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石塚 悦男; 長住 達; 長谷川 俊成; 川井 大海*; 脇坂 真司*; 長瀬 颯太*; 中村 建斗*; 矢口 陽樹*; 石井 俊晃; 中野 優美*; et al.
JAEA-Technology 2024-008, 23 Pages, 2024/07
「HTTRに関する技術開発」をテーマとした2023年度夏期休暇実習において、3つの大学から5名が参加した。参加者は、HTTR炉心の解析、強制冷却機能喪失時の挙動解析、一次冷却系統のヨウ素沈着挙動解析、高温ガス炉用エネルギー貯蔵システムの概念検討について実習した。実習後のアンケートでは、就業体験として有益であったこと、一部の学生においては自身の研究に役立ったこと等の感想があり、本実習は概ね良好な評価を得た。
竹田 武司
JAEA-Data/Code 2023-007, 72 Pages, 2023/07
ROSA-V計画において、大型非定常実験装置(LSTF)を用いた実験(実験番号:IB-HL-01)が2009年11月19日に行われた。ROSA/LSTF IB-HL-01実験では、加圧水型原子炉(PWR)の加圧器サージラインの両端ギロチン破断による17%高温側配管中破断冷却材喪失事故を模擬した。このとき、高温側配管内面に接する様に、長いノズルを上向きに取り付けることにより破断口を模擬した。また、非常用炉心冷却系(ECCS)である高圧注入系の全故障と補助給水系の全故障を仮定した。実験では、比較的大きいサイズの破断が早い過渡現象を引き起こした。破断後一次系圧力が急激に低下し、蒸気発生器(SG)二次側圧力よりも低くなった。破断流は、破断直後に水単相から二相流に変化した。炉心露出は、ループシールクリアリング(LSC)前に、クロスオーバーレグの下降流側の水位低下と同時に開始した。低温側配管に注入されたECCSの蓄圧注入系(ACC)冷却水の蒸気凝縮により両ループのLSCが誘発された。LSC後の炉心水位の急速な回復により、全炉心はクエンチした。模擬燃料棒被覆管最高温度は、LSCとほぼ同時に検出された。ACC冷却水注入時、高速蒸気流による高温側配管からSG入口プレナムへの液体のエントレインメントにより、高温側配管とSG入口プレナムの水位が回復した。ECCSである低圧注入系の作動を通じた継続的な炉心冷却を確認後、実験を終了した。本報告書は、ROSA/LSTF IB-HL-01実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。
竹田 武司
JAEA-Data/Code 2020-019, 58 Pages, 2021/01
ROSA-IV計画において、大型非定常実験装置(LSTF)を用いた実験(実験番号: SB-SL-01)が1990年3月27日に行われた。ROSA/LSTFSB-SL-01実験では、加圧水型原子炉(PWR)の主蒸気管破断(MSLB)事故を模擬した。このとき、両ループの蒸気発生器(SG)二次側への補助給水(AFW)とともに、非常用炉心冷却系である高圧注入(HPI)系から両ループの低温側配管内への冷却材注入を仮定した。MSLBにより、破断ループのSGは急減圧し、破断ループのSG二次側広域水位は低下した。しかし、破断ループのSG二次側へのAFWにより、破断ループのSG二次側広域水位は回復した。一次系圧力は、MSLB直後一時的に若干低下したが、SG主蒸気隔離弁の閉止に従い16.1MPaまで上昇した。一次系圧力が10MPa以下に低下した数分後、HPI系から両ループの低温側配管内へ冷却材を手動注入した。一次系圧力は、HPI系からの冷却材注入により上昇したが、加圧器逃し弁の開放により16.2MPa以下に維持された。実験中、炉心はサブクール水で満たされた。健全ループでは、流れが停滞し、HPI系からの冷却材注入時に低温側配管での温度成層が観察された。一方、破断ループでは、顕著な自然循環が継続した。HPI系からの冷却材の連続注入による継続的な炉心冷却を確認して実験を終了した。取得した実験データは、PWRのMSLBを伴う多重故障事故時の回復操作および手順の検討に役立てることができる。本報告書は、ROSA/LSTFSB-SL-01実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。
石塚 悦男; 松中 一朗*; 石田 大樹*; Ho, H. Q.; 石井 俊晃; 濱本 真平; 高松 邦吉; Kenzhina, I.*; Chikhray, Y.*; 近藤 篤*; et al.
