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宇田川 豊; 田崎 雄大
JAEA-Data/Code 2021-007, 56 Pages, 2021/07
FEMAXI-8は、軽水炉燃料の通常運転時及び過渡条件下の挙動解析を目的として日本原子力研究開発機構が開発・整備を進めてきたFEMAXIコードの最新バージョンとして、2019年3月に公開された。本報告では、公開以降新たに整備を進めた、燃料結晶粒内核分裂生成物(FP)ガスバブルの多群/非平衡モデルについてまとめた。結晶粒内で様々なサイズを持って分布しているFPガスバブルを単一の大きさのガスバブルにより近似していた従来のモデルに対し、このモデルでは、バブルサイズに関する2群以上の群構造と非平衡な挙動の双方を表現することが出来る。これによって、妥当なオーダーのガスバブル圧力算定が可能となるなど、主に過渡的な挙動の再現性改善が見込めると共に、粒内FPガスバブル挙動についてより厳密な記述が可能となり、FP挙動モデリング全体としての高度化余地が拡大している。今回のモデル整備では、まず、任意の群数や空間分割に対応する粒内FP挙動解析モジュールを開発した。次に、FEMAXI-8上で容易に運用可能な2群モデルとして扱うため、同モジュールとFEMAXI-8間のインタフェースを開発し、両者を接続した。これによりFEMAXI-8から利用可能となった2群モデルについては改めて検証解析を実施した。多群/非平衡モデル適用時にも一定の性能を確保できるモデルパラメータを決定し、公開パッケージ向けに整備した。
垣内 一雄; 宇田川 豊; 天谷 政樹
Annals of Nuclear Energy, 155, p.108171_1 - 108171_11, 2021/06
被引用回数:2 パーセンタイル:24.93(Nuclear Science & Technology)In order to investigate fission gas release behavior of high-burnup mixed-oxide (MOX) fuel pellet for LWR under reactivity-initiated accident (RIA), the tests called BZ-3 and BZ-4 were conducted at the Nuclear Safety Research Reactor (NSRR) in Japan Atomic Energy Agency (JAEA). Electron probe microanalysis and rod-puncture tests were performed on the fuel pellets before and after pulse irradiation tests, and from the comparison between the puncture test results and the results evaluated from EPMA, it was suggested that fission gas release from not only the Pu-spot but also the Pu-spot-excluded region.
北村 暁; 赤堀 邦晃; 長田 正信*
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 27(2), p.83 - 93, 2020/12
使用済燃料を再処理せず深地層中に処分(直接処分)した場合、放射性核種の放出挙動はガラス固化体の地層処分とは異なると考えられる。本論文では、直接処分における核種の放出挙動評価のひとつである瞬時放出率(IRF)の設定手法を構築した。IRFの設定にあたっては、諸外国の安全評価報告書等など最新の文献情報を参考に、瞬時放出挙動を、核分裂生成ガス放出率(FGR)に比例するものと一定値をとるものとに分類した。FGRについては、わが国の使用済燃料に対して取得されたデータを収集した上で、燃料挙動計算コードFEMAXIを使用して推奨値と最大値を算出した。また、算出したFGRや既往のIRF実測値を用いて、わが国の加圧水型原子炉(PWR)使用済燃料におけるIRFの推奨値と最大値を推定した。推定した推奨値を既往の文献値と比較したところ、概ね諸外国の設定値と同程度であることが確認された。
宇田川 豊; 更田 豊志*
Comprehensive Nuclear Materials, 2nd Edition, Vol.2, p.322 - 338, 2020/08
This article aims at providing a general outline of fuel behavior during a reactivity-initiated accident (RIA) postulated in light water reactors (LWRs) and at showing experimental data providing technical basis for the current RIA-related regulatory criteria in Japan.
