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報告書

HTTRを用いた安全性実証試験の完遂; 炉心流量喪失試験(出力100%(30MW)で炉心冷却を停止)

長住 達; 長谷川 俊成; 中川 繁昭; 久保 真治; 飯垣 和彦; 篠原 正憲; 七種 明雄; 野尻 直喜; 齋藤 賢司; 古澤 孝之; et al.

JAEA-Research 2025-005, 23 Pages, 2025/07

JAEA-Research-2025-005.pdf:2.68MB

高温ガス炉の異常状態での安全性を示すため、HTTRを用いて安全性実証試験を行った。制御棒による停止操作の失敗事象を模擬した状態で、原子炉熱出力100%(30MW)での定常運転時に1次ヘリウムガス循環機を急停止させ、炉心の強制循環冷却機能が全喪失した後の原子炉出力および原子炉圧力容器まわり温度の経時変化データを取得した。事象発生(冷却材の流量がゼロ)後、炉心温度上昇に伴う負の反応度フィードバックにより原子炉熱出力は速やかに低下し、再臨界を経て低出力(約1.2%)の安定な状態まで原子炉出力が自発的に移行することを確認した。また、原子炉圧力容器表面から、その周囲に設置されている炉容器冷却設備(水冷パネル)への放熱により、低出力状態で原子炉温度を一定化させるために必要な除熱量が確保されることを確認した。このように、出力100%(30MW)で炉心強制冷却を停止したケースにおいて、能動的停止操作をせずとも原子炉の状態が事象発生から安定的(安全)状態へ移行すること、すなわち高温ガス炉の固有の安全性を実証した。

論文

Evaluation of core thermal and hydraulic characteristics of HTTR

丸山 創; 藤本 望; 数土 幸夫; 村上 知行*; 藤井 貞夫*

Nucl. Eng. Des., 152, p.183 - 196, 1994/00

 被引用回数:16 パーセンタイル:77.94(Nuclear Science & Technology)

高温工学試験研究炉(HTTR)は、原子炉出口冷却材温度950$$^{circ}$$C、熱出力30MWの我が国初の高温ガス炉である。本報は、HTTRの炉心熱流力特性評価に関連する設計方針、解析コードの検証を含めた評価手法、原子炉出口冷却材温度950$$^{circ}$$Cを得るための設計対応及び評価結果についてまとめたものである。通常運転時の炉心有効流量は全流量の約88%となり、これを用いて評価した燃料最高温度1492$$^{circ}$$Cは、被覆燃料粒子の健全性の観点から定めた主要な熱的制限値1495$$^{circ}$$Cを下回っている。

論文

Effect of liquid flow rate on film boiling heat transfer during reflood in rod bundle

大貫 晃; 秋本 肇; 村尾 良夫

Journal of Nuclear Science and Technology, 27(6), p.535 - 546, 1990/06

再冠水過程での膜沸騰熱伝達に及ぼす液相流量の効果を調べるため、実発熱長を有する6$$times$$6のロッドバンドルを使い、幅広い炉心冠水速度の範囲のもとで実験を行った。冠水速度は2cm/sから30cm/sの範囲であった。村尾・杉本の熱伝達率相関式の評価・改良を通じ、得られたデータを解析した。村尾・杉本の式は10cm/sまでの炉心冠水速度のもとでの熱伝達率をよく予測した。しかしながら、冠水速度が10cm/sより高い場合は熱伝達率を過小評価した。村尾・杉本の式に対する実験的な補正係数を本実験データに基づき提案した。この補正係数は他の大きなスケールの試験に対しても通用可能であることを確認した。

論文

フランジ型燃料ブロックを用いた高温ガス炉の炉心有効流量

文沢 元雄; 鈴木 邦彦; 村上 知行*; 早川 均*

日本原子力学会誌, 31(7), p.828 - 836, 1989/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:41.34(Nuclear Science & Technology)

高温工学試験研究炉の開発に先立ち、熱出力50MW、原子炉出口冷却材温度950$$^{circ}$$Cの多目的高温ガス実験炉の開発が進められてきた。本報告では実験炉の高性能化を目指して行った設計検討の一環としてブロック型燃料の接触面間ギャップを通る冷却材の漏れ流れ(クロス流れ)が燃料冷却に直接寄与する流量(炉心有効流量)に及ぼす影響について解析的に検討した。

報告書

高温ガス炉の小型改良炉心設計における炉心有効流量の評価; 詳細設計(II)の炉心性能向上のために

文沢 元雄; 鈴木 邦彦; 村上 知行*

JAERI-M 88-031, 52 Pages, 1988/02

JAERI-M-88-031.pdf:1.12MB

本報告は、多目的高温ガス実験炉詳細設計(II)の結果を受けて、実験炉の機能・安全性を維持しつつ建設費の低減を目指して実施した小型改良炉心設計の一環として炉心有効流量の評価を行った。

報告書

Evaluation Report on CCTF-II Reflood Test C2-9(Run 68); Effect of LPCI Flow Rate

秋本 肇; 井口 正; 岡部 一治*; 杉本 純*; 大久保 努; 村尾 良夫

JAERI-M 87-002, 77 Pages, 1987/02

JAERI-M-87-002.pdf:1.54MB

LPCI流量が炉心冷却とシステム挙動に与える影響を調べる為に、LPCI流量を0.025m$$^{3}$$/sとした試験を実施した。この流量条件は加圧水型原子炉システムでLPCIポンプ電源の故障がない時に相当する。LPCI流量を0.011m$$^{3}$$/sとした参照試験結果との比較検討から、以下の結論が得られた。(1)高LPCI流量試験(LPCI流量0.025m$$^{3}$$/s)での炉心冷却は低LPCI流量試験(LPCI流量0.011m$$^{3}$$/s)での炉心冷却に比べて悪かった。この結果は、加圧水型原子炉冷却材喪失事故再冠水時の炉心冷却を評価する上で、低めにLPCI流量を評価する事が必ずしも保守的な仮定ではないことを示す。(2)高LPCI流量試験での炉心冷却の悪化は炉心内圧力が低かった事に起因する。また、炉心内圧力の低下が破断コ-ルドレグでの圧力損失が低かった事により生じた事が判った。(3)現行の評価コ-ドは通常破断コ-ルドレグでの圧力損失を低く評価しており、依然として保守的であると考えられる。

報告書

多目的高温ガス実験炉の炉内流量配分感度解析; 詳細設計(II)システム調整(1)phase 1に基づく

文沢 元雄; 鈴木 邦彦; 村上 知行*

JAERI-M 85-186, 58 Pages, 1985/11

JAERI-M-85-186.pdf:1.33MB

本報告は多目的高温ガス実験炉の詳細設計(II)システム調整(1)合理化システムの立案の中で設定された炉心を対象として実施した炉内流量配分感度解析について述べたものである。本研究の目的は、炉内流量配分解析データを再評価し、燃料冷却に直接寄与する流量である炉心有効流量の増加を計ることである。得られた結果は以下の通りである。(1)炉心有効流量に対し感度の高い項目は、クロス流れ係数及ひ固定反射体面間ギャップ量である。(2)感度の低い項目は、固定反射体シール要素のシール性能、上部遮蔽体ギャップ量、高温プレナムブロックのシール要素のシール性能及びギャップ量である。(3)解析データを再評価することによって、フランジ型の36本型燃料体を用いる場合、炉心有効流量割合は約90%となり、システム調整(1)phase1炉心における値に比べて約5%増加する。

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