JAEA-Technology 2019-008, 12 Pages, 2019/07
2018年度の夏期休暇実習として、HTTR炉心を原子力電池に見立てた場合の核的な予備検討を実施した。この結果、熱出力2MWで約30年、3MWで約25年、4MWで約18年、5MWで約15年の運転が可能であるこが明らかとなった。また、熱的な予備検討として、自然循環冷却かつ可動機器のない発電システムを有する原子力電池のイメージを提案した。今後は、次年度の夏期休暇実習として更に検討を進め、原子力電池の成立性について検討する予定である。
江口 悠太; 菅原 隆徳; 西原 健司; 田澤 勇次郎; 辻本 和文
Proceedings of 26th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-26) (Internet), 8 Pages, 2018/07
加速器駆動核変換システム(ADS)の基礎核特性研究のため、J-PARC計画において核変換物理実験施設(TEF-P)の建設が検討されている。本研究では、崩壊熱の大きなマイナーアクチノイド(MA)燃料を多く使用するTEF-Pにおいて、炉心冷却システムが停止した場合の自然冷却特性の評価、及びその際に炉心が損傷しない設計条件検討を行った。TEF-Pの炉心温度評価においては、炉心周辺部の空格子管領域が断熱層として大きく影響を及ぼすことから、空格子管領域の熱伝達特性を測定するモックアップ試験装置を製作して実験を行い、実験的な熱伝達率を得た。この結果を元に、TEF-P炉心の三次元伝熱解析を実施し、制限温度である327Cを下回る294Cという結果を得た。
竹田 武司
JAEA-Data/Code 2018-004, 64 Pages, 2018/03
LSTFを用いた実験(実験番号:SB-SG-10)が1992年11月17日に行われた。SB-SG-10実験では、PWRの蒸気発生器(SG)伝熱管複数本破損事故からの回復操作を模擬した。高圧注入(HPI)系から低温側配管や高温側配管への冷却材注入により、健全ループSGの逃し弁(RV)開放を開始しても一次系圧力はSG二次側圧力よりも高く維持された。しかし、加圧器(PZR)の逃し弁(PORV)開放により、PZRの水位が回復するとともに、一次系と破断ループSG二次側の圧力は均圧した。放射性物質の大気放出に関して、健全ループSGのRV開放後、破断ループSGのRVは一回開いた。実験中、炉心は飽和ないしサブクール水で満たされた。健全ループSGのRV開放後、健全ループで顕著な自然循環が継続した。また、特に両ループのHPI系から高温側配管への冷却材注入時に高温側配管での顕著な温度成層が生じた。一次系と破断ループSG二次側の圧力が均圧後、健全ループ一次系冷却材ポンプの再起動による冷温停止状態を確認して実験を終了した。本報告書は、SB-SG-10実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。
小野 正人; 清水 厚志; 近藤 誠; 島崎 洋祐; 篠原 正憲; 栃尾 大輔; 飯垣 和彦; 中川 繁昭; 高田 昌二; 沢 和弘
Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 2(4), p.044502_1 - 044502_4, 2016/10
HTTRを用いた炉心冷却喪失試験は、物理現象の効果によってシビアアクシデントを起こさない固有の安全性を有する高温ガス炉を研究する安全評価コードの検証のため、制御棒を挿入せず、炉容器冷却設備を停止して炉心冷却を喪失させるものである。炉容器冷却設備は熱放射や熱伝達によって高温となった原子炉圧力容器を冷却することにより原子炉の残留熱や崩壊熱を除去するものである。試験では、原子炉の安全性は維持されるものの、炉容器冷却設備の熱反射板による水冷管の冷却効果が届かない箇所の局所的な温度が長期使用の観点から制限値を上回ると考えられる。試験は炉容器冷却設備を停止し核熱を用いずガス循環機による入熱のみで実施され、その結果、最高使用温度より十分低い温度ではあるが局所的に温度の高い箇所を特定し、冷却水の自然循環の冷却効果に十分な効果は無く、冷却管の温度を1C下げるのみであることを見出した。そして、HTTRの再稼働後にすぐに実施される炉心冷却喪失試験に向けた新しく適切で安全な手順を確立した。
竹田 武司
JAEA-Data/Code 2016-004, 59 Pages, 2016/07
