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宇田川 豊; 更田 豊志*
Comprehensive Nuclear Materials, 2nd Edition, Vol.2, p.322 - 338, 2020/08
This article aims at providing a general outline of fuel behavior during a reactivity-initiated accident (RIA) postulated in light water reactors (LWRs) and at showing experimental data providing technical basis for the current RIA-related regulatory criteria in Japan.
中村 仁一; 杉山 智之; 中村 武彦; 金沢 徹; 笹島 栄夫
JAERI-Tech 2003-008, 32 Pages, 2003/03
原研・原子炉安全性研究炉(NSRR)を用いた反応度事故の模擬実験において、将来のプルサーマル利用に対応するため、プルトニウム富化度12.8%までの混合酸化物(MOX)燃料の使用を計画している。この変更に伴うカプセルの安全設計への影響として試験燃料の破損時に発生する破壊力(衝撃圧力及び水撃力)に及ぼすMOX燃料の富化度の影響について検討した。試験燃料の破損時に発生する衝撃圧力は、燃料被覆管破損時に内部の高圧ガスが解放されて生じるものである。燃料棒内外差は初期圧,FPガス放出量に依存するが、MOX燃料のFPガス放出は富化度に依存しないため、衝撃圧力は富化度の影響を受けないと結論された。また、微粒子化した燃料と冷却水の熱的相互作用で発生する水撃力については、微粒化した燃料粒子から冷却水への熱流束を、高富化度化による熱物性値の変化を考慮して解析評価した。その結果、UO燃料と同程度に微粒子化したMOX燃料粒子から破壊力が発生する極短時間において放出される熱流束は、MOX燃料はUO
燃料に比べてわずかに小さく、水撃力を増加させないものと判断された。
草ヶ谷 和幸*; 杉山 智之; 中村 武彦; 上塚 寛
JAERI-Tech 2002-105, 24 Pages, 2003/01
原研・原子炉安全性研究炉(NSRR)を用いた反応度事故の模擬実験において、商用炉での燃料の使用温度・圧力を実現するための新たな実験カプセルを開発しているが、その強度設計に必要な知見として、試験燃料の破損時に発生する破壊力(衝撃圧力及び水撃力)に及ぼす高温・高圧の影響を検討した。破壊力に関する従来の知見、及び温度・圧力による蒸気の物性変化などを考慮すると、開発中のカプセルにおいて想定しているBWR運転条件下での衝撃圧力及び水撃力は、従来の実験条件である室温・大気圧条件下に比べ、ともに低下すると定性的に予測された。さらに、水撃力の大きさを決定付ける水塊速度の大きさについて、実験体系及び水撃現象をモデル化して定量的に評価した結果、BWR運転条件下における水塊速度の最大値は、室温・大気圧条件下の約1割にまで低下することがわかった。
沢 和弘; 植田 祥平; 角田 淳弥; Verfondern, K.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(6), p.411 - 419, 2001/06
被引用回数:18 パーセンタイル:75.76(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉では高温の原子炉出口冷却材温度を得るために、燃料として被覆粒子を用いている。高温ガス炉では通常運転時及び事故時において、被覆燃料粒子が微小な格納容器として放射性物質に対する主要な障壁となる。HTTRでは、通常運転において1次冷却材中の核分裂ガス測定を行い、燃料挙動及びプラント内の放射性物質量の評価を行う必要がある。本報の主たる目的は、HTTRの通常運転時における燃料及び核分裂生成物の挙動を原研のモデルとドイツのユーリッヒ研究所(FZJ)のモデルで計算し、結果及び方法の比較検討を行うことである。炉心平均の破損率の評価では、原研のモデルの方がFZJモデルよりも早期に破損し約2倍大きく予測された。核分裂生成物ガスの評価では、FZJモデルは原研モデルよりも遅く増加し始めるが、その後運転末期に向かって急激に上昇し最終的には一致した。
