設計基準事故の一つであるLBLOCAを解析するための入力データを整備した。本報告書では、PWRLBLOCA解析の入力データの主な特徴を示す。PWRの原子炉容器、加圧器(PZR)、高温側配管、蒸気発生器(SG)、SG二次系、クロスオーバーレグ、低温側配管、ECCSなどをモデル化し、参照4ループPWRを2ループで模擬した。その際、PZRは3ループ分を模擬するループAに接続し、破断口は1ループ分を模擬するループBに設置した。PWRのコンポーネントのノード分割は、LSTFのコンポーネントのノード分割を参照した。また、PWRLBLOCA解析の主な入力データに対して、解釈を加えるとともに、設定根拠などの付加情報を提供した。さらに、整備した入力データを用いて、ECCS再循環機能喪失事象を対象とした過渡解析を実施した。RELAP5/MOD3.3コードによる既往研究の計算と比較することにより、過渡解析は概ね妥当であることを確認した。加えて、RELAP5/MOD3.3コードを用いて感度解析を実施し、破断口の流出係数や代替再循環注水流量が燃料棒被覆管表面温度に及ぼす影響を明らかにした。本報告書では、設定した条件の範囲内での感度解析結果について示し、ECCS再循環機能喪失事象に対する既往研究の計算内容の一部を補完する。

報告書

TVF3号溶融炉運転条件確認試験

朝日 良光; 福田 茂樹; 白水 大貴; 宮田 晃志; 刀根 雅也; 勝岡 菜々子; 前田 裕太; 青山 雄亮; 新妻 孝一; 小林 秀和; et al.

JAEA-Technology 2024-024, 271 Pages, 2025/03

JAEA-Technology-2024-024.pdf:33.98MB
JAEA-Technology-2024-024-hyperlink.zip:31.96MB

東海再処理施設で発生した高レベル放射性廃液のガラス固化に用いるTVF3号溶融炉(以下、3号炉)を製作し、この溶融炉でガラス固化体18本分のガラスを溶融・流下するコールド運転を行った。ガラス原料には、ホット運転で処理するものと同等の廃液成分を非放射性元素で置き換えた模擬廃液とガラスファイバーカートリッジを使うことで、溶融ガラス液面に仮焼層を形成させた。TVF2号溶融炉(以下、2号炉)と3号炉の構造の違いに起因する溶融炉固有の温度特性を考慮し、運転操作に用いるパラメータには、2号炉で使ってきたものを修正して適用した。本試験の結果、溶融炉各部の温度推移を確認しながら適切に運転できるパラメータ値を見出すことができ、2号炉のコールド運転に比べ、溶融ガラス温度は高く、二つある主電極の冷却は片側あたり約1kW小さいとき、安定的に運転できることが分かった。主電極間のジュール加熱電力を39kW、主電極冷却空気流量を26Nm$$^3$$/hで運転し炉底加熱方法を改良することで、流下前の炉底加熱時間をこれまでより2時間短い約5時間で完了できる見通しを得た。運転期間中は、炉内のガラス温度分布やケーシング表面の温度推移を計測し、今後のシミュレーションモデル開発に有効なデータが得られた。炉内の溶融ガラスの白金族元素濃度が飽和した後に、原料供給と流下を2日間停止する保持運転を行い、炉底部への白金族元素の沈降を遅らせる一定の効果があることを確認した。保持運転中に仮焼層の溶融過程を観察し、薄膜状の流動しない層が確認されたことから、流動計算で液面にNo-slip境界条件を設定する根拠を得た。流下ガラスの成分を分析して白金族元素の流下特性を調査した結果、運転中に溶融炉に蓄積する白金族元素の量は2号炉と比較して少なかった。溶融ガラスを全量流下した後の炉内には、残留ガラスやレンガ片などの異物は確認されなかった。白金族元素の蓄積による運転停止を判断する基準は、流下終了から炉底ガラス温度850$$^{circ}$$Cへ低下するまでの時間を10.3h以上、主電極間補正抵抗値を0.12$$Omega$$以下と試算したが、今後のホット運転の結果に応じ再検討が必要である。

論文

In-situ measurement of radiation driven back-conversion from para to ortho liquid hydrogen state in cold moderators at J-PARC

勅使河原 誠; Lee, Y.*; 達本 衡輝*; Hartl, M.*; 麻生 智一; Iverson, E. B.*; 有吉 玄; 池田 裕二郎*; 長谷川 巧*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 557, p.165534_1 - 165534_10, 2024/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:23.44(Instruments & Instrumentation)