宇田川 豊; 天谷 政樹
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(6), p.461 - 470, 2019/06
被引用回数:11 パーセンタイル:70.33(Nuclear Science & Technology)FEMAXI-8は、軽水炉燃料の通常運転時及び過渡条件下の挙動解析を目的として原子力機構が開発・整備を進めてきた解析コードである。主に実験データ解析や燃料設計等研究/開発ツールとして利用されてきたFEMAXI-7に対し、ペレットクラックや核分裂生成物ガス挙動の新規モデル開発、既存モデルの改良及び拡充、プログラムのデータ/処理構造見直し等の改良を行い、性能向上を図った。本論文では最近のモデル改良を経たFEMAXI-8を対象に、168ケースの照射試験ケースで得られた実測データを用いた総合的な予測性能検証を実施し、燃料中心温度やFPガス放出率について妥当な予測を与えることを示した。また別途実施したベンチマーク解析により、数値計算の安定性や計算速度についても前バージョンからの大幅な改善を確認した。
宇田川 豊; 山内 紹裕*; 北野 剛司*; 天谷 政樹
JAEA-Data/Code 2018-016, 79 Pages, 2019/01
FEMAXI-8は、軽水炉燃料の通常運転時及び過渡条件下の挙動解析を目的として原子力機構が開発・整備を進めてきたFEMAXI-7(2012年公開)の次期リリースに向けた最新バージョンである。FEMAXI-7は主に実験データ解析や燃料設計等研究/開発ツールとして利用されてきたが、燃料挙動に係る現象解明やモデル開発等の燃料研究分野における適用拡大並びに燃料の安全評価等への活用を念頭に、原子力機構ではその性能向上及び実証を進めた。具体的には新規モデル開発、既存モデルの改良及び拡充、プログラムのデータ/処理構造見直し、旧言語規格からの移植、バグフィックス、照射試験データベース構築等のインフラ整備、体系的な検証解析を通じた問題の発見と修正等を行うとともに、各種照射試験で取得された144ケースの実測データを対象とした総合的な性能評価を実施した。燃料中心温度について概ね相対誤差10%の範囲で実測値を再現する等、解析結果は実測データと妥当な一致を示した。
相原 純; 植田 祥平; 後藤 実; 稲葉 良知; 柴田 大受; 大橋 弘史
JAEA-Technology 2018-002, 70 Pages, 2018/06
HTFPコードは、高温ガス炉(HTGR)の核分裂停止後の核分裂生成物(FP)の燃料棒からの追加放出量を計算するコードである。軽微な変更を施したFORNAX-AコードもHTFPコードと同様の計算が可能である。そこで、本報告において軽微な変更を施したFORNAX-Aコードを用い、HTFPコードとのCsの放出挙動に関する結果の比較を行った。軽微な変更を施したFORNAX-Aコードによる計算結果から評価した被覆燃料粒子(CFP)からのCs-134の放出定数は、HTFPコードにおけるデフォルト値とはかなり異なることがわかった。
宇田川 豊; 杉山 智之; 天谷 政樹
Proceedings of 2016 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2016) (CD-ROM), p.1183 - 1189, 2016/04
JAEA launched ALPS-II program in 2010 in order to obtain regulatory data for advanced fuels. Five new reactivity-initiated accident (RIA) simulated tests on the advanced fuels have been performed. The first two fuels tested, VA-5 and VA-6, were 1717-PWR-type with stress-relieved and recrystallized M-MDA cladding tube, and irradiated to ~80 GWd/tU. The cladding failed due to the pellet-cladding mechanical interaction. Fission gas dynamics tests to promote a better understanding of the behavior of fission gas during an RIA are planned. A recent qualification test on a prototype pressure sensor demonstrated its ability to obtain history data of transient fission gas release. JAEA also launched a new experiment program using NSRR to investigate fuel degradation behaviors in the temperature region beyond-DBA LOCAs.