Verfondern, K.*; 角田 淳弥; 植田 祥平; 沢 和弘
JAERI-Research 2000-067, 127 Pages, 2001/03
HTTRの運転中の燃料及び核分裂生成物挙動を予測するために、ユーリッヒ研究所で安全設計に用いられてきた手法を適用した。計算は110日の高温試験運転を含むHTTRの想定運転計画に基づき行った。その結果、追加破損率は製造時の2倍程度の約510
と予測された。安全裕度を見込んだ安全評価では、最大1
10
の破損率となった。燃料コンパクトからの金属FPの拡散放出は、銀で10%(ノミナル値),50%(安全評価値)と評価された。同様に、ストロンチウム(ノミナル値1.5
10
,安全評価値3.1
10
),セシウム(ノミナル値5.6
10
,安全評価値2.9
10
)と評価された。セシウムの結果は、原研のモデルによる結果と傾向的に良く一致した。さらに、ZrC被覆燃料粒子の照射健全性及び核分裂生成物放出挙動についても計算を行い、データベースの拡充が必要であるとの結論を得た。
林 君夫; 湊 和生; 小林 紀昭; 菊地 啓修; 福田 幸朔; 菊池 輝男; 猿田 徹; 北島 敏雄
JAERI-Research 94-017, 250 Pages, 1994/10
本報告書は、JMTRに設置した炉内ガスループOGL-1で照射した第6次~第12次燃料体の製造、照射および照射後試験の結果をまとめたものである。第6次~第8次燃料体は、小規模被覆装置で製造した燃料を用いたものであり、FPガス放出率(KrのR/B)は1
10
以下の良好なレベルであった。一方、第9次~第12次燃料体では、建設中のHTTR用量産試作燃料を用いた。第9次燃料体では、
KrのR/Bは1.5
10
と比較的高く、被覆層に種々の欠陥が認められた。その後、製造時の被覆燃料粒子の貫通破損率の低下に伴って、
KrのR/Bは2
10
まで低下した。以下の照射試験を通じて、種々の条件下におけるHTTR用燃料の照射挙動についての知見を蓄積すると共に、燃料の量産製造技術の基盤の構築と、量産試作燃料の照射健全性の実証を行った。
林 君夫; 福田 幸朔; 鶴田 晴通; 菊池 輝男
JAERI-M 94-075, 90 Pages, 1994/06
JMTRに設置した炉内ガスループOGL-1で照射した第11次および第12次燃料体の黒鉛スリーブおよび黒鉛ブロック中の核分裂生成物(FP)の分布を、ガンマ線スペクトル分析法によって求めた。第11次燃料体の黒鉛スリーブでは、軸方向に種々のFPの濃度ピークが見られた。燃料コンパクトの外観検査では破損粒子は観察されなかったが、黒鉛マトリックスのオーバーコート境界に隙間の発生が見られた。このことから、コンパクト内部の破損粒子から放出されたFPが、この隙間を移行してスリーブに到達したものと推定した。第12次燃料体の黒鉛スリーブではAgが検出された。その濃度分布は、溶融した熱電対シース材から移行したと思われる。
Coの濃度分布に対して負の相関を示した。このことから、
Agの黒鉛中の移行挙動は、Coを含む金属による共収着効果または黒鉛構造変化の影響を受けるものと推測した。
本間 功三*; 石島 清見; 藤城 俊夫
JAERI-M 92-044, 322 Pages, 1992/04
