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論文

Theoretical elucidation of Am(III)/Cm(III) separation mechanism with diamide-type ligands using relativistic density functional theory calculation

金子 政志; 鈴木 英哉; 松村 達郎

Inorganic Chemistry, 57(23), p.14513 - 14523, 2018/12

 パーセンタイル:100(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

マイナーアクチノイドの分離変換技術開発の一環として、アメリシウム(Am)とキュリウム(Cm)の分離が課題となっている。本研究では、AmとCmの分離メカニズム解明を目的として、異なる二つのジアミド型配位子であるジグリコールアミド(DGA)とアルキルジアミドアミン(ADAAM)によるAm/Cm選択性の違いを、密度汎関数計算を用いて解析した。モデル錯体として[M(DGA)$$_{3}$$]$$^{3+}$$と[M(ADAAM)(NO$$_{3}$$)$$_{3}$$(H$$_{2}$$O)]の分子構造探索、錯生成反応ギブズエネルギー計算を行った結果、DGA配位子のCm選択性とADAAM配位子のAm選択性を再現することに成功した。さらに、Am/CmとDGA/ADAAM配位子の化学結合解析を行った結果、結合解離エネルギーの差がAm/Cm選択性の違いに影響を及ぼしており、f軌道電子の共有結合性の違いがAmとCmの分離メカニズムの一因であることが示唆された。

論文

Mutual separation of trivalent lanthanide and actinides by hydrophilic and lipophilic multidentate diamides

佐々木 祐二; 森田 圭介

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 5, p.27 - 32, 2018/12

アクチノイド(An)とランタノイド(Ln)の相互分離はマトリックスLnの除去、放射能量や発熱量の削減などの点で重要とされている。加えて、Am/Cm分離も発熱量や放出中性子量の削減などのために重要とされている。しかしながら、これら元素の相互分離は極めて困難である。そこで、我々は疎水性と水溶性のジアミド化合物やアミノポリ酢酸を用いての相互分離を検討した。結果として、3座ジアミドのTODGAとアミノポリ酢酸の一つであるDTPAを用いて、pH1.8の条件で、Nd/Am分離比が10程度であること、及びDGA化合物と4座配位性ジアミドのDOODA化合物を用いて、Am/Cm分離比が3を超えることを確認した。

論文

Reduction and resource recycling of high-level radioactive wastes through nuclear transmutation; Isolation techniques of Pd, Zr, Se and Cs in simulated high level radioactive waste using solvent extraction

佐々木 祐二; 森田 圭介; 伊藤 圭祐; 鈴木 伸一; 塩飽 秀啓; 高橋 優也*; 金子 昌章*; 大森 孝*; 浅野 和仁*

Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference (GLOBAL 2017) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2017/09

高レベル廃液中のPd, Zr, Se, Csは長半減期核種のPd-107, Zr-93, Se-79, Cs-135を有している。高レベル廃液から除去し、核変換により処分することで、環境負荷低減に役立てることができる。これら元素について、PdはMIDOA, NTAアミド、Csはクラウンエーテル、ZrはTODGA, HDEHP, Seはフェニレンジアミンで抽出可能である。それぞれ元素の回収条件について検討した成果について述べる。

論文

Precious metal extraction by N,N,N',N'-tetraoctyl-thiodiglycolamide and its comparison with N,N,N',N'-tetraoctyl-diglycolamide and methylimino-N,N'-dioctylacetamide

佐々木 祐二; 森田 圭介; 佐伯 盛久*; 久松 秀悟; 吉塚 和治*

Hydrometallurgy, 169, p.576 - 584, 2017/05

 被引用回数:4 パーセンタイル:39.18(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

新規な抽出剤であるテトラオクチルチオジグリコールアミド(TDGA)を使った抽出を検討した。TDGAは従来のテトラオクチルジグリコールアミド(TODGA)やメチルイミノジアセトアミド(MIDOA)と構造が類似し、イオウ配位原子を持つ。これまでの結果から、TDGAは銀、パラジウム、金、そして水銀をよく抽出することが分かった。そして、この抽出結果をTODGAやMIDOAと比較し、イオウ、酸素、窒素配位原子の性能の違いを比べた。機器分析(NMR, IR)の結果から、金属との錯形成にはS, N双方の配位原子が関わっていることを確認した。

論文

Solvent extraction of metal ions using a new extractant, biuret(C8)