LSTFを用いた実験(実験番号: TR-LF-07)が1992年6月23日に行われた。TR-LF-07実験では、PWRの給水喪失事象を模擬した。このとき、一次系フィード・アンド・ブリード運転とともに、補助給水系の不作動を仮定した。また、蒸気発生器(SG)の二次側水位が3mまで低下した時点でSI信号を発信し、その後30分で加圧器(PZR)の逃し弁(PORV)開放による一次系減圧を開始した。さらに、SI信号発信後12秒でPZRの有るループの高圧注入系(HPI)の作動を開始し、一次系圧力が10.7MPaまで低下した時点でPZRの無いループのHPIの作動を開始した。一次系とSG二次側の圧力は、PZRのPORVとSGの逃し弁の周期的開閉によりほぼ一定に維持された。PORVの開放にしたがい、PZRの水位が大きく低下し始め、高温側配管では水位が形成した。HPIの作動により、PZRと高温側配管の水位は回復した。一次系圧力はSG二次側圧力を下回り、両ループの蓄圧注入系(ACC)が作動した。炉心露出が生じなかったことから、PORV, HPIおよびACCを用いた一次系フィード・アンド・ブリード運転は、炉心冷却に有効であった。本報告書は、TR-LF-07実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。
高田 昌二; 清水 厚志; 近藤 誠; 島崎 洋祐; 篠原 正憲; 関 朝和; 栃尾 大輔; 飯垣 和彦; 中川 繁昭; 沢 和弘
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 5 Pages, 2015/05
HTTRを使った炉心冷却喪失試験では、原子炉の固有の安全性を確認するとともに、自然現象によりより安全を確保できることを示すため、炉心に制御棒を挿入せず、また、VCSを停止させて原子炉の強制冷却を停止させる。試験では、VCSの熱反射板のついていない水冷管に、原子炉の安全上問題とはならないが、財産保護の観点から局所的な温度上昇が懸念された。非核加熱試験を通して、局所的な温度上昇点が確認され、最高使用温度よりは低いが運転上の管理制限値を超える可能性のあることが分かった。冷却水の自然循環による冷却効果は1C以内であった。このため、再稼働後早期に試験を実施するための安全確実な試験方法を確立した。
栃尾 大輔; 中川 繁昭
JAERI-Tech 2005-040, 39 Pages, 2005/07
定格熱出力30MWの高温工学試験研究炉(HTTR)では、原子炉で発生した熱を加圧水冷却器,中間熱交換器による熱交換を経て、最終的に加圧水空気冷却器により大気に放散している。HTTRの主冷却系熱交換器は原子炉出口冷却材温度850C/950Cを達成しつつ原子炉で発生した30MWの除熱を行わなければならず、主冷却系の熱交換器は設計時に定めた伝熱性能を有していなければいけない。本報では、HTTRにおいてこれまで実施してきた出力上昇試験,供用運転のデータから、主冷却系に設置されている熱交換器のうちの中間熱交換器(IHX)について伝熱性能を評価した。また、設計時におけるIHXの熱交換性能との比較を行い、設計時に用いたIHX伝熱性能評価手法の妥当性を検討した。
栃尾 大輔; 中川 繁昭; 古澤 孝之*
日本原子力学会和文論文誌, 4(2), p.147 - 155, 2005/06
日本原子力研究所の高温ガス炉HTTRでは、2004年3月から7月にかけて高温試験運転を行い、世界初となる原子炉出口冷却材温度950Cを達成した。HTTRの熱交換器は、原子炉で発生した熱の除熱及び原子炉入口冷却材温度を所定の温度に維持するという観点から、伝熱性能が設計時に想定した範囲内でなければならない。本報では、本試験運転で得られた実測データを用いて、主冷却系に設置されている熱交換器の伝熱性能を評価した。さらに、伝熱性能について評価値を設計値と比較し、熱交換器の設計手法が妥当であることを確認した。
佐藤 博之; 大橋 弘史; 稲葉 良知; 前田 幸政; 武田 哲明; 西原 哲夫; 稲垣 嘉之
JAERI-Tech 2005-014, 89 Pages, 2005/03
原子炉と水素製造設備の接続にかかわる技術課題の一つとして、水素製造設備の化学反応器の負荷変動に起因する2次ヘリウムガス温度変動が原子炉へ伝播することによる原子炉スクラムの回避が挙げられる。この対策として、原研は化学反応器の下流に蒸気発生器及び放熱器を用いた2次ヘリウムガス冷却システム(以下、「冷却システム」と呼ぶ)を配置し、本冷却システムにより2次ヘリウムガスの熱過渡を吸収緩和し中間熱交換器入口2次ヘリウムガス温度を一定に制御することを提案している。蒸気発生器と放熱器を用いた冷却システムについて解析コードの検証を行った。本冷却システムは放熱器の伝熱管外を流れる空気で冷却することにより蒸気発生器の圧力制御を行い、蒸気発生器出口2次ヘリウムガス温度を一定に保持する。この圧力制御特性は放熱器伝熱管外を流れる空気の伝熱特性に支配される。このため、実規模単一反応管試験装置による試験結果から空気の伝熱特性を明らかにし、これをもとに解析を行った結果、解析は冷却システムの圧力,温度,流量及び熱交換量等の試験結果をよく模擬でき、本解析コードの検証を行うことができた。