相原 純; 植田 祥平; 西原 哲夫
JAEA-Technology 2015-040, 32 Pages, 2016/02
本来のFORNAX-Aは、ピン・イン・ブロック型の高温ガス炉燃料からの核分裂生成物(FP)放出量を計算するための計算コードである。本稿は、このFORNAX-Aのプログラムに軽微な変更を施すことによりどのような計算が可能になるか述べたものである。
野本 恭信; 相原 純; 中川 繁昭; 井坂 和義; 大橋 弘史
JAEA-Data/Code 2015-008, 39 Pages, 2015/06
HTFPコードは、高温ガス炉の事故時において、炉心温度変化によりピン・イン・ブロック型の炉心燃料から追加放出される核分裂生成物(FP)の放出量を計算するための計算コードである。本計算コードは、高温ガス炉の事故発生時の炉心温度履歴を入力とし、燃料棒を構成する燃料コンパクト、並びに、黒鉛スリーブからの放出率を求め、放出過程でのFPの崩壊を考慮してその放出率を解析する。本稿では、HTFPコードの概要及び入力データを説明すると共に、高温工学試験研究炉の設計に使用されたHTCOREコードと同じ条件を用いてHTFPコードの検証計算を行い、解析結果を比較した。その結果、HTFPコードの解析結果は、HTCOREコードの解析結果とよく一致し、HTFPコードがHTCOREコードと同等の計算機能を有することを確認した。
植田 祥平; Shaimerdenov, A.*; Gizatulin, S.*; Chekushina, L.*; 本田 真樹*; 高橋 昌史*; 北川 健一*; Chakrov, P.*; 坂場 成昭
Proceedings of 7th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2014) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2014/10
カザフスタン共和国核物理研究所(INP)のWWR-K照射炉において、実用小型高温ガス炉の通常運転条件下での燃焼度100GWd/t-Uを目標とする高温ガス炉燃料を用いたキャプセル照射試験が実施されている。本照射試験は、国際科学技術センター(ISTC)の枠組のもとで原子力機構とINPが共同で実施する、カザフスタンでは初の高温ガス炉燃料照射試験である。本照射試験では、原子力機構が新たに、HTTRの燃焼度(最高33GWd/t-U)よりも高い100GWd/t-Uへの高燃焼度化設計を施したU濃縮度10%未満の低濃縮UO燃料核TRISO被覆燃料粒子を用いている。本照射試験に供したTRISO被覆燃料粒子および燃料コンパクト試料は共に、HTTR燃料製造技術にもとづいて日本の原子燃料工業が製造したものである。WWR-Kにおけるヘリウムガススウィープキャプセルおよびガススウィープ設備は共に、INPが設計・製作した。本照射試験は2012年10月に開始され、2015年2月末までに完了する予定である。本照射試験は燃焼度69GWd/t-Uに到達し、新設計のTRISO被覆燃料粒子の健全性を確認した。さらに、燃料設計時に予測した通り、製造時のSiC層破損粒子が照射中に追加破損したことによると考えられる核分裂生成物ガスの放出が観察された。
天谷 政樹; 杉山 智之; 更田 豊志
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(10), p.966 - 972, 2004/10
被引用回数:8 パーセンタイル:48.34(Nuclear Science & Technology)商用炉で照射された燃料から調製した試験燃料棒に対し、反応度事故条件を模擬したパルス照射を行った。パルス照射後に実施した照射後試験の一部として、試験燃料棒の光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡による観察とEPMAによる分析を行った。パルス照射後の燃料ペレット周辺部及び中心部でXe濃度の低下が認められた。パルス照射中のFPガス放出はおもにペレット中心部で生じたものと考えられる。EPMAの結果からパルス照射中のFPガス放出量は10-12%と評価され、この結果はパンクチャ試験結果と同程度であった。この評価値と炉外アニーリング試験結果とを比較した結果、ペレット中心部からベース照射中に粒界に蓄積されたFPガスのほとんどがパルス照射中に放出されたと考えられた。
