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報告書

幌延深地層研究計画; 令和元年度調査研究成果報告

中山 雅; 雑賀 敦

JAEA-Review 2020-042, 116 Pages, 2021/01

JAEA-Review-2020-042.pdf:10.33MB

幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」、「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの段階に分けて実施している。令和元年度は、「幌延深地層研究計画 平成31年度調査研究計画」に従って、調査研究および地下施設の建設を進めた。研究開発は従来通り、「地層科学研究」と「地層処分研究開発」に区分して行った。具体的には、「地層科学研究」では、地質環境調査技術開発、地質環境モニタリング技術開発、深地層における工学的技術の基礎の開発、地質環境の長期安定性に関する研究、という研究課題を設定し、「地層処分研究開発」では、人工バリアなどの工学技術の検証、設計手法の適用性確認、安全評価モデルの高度化および安全評価手法の適用性確認、という研究課題を設定している。幌延深地層研究計画の成果は、日本原子力研究開発機構における他の研究開発拠点での成果と合わせて一連の地層処分技術として、処分事業や安全規制に適宜反映していく。そのため、国内外の研究機関との連携を図り、大学などの専門家の協力を得つつ、本計画を着実かつ効率的に進めていく。また、研究開発業務の透明性・客観性を確保する観点から研究計画の策定から成果までの情報を積極的に公表し、特に研究成果については国内外の学会や学術誌などを通じて広く公開していく。

報告書

Analysis of debris samples of Tokyo Electric Power Company Holdings Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (Translated document)

燃料デブリ等研究戦略検討作業部会

JAEA-Review 2020-055, 171 Pages, 2020/12

JAEA-Review-2020-055.pdf:5.66MB

東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉作業を進めるにあたっては、燃料デブリの取出し及び取出した燃料デブリの保管管理及び処理処分に係る工程設計及び工程管理を行う必要がある。このためには、格納容器・圧力容器内の内部調査や、今後取得される燃料デブリ等サンプルの分析を行うことにより、燃料デブリの特性や堆積状態、核分裂生成物・線量の分布、構造材の破損や腐食状態等の現場の状況を明らかにすることが不可欠である。さらには、これら現場の状況に関して得られた知見や情報を用いて事故時に生じた現象を理解し、事故原因の究明を進めていくことにより得られる知見や情報を適時適切に廃炉の工程設計及び工程管理に反映するとともに、それらを継続的に改良していくことが重要である。廃炉に向けた中長期ロードマップでは、2021年内には初号機の燃料デブリの試験的取出しが目標とされている等、今後、燃料デブリを含むサンプル分析及び内部調査が本格化する。このことから、廃炉作業を安全かつ着実に進めるニーズの観点で、燃料デブリの取出し、保管管理、処理処分及び事故原因の究明においてどのような課題があるのか、その課題を解決するためには燃料デブリについて何をどのように分析すればよいのかについて検討し、推奨としてまとめた。実際に、どこの施設でどの分析をどのような順番で行うかの分析実施計画は、それぞれの目的に応じ優先順位を付けて、本報告書の内容を参考に策定されることが望まれる。

報告書

幌延深地層研究計画; 令和2年度調査研究計画

中山 雅; 雑賀 敦

JAEA-Review 2020-022, 34 Pages, 2020/11

JAEA-Review-2020-022.pdf:3.99MB

幌延深地層研究計画(以下、本計画)は、日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)が堆積岩を対象に北海道幌延町で実施しているものである。本計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」、「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの調査研究段階に分けて進めることとしている。原子力機構の第3期中長期計画では、本計画について、「実際の地質環境における人工バリアの適用性確認、処分概念オプションの実証、地殻変動に対する堆積岩の緩衝能力の検証に重点的に取り組む。また、平成31年度末までに研究終了までの工程やその後の埋戻しについて決定する。」としてきた。これまでの研究の成果や外部委員会の評価、国内外の状況を踏まえて検討した結果、研究の継続が必要となったことから、令和元年8月2日に「幌延町における深地層の研究に関する協定書」(以下、三者協定)に基づき北海道および幌延町に協議の申し入れを行った。その後、協議の申し入れを行った「令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)」について、三者協定に基づき北海道および幌延町により設置された「幌延深地層研究の確認会議」において、研究の必要性や妥当性、三者協定との整合性を論点とした内容の精査が行われ、北海道および幌延町により「令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)」が受け入れられた。原子力機構は、これらの研究課題については、令和2年度以降、第3期及び第4期中長期目標期間を目途に取り組むこととし、その上で、国内外の技術動向を踏まえて、地層処分の技術基盤の整備の完了が確認できれば、埋め戻しを行うことを具体的工程として示すこととした。本報告は、令和2年度に実施する調査研究計画について取りまとめたものである。

