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谷川 博康; 橋本 直幸*; Sokolov, M. A.*; Klueh, R. L.*; 安堂 正己
Fusion Materials Semiannual Progress Report for the Period Ending (DOE/ER-0313/35), p.58 - 60, 2004/04
本報告は、日米協力に基づき著者が米国オークリッジ国立研究所において、High Flux Isotope Reactor(HFIR)を用いて行った研究の成果である。低放射化フェライト鋼の延性脆性遷移温度評価はマスターカーブ法による評価が中心となるが、F82H鋼の評価においては、遷移温度領域において特異な低靭性データが得られることが問題となっており、本研究によって、その原因と解決法が示唆された。まず予亀裂周辺のミクロ組織は、光学顕微鏡,SEM,方位像顕微鏡(OIM),TEMによって観察された。この一連のクラック前方周辺のTEM試片はFIB加工によって作製された。さらに試験後の破面観察も行われた。光学顕微鏡観察の結果、疲労予亀裂の形成は、始め直線的であるが、そのあと旧オーステナイト粒界に沿って進み、最終端では、23の方向に分かれている傾向にある。SEMとOIMの結果より、予亀裂周辺と予亀裂前方のミクロ組織は、典型的なF82H鋼の疲労組織に見られるようなセル構造を呈していた。さらにクラック前方の領域から得られたTEM像と、逆極点図形は、この構造変化を支持するものである。予亀裂の分離や予亀裂前方のセル構造は、破壊靭性に影響することから、粗大な旧オーステナイト粒を持つ鋼の場合、疲労予亀裂の影響が遷移温度領域における特異な低靭性として現れやすい可能性があることを指摘した。
古谷 一幸; 若井 栄一; 安堂 正巳; 沢井 友次; 中村 和幸; 竹内 浩; 岩渕 明*
Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part1), p.289 - 292, 2002/12
被引用回数:7 パーセンタイル:43.36(Materials Science, Multidisciplinary)核融合原型炉のブランケットの構造材料には低放射化フェライト鋼F82Hが用いられる予定であり、F82H鋼は固相拡散接合法の一つであるHIP法により一体化される。F82H鋼は核融合反応により発生する高中性子束に曝されるため、材料中の原子の弾き出しやHeやHガスが発生するなどの照射損傷による機械特性の劣化が予想される。本報告は、F82H鋼のHIP接合部の照射損傷をイオン注入装置を用いて調べた結果に関するものである。0.5nmの再結晶粒が形成されているHIP接合部に430で50dpaのFeイオン,2000appmのHeイオン、及び500appmのHイオンを同時注入した結果、接合部近傍では硬さが増加していたため延性が低下する可能性があり、同時に多数のキャビティーも形成されていたためスウェリングも生ずるものと思われる。これらの照射損傷は接合特性を劣化させる原因となり得る可能性があることから機械試験等による影響の定量化が今後の課題である。