杉山 智之; 中村 武彦; 草ヶ谷 和幸*; 笹島 栄夫; 永瀬 文久; 更田 豊志
JAERI-Research 2003-033, 76 Pages, 2004/01
低温起動時の反応度事故(RIA)条件下における燃料挙動を明らかにするため、燃焼度4145GWd/tUの沸騰水型原子炉(BWR)燃料のパルス照射実験を原子炉安全性研究炉(NSRR)において実施した。試験燃料棒は福島第一原子力発電所三号機で用いられたBWR88BJ(STEP I)型セグメント燃料棒を短尺加工したもので、NSRRにおいて約20ms以内の短時間に293607J/g(70145cal/g)の熱量が与えられた。その際、燃料棒被覆管はペレット・被覆管機械的相互作用により高速に変形したが、被覆管の延性が十分高く破損には至らなかった。被覆管周方向の塑性歪は最大部で1.5%に達した。被覆管温度は局所的に最大約600Cに達しており、X線回折測定の結果はパルス照射時の温度上昇により被覆管照射欠陥が回復したことを示していた。パルス照射による核分裂生成ガスの放出割合は、ピーク燃料エンタルピ及び定常運転条件に依存して、3.1%8.2%の値であった。
鈴木 元衛; 斎藤 裕明*
JAERI-Data/Code 2003-019, 423 Pages, 2003/12
FEMAXI-6は、軽水炉燃料のふるまい解析を目的とするコードとして、前バージョンFEMAXI-Vに対して多くの機能の追加・改良を実施した高度化バージョンである。特に、熱的解析と力学解析の完全連成化を実施し、高燃焼度燃料における被覆管とペレットの間のギャップサイズやペレット被覆管相互作用などの正確な予測を可能にした。またペレット被覆管ボンディングモデル,FPガスバブルスエリングモデルを導入し、詳細な燃焼計算コードとの連係機能の強化を図った。さらに多くの物性値やパラメータを追加したので、高燃焼度燃料の通常時のみならず過渡時ふるまいの解析にたいする強力なツールとなった。本報告は、FEMAXI-6の設計,基本理論と構造,モデルと数値解法,改良と拡張,採用した物性値,モデルの修正方法などを詳述したものである。同時に、本コードの有効かつ広範な利用を可能とするため、入出力の種類と方法を詳しく説明し、具体的なサンプル出力を添えた。
植田 祥平; 江森 恒一; 飛田 勉*; 高橋 昌史*; 黒羽 操; 石井 太郎*; 沢 和弘
JAERI-Research 2003-025, 59 Pages, 2003/11
高温工学試験研究炉(HTTR)の出力上昇試験を実施した。HTTRの燃料性能を評価するため、原子炉保護設備の1次冷却材放射能計装,燃料破損検出装置(FFD),1次冷却材サンプリング設備により1次冷却材中の放射能濃度を測定した。その結果、1次冷却材中放射能濃度は10Bq/cm以下であり、Kr及びXe核種の濃度は0.1Bq/cm以下であった。Kr放出率(R/B)値は、原子炉出力60%以下において約210、定格30MW出力時において約710であった。事前解析によるKr放出率の予測値は、測定値とよく一致し、希ガスの放出機構が、燃料コンパクトマトリックス部の汚染ウランの核分裂により生成し、反跳から拡散へと変化することが示された。
沢 和弘; 角田 淳弥; 植田 祥平; 高橋 昌史; 飛田 勉*; 林 君夫; 斎藤 隆; 鈴木 修一*; 吉牟田 秀治*; 加藤 茂*
JAERI-Research 2002-012, 39 Pages, 2002/06
本報告書は、平成7年度から開始した原研と原燃工との共同研究「連続被覆法により製造した高温工学試験研究炉用燃料の照射健全性実証試験」の結果を示すものである。HTTR初装荷燃料は日本で初めて大量生産を行った高温ガス炉燃料であり、製造過程における品質管理に加え、照射健全性を確認するための照射試験を行った。照射はJMTRの94F-9Aスィープガスキャプセルで実施した。照射試料は初装荷燃料の製造ラインから抜取った。照射開始時の核分裂生成物ガスの放出率から、照射試料には製造時の貫通破損粒子が含まれていないことがわかった。また、HTTRの最高燃焼度3.6%FIMA,最高高速中性子照射量1.510m,(E0.18MeV)まで燃料は破損することなく、健全であった。さらに、これらの値の約2倍である燃焼度7.0%FIMA,高速中性子照射量3.110mまで照射を継続したが、著しい追加破損は見られなかった。
中村 武彦; 草ヶ谷 和幸*; 更田 豊志; 上塚 寛