NSRR計画では、これまでの未照射燃料を用いた実験に引続き、照射済燃料を用いた実験を進めている。本報告書は、NSRR照射済燃料実験と比較対照される海外照射済燃料RIA実験(SPERT及びPBF実験)の燃料破損挙動に関する知見を整理見直したものである。その結果、従来の未照射燃料実験とは異なる破損形態が認められた。即ち、SPERTでは、被覆管ふくれ破損とPCMI破損、PBFでは、PCMI破損であった。被覆管ふくれ破損は、予備照射中のFPガス放出やパルス照射時のFPガス放出と関連があると思われる。SPERT実験においてPCMIにより低発熱量時(85cal/y)に破損した燃料棒の破損原因は、予備照射中の過大な燃料棒腐食に伴う被覆管の脆化に起因していると思われる。また、一般的な照射済燃料の反応度事故時において想定される破損メカニズムと影響因子の関係を評価した。
丹沢 貞光; 小林 晋昇; 藤城 俊夫
JAERI-M 91-215, 40 Pages, 1992/01
本報告書は、反応度事故条件下の燃料挙動に及ぼす冷却材/燃料比の影響を調べるために、大気圧室温及び静水条件下で試験燃料のまわりに冷却材の流路を設けて行なった燃料照射実験の結果をまとめたものである。実験は、大気圧カプセルを使用し、単一試験燃料棒のまわりに円形または四角形の流路管を取り付け、試験燃料と接触する冷却材を制限することにより行なった。実験条件としては、冷却材/燃料比を変えるために14mm、16mm及び20mmの円筒形あるいは対面距離14mmの四角筒形の流路管を取り付け、発熱量は約150cal/g・UOから400cal/g・UO
まで変化させた。この結果、試験燃料に流路管を取り付けた場合、流路管を取り付けない標準条件における実験の場合と比較して、被覆管表面の最高温度はあまり変わらないが、下流側では膜沸騰持続時間が長くなり、また、破損しきい値が約30cal/g・UO
低くなる等、冷却材/燃料比が反応度事故条件下の燃料挙動に大きな影響を与えることが判明した。
林 君夫; 塩沢 周策; 沢 和弘; 佐藤 貞夫; 丸山 創; 小林 紀昭; 福田 幸朔
JAERI-M 89-161, 86 Pages, 1989/10
本報告は、高温工学試験研究炉(HTTR)の安全設計のため、燃料の設計方針、製作性及び総合的健全性評価について述べたものである。燃料は、使用期間中に生じうる種々の劣化を考慮しても健全性を失うことのないよう設計した。燃料の初期(製造時)破損率は十分低い値を達成しており、燃料の製造経験は全炉心装荷を行うのに十分である。本評価は、燃料粒子被覆層の破損、燃料コンパクト、燃料棒及び燃料体の熱的、機械的健全性の点から見て、燃料の総合的健全性が十分確保できることを示した。
反応度安全研究室; NSRR管理室
JAERI-M 89-097, 155 Pages, 1989/08
本報告書は、1985年1月から同年12月までにNSRRにおいて実施した燃料破損実験の結果及びその考察についてまとめたものである。今期実施した試験は、6回の燃料設計パラメータ実験(ステンレス鋼被覆燃料実験2回、照射済被覆管燃料実験2回、長尺燃料実験2回)、6回の欠陥燃料実験(擦過腐食燃料実験)、7回の燃料損傷実験(燃料溶融実験3回、冷却性実験2回、FP測定実験2回)、9回の特殊燃料実験(混合酸化物燃料実験7回、ガドリニア入燃料実験2回)、その他の実験16回(破壊力測定実験6回、変形量測定実験5回、音響測定実験3回等)、1回しの高温高圧力カプセル実験、及び2回の燃料挙動可視実験の総計48回である。
柳澤 和章; 山崎 利; 間 修三*
JAERI-M 89-055, 19 Pages, 1989/05
原子炉安全性研究炉(NSRR)にて従来使用されて来た燃料棒内圧検出器に改良を加えた。その結果、従来と同一の燃料棒内圧リーク率を保持しながら、燃料組立作業の単純化に成功し、かつその作業量を従来の1/24に短縮することにも成功した。また、改良を行った内圧検出器に差動トランス型軸方向伸び検出器を併用しRIAの様な急激な過渡運転下でもそれらが破損検出器として使用可能かどうかの実験的検証を遂行した。その結果、燃料の破損に伴う燃料棒内の圧力の急激な減少及び破損に伴う軸伸びの急激な減少(ONCHI効果)を同一燃料棒の同一時刻に於いて検出できた。すなわち、本実験の範囲内に於いては、改良を行った内圧検出器及び燃料被覆の軸伸び検出器は燃料破損モニタとしてRIA条件下でも十分に利用可能であることを明らかにした。