J-PARCの核破砕中性子源において、水酸化第二鉄触媒の機能性を評価するため、1MW運転時の積算ビーム出力9.4MW$$cdot$$hの条件で、ラマン分光法を用いてパラ水素割合をその場測定した。その結果、1MW運転におけて触媒が十分に機能していることが分かった。また、触媒を通さないバイパスラインを用いて、中性子照射によるパラからオルソ水素への逆変換率を調べることを試みた。測定されたオルソ水素割合の増加は、500kW運転で積算ビーム出力2.4MW$$cdot$$hの場合に0.44%であった。しかしながら、この結果は、冷中性子モデレータ内で引き起こされた逆変換と、バイパスされた触媒容器中の温度上昇によって発生した準静的オルソ水素のメインループへの受動的滲出との合算であることが示された。

論文

Development of nanosized graphene material for neutron intensity enhancement below cold neutron energy

勅使河原 誠; 池田 裕二郎*; 村松 一生*; 須谷 康一*; 福住 正文*; 能田 洋平*; 小泉 智*; 猿田 晃一; 大竹 淑恵*

Journal of Neutron Research, 26(2-3), p.69 - 74, 2024/09

冷中性子のような低速中性子は、基礎物理学だけでなく、生命科学における構造ゲノミクスの進歩や水素社会への移行に必要な電池技術の進歩にとっても重要な非破壊プローブである。中性子を利用した科学は、中性子高強度依存科学とも呼ばれる。このエネルギー領域の中性子強度を増加させるため、ナノサイズ粒子群に着目した新しいユニークな方法が提案されている。この方法は、ナノサイズ粒子群による多重干渉性散乱による強度増強に基づく。ナノサイズ粒子群は、冷中性子以下の波長と一致することから、いわゆるブラッグ散乱と呼ばれる干渉性散乱と同様の効果を引き起こし、数桁もの中性子強度増強につながる。ナノダイヤモンドと水素化マグネシウムがこれまで数値的及び実験的に研究されているが、実用化において、ナノダイヤモンドの主な課題は賦形である。この問題の解決策を見出すために、我々は、もう一つの炭素構造体であるグラフェンに着目した。本論文では、冷中性子下の反射体材料としてのナノサイズグラフェンの可能性について、実験結果とともに報告する。

論文

Key role of temperature on delamination in solid-state additive manufacturing via supersonic impact

Wang, Q.*; Ma, N.*; Huang, W.*; Shi, J.*; Luo, X.-T.*; 冨高 宙*; 諸岡 聡; 渡邊 誠*

Materials Research Letters (Internet), 11(9), p.742 - 748, 2023/09

 被引用回数:4 パーセンタイル:26.74(Materials Science, Multidisciplinary)

Cold spray (CS) has emerged as a representative of solid-state additive manufacturing (AM) via supersonic impact. It enables a high deposition rate of solid-state microparticles. Delamination, however, tends to occur when depositing too thick; this remains to be conquered. Here, a CS-like process, warm spray (WS), was presented. Interestingly, it was found that the appropriate increase in particle temperature can effectively reduce the residual stress amplitude, relieving the concentrated tensile stress and safeguarding the additively manufactured components from interfacial delamination even when depositing too thick. The key role of temperature on delamination was identified in solid-state AM via supersonic impact.

報告書

JRR-3冷中性子源装置の新型減速材容器に関わる熱流力設計

徳永 翔; 堀口 洋徳; 中村 剛実

JAEA-Technology 2023-001, 37 Pages, 2023/05

JAEA-Technology-2023-001.pdf:1.39MB

研究用原子炉JRR-3の冷中性子源装置(Cold Neutron Source: CNS)は、原子炉内で発生した熱中性子を減速材容器内に貯留した液体水素により減速し、エネルギーの低い冷中性子に変換する装置である。CNSから発生した冷中性子は、中性子導管を用いて実験装置に輸送され、生命科学、高分子科学、環境科学等を中心とする多くの物性研究に利用されている。中性子科学における世界の研究用原子炉との競争力を維持するためには、冷中性子強度の改善は不可欠であり、新たな知見を取り入れた新型CNSの開発を進めている。現行のJRR-3のCNSの減速材容器は、水筒型のステンレス製容器を採用しており、材質及び形状の変更により冷中性子束の強度を向上させることが可能である。そのため、新型減速材容器の基本仕様は、材質を中性子吸収断面積の小さいアルミニウム合金に変更し、さらに、モンテカルロ計算コードMCNPを用いて最適化した容器形状に変更した。これらの仕様変更に伴い、発熱や伝熱の条件に変更が生じることから、熱流力設計上の成立性を確認するため、JRR-3のCNSについて自己平衡性、熱輸送限界及び耐熱・耐圧等について改めて評価を行った。本報告書は、新型減速材容器に関わる熱流力設計上の評価を実施し、その結果を纏めたものである。