Nuclear Technology, 138(3), p.246 - 259, 2002/06
被引用回数:32 パーセンタイル:86.38(Nuclear Science & Technology)燃焼度56~61GWd/tUのBWR燃料のパルス照射実験をNSRRで実施し、冷態起動時からの反応度事故時の燃料挙動を調べた。この実験では福島第二原子力発電所2号機で照射された燃料を短尺に加工し、272~586J/g(651~40cal/g)の発熱を瞬時に与えた。BWR燃料被覆管の変形はPWR燃料に比べて小さかったものの、燃焼度61GWd/tUの燃料を用いた実験では、被覆管温度が上昇する以前の過渡実験の早い時点で燃料破損が生じた。破損時の燃料エンタルピは260~360J/g(62~86cal/g)であった。これらの実験で見られたBWR燃料の破損は、外周部に水素化物が多く析出し脆化した被覆管がペレット-被覆管機械的相互作用(PCMI)により破損したPWR燃料実験と類似している。FPガスの過渡放出は、燃料エンタルピに依存し、9.6~17%に達した。
更田 豊志
最新核燃料工学; 高度化の現状と展望, p.141 - 147, 2001/06
原研の燃料挙動研究における最新の成果を中心に、高燃焼度燃料の反応度事故(RIA)時挙動について論じる。近年の軽水炉燃料の高燃焼度化に対応するため、実験データや安全評価手法の範囲拡大が急がれているが、原研ではこれまでに60回を越える照射済燃料のパルス照射実験をNSRRにおいて実施しており、高燃焼度領域特有の現象の存在を示す実験結果が得られている。被覆管水素吸収の影響を強く受けたPCMI(燃料ペレット/被覆管機械的相互作用)破損が見られた一連の高燃焼度PWR燃料実験、BWR燃料としては世界初の破損例を与える結果となった最近の高燃焼度燃料実験などの成果を紹介するとともに、燃料破損発生に及ぼす機械的負荷と被覆管温度上昇との関係、燃料破損時の機械的エネルギー発生機構、RIA時燃料挙動に及ぼすFPガスの役割などについて論じる。
更田 豊志; 笹島 栄夫; 杉山 智之
Nuclear Technology, 133(1), p.50 - 62, 2001/01
被引用回数:67 パーセンタイル:96.79(Nuclear Science & Technology)高燃焼度PWR燃料の反応度事故時挙動について、NSRR実験の最新の成果を報告する。これまでにNSRR実験では、水素吸収によって外周部の延性が低下した被覆管と燃料ペレットとの機械的な相互作用による高燃焼度PWR燃料の破損が、低い燃料エンタルピレベルで生ずることを示した。今回新たに、耐食性を向上させた低スズジルカロイ4被覆管を備えた高燃焼度PWR燃料の実験においても、同様の破損が生じることを示した。さらに、微粒子化した燃料の冷却材中への放出と機械的エネルギーの発生とを確認し、機械的エネルギーを定量化した。これらの結果をふまえて、被覆管外周部延性低下の影響を受けたPCMI(ペレット/被覆管機械的相互作用)破損、燃料微粒子化と機械的エネルギー発生、FPガス放出等、反応度事故条件下における高燃焼度燃料の挙動について論じる。
更田 豊志; 中村 武彦; 笹島 栄夫; 永瀬 文久; 上塚 寛; 菊池 圭一*; 安部 智之*
Proceedings of an International Topical Meeting on Light Water Reactor Fuel Performance (CD-ROM), 15 Pages, 2000/00
NSRR実験を中心とした反応度事故条件下における燃料挙動研究について最新の成果を報告する。被覆管の水素脆化を主因とするPCMI(燃料ペレット/被覆管機械的相互作用)破損が問題となっているPWR燃料については、最新のTK-7実験における燃料破損状況を示す。一方、PWR燃料に比べて被覆管強度の低下及びPCMIによる負荷が小さいBWR燃料においても、燃焼度の増大に伴って過渡時の変形が大きくなる傾向が見られており、PCMI破損に至る可能性が大きくなっている。ATR-MOX燃料実験においては、燃料の変形及びFPガス放出がウラン燃料に比べて大きくなる傾向が見られ、Puスポット近傍のペレット微細割れなど、MOX燃料特有の現象が見られる。さらに、内圧バースト試験では、外周部に水素化物の偏析が著しい被覆管は高温条件(620K)下においても破断歪が1%以下となることを示した。