佐々木 祐二; 吉光 諒*; 西浜 章平*; 新堀 雄麻*; 城石 英伸*

Separation Science and Technology, 52(7), p.1186 - 1192, 2017/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:82.74(Chemistry, Multidisciplinary)

新抽出剤であるビウレット(C8)が開発され、ハード金属やソフト金属に関しての溶媒抽出試験が実施された。この化合物は骨格中央に窒素原子を組み込んだ、マロンアミド型の抽出剤である。本結果より、ソフト金属、ハード金属ともに抽出されることを確認した。ビウレット(C8)による抽出情報はMIDOAやTODGA、マロンアミドのそれと比較され、U, Puの分配比はマロンアミドと同程度であった。また、ソフト金属やオキソアニオンについてはTODGA、マロンアミドより高いことを確認した。

報告書

遠心抽出器によるTDdDGA溶媒系での向流多段抽出/逆抽出試験,2; 改良型MA回収フローシートを対象とした評価

木部 智; 藤咲 和彦*; 坂本 淳志; 佐野 雄一; 竹内 正行; 鈴木 英哉; 津幡 靖宏; 松村 達郎

JAEA-Research 2016-024, 40 Pages, 2017/02

JAEA-Research-2016-024.pdf:6.73MB

高レベル廃液からマイナーアクチノイド(以下、MAという)を回収するプロセス開発の一環として、抽出剤にTDdDGAを用いたフローシートの開発を進めている。本試験ではこれまでのフローシートにおける沈殿物の生成等の課題に対して抽出溶媒へのアルコール添加等の改良を加えたフローシートを対象に、遠心抽出器を用いた際の抽出・逆抽出挙動を評価し、先に実施されているミキサセトラを用いた際の同挙動との違いについて比較・評価した。本試験を通して、異相混入やオーバーフロー等の異常は認められず、相分離性も良好であった。MAと類似の挙動を示す希土類元素では、抽出段及び洗浄段においてミキサセトラを適用した場合と同等の挙動が得られるとともに、逆抽出段においては逆抽出効率の向上が確認された。これは主に遠心抽出器の高い相分離性に起因するものと推定される。

論文

抽出クロマトグラフィーに用いる含浸吸着材への表面処理が吸着・溶離挙動に及ぼす影響

名越 航平*; 新井 剛*; 渡部 創; 佐野 雄一; 竹内 正行; 佐藤 睦*; 及川 博史*

日本イオン交換学会誌, 28(1), p.11 - 18, 2017/01

抽出クロマトグラフィーによる高レベル放射性廃液からのマイナーアクチノイド分離回収プロセスへの適用が期待される含浸吸着材の改良を目的として、含浸吸着材の基体として用いる多孔質シリカ粒子に種々の表面処理を施すことで表面極性を変化させたTODGA含浸吸着材を作製し、硝酸水溶液中におけるNdの吸着溶離挙動を評価した。多孔質シリカ粒子の表面極性を変化させることで吸着分配係数、吸着速度、溶離性能のいずれも顕著に変化することを確認した。

論文

The Separation mechanism of Am(III) from Eu(III) by diglycolamide and nitrilotriacetamide extraction reagents using DFT calculations

金子 政志; 渡邉 雅之; 松村 達郎

Dalton Transactions, 45(43), p.17530 - 17537, 2016/11

AA2016-0311.pdf:1.49MB

 被引用回数:13 パーセンタイル:13.47(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

マイナーアクチノイドとランタノイドのドナーの違いによる分離メカニズムの違いを理解することを目的として、相対論密度汎関数計算をジグリコールアミド(DGA)およびニトリロトリアセトアミド(NTA)を用いたAm(III)/Eu(III)分離挙動研究に適用した。先行研究に基づいて錯生成反応をモデル化し、錯生成による金属イオンの安定化に基づく熱力学エネルギーを計算した。その結果、DGA試薬はAm(III)イオンよりもEu(III)イオンと好んで錯生成するのに対し、NTA試薬はEu(III)イオンよりもAm(III)イオンと選択的に錯生成することを示唆し、Am(III)/Eu(III)選択性を再現した。Mulliken密度解析により、Amのf軌道電子と供与原子との結合特性の寄与の差異が、Eu, Am錯体の相対的な安定性を決定づけることを示唆した。