論文

New material exploration to enhance neutron intensity below cold neutrons; Nanosized graphene flower aggregation

勅使河原 誠; 池田 裕二郎*; Yan, M.*; 村松 一生*; 須谷 康一*; 福住 正文*; 能田 洋平*; 小泉 智*; 猿田 晃一; 大竹 淑恵*

Nanomaterials (Internet), 13(1), p.76_1 - 76_9, 2023/01

 被引用回数:8 パーセンタイル:54.76(Chemistry, Multidisciplinary)

冷中性子以下の中性子強度を高めるため、ナノサイズグラフェンの集合体が、ナノダイヤモンドと同様に中性子のコヒーレント散乱を促進できることを提案した。さらには、グラフェンの強いsp2結合は、高い耐放射線性を有する可能性を秘める。理研の加速器駆動型小型中性子源やJ-PARCのiMATERIAを用いて、ナノサイズグラフェンの中性子全断面積測定,中性子小角散乱測定を行った。測定結果より、ナノサイズのグラフェン集合体は、コヒーレント散乱に起因すると考えられる冷中性子エネルギー領域での全断面積と小角散乱を増大させ、ナノダイヤモンドと同様に高い中性子強度をもたらすことを世界で初めて明らかにした。

報告書

プラズマ溶融処理による低レベル放射性廃棄物の均一化に関する予察試験について

中塩 信行*; 大杉 武史; 黒澤 重信; 石川 譲二; 邉見 光; 池谷 正太郎; 横堀 智彦

JAEA-Technology 2022-016, 47 Pages, 2022/08

JAEA-Technology-2022-016.pdf:2.23MB

日本原子力研究開発機構の原子力科学研究所は、低レベル放射性固体状廃棄物の処分を視野に入れた廃棄物処理のために高減容処理施設の運用を開始した。処理対象廃棄物のうち、放射性非金属廃棄物の均一化条件を明らかにするために、焼却・溶融設備の固定炉床型プラズマ加熱式溶融炉を用いて予察試験を実施した。これまでの文献調査や小規模溶融実験装置での試験を通じて、均一化条件を左右する溶融廃棄物の流動性は、廃棄物の化学成分と溶融温度によって一義的に決まる粘性に大きく左右されることが分かっている。予察試験では、200Lドラム缶に装荷した模擬廃棄物にコールドトレーサーを添加して溶融した。廃棄物化学成分(塩基度、酸化鉄濃度)をパラメータとして、溶融固化体の化学成分の均一性を調査し、均一化条件について考察すると共に、溶湯のトレーサーの残存率を確認した。溶融廃棄物の粘度を測定し、均一性との相関を調べた。また、今後の実操業に向けて、予め押さえておくべき技術要件を検討した。

論文

Analysis of residual stress in steel bar processed by cold drawing and straightening

西田 智*; 西野 創一郎*; 関根 雅彦*; 岡 勇希*; Harjo, S.; 川崎 卓郎; 鈴木 裕士; 森井 幸生*; 石井 慶信*

Materials Transactions, 62(5), p.667 - 674, 2021/05

 被引用回数:9 パーセンタイル:37.30(Materials Science, Multidisciplinary)

In this study, we used neutron diffraction to analyze in a non-destructive method the distribution of internal residual stress in a free-cutting steel bar processed by cold drawing and straightening. The residual stresses were successfully measured with excellent stress balance. The residual stresses generated by the cold-drawing process were reduced by subsequent straightening, and the distribution of residual stresses by finite element method (FEM) simulation was consistent with the measured values by neutron diffraction. As a result of the FEM analysis, it is assumed that the rod was subjected to strong tensile strains in the axial direction during the drawing process, and the residual stresses were generated when the rod was unloaded. Those residual stresses were presumably reduced by the redistribution of residual stresses in the subsequent straightening process.