堀口 洋徳; 大山 光樹; 石黒 裕大; 平根 伸彦; 伊藤 和博; 亀山 巌
JAERI-Tech 2005-001, 38 Pages, 2005/02
JRR-4では、1992年に炭素鋼製からステンレス鋼製の熱交換器に更新した。その後、熱交換器の管理方法の検討を重ねてきた。その主なものが、熱交換器の洗浄技術である。旧熱交換器の冷却性能の回復には化学洗浄のみを行ってきたが、新たな方法として化学洗浄と乾燥洗浄を組合せた回復・維持を行っている。これは、伝熱管や配管への負担を軽減するとともに、コスト面にも大きな役割を果たしている。本書では、実績に基づく熱交換器の管理技術のまとめとして、JRR-4熱交換器の性能管理方法,洗浄方法及び冷却水の管理方法について報告する。
中川 繁昭; 橘 幸男; 高松 邦吉; 植田 祥平; 塙 悟史
Nuclear Engineering and Design, 233(1-3), p.291 - 300, 2004/10
被引用回数:8 パーセンタイル:48.24(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉は冷却材温度を高温にすることができるとともに、固有の安全性があることで魅力的な原子炉である。日本初の高温ガス炉であるHTTRが日本原子力研究所の大洗研究所に建設された。HTTRは、その出力上昇試験において2001年12月7日に原子炉出力30MW,原子炉出口冷却材温度850Cを達成した。出力上昇試験では、運転合格証取得のための試験と原子炉性能確認のための試験の2種類を実施した。原子炉出力30MWまでの出力上昇試験の結果から、原子炉及び冷却機器の性能を確認し、原子炉施設の運転が安全に実施できることを確認した。本論文は、HTTRに関するシリーズ投稿の一つである。
塙 悟史; 橘 幸男; 伊与久 達夫; 石原 正博; 伊藤 治彦
JAERI-Tech 2003-064, 25 Pages, 2003/07
材料試験炉(JMTR:Japan Materials Testing Reactor)は、第147サイクルの共同利用運転中に、一次冷却系統の精製系統充填ポンプNo.1の出口配管に取り付けられた圧力計導管からの水漏れが確認されたため、12月10日に原子炉を手動停止した。当該圧力計導管については、充填ポンプが加振源となり圧力計導管が振動し、その繰り返し荷重によりき裂が発生・進展した可能性がある。このため、当該部の振動解析と応力解析を実施した。振動解析の結果、充填ポンプNo.1圧力計導管の固有振動数は5358Hz程度と推定され、共振周波数である50Hz(充填ポンプ回転数)に近い状態にあった。応力解析の結果、振動により当該圧力計導管に発生する応力は固有振動数53Hzで63MPa,58Hzで25MPaと求められた。振動による応力と、自重と内圧による応力の合計値を計算すると、固有振動数53Hzで112.2MPa,58Hzで74.2MPaになる。これらの発生応力は使用材料の疲れ限度に近い値であり、充填ポンプNo.1の圧力計導管に生じたき裂は、充填ポンプの振動に起因する疲労によるものと推測された。
桐山 幸治*; 塩飽 秀啓; 戸澤 一清*
JAERI-Tech 2003-061, 21 Pages, 2003/07
X線の質及び強度を向上させるために、BL11XUでは液体窒素冷却したシリコン分光結晶(Si(111)とSi(311))を導入した。その分光結晶の冷却には内部循環方式の液体窒素循環冷却装置を採用した。この液体窒素冷却シリコン結晶を導入した後に放射光利用実験を円滑に進めるためには、液体窒素温度付近まで分光結晶を、安全かつ短時間に冷却することが望まれている。しかし、これまでは簡便な取り扱い説明書しか無く、立ち上げ手順や操作手順が系統的にまとめられていないために、必ずしも効率の良い作業ができるとはいえなかった。そこで今回、BL11XUで使用するために液体窒素循環冷却装置の取り扱い上のノウハウを含む系統的な手順書としてまとめた。その結果、装置本体の立ち上げを間違いなく確実に行うことができるようになり、速やかな装置立ち上げが可能となった。