報告書

遠心抽出器によるTDdDGA溶媒系での向流多段抽出/逆抽出試験

木部 智; 藤咲 和彦*; 安倍 弘; 坂本 淳志; 佐野 雄一; 竹内 正行; 鈴木 英哉; 津幡 靖宏; 松村 達郎

JAEA-Research 2015-021, 40 Pages, 2016/02

JAEA-Research-2015-021.pdf:2.3MB

PUREXプロセスの抽出ラフィネートからMAを回収するプロセス開発の一環として、抽出剤にTDdDGAを用いたフローシートの開発を進めている。これまでに、小型ミキサセトラを用いたMA回収試験を実施し、各元素の抽出・逆抽出挙動を評価しているが、油水間の不十分な相分離に起因するものと考えられる各元素の回収率の低下等の問題が確認されている。そのため本試験では次世代センターと基礎工センターの連携の下、油水間の相分離性に優れる遠心抽出器を用いて、模擬ラフィネートを対象とした向流多段抽出/逆抽出試験を実施し、各元素の抽出・逆抽出挙動を評価するとともに、ミキサセトラを用いた際の同挙動との違いについて、比較・検討した。本試験を通して、エントレイメントやオーバーフロー等の異常は認められず、相分離性も良好であった。MAと同様の挙動を示す希土類元素では、ミキサセトラを用いた際と同等の抽出挙動が得られ、相分離性の違いにもとづく影響は認められなかった。逆抽出効率は若干低下する傾向が認められたが、これは遠心抽出器特有の二相混合時間の短縮が一因として示唆される。

論文

Silver extraction by $$N,N,N',N'$$-tetraoctyl-thiodiglycolamide

佐々木 祐二; 鈴木 智也; 森田 圭介; 吉塚 和治*

Hydrometallurgy, 159, p.107 - 109, 2016/01

 被引用回数:2 パーセンタイル:69.48(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

新しいソフト配位原子を含む三座配位系の抽出剤を開発し、試験した。テトラオクチルチオジグリコールアミド(S-DGA)抽出剤はテトラオクチルジグリコールアミドの酸素原子をイオウに置き換えた化合物である。S-DGAは酸溶液中の銀をドデカン溶媒に比較的高い分配比で抽出可能である。そこで我々はS-DGAを用いて硝酸, 硫酸, 過塩素酸中の銀の抽出挙動を調べ、結果を示した。

論文

New water-soluble organic ligands for Actinide cations complexation

佐々木 祐二; 鈴木 英哉*; 須郷 由美; 木村 貴海; Choppin, G. R.*

Chemistry Letters, 35(3), p.256 - 257, 2006/03

 被引用回数:28 パーセンタイル:35.32(Chemistry, Multidisciplinary)

新規な水溶性の錯形成剤、TMDGA, TEDGA, TPDGAとDPDGAcを開発し、An(III)及びAn(IV)との錯形成について調べた。これらの錯形成剤は容易に水相に溶解し、一般に報告される配位子より強くAm(III), Pu(IV)と錯形成した。TEDGA, TPDGAは効果的にアクチノイドイオンを逆抽出した。加えて、TEDGAは水相でAn錯体形成の後、極性溶媒にて有機相に回収可能であり、その際にAnとの相互分離が可能であった。

論文

Extraction capacity of diglycolamide derivatives for Ca(II), Nd(III) and Zr(IV) from nitric acid to $$n$$-dodecane containing a solvent modifier

佐々木 祐二; Zhu, Z.-X.; 須郷 由美; 鈴木 英哉*; 木村 貴海

Analytical Sciences, 21(10), p.1171 - 1175, 2005/10

 被引用回数:22 パーセンタイル:40.8(Chemistry, Analytical)

新しい抽出剤であるジグリコールアミド化合物の抽出特性研究の一環として、硝酸-ドデカン系で+2, +3及び+4価の陽イオンの抽出容量を調べた。金属イオンの最大抽出量(LOC)は硝酸濃度、抽出剤濃度に大きく依存した。LOCを増加する目的で、添加剤や疎水性の高いDGA化合物(側鎖アルキル基の長いDGA)を利用した。その結果、LOCは添加剤のDHOAモノアミド濃度やDGAのアルキル基長さに依存して増加することを明らかにした。

論文

Novel compounds, Diglycolamides (DGA), for extraction of various metal ions from nitric acid to n-dodecane