論文

最先端の研究開発,日本原子力研究開発機構,6; 廃止措置と廃棄物の処理処分を目指して,1; 低レベル放射性廃棄物の処理処分とウラン鉱山閉山措置に関する技術開発

辻 智之; 杉杖 典岳; 佐藤 史紀; 松島 怜達; 片岡 頌治; 岡田 翔太; 佐々木 紀樹; 井上 準也

日本原子力学会誌, 62(11), p.658 - 663, 2020/11

日本原子力研究開発機構ではバックエンド関連の研究・技術開発として、原子力施設の廃止措置や安全で環境負荷低減につながる低レベル放射性廃棄物の処理処分技術開発と、地層処分の基盤的研究開発を進めてきた。これらバックエンドに関する原子力機構の研究・技術開発のうち、原子力施設の廃止措置や低レベル放射性廃棄物の処理処分技術開発の最前線を紹介する。

論文

使用済燃料直接処分での処分容器の耐圧厚さの検討

杉田 裕; 谷口 直樹; 牧野 仁史; 金丸 伸一郎*; 奥村 大成*

日本原子力学会和文論文誌, 19(3), p.121 - 135, 2020/09

使用済燃料を直接処分するための処分容器の一連の構造解析を実施して、処分容器の必要な耐圧厚さの予察的な検討結果を示した。直線,三角形,正方形に配置された2, 3, 4体の使用済燃料集合体を収容するように処分容器を設計した。処分容器の胴体部分および蓋部分の必要な耐圧厚さを評価するため、使用済燃料集合体の収容スペースの離間距離をパラメータとした。この検討では、応力評価ラインの設定の妥当性や解析におけるモデル長の影響など、解析に関する技術的知識も得られた。そして、これらは、さまざまな条件下で同様の評価を実行したり、より詳細な評価を進めたりするための基盤として参考となるものである。

報告書

「令和元年度東濃地科学センター地層科学研究情報・意見交換会」資料集

西尾 和久*; 清水 麻由子; 弥富 洋介; 濱 克宏

JAEA-Review 2020-013, 59 Pages, 2020/08

JAEA-Review-2020-013.pdf:19.64MB

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターにおいては、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(以下、地層科学研究)を実施している。地層科学研究を適正かつ効率的に進めていくため、研究開発の状況や成果について、大学,研究機関,企業の研究者・技術者等に広く紹介し、情報・意見交換を行うことを目的とした「情報・意見交換会」を毎年開催している。本報告書は、令和元年11月20日に岐阜県瑞浪市で開催した「令和元度東濃地科学センター 地層科学研究情報・意見交換会」で用いた発表資料を取りまとめたものである。

論文

自然放射性核種を含む廃棄物の放射線防護に関する専門研究会の活動報告

齋藤 龍郎; 小林 愼一*; 財津 知久*; 下 道國*; 麓 弘道*

保健物理(インターネット), 55(2), p.86 - 91, 2020/06

ウラン廃棄物およびウランを含む鉱さい等廃棄物処分安全の考え方は、まだ完全には確立されていない。その理由は、子孫核種の放射能が蓄積し、数十万年以後に線量のピークが生じるウラン安全性評価の不確実性と、遠い将来発生するラドンによる被ばくである。我々「自然放射性核種を含む廃棄物の放射線防護に関する専門研究会」は、ウラン含有廃棄物と鉱さい等廃棄物に含まれる核種、U-235, U-238とその子孫の処分に関する安全事例を研究し、ICRPやIAEAなどの国際機関の考え方と比較しながら、処分の現状を総括的に議論し、不確実性及びラドン被ばくの取り組むべき重要な問題を提言した。