論文

Optimization of a slab geometry type cold neutron moderator for RIKEN accelerator-driven compact neutron source

Ma, B.*; 勅使河原 誠; 若林 泰生*; Yan, M.*; 橋口 隆生*; 山形 豊*; Wang, S.*; 池田 裕二郎*; 大竹 淑恵*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 995, p.165079_1 - 165079_7, 2021/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:29.51(Instruments & Instrumentation)

理研加速器駆動型小型中性子源における冷中性子モデレータの最適化を行った。安全かつ管理の容易な物質であるメシチレンをモレデータ材として選択し、粒子・重イオン輸送計算コードシステム(PHITS)を用いて、20Kメシチレンモデレータに室温ポリエチレン(PE)プレモデレータ組み合わせ、スラブ形状で結合した冷中性子の最適化を行った。冷中性子強度を増加させるために、メシチレンとPEの厚さ, 反射体、及び遮へい配置のパラメータを検討した。中性子発生ターゲットから2mの位置で冷中性子強度1.15$$times$$10$$^{3}$$n/cm$$^{2}$$/$$mu$$Aを達成した。これは現在のPEモデレータの12倍である。メシチレンが冷中性子モデレータ材料として魅力的なモデレータ材であることを示した。

報告書

Data report of ROSA/LSTF experiment SB-SL-01; Main steam line break accident

竹田 武司

JAEA-Data/Code 2020-019, 58 Pages, 2021/01

JAEA-Data-Code-2020-019.pdf:3.85MB

ROSA-IV計画において、大型非定常実験装置(LSTF)を用いた実験(実験番号: SB-SL-01)が1990年3月27日に行われた。ROSA/LSTFSB-SL-01実験では、加圧水型原子炉(PWR)の主蒸気管破断(MSLB)事故を模擬した。このとき、両ループの蒸気発生器(SG)二次側への補助給水(AFW)とともに、非常用炉心冷却系である高圧注入(HPI)系から両ループの低温側配管内への冷却材注入を仮定した。MSLBにより、破断ループのSGは急減圧し、破断ループのSG二次側広域水位は低下した。しかし、破断ループのSG二次側へのAFWにより、破断ループのSG二次側広域水位は回復した。一次系圧力は、MSLB直後一時的に若干低下したが、SG主蒸気隔離弁の閉止に従い16.1MPaまで上昇した。一次系圧力が10MPa以下に低下した数分後、HPI系から両ループの低温側配管内へ冷却材を手動注入した。一次系圧力は、HPI系からの冷却材注入により上昇したが、加圧器逃し弁の開放により16.2MPa以下に維持された。実験中、炉心はサブクール水で満たされた。健全ループでは、流れが停滞し、HPI系からの冷却材注入時に低温側配管での温度成層が観察された。一方、破断ループでは、顕著な自然循環が継続した。HPI系からの冷却材の連続注入による継続的な炉心冷却を確認して実験を終了した。取得した実験データは、PWRのMSLBを伴う多重故障事故時の回復操作および手順の検討に役立てることができる。本報告書は、ROSA/LSTFSB-SL-01実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。

論文

Measurement of neutron scattering cross section of nano-diamond with particle diameter of approximately 5 nm in energy range of 0.2 meV to 100 meV

勅使河原 誠; 土川 雄介*; 市川 豪*; 高田 慎一; 三島 賢二*; 原田 正英; 大井 元貴; 河村 幸彦*; 甲斐 哲也; 河村 聖子; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 929, p.113 - 120, 2019/06

 被引用回数:23 パーセンタイル:87.09(Instruments & Instrumentation)

ナノダイアモンドは、冷中性子以下のエネルギーにおける反射材として注目されている。ナノダイアモンドを用いた中性子源の高度化には、断面積データの整備が必要である。そのため、この論文では、中性子の透過率の測定から0.2meVから100meVの範囲で全断面積を測定した結果を報告する。測定した全断面積は、エネルギーが低くなるにつれて大きくなり、グラファイトと比較すると0.2meVで約2桁以上高くなることが分かった。その全断面積に占める非弾性散乱の寄与を調べるため、中性子のエネルギー1.2, 1.5, 1.9及び5.9meVで中性子非弾性散乱実験を行った。その結果、測定したエネルギーにおいて、全断面積に占める非弾性散乱の寄与がほぼ無視できることも分かった。さらに、中性子小角散乱実験の結果から、全断面積の高くなる要因として、前方方向、いわゆる小角方向への散乱の寄与が高いことが示された。

論文

中性子輸送

田村 格良

波紋, 28(4), p.204 - 207, 2018/11

中性子導管は中性子ビームを輸送するデバイスの一つである。中性子導管の使用することで、中性子源より遠方へ中性子ビームを輸送可能となったため、実験用の広いスペースが得られ、数多くの実験装置に中性子を供給することができるようになった。曲導管を使用することで$$gamma$$線及び高速中性子を除去することができ、必要なエネルギー領域の中性子だけを取り出すことができるので、実験のS/Nが向上した。さらに、曲導管を応用して中性子ビームの分岐をおこなっている。また、実験装置に供給する中性子ビームの発散角度及び強度の制御のために中性子導管は使用されている。