佐々木 祐二; Zhu, Z.-X.; 須郷 由美; 木村 貴海

Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 5 Pages, 2005/10

TODGAによる多種の金属の硝酸溶液からドデカン溶媒への溶媒抽出を調べた。分配比の測定結果から、Ca(II),イオン半径87-113 pmを持つM(III)、及び83-94pmを持つM(IV)がよく抽出される。DGA化合物による金属イオンの抽出容量を調べるために、Ca(II), Nd(III), Zr(IV)を用いて、有機相中金属最大抽出量(LOC)を測定した。LOC値を増加させるため、改質剤のジヘキシルオクタアミド(DHOA)とよりアルキル基の長いDGA化合物を使用した。LOC値はDHOA濃度やDGAに結合するアルキル基長さに依存して高くなることがわかった。

論文

Radiolysis of TODGA and its effect on extraction of actinide ions

須郷 由美; 佐々木 祐二; 木村 貴海; 関根 勉*; 工藤 博司*

Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 4 Pages, 2005/10

使用済み核燃料の硝酸溶解液から長寿命のアクチノイドイオンを高収率で選択的に抽出分離するための抽出剤として、これまでにテトラオクチルジグリコールアミド(TODGA)を開発してきた。本研究では、TODGAの実プロセスへの適用性を検討するうえで重要な課題の一つである、高い放射線場における抽出剤の安定性、及びアクチノイドイオンの抽出挙動に与える放射線の影響について調べた。

論文

Single crystal growth and fermi surface properties of an antiferromagnet UPdGa$$_5$$

池田 修悟; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 中島 美帆*; 桐田 伸悟*; 小林 達夫*; 辺土 正人*; 上床 美也*; 山上 浩志*; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 74(8), p.2277 - 2281, 2005/08

 被引用回数:10 パーセンタイル:43.15(Physics, Multidisciplinary)

ガリウムの自己フラックス法により、反強磁性体UPdGa$$_5$$の純良な単結晶を育成することに成功した。ドハース・ファンアルフェン効果測定を行うことにより、この系には、反強磁性体UPtGa$$_5$$とよく似た円柱状フェルミ面が含まれていることがわかった。また加圧下電気抵抗測定により、ネール点が3.1GPaで消失することを明らかにした。つまり加圧によって、3.1GPa以上では、反強磁性から常磁性状態へと変化することがわかった。

論文

A method for the determination of extraction capacity and its application to $$N,N,N',N'$$-tetraalkylderivatives of diglycolamide-monoamide/n-dodecane media

佐々木 祐二; 須郷 由美; 鈴木 伸一; 木村 貴海

Analytica Chimica Acta, 543(1-2), p.31 - 37, 2005/07

 被引用回数:87 パーセンタイル:6.27(Chemistry, Analytical)

新しい抽出容量の測定方法を用いて、DGA-DHOA/n-ドデカン抽出溶媒中のNd(III)の抽出容量(LOC)を測定した。LOC値は硝酸濃度や温度に依存することがわかった。LOCの値は十分な濃度のモノアミド(DHOA)を加えた系で化学量論値に達し、またこの系では第三相は生成しなかった。DHOAを含まない系で、異なる構造のDGA化合物を用いてLOCを測定したところ、アルキル鎖の長い官能基(テトラドデシル基)を導入したTDdDGA化合物を用いると、第三相は生成せず、LOC値も化学量論値に到達した。本研究により、DHOAを加えることと長いアルキル鎖を導入したDGA化合物を用いることが、第三相を抑制し、抽出容量を増大させることに重要であることがわかった。

論文

Neutron scattering study on 5f itinerant antiferromagnet UPdGa$$_5$$

池田 修悟; 目時 直人; 芳賀 芳範; 金子 耕士; 松田 達磨; 大貫 惇睦

Physica B; Condensed Matter, 359-361, p.1030 - 1032, 2005/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:92.64(Physics, Condensed Matter)

われわれはGaフラックス法を用いて、UPdGa$$_5$$の単結晶を育成することに成功した。帯磁率は弱い温度依存性を示すとともに、異方性も小さく、5$$f$$が遍歴的であると考えられる。また$$T_N$$=31Kにおいて、帯磁率とともに電気抵抗が急激に減少することを明らかにした。また中性子回折から、磁気構造が$${Q}$$=[0,0,1/2]で表されることを見いだした。0.33$$mu$$$$_{B}$$の大きさを持つ$$c$$軸に平行なウランの磁気モーメントが、$$c$$面内では強磁性的に、面間では反強磁性的に結合している構造となっている。

