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武藤 琴美; 安藤 麻里子; 松永 武*; 小嵐 淳
Journal of Environmental Radioactivity, 208-209, p.106040_1 - 106040_10, 2019/11
被引用回数:13 パーセンタイル:48.08(Environmental Sciences)福島第一原子力発電所事故により森林に沈着した放射性Csによる長期的な放射線のリスクを評価するためには、森林の表層土壌における放射性Csの挙動を明らかにすることが重要である。本研究では、事故後4.4年間で5回、福島県内の植生の異なる森林5地点において放射性Csの鉛直分布の調査を行い、モデル計算の結果との比較を行った。また、欧州の森林における文献値と比較を行い、日本の森林における有機物層と表層土壌における放射性Csの移行特性を考察した。調査の結果、有機物層から鉱物土壌へのCs移行は欧州よりも早く、日本の森林ではCsの移動度や生物利用性が急速に抑制されることが示唆された。鉱物土壌中のCs拡散係数は0.042-0.55cmyと推定され、日本と欧州で同程度であった。これらのパラメータを用いた予測計算では事故から10年後ではCsは主に表層鉱物土壌に分布していることが示され、森林に沈着した放射性Csは表層土壌に長期的に保持されることが示唆された。
Guo, J.; 安藤 麻里子; 天野 光
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 255(1), p.223 - 229, 2003/01
被引用回数:7 パーセンタイル:45.73(Chemistry, Analytical)本研究では、Cの表層環境中挙動を評価するために、茨城県内3地点の未攪乱森林土壌において、有機物含有量、C値,C,Csの土壌中深度分布を測定・解析した。Cs比放射能のピークは3地点でともに地表から5-10cmの所に存在した。Csのフォールアウトは1963-1964年に最高値を示していたことが知られていることから5-10cmの深さが1964年近くに対応していることがわかる。C比放射能は、高速燃焼-二酸化炭素吸収-液体シンチレーション測定法により測定した。C比放射能も同様に上層10cmまでにピークが存在したが、そのピークはCsのピークよりも上方にずれる傾向を示し、CがCsより地表を循環する傾向が強いことを示唆している。
安藤 麻里子; 天野 光
Environmental Radiochemical Analysis II, p.273 - 279, 2003/00
フォールアウト起源C-14の現在の環境中での分布を調べ、炭素循環挙動を調べるために、有機物中C-14の簡易測定方法を開発した。植物及び土壌サンプルを爆発燃焼し、放出したCOを液体窒素を用いたコールドトラップで捕集し、カーボソーブを用いたCO吸収法によって測定した。東海村で採取した松葉を用いてベンゼン合成法、AMS測定法とクロスチェックを行い、結果はよく一致した。この方法を用いて、森林及び水田で採取した、植物及び土壌中のC-14比放射能を測定し、フォールアウト起源のC-14の挙動及び、炭素循環について考察した。
飯島 和毅; 舟木 泰智; 大山 卓也; 新里 忠史; 佐藤 治夫*; 油井 三和
no journal, ,
F-TRACEプロジェクトの目的は、土壌粒子に強く吸着された放射性核種が森林から海まで河川水系を通しての移動挙動を予測する現象論モデルを開発し、被ばく線量の変化を評価、移動を抑制する方法を提案することである。本研究では、福島沿岸域の一つの河川水系を対象に、放射性セシウムの挙動を概観した。その結果、90%以上のセシウムが森林表土の表面から5cm以内に存在し、湖水中のセシウム濃度が極めて低いことから、河川水系における移動において、放射性セシウムは土壌粒子に強吸着されていると考えられた。また、河川水系中の堆積物の放射性セシウム濃度の違いは、セシウム吸着のサイト密度に及ぼす粒径の影響で説明できる。
石井 康雄; 渡辺 貴善; 大山 卓也; 佐々木 祥人; 阿部 寛信; 三田地 勝昭; 新里 忠史
no journal, ,
原子力機構では、調査データに基づいて山地森林からの放射性セシウムの移動を予測し、これに起因する除染済みエリアの線量率の再上昇や、生活用水源への混入等に対する技術情報や対策案等を提供することを目的として、福島長期環境動態研究(F-TRACEプロジェクト)を進めている。本研究では、阿武隈山地における森林の流出土砂の経時変化を調べるため、平成2527年に採取した治山ダムに堆積した土砂の含有放射能濃度を含む分析結果について報告する。