論文

RELAP5 uncertainty evaluation using ROSA/LSTF test data on PWR 17% cold leg intermediate-break LOCA with single-failure ECCS

竹田 武司; 大津 巌

Annals of Nuclear Energy, 109, p.9 - 21, 2017/11

 被引用回数:10 パーセンタイル:56.77(Nuclear Science & Technology)

An experiment was conducted for the OECD/NEA ROSA-2 Project using LSTF, which simulated a cold leg intermediate-break loss-of-coolant accident with 17% break in a PWR. Assumptions were made such as single-failure of high-pressure and low-pressure injection systems. In the LSTF test, core dryout took place because of rapid drop in the core liquid level. Liquid was accumulated in upper plenum, SG U-tube upflow-side and inlet plena because of counter-current flow limiting (CCFL). The post-test analysis by RELAP5/MOD3.3 code revealed that peak cladding temperature (PCT) was overpredicted because of underprediction of the core liquid level due to inadequate prediction of accumulator flow rate. We found the combination of multiple uncertain parameters including the Wallis CCFL correlation at the upper core plate, core decay power, and steam convective heat transfer coefficient in the core within the defined uncertain ranges largely affected the PCT.

論文

Experimental results of ITER cold circulators towards the performance demonstration

Bhattacharya, R.*; Vaghela, H.*; Sarkar, B.*; Patel, P.*; Das, J.*; Srinivasa, M.*; 礒野 高明; 河野 勝己

IOP Conference Series; Materials Science and Engineering, 171, p.012058_1 - 012058_8, 2017/03

The design point for the cold circulator of ITER cryo-distribution system has been specified as 2.21 kg/s at 4.3 K inlet temperature having 1.5 bar pressure head dedicated for the nominal operation of toroidal field superconducting magnet. Two cold circulators, manufactured by two independent suppliers, have been installed in the Test Auxiliary Cold Box (TACB) followed by integration of TACB system with the 5.0 kW at 4.5 K class cryogenic test facility at JAEA. Final cold acceptance test of the complete system has been performed in order to validate the design conditions of TACB and cold circulators. Qualification tests of the circulators have been executed at closed loop operating condition. The paper will describe the cool-down of cold circulators down to 4.5 K and normal operating results as well as the experimental validation of performance along with the obtained isentropic efficiencies at the operating conditions meeting the system level requirements of ITER cryo-distribution.

論文

Distribution and anisotropy of dislocations in cold-drawn pearlitic steel wires analyzed using micro-beam X-ray diffraction

佐藤 成男*; 菖蒲 敬久; 佐藤 こずえ*; 小川 博美*; 我妻 一昭*; 熊谷 正芳*; 今福 宗行*; 田代 仁*; 鈴木 茂*

ISIJ International, 55(7), p.1432 - 1438, 2015/07

 被引用回数:17 パーセンタイル:54.11(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

冷間延伸されたパーライト鋼ワイヤにおける転位の分布および異方性を特徴付けるために、X線回折線プロファイル解析をシンクロトロン放射マイクロビームを用いて行った。一般に、塑性せん断ひずみはワイヤの中心よりも表面近くでより激しかったが、中心から表面まで転位密度分布はほぼ一定であった。一方、転位の再配列は、転位の細胞構造を進化させ、表面に近づくほど進んだ。異方性転位密度によって、軸方向および横断方向の硬さの差異が説明できることも明らかになった。高温での回折データに基づく線プロファイル解析を行った。セメンタイトの回収率は一定の速度で進行したが、フェライト相の回収率は温度依存性を示し、フェライト相の回収率はセメンタイト相の回収率とはあまり関係していなかった。

報告書

JRR-3冷中性子源装置における高性能減速材容器の開発

新居 昌至; 田村 格良; 羽沢 知也

JAEA-Technology 2015-010, 52 Pages, 2015/05

JAEA-Technology-2015-010.pdf:7.11MB

研究炉加速器管理部では、より多くの冷中性子をユーザーに供給するため、既存のCNS減速材容器の約2倍の冷中性子束を取り出すことのできる高性能減速材容器の開発を第2期中期計画で実施している。本報告書では、高性能減速材容器の基本設計仕様に基づき、設計強度評価、試験体を用いた強度試験、液体水素の流動解析、異材接合部の強度評価を行った。評価の結果、開発した高性能減速材容器がJRR-3のCNS減速材容器として適用可能であることを確認した。

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