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若井 栄一; 菱沼 章道; 宇佐美 浩二; 加藤 康*; 高木 清一*; 安彦 兼次*
Materials Transactions, JIM, 41(9), p.1180 - 1183, 2000/09
中性子照射した高純度と低純度のFe-9Cr合金の微細組織と引張及び衝撃特性が調べられた。照射はJRR-3M(Modified Japan Research Reactor-3)炉にて、255または290
で0.3dpaまで行った。照射による降伏応力の増分は高純度と低純度材料でそれぞれ225MPaと170MPaとなり、それは高純度材料の方が大きくなった。また、それらの延性の低下は高純度材で著しい低下が見られた。衝撃特性に関しては、高純度材料は低純度材料に比べて、延性脆性遷移温度の上昇が大きく、175
であった。透過型電子顕微鏡観察ではこれらのFe-9Cr合金に転位ループが形成していて、その数密度は低純度材料の方がやや高かった。また、高純度材料では、ループ上に
'相に類似した析出物が観察された。降伏応力の増加に対する転位ループの障壁力を分散型障壁物のモデルで評価すると、その強度因子は高純度材の方がやや大きいことがわかったが、これは転位ループ上に形成した析出物が起因していると考えられる。以上のような照射による機械的特性の変化は、転位ループの硬化だけでは説明できず、ループ上の析出物の形成がそれらに大きな影響を及ぼしていると考えられる。
阿部 弘亨; 楢本 洋; 山本 春也
Mat. Res. Soc. Symp. Proc., 504, p.393 - 398, 1998/00
バナジウム酸化物には、電気的光学的に興味深い物性を示すものがあり、デバイス等への応用が期待されている。以前より高温における焼鈍による微粒子形成が報告されているが、本研究では高温イオン注入法を用いて、バナジウム酸化物相(微格子)形成を試みた。加速器結合型電顕内でのイオン注入により、照射損傷の蓄積、ボイドの形成が確認された。注入量10ions/m
以上で酸化物微粒子形成が観察された。微粒子と母相との結晶学的関係、スウェリング量(格子定数の増減)が明らかにされた。観察された酸化物のうち一部は低温相で、実験で用いられた温度範囲内では、熱平衡状態下で存在しない物質であった。
阿部 弘亨; 園田 健*; 木下 智見*; 楢本 洋
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 127-128, p.176 - 180, 1997/00
被引用回数:10 パーセンタイル:63.52(Instruments & Instrumentation)770K~1070K程度の高温でイオン照射により転位ループが形成された。電子照射の場合と比較して、低線量で転位ループが観察され、密度は照射量と共に増加し、高線量で一定値をとる傾向を示した。また転位ループ径は、照射時間に対して1/2~2/3乗(900K以上)、1/4乗(900K以下)に比例し、電子照射と比較して成長速度が小さいことがわかった。カスケード内部あるいはその周辺部では点欠陥が密集しているため、転位ループの核形成頻度が高くなり、そのために転位ループの成長に寄与する点欠陥密度が減少し、成長速度は低くなると考えられる。
菱沼 章道; 深井 勝麿; 沢井 友次; 仲田 清智*
Intermet., 4, p.179 - 184, 1996/00
プラズマ回転電極法で作製した粉末焼結体を、熱間静水圧加工および恒温鍛造処理したTi-47%atAl合金の照射(873Kで110
n/m
(E
1MeV)までJRR-2で中性子照射)後、873Kでの引張特性を調べた。TiAl合金は照射によって、全伸び6%から10%と延性化するが、応力-歪曲線への照射の影響は少ない。すなわち、降伏応力、加工指数は照射によって変化しない。この照射による延性化は、主変形モードの双晶変形の核が照射下で生成し、変形を容易にするためである。また、双晶核は逆位相境界を持たないフランクループから発生する。Ll
規則相をもつTi-Al合金では、逆位相境界の有無で2種類のフランクループが結晶学上考えられる。そのうち逆位相境界を持たないループが優先的に形成されるが、その完全ループへの変換は、逆位相境界の生成を伴うため容易ではない。従って、照射による損傷組織の発達が著しく制限される。