き裂発生原因の調査ワーキンググループ
JAERI-Tech 2003-060, 183 Pages, 2003/07
日本原子力研究所大洗研究所の材料試験炉(JMTR)において、平成14年12月10日に一次冷却系統の精製系統充填ポンプNo.1の出口配管に取り付けられた圧力計導管に水漏れが確認された。また、水漏れ停止後に行った外観観察及び浸透探傷試験の結果、当該圧力計導管にき裂が確認された。このため、水漏れ発生の原因と対策及び安全管理への取組みについて検討するために、日本原子力研究所内外の専門家から構成する「JMTR計測用配管水漏れ調査検討委員会」が平成14年12月16日に設置された。これを受けて、当該圧力計導管におけるき裂発生の原因を調査するためのワーキンググループを材料試験炉部に設置し、圧力計導管とその溶接部分を含む試料を切り出し、ホットラボ施設において外観検査,破面観察,金属組織観察,硬さ測定等を実施した。本報告書は、これらのデータをまとめたものである。
竹田 武司; 橘 幸男; 伊与久 達夫; 武仲 五月*
Annals of Nuclear Energy, 30(7), p.811 - 830, 2003/05
被引用回数:1 パーセンタイル:10.65(Nuclear Science & Technology)HTTR(高温工学試験研究炉)の補助冷却設備は、強制循環による炉心の冷却が可能な事故時での原子炉スクラム時に工学的安全施設として除熱する。HTTRは日本初の高温ガス炉であり、原子炉出口ガス温度は950,熱出力は30MWである。炉心黒鉛構造物に対する過度な熱衝撃及び水の沸騰を防止しながら、補助冷却設備により炉心を継続的に冷却する。HTTRの20MWまでの出力上昇試験の中で、9MWからの手動トリップ模擬試験,15MWからの商用電源喪失模擬試験を実施した。補助冷却設備の除熱性能をこれらの試験により確認し、試験に基づく補助冷却設備のヘリウム/水熱交換器と空気冷却器の熱通過率が得られた。原子炉出口冷却材温度が950,30MW運転からのスクラム時における補助冷却設備の流体温度を予測し、この条件における炉心黒鉛構造物(燃料ブロック)の健全性を応力解析により検討した。評価の結果、空気冷却器のルーバーが全開の条件で補助冷却設備の水が沸騰せず、かつ、炉心黒鉛構造物の過冷却を防止できる見通しを得た。
JMTR計測用配管水漏れ調査検討委員会
JAERI-Review 2003-014, 117 Pages, 2003/03
日本原子力研究所大洗研究所材料試験炉(JMTR)において、平成14年12月6日に、漏水検知器の警報が発報し、平成14年12月10日、一次冷却系統の精製系統充填ポンプNo.1の出口配管に取り付けられた圧力計導管に水漏れが確認された。日本原子力研究所では、所内外の専門家から構成する「JMTR計測用配管水漏れ調査検討委員会」を平成14年12月16日に設置して、平成15年1月6日までに公開による委員会を3回開催し、水漏れ発生の原因と対策及び安全管理への取組みについて検討を行った。本報告書は水漏れ発生の原因と対策及び安全管理への取組みについて取りまとめたものである。
竹田 武司; 中川 繁昭; 本間 史隆*; 高田 英治*; 藤本 望
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(9), p.986 - 995, 2002/09
被引用回数:4 パーセンタイル:28.74(Nuclear Science & Technology)HTTR(高温工学試験研究炉)は、黒鉛減速,ヘリウムガス冷却型の日本で初めての高温ガス炉である。HTTRは、2001年12月7日に初めて定格運転で全出力(30MW)を達成した。HTTRの出力上昇試験の中で、スクラムを伴う異常な過渡変化のシミュレーション試験を30MW運転からの商用電源の手動遮断により実施した。商用電源喪失直後、ヘリウム循環機,加圧水ポンプはコーストダウンし、ヘリウム及び加圧水の流量はスクラム設定値まで減少した。16対の制御棒は、設計値(12秒)以内で重力落下により炉心に2段階で挿入した。商用電源喪失から51秒で、非常用発電機からの給電により補助冷却設備は起動した。補助冷却設備の起動後40分で、炉心黒鉛構造物(例えば、燃料ブロック)の過渡な熱衝撃を防止するため、補助ヘリウム循環機2台のうち1台を計画的に停止した。補助冷却設備の起動後、炉内黒鉛構造物である高温プレナムブロックの温度は継続的に低下した。HTTR動的機器のブラックアウトシーケンスは設計通りであった。商用電源喪失シミュレーション試験により、スクラム後のHTTRの安全停止を確認した。