論文

Cumulative study on solvent extraction of elements by ${it N,N,N',N'}$-tetraoctyl-3-oxapentanediamide (TODGA) from nitric acid into ${it n}$-dodecane

Zhu, Z.-X.; 佐々木 祐二; 鈴木 英哉*; 鈴木 伸一; 木村 貴海

Analytica Chimica Acta, 527(2), p.163 - 168, 2004/12

 被引用回数:182 パーセンタイル:1.42(Chemistry, Analytical)

${it N,N,N',N'}$-テトラオクチル-3-オキサペンタンジアミド(TODGA)による硝酸溶液からドデカン溶媒への75元素の溶媒抽出を行い、元素の分配比とイオン半径との関係を調べた。元素の抽出されやすさはそれら原子価に大きく依存した。1価,5価金属は抽出されなかった。2価金属において、Ca(II)(イオン半径:100pm)が最も高い分配比を示し、そのほかの2価金属の分配比はCa(II)のイオン半径との差が大きくなるほど減少した。イオン半径87-113pmを持つ3価金属、83-94pmを持つ4価金属の分配比は1000を超えた。それらの抽出錯体の化学系はM(TODGA)$$_{3}$$(NO$$_{3}$$)$$_{{it n}}$$、又はM(TODGA)$$_{4}$$(NO$$_{3}$$)$$_{{it n}}$$=3又は4)である。4価より高い原子価を持つオキソニウムイオンはTODGAと複雑な錯体を形成するので、反応にかかわるTODGA分子数は最大2であることがわかった。

論文

Effect of DTPA on the extractions of Actinides(III) and Lanthanides(III) from nitrate solution into TODGA/${it n}$-dodecane

Apichaibukol, A.; 佐々木 祐二; 森田 泰治

Solvent Extraction and Ion Exchange, 22(6), p.997 - 1011, 2004/12

 被引用回数:31 パーセンタイル:31.34(Chemistry, Multidisciplinary)

3価のランタノイド,アクチノイドの相互分離に関連して、TODGA/${it n}$-ドデカン-硝酸水溶液系で選択的にAn(III)の分配比(D)を減少させるため多座配位するDTPAをキレード剤として用いた。Dは水相のpH増加とともに減少したが、軽Ln重Lnで異なる挙動を示した。これはLnとDTPAとの錯形成能力に差があるためと考えられる。DTPAの酸解離定数,Ln-DTPA錯体生成定数を用い、Dの計算を行った。結果は抽出反応の中間体として裸のLn(III)イオンの存在を示し、Ln-TODGA-DTPA抽出系でのDのpH依存が曲線となることを証明した。Am(III)とCm(III)は軽Ln(III)より安定な1=1のDTPA錯体を形成するので高い分離比(SF)が期待できる。SFはpH条件に依存して1から最高60(=$$D$$$$_{La}$$/$$D$$$$_{Am}$$)まで変化することがわかった。

論文

Extraction and separation of Am(III) and Sr(II) by N,N,N',N'-tetraoctyl-3-oxapentanediamide (TODGA)

鈴木 英哉*; 佐々木 祐二; 須郷 由美; Apichaibukol, A.; 木村 貴海

Radiochimica Acta, 92(8), p.463 - 466, 2004/08

 被引用回数:70 パーセンタイル:2.3(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

多座配位の抽出剤であるTODGAを溶解したドデカン溶液を有機相として用い、硝酸溶液中からのAm(III)とSr(II)の抽出分離について検討した。その結果、この抽出反応には、対イオンとしてのNO$$_{3}$$$$^{-}$$以外にHNO$$_{3}$$が関与していることがわかった。また、TODGA濃度の高い条件では、Am(III), Sr(II)ともに大きな分配比の値を示すが、硝酸濃度をより高い条件(3M以上)とすることで、さらに分配比が増加するAm(III)に対し、Sr(II)の分配比は減少する。したがって、高レベル廃液中からAm(III)とSr(II)をともに抽出した後、6M硝酸溶液を用いることでSr(II)のみが水相の硝酸中に逆抽出されるため、Am(III)とSr(II)との相互分離が可能である。また、TODGAを含む有機相中にモノアミドを添加することで、抽出錯体の有機相中への溶解度が増し、第三相の生成を抑制できるため、金属の抽出容量を大きくすることができる。

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