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代谷 誠治*; 三澤 毅*; 宇根崎 博信*; 市原 千尋*; 小林 圭二*; 中村 博*; 秦 和夫*; 今西 信嗣*; 金澤 哲*; 森 貴正
JAERI-Tech 2004-025, 93 Pages, 2004/03
本研究では、京都大学原子炉実験所の将来計画に関連して、(1)高エネルギー中性子の物質透過実験,(2)京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)における加速器駆動未臨界炉(ADSR)模擬実験,(3)MCNP-Xコードによる京都大学原子炉(KUR)型ADSRの概念的核設計を行い、ADSR型の研究用中性子源の実現に資するとともに、ADSR一般の開発に向けた炉物理的課題を抽出することを目的とした。本研究を通じて、ADSRの基本的特性の概略を理論的,実験的に把握することができ、今後の研究を推進するうえで必要な基礎的知見が得られた。その知見をあえて一言で表現すれば、予想に違わず、ADSRの基本特性は未臨界炉の基本特性に大きく左右されるということである。今後、ADSRの実現に向けて、より詳細な研究を着実に積み上げることが必要と考えられるが、そのためには、(1)核データのより一層の精度向上,(2)未臨界度測定や高エネルギーから低エネルギー領域に及ぶ中性子束の絶対値測定などのADSRを対象とした炉物理実験手法の確立,(3)核破砕中性子発生挙動から遅発中性子挙動の取り扱いを含むADSR関連の解析ツールの整備が必要不可欠である。
Pinak, M.
JAERI-Conf 2003-011, 113 Pages, 2003/09
本国際ワークショップは、放射線リスクとその分子・細胞レベルにおける影響のメカニズムに関する最新の研究成果について検討するために、2003年2月6日と7日の両日、日本原子力研究所東海研究所において保健物理部・放射線リスク研究室が主催して開催された。ワークショップには、放射線物理学,放射線生物学,分子生物学,生体分子の結晶学,分子モデリング,バイオインフォマティクスなどさまざまな研究分野に携わる研究者が参加し、放射線リスクに関連のある基礎研究分野についての基調講演が国内外の研究者により行われた。この基調講演に基づき、分子・細胞レベルの基礎研究と生体レベルの放射線障害とをどのように結び付けていけばよいか議論がなされた。シンポジウムは、口頭発表13件,ポスター発表10件、及びパネルディスカッションから構成され、108人が参加した。本報文集は、これらの口頭及びポスター発表のうち、プロシーディング原稿をいただいた場合にはプロシーディングを、またそれ以外の発表に関しては、発表要旨に一部発表に用いられた図版を加えまとめたものである。
長尾 美春; 細谷 俊明; 金子 義彦*
日本原子力学会和文論文誌, 1(2), p.153 - 163, 2002/06
原子炉の大きな正の反応度の決定には、燃料追加法,中性子吸収置換法等の方法が広く用いられている。しかし、これらの全ての測定方法は、超過倍率が15%kを越える領域に入ると20%程度の系統誤差を生じる可能性が指摘され、この問題を克服する「修正法」についての基本的考え方が提案された。この「修正法」は、現実の炉心において測定される実効増倍率の増分を計算により超臨界が許される仮想の炉心に対する値に転換するものである。本論文では、この「修正法」が大型の試験炉・研究炉に対して実際に適用可能であり、精度良く超過倍率を決定しうることを、JMTRC及びJMTRにおける燃料追加法実験データをモンテカルロコードMCNP4Aによる全炉心計算をもとに理論的に解析することによって明らかにした。
鈴木 喜雄; 岸本 泰明; NEXTグループ
プラズマ・核融合学会誌, 78(1), p.59 - 69, 2002/01
平成12年度から平成13年度にかけて、那珂研究所の計算機システムの更新が行われた。本システムは、それまで導入されていた並列計算機の約40倍の性能を有するスカラー型の超並列計算機であり、実行される大規模シミュレーションから得られる結果のデータサイズは非常に膨大となる。本論文では、このような膨大なデータの中で繰り広げられる物理現象を理解するためには、どのような画像解析システムが有用であるかについて議論を行い、実際に導入されたシステムの性能について評価を行っている。
安濃田 良成; 久木田 豊; 与能本 泰介; 浅香 英明; 中村 秀夫; 熊丸 博滋; T.J.Boucher*; M.G.Ortiz*; R.A.Shaw*; R.R.Schultz*
日本機械学会第72期通常総会講演会講演論文集,III, 0, p.413 - 414, 1995/00
原研は、米国NRCとの協定に基づき、受動安全機能を高めた次世代のPWRであるウェステングハウス社のAP600炉の工学的安全性に関する総合実験を、ROSA-V計画LSTF装置にAP600炉特有の機器を付加して実施している。これまでに、コールドレグ、均圧ライン、DVIラインの小破断LOCA及び全交流電源喪失や蒸気発生器伝熱管破断を原因とする異常な過渡変化に関する実験を合計10回実施した。これら全ての実験において、AP600炉の受動安全機器がほぼ想定どおり作動し、十分な炉心冷却が維持された。また、1次系圧力は大気圧付近まで自動的に減圧され、最終的にIRWSTから重力のみによる連続的な注水が行われた。その他、蓄圧注水系から1次系内に流入した窒素の影響や、直接接触凝縮による圧力変動が観察されたが、これらは系全体の挙動に大きな影響を与えるものではなかった。