報告書

東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所燃料デブリ等分析について

燃料デブリ等研究戦略検討作業部会

JAEA-Review 2020-004, 140 Pages, 2020/05

JAEA-Review-2020-004.pdf:4.22MB

東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉作業を進めるにあたっては、燃料デブリの取出し及び取出した燃料デブリの保管管理及び処理処分に係る工程設計及び工程管理を行う必要がある。このためには、格納容器・圧力容器内の内部調査や、今後取得される燃料デブリ等サンプルの分析を行うことにより、燃料デブリの特性や堆積状態、核分裂生成物・線量の分布、構造材の破損や腐食状態等の現場の状況を明らかにすることが不可欠である。さらには、これら現場の状況に関して得られた知見や情報を用いて事故時に生じた現象を理解し、事故原因の究明を進めていくことにより得られる知見や情報を適時適切に廃炉の工程設計及び工程管理に反映するとともに、それらを継続的に改良していくことが重要である。廃炉に向けた中長期ロードマップでは、2021年内には初号機の燃料デブリの試験的取出しが目標とされている等、今後、燃料デブリを含むサンプル分析及び内部調査が本格化する。このことから、廃炉作業を安全かつ着実に進めるニーズの観点で、燃料デブリの取出し、保管管理、処理処分及び事故原因の究明においてどのような課題があるのか、その課題を解決するためには燃料デブリについて何をどのように分析すればよいのかについて検討し、推奨としてまとめた。実際に、どこの施設でどの分析をどのような順番で行うかの分析実施計画は、それぞれの目的に応じ優先順位を付けて、本報告書の内容を参考に策定されることが望まれる。

報告書

幌延深地層研究計画における地下施設での調査研究段階; (第3段階: 必須の課題2015-2019年度)研究成果報告書

中山 雅; 雑賀 敦; 木村 駿; 望月 陽人; 青柳 和平; 大野 宏和; 宮川 和也; 武田 匡樹; 早野 明; 松岡 稔幸; et al.

JAEA-Research 2019-013, 276 Pages, 2020/03

JAEA-Research-2019-013.pdf:18.72MB

幌延深地層研究計画は、日本原子力研究開発機構(原子力機構)が堆積岩を対象に北海道幌延町で実施している地層処分技術に関する研究開発の計画である。幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」、「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの調査研究段階に分けて進めている。原子力機構の第3期中長期計画では、本計画について、「実際の地質環境における人工バリアの適用性確認、処分概念オプションの実証、地殻変動に対する堆積岩の緩衝能力の検証に重点的に取り組む。また、平成31年度末までに研究終了までの工程やその後の埋戻しについて決定する。」としている。本稿では、第3期中長期計画期間のうち、平成27年度から令和1年度までの地下施設での調査研究段階(第3段階)における調査研究のうち、原子力機構改革の中で必須の課題として抽出した(1)実際の地質環境における人工バリアの適用性確認、(2)処分概念オプションの実証、(3)地殻変動に対する堆積岩の緩衝能力の検証、の3つの研究開発課題について実施した調査研究の成果を取りまとめた。

報告書

Development of JAEA sorption database (JAEA-SDB); Update of sorption/QA data in FY2019

杉浦 佑樹; 陶山 忠宏*; 舘 幸男

JAEA-Data/Code 2019-022, 40 Pages, 2020/03

JAEA-Data-Code-2019-022.pdf:2.22MB

放射性廃棄物地層処分の性能評価において、放射性核種の緩衝材, 岩石及びセメント系材料中での収着現象は、その移行遅延を支配する重要な現象の一つである。今回、性能評価における収着分配係数(K$$_{rm d}$$)設定のための統合的手法の構築の基礎として、収着データベース(JAEA-SDB)のデータ拡充を行った。本報告ではK$$_{rm d}$$設定や収着モデル開発の最近の取り組みにおいて課題として抽出された以下に示す3つの系(粘土, 堆積岩及びセメント系材料)に着目して実施した、K$$_{rm d}$$データと信頼度情報の拡充について報告する。今回の更新において、60の文献から6,702件のK$$_{rm d}$$データとその信頼度情報が追加され、JAEA-SDBに含まれるK$$_{rm d}$$データは69,679件となり、全データのうちの約72%のデータに対して信頼度情報が付与されたこととなる。今回更新されたJAEA-SDBによって、今後の性能評価における収着パラメータ設定に向けて、有効な基盤情報を提供するものと期待される。