前田 裕司; 山川 浩二*; 松本 徳真*; 春名 勝次*; 加藤 輝雄; 小野 文久*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 97, p.491 - 494, 1995/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Instruments & Instrumentation)放射光を利用して急冷した高純度銅単結晶のX線散漫散乱の測定を行い、電子顕微鏡では観測が困難であった空孔型の転位ループを観測した。急冷後の2次欠陥の観測は主として電子顕微鏡で精力的に行われて来た。しかしFCC金属では銅だけが2次欠陥の観測に成功していない。それは2次欠陥のサイズが小さく電顕での観察が困難である、又ガス不純物に空孔が捕獲され2次欠陥を形成するに至っていない等の理由が考えられる。放射光は高エネルギー物理学研究所のRL-4Cを利用し、逆格子点(111)の周りの散漫散乱の測定を室温で行なった。その結果、空孔型転位ループからの散漫散乱を観測した。しかしこの散乱はシャープで、強度は非常に強く、転位ループの散漫散乱の理論計算で予測されていた「caustics」散乱と考えられる。転位ループのサイズは約10と推測される。
實川 資朗; 北條 喜一
Journal of Nuclear Materials, 212-215, p.221 - 225, 1994/00
被引用回数:8 パーセンタイル:60.56(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉ではパルス運転に伴う温度や中性子束の変動が大きい。これらの変動が組織変化に与える影響を推定するため、純アルミ中に電子線照射で生ずる転位ループの挙動に対する、これらの変動の影響を調べた。加速電圧400kVの電子顕微鏡を用い、観察と同時に照射を行いながら、温度と電子線束を変動させた。はじめに、150Cで照射も行い転位ループを形成させた。次いで、温度を室温に低下させると新たな転位ループが形成された。再度温度を150
Cまで上昇させると、はじめに形成されたサイズの大きいループは成長したが、後で室温にて導入したループは殆ど成長しなかった。ここで電子線束を低下させ損傷速度を下げると、サイズの小さいループは収縮した。このようなループ成長のサイズ依存性は、転位ループのバイアスがサイズ依存性を持つことを示す。
前田 裕司; 小野 文久*
Journal of the Physical Society of Japan, 55(1), p.193 - 199, 1986/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Multidisciplinary)純ニッケルを5Kで高速中性子で照射した後、および5K~300Kの間で等時焼鈍した後、磁気異方性の測定を液体ヘリウム温度で行った。照射後のトルク曲線は主に4回対称成分であった。また320Kに焼鈍すると2回対称成分が現われた。これらの結果より、ニッケル中の格子間原子は100
方向にスピリットしたダンベル型であり、焼鈍により、その集合面を(100)から(111)面に移り変り、クラスターおよび転位ループへ成長することがわかった。同様な実験をFeで行なった結果と比較すると、磁気異方性の大きさはニッケルの方が大きいことがわかった。
石田 巌*; 義家 敏正*; 桐谷 道雄*; 佐々木 茂美; 岩瀬 彰宏; 岩田 忠夫
Proc.XIth Int.Cong.on Electron Microscopy, p.1281 - 1282, 1986/00
純度99.999%の銅を電解研磨によりクサビ形薄膜試料とし、2枚の試料を交差して重ね合わせ、室温で、2MVV.d.G加速器を用いて500keVHeイオンを、照射強度2.8
10
ions/cm
・S、照射量8.3
10
ions/cm
・Sまで照射し、導入された点欠陥集合体を電子顕微鏡JEM-200CXを用いて観察した。その結果、マスクのない試料部分およびマスクの薄い試料部分では積層欠陥四面体が主に観察され、マスクの厚い試料部分では転移ループのみが観察された。これは、イオン入射面近傍とイオンの飛程の近傍とでは、欠陥集合体形成の機構が異なっていることを示している。