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津田 修一; 斎藤 公明
Radiation Protection Dosimetry, 198(17), p.1283 - 1291, 2022/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)環境中の線量率測定では、土壌または空気中に存在する放射性同位元素から放出されるガンマ線を検出するため、方向特性のよい球形または円筒形の測定器が通常使用される。われわれは、環境中において種々の測定器を用いた線量率相互比較実験を行い、方向特性に起因した線量率指示値のばらつきの程度を評価するとともに、ある直方体形状のCsI(Tl)結晶を有するシンチレーション検出器の線量率が、円筒形形状の測定器とほぼ同等になるデータに着目した。PHITSコードを用いて、様々な結晶形状のCsI(Tl)シンチレーション検出器のシミュレーションを実施した結果、方向依存性の小さいアスペクト比があることを明らかにした。この結果は、製作コスト面で有利な直方体形状のCsI(Tl)結晶を有するシンチレーション検出器を環境中の線量率測定に活用する可能性を示している。
津田 修一; 谷垣 実*; 吉田 忠義; 奥村 良*; 斎藤 公明
Radiation Protection Dosimetry, 193(3-4), p.228 - 236, 2021/03
被引用回数:2 パーセンタイル:39.25(Environmental Sciences)東京電力福島第一発電所事故後、環境中の線量率測定には、様々な形状の結晶形状を有する測定器が用いられている。土壌に残留するセシウムからの光子は様々な方向から測定器に入射するが、使用される測定器は必ずしも方向特性に優れているとは限らず、その結果、同一の場所で測定したとしても、使用する測定器によって線量率指示値が異なる場合がある。そこで、線量率指示値に対する結晶形状の影響を調べるために、種々の測定器を用いて、環境中における周辺線量当量率の相互比較を行った。各測定器で波高分布データを測定し、スペクトル-線量変換演算子(G(E)関数)を掛け合わせて線量率を算出した結果、線量率は約25%の範囲でばらつくことがわかった。各測定器の方向依存性を低減するために、環境中の光子入射方向に近い回転照射条件におけるG(E)関数を用いて再評価した結果、線量率は不確かさの範囲内で一致したが、極度に扁平な形状をした測定器については例外で、その強い方向依存性を十分補正できなかった。この結果から、回転照射条件で算出したG(E)関数を用いる手法はあらゆる形状の測定器に対して適用できるわけではなく、環境中の線量率測定には、方向特性の優れた測定器を用いる必要があることが実験的に示された。
津田 修一; 斎藤 公明
Journal of Environmental Radioactivity, 166(Part 3), p.419 - 426, 2017/01
被引用回数:23 パーセンタイル:63.78(Environmental Sciences)東京電力福島第一原子力発電所事故後、福島県をはじめ東日本の広域において、環境中の空間線量率測定等が継続して実施されている。測定には、原子力発電所等で利用されるサーベイメータ等の測定器が使用され、それらは基準校正場と呼ばれる既知の放射線場において、一方向からの照射条件で線量の校正が行われている。しかし一般に、測定器は入射する放射線の方向によって異なる感度を有し、実際の環境中では、放射線は様々な方向から測定器に入射する。そこで本研究では、通常よく用いられるNaI(Tl)およびCsI(Tl)シンチレーション式測定器で得られる線量の光子入射方向依存性を評価するために、ほぼ無限に広がった地面に放射性核種が存在する環境をPHITSコード上で再現し、周辺線量当量に対する環境測定用のスペクトル-線量変換演算子(G(E)関数)を導出した。その結果、通常よく用いられるシンチレーション式測定器は、単色エネルギー光子の場合、線量を最大で約40%過大評価する可能性のあるものの、実際の環境中では+20%以内で環境線源に対する線量を再現することを明らかにした。
神永 博史; 古田 敏城; 熊沢 蕃; 立田 初己
保健物理, 12(2), p.85 - 93, 1977/02
外部光子線源による個人被爆線量の測定で、フィルムバッジ線量計とそれ以外の個人線量計の測定値に相違が認められている。 この原因を調査するため、6種類の個人線量計について空気中および人体模型の表面に装着した時の、それぞれの入射放射線に対するエネルギーと方向の依存性を測定した。 実験の結果、フィルムバッジの線量は他の線量計よりも人体からの後方散乱線の影響を強く受け、線量測定値の相違は主に散乱線によって生ずることが明らかになった。 したがって、この相違を少なくするためには、フィルムバッジを人体模型上で標準校正することを提案する。
神永 博史; 熊沢 蕃; 古田 敏城; 立田 初己
保健物理, 10(4), p.193 - 201, 1975/04
外部放射線による器官線量の評価は、人体に入射する放射線のエネルギー、強度の入射方向分布などの情報を用いて推定しなければならない。本報告では、器官線量評価の目的で、ALDERSON-RANDO型人体模型とLiF-TLDを用い、睾丸、卵巣および肝臓の外部照射線量あたりの吸収線量(rad R1)の測定結果を示した。実験した光子エネルギーは、662、140および76keV、人体に対する放射線の入射方向は立体的な26方向である。これらの結果を他の研究結果と入射方向別にエネルギー依存性を相互比較し、器官線量測定に関する問題点を検討した。睾丸線量について、筆者らの結果は前方、回転照射時に他の結果と比較的良く一致したが、後方および左側方照射時に大きな相違があった。卵巣線量はすべての入射方向について良い一致をした。骨髄の平均線量については他の研究結果の相互比較をしたが、モンテカルロ計算結果は実験結果にくらべて、後方、回転照射時の300keV以下で差があった。