報告書

TRU廃棄物地層処分の性能評価のためのバリア材への核種の収着データの取得

舘 幸男; 陶山 忠宏*; 三原 守弘

JAEA-Data/Code 2019-021, 101 Pages, 2020/03

JAEA-Data-Code-2019-021.pdf:4.05MB

TRU廃棄物や高レベル放射性廃棄物の地層処分を対象とした性能評価において、人工バリアであるセメントやベントナイト、天然バリアである岩石中での核種の収着現象は、核種の移行遅延を支配する重要な現象の一つである。収着の程度は一般的に収着分配係数(K$$_{rm d}$$)によって表され、バリア材や環境条件に応じて大きく変動するため、それぞれの条件でのK$$_{rm d}$$データを取得し、性能評価解析では関連する不確実性も考慮して収着パラメータ値を設定する必要がある。TRU廃棄物の処分システムでは、高レベル放射性廃棄物で検討されるベントナイトや岩石に加えて、バリア材として利用されるセメント系材料への収着や、一部の廃棄物に含まれる硝酸塩等の化学物質が地下水に溶解して収着に影響を及ぼすことなどを考慮する必要が生じる。本報告書では、このようなTRU廃棄物の処分において考慮すべきバリア材料や、硝酸塩等の影響物質、評価対象核種の組み合わせを対象として、K$$_{rm d}$$データをバッチ式収着試験により取得した結果を報告する。バリア材としては、普通ポルトランドセメント硬化体、通水で劣化させた普通ポルトランドセメント硬化体、凝灰岩を対象とし、液性については、蒸留水や模擬海水とバリア材料との平衡液に加え、硝酸塩やアンモニウム塩を含む液性条件を対象とした。元素は、C(有機形態),C(無機形態),Cl,I,Cs,Ni,Se,Sr,Sn,Nb,Am,Thを対象とした。ここで報告する収着データの一部は、TRU廃棄物処分技術検討書の性能評価における核種移行解析に用いたパラメータである核種移行データセット(RAMDA: Radionuclide Migration Datasets)の一部として取得・報告されているものであり、ここでは、これらのデータ取得の方法, 条件, 結果の詳細を報告する。

報告書

モニタリング機器の放射線影響に関する検討

中山 雅; 棚井 憲治

JAEA-Review 2019-032, 32 Pages, 2020/02

JAEA-Review-2019-032.pdf:1.84MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分におけるモニタリングには、施工上の品質を確認するためのモニタリング、人工バリアの状態把握や処分施設周辺部における地質環境条件に関するモニタリング、建設・操業・閉鎖の各作業を安全かつ確実に進めるための作業安全のモニタリング、処分場敷地周辺部の環境に関するモニタリングなどの種々のモニタリングが挙げられる。これらのモニタリングのうち人工バリアが設計で想定した状態を逸脱することなく性能が発揮されていることを確認し評価するための人工バリアの状態把握に関わるモニタリングに関しては、国際共同研究としてその考え方や具体的な方法等について検討が進められている。このようなモニタリング機器が置かれる環境条件には、温度, 湿度, 圧力, 放射線や水質などがあり、地質環境や埋設深度、埋設する廃棄物の種類によって変動するため、モニタリング機器の検討を行う際には、環境条件を考慮した整理が必要である。そこで、人工バリアの状態を把握する際、緩衝材やオーバーパック表面、あるいはその周囲に設置されるモニタリング機器がオーバーパックから放出される放射線に曝されることから、ここではこれらモニタリング機器の放射線による影響について、代表的なセンサーに用いられている材料の耐放射線性と解析により求めた緩衝材中の吸収線量との比較を行った結果、モニタリング機器の使用寿命に影響を及ぼす線量ではないことが推定された。しかしながら電子部品を内蔵するモニタリング機器については、照射試験により信頼できるデータの取得の可能性について検証することが必要である。

論文

Study on plutonium burner high temperature gas-cooled reactor in Japan; Introduction scenario, reactor safety and fabrication tests of the 3S-TRISO fuel

植田 祥平; 水田 直紀; 深谷 裕司; 後藤 実; 橘 幸男; 本田 真樹*; 齋木 洋平*; 高橋 昌史*; 大平 幸一*; 中野 正明*; et al.

Nuclear Engineering and Design, 357, p.110419_1 - 110419_10, 2020/02

 被引用回数:1 パーセンタイル:24.17(Nuclear Science & Technology)

固有の安全性に優れ高効率なプルトニウムの利用が可能なプルトニウム燃焼高温ガス炉が提案されている。プルトニウム燃焼高温ガス炉に用いるセキュリティ強化型安全(3S-TRISO)燃料においては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を不活性母材とするPuO$$_{2}$$-YSZ燃料核へ、遊離酸素ゲッターの特性を有する炭化ジルコニウム(ZrC)を直接被覆する。本論文では、プルトニウム燃焼高温ガス炉の成立性および3S-TRISO燃料の研究開発について報告する。

論文

地層処分システムの性能を評価するための熱力学データベースの整備; OECD/NEAのTDBプロジェクトと国内外の整備状況

北村 暁

日本原子力学会誌, 62(1), p.23 - 28, 2020/01

高レベル放射性廃棄物や地層処分相当TRU廃棄物などの地層処分システムの性能を評価することを目的として、廃棄体が地下水に接触したあとの放射性核種の溶解および錯生成挙動を評価するために使用する熱力学データベース(TDB)が国内外で整備されている。本報告では、経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)が実施している国際プロジェクトを中心に、わが国および欧米各国で整備されているTDBを概説する。

報告書

幌延深地層研究計画における人工バリア性能確認試験; 350m調査坑道における人工バリアの設置および坑道の埋め戻し

中山 雅; 大野 宏和

JAEA-Research 2019-007, 132 Pages, 2019/12

JAEA-Research-2019-007.pdf:11.29MB
JAEA-Research-2019-007-appendix(CD-ROM).zip:39.18MB

原子力機構が北海道幌延町で実施している幌延深地層研究計画では、堆積岩を対象として、深地層の科学的研究、地層処分技術の信頼性向上や安全評価手法の高度化等に向けた基盤的な研究開発および安全規制のための研究開発を実施している。平成26年度からは幌延深地層研究センターの地下施設の350m調査坑道(試験坑道4)において、幌延の地質環境をひとつの事例に、処分孔竪置き方式を対象として実規模の人工バリアを設置し、実環境下において人工バリア定置後の再冠水までの過渡期の現象(熱-水-応力-化学連成挙動)を評価する事を目的とした人工バリア性能確認試験を実施している。本報告では、人工バリア性能確認試験において実施した、試験坑道および試験孔の掘削、緩衝材および模擬オーバーパックの設置、転圧締め固めおよび埋め戻し材ブロックによる坑道の埋め戻し、コンクリートプラグの設置およびコンタクトグラウト工の実施、計測システムの整備および計測の開始、などについて述べる。上記の作業を通じて、開発した大口径掘削機による試験孔掘削の実証、緩衝材ブロック定置における真空把持装置の適用性、埋め戻し材転圧締め固めにおける品質管理手法の提示、低アルカリ性セメント材料によるコンクリートプラグの施工などについて確認を行い、実環境において処分概念の構築が十分に可能であることを示した。

報告書

幌延深地層研究計画; 平成31年度調査研究計画

青柳 和平

JAEA-Review 2019-008, 20 Pages, 2019/07

JAEA-Review-2019-008.pdf:3.33MB

幌延深地層研究計画(本計画)は、日本原子力研究開発機構(原子力機構)が堆積岩を対象に北海道幌延町で実施しているものである。原子力機構の第3期中長期計画では、本計画について、「実際の地質環境における人工バリアの適用性確認、処分概念オプションの実証、地殻変動に対する堆積岩の緩衝能力の検証に重点的に取り組む。また、平成31年度末までに研究終了までの工程やその後の埋戻しについて決定する。」としている。幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」、「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの調査研究段階に分けて進めることとしており、全体の期間は20年程度を考えている。平成31年度は、地下施設での調査研究段階(第3段階)を継続しながら、第3期中長期計画の5年度目として、同計画に掲げた3つの課題を達成していくための調査研究を実施するとともに、成果の取りまとめを行う。

論文

A Systematic radionuclide migration parameter setting approach for potential siting environments in Japan

浜本 貴史*; 石田 圭輔*; 澁谷 早苗*; 藤崎 淳*; 舘 幸男; 石黒 勝彦*; McKinley, I. G.*

Proceedings of 2019 International High-Level Radioactive Waste Management Conference (IHLRWM 2019) (USB Flash Drive), p.77 - 82, 2019/04

NUMO's recently published safety case involves utilisation of the safety case approach to provide a basis for preparation for future phases of work and development of a template for later, more complete and rigorous, safety cases. Advances include capturing potential siting environments in Site Descriptive Models (SDMs) and focusing post-closure safety assessment methodology on repository designs tailored to these SDMs. Radionuclide-specific parameters in the engineered barrier system (EBS), such as solubilities, sorption and diffusion values, are selected based on established chemical models that take into account evolution of porewater chemistry, alteration of EBS material and different host rock properties. Existing chemical thermodynamic databases developed in Japan have been used for the coupled geochemical and mass transport analyses applied to set these parameters. Nevertheless, in view of fundamental uncertainties in the thermodynamic approach, expert judgment played a key role in the process. This paper discusses the methodology used to set "reasonably conservative" radionuclide migration parameters for the illustrative SDMs, with a focus on chemistry which can be captured in existing models only by introducing significant simplifications.

報告書

Update of JAEA-TDB; Update of thermodynamic data for zirconium and those for isosaccahrinate, tentative selection of thermodynamic data for ternary M$$^{2+}$$-UO$$_{2}$$$$^{2+}$$-CO$$_{3}$$$$^{2-}$$ system and integration with JAEA's thermodynamic database for geochemical calculations

北村 暁

JAEA-Data/Code 2018-018, 103 Pages, 2019/03

JAEA-Data-Code-2018-018.pdf:5.66MB
JAEA-Data-Code-2018-018-appendix1(DVD-ROM).zip:0.14MB
JAEA-Data-Code-2018-018-appendix2(DVD-ROM).zip:0.15MB
JAEA-Data-Code-2018-018-appendix3(DVD-ROM).zip:0.19MB

最新の熱力学データのレビューを行い、選定された値を高レベル放射性廃棄物およびTRU廃棄物の地層処分の性能評価に用いるための熱力学データベース(JAEA-TDB)に収録した。今回のレビューでは、(1)ジルコニウムの水酸化物および加水分解種の熱力学データについて、経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)が公開した熱力学データベースと比較しつつ熱力学データを選定した。また、(2)金属イオンのイソサッカリン酸錯体の熱力学データについては、最新のレビュー論文を基に、選定値のレビューと内部整合性の確認を行ったうえで採用した。さらに、(3)アルカリ土類元素、ウラン(VI)イオンおよび炭酸イオンから構成される三元錯体の熱力学データについて、文献情報を暫定的に追加した。そして、(4)地球化学計算用に整備された熱力学データベースとの統合を実現させた。選定値の内部整合性は著者が確認した。更新したJAEA-TDBを有効活用するために、PHREEQCおよびGeochemist's Workbenchといった地球化学計算コード用フォーマットを整備した。

報告書

幌延深地層研究計画; 平成29年度調査研究成果報告

花室 孝広; 雑賀 敦

JAEA-Review 2018-027, 125 Pages, 2019/02

JAEA-Review-2018-027.pdf:21.79MB

幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」、「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの段階に分けて実施している。平成29年度は、「幌延深地層研究計画 平成29年度調査研究計画」に従って、調査研究および地下施設の建設を進めた。研究開発は従来通り、「地層科学研究」と「地層処分研究開発」に区分して行った。具体的には、「地層科学研究」では、地質環境調査技術開発、地質環境モニタリング技術開発、深地層における工学的技術の基礎の開発、地質環境の長期安定性に関する研究、という研究課題を設定し、「地層処分研究開発」では、人工バリアなどの工学技術の検証、設計手法の適用性確認、安全評価モデルの高度化および安全評価手法の適用性確認、という研究課題を設定している。幌延深地層研究計画の成果は、日本原子力研究開発機構(原子力機構)における他の研究開発拠点での成果と合わせて一連の地層処分技術として、処分事業や安全規制に適宜反映していく。そのため、国内外の研究機関との連携を図り、大学などの専門家の協力を得つつ、本計画を着実かつ効率的に進めていく。また、研究開発業務の透明性・客観性を確保する観点から研究計画の策定から成果までの情報を積極的に公表し、特に研究成果については国内外の学会や学術誌などを通じて広く公開していく。

論文

Assessment of the potential for criticality in the far field of a used nuclear fuel repository

Atz, M.*; Salazar, A.*; 平野 史生; Fratoni, M.*; Ahn, J.*

Annals of Nuclear Energy, 124, p.28 - 38, 2019/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)

使用済燃料を地層処分する場合を想定して(使用済燃料の直接処分)、処分場の周辺岩盤で燃料成分が蓄積することによって臨界が起こる可能性を評価するための解析的検討を行った。岩盤中で臨界が起こる燃料成分の量の最小値を評価するための中性子輸送モデル(地下水飽和した球形の体系を想定して解析を実施)と、燃料成分の地下水中への溶出と岩盤中での移行を評価するための物質輸送モデルによる解析結果を組み合わせて評価を行った。その結果、燃料成分が岩盤中で蓄積する条件として保守的な条件を想定する場合では、臨界が起こる量が蓄積される状況も想定されるものの、処分場での使用済燃料の配置を工夫することで、こうした状況は起こりにくくなると考えられた。

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