丹沢 貞光; 藤城 俊夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(1), p.23 - 32, 1986/01
被引用回数:1 パーセンタイル:19.15(Nuclear Science & Technology)本報告書は、反応度事故条件下における浸水燃料の破裂による周辺燃料及びチャンネル・ボックスに対する影響を究明するために行ったインパイル実験及び解析の結果について述べたものである。流路管内で健全な燃料に囲まれた浸水燃料は、反応度事故時の出力の急上昇を模擬するために原子炉安全性研究炉(NSRR)で照射された。その結果、浸水燃料の破裂によって生ずる圧力パルスは、周辺燃料に対し殆ど機械的な影響を与えないが、流路管を膨らます原因となることが明らかになった。さらに、破裂領域での冷却水の排除は、周辺燃料の冷却を悪化し、破損しきい値を低減させた。また、STEALTH-Jコードを用いた2次元の解析により、落下した制御棒近傍の浸水燃料を含むBWRのチャンネル・ボックスが、圧力パルスにより変形し、その場所の制御棒の通路を塞ぐ可能性があることが明らかになった。
柳澤 和章
JAERI-M 85-196, 52 Pages, 1985/12
ハルデン炉内に設置したBWR型軽水ループを用いて、燃焼度5.6MWd/kgUまで予備照射した8X8BWR燃料棒を出力急昇したところ、燃料棒の直径が局所的に大きくふくらむPCIとは異なるふるまいを生じ、破損した。この破損原因究明の結果、次の事が明らかになった。(1)燃料被覆の大きな膨らみは、被覆表面の0-180
方向に流線形に生成した高温酸化物であった。(2)局所的な高温化で軟化した被覆材は、冷却対外圧:7MPaにより、ペレット境界面にあるチャンファー(両面取り)空間内へ押しつぶされた。(3)局所的に著しい酸化が生じた所には、計装機器のトランスフォーマーと燃料棒があった。両者の間の冷却材流路面積は僅かであった。この冷却材流量不足は、予備照射中に生じていた燃料棒の曲りにより更に著しくなった。これが、局所的な流路閉鎖とそれによる被覆管の高温化を発生させた原因であると考えられる。
柳澤 和章
JAERI-M 84-009, 45 Pages, 1984/02
ハルデン炉内に設置したPWRループ内でベース照射中の1717型PWR燃料棒3本がバーンアウトにより破損した。その破損は炉運転中燃料体出力を90KW(20KW/m)から130KW(27KW/m)に増加させた際、ループ冷却材流量弁が開放されず設定流量値3700l/nより32%以上も低い冷却状態が続いた際中に発生した。燃料取付の計装類より得た破損前後の炉内データおよび破損後の炉外外観検査により破損解析を実施した。その結果以下のことが明らかになった。1)バーンアウトは燃料頂部4~7cmの範囲で生じていた。2)破損燃料棒の冷却流量不足中の典型的な冷却条件は圧力15.12MPa、冷却材最高温度346
C、流量2716l/nであった。これら条件を用いた熱水力的解析ではこのときの水に蒸気の比は10.5%であった。3)破損燃料棒の内圧は破損時に急激に上昇した。4)燃料が破損したとき、軸方向伸び量の急激な低下があった。非破損の燃料棒ではそれらが観られなかった。
福田 幸朔; 鹿志村 悟; 小川 徹; 湊 和生; 井川 勝市; 岩本 多實; 石本 清
JAERI-M 83-232, 67 Pages, 1984/01
49年度に試作した多目的高温ガス実験炉予備設計仕様の被覆燃料粒子をはじめ、同年度に英国で予備設計仕様に基ずいて製造された被覆燃料粒子、第1次OGL-1燃料用被覆粒子、およびZrC被覆粒子を73F-13AキャプセルによりJMTR燃料領域で照射した。この結果、49年度試作被覆粒子は、燃焼率4%、高速中性子照射量2.710
n/cm
、最高温度1380
Cまでの照射では健全であり、また、この照射条件下では、国産被覆粒子と英国製被覆粒子の性能にはほとんど差が見られなかった。しかし、照射温度が1600
Cを越えると、明らかに国産被覆粒子の方が良好な耐照射性を示した。このほか、照射後試験では、金属FP放出、Pd/SiC層反応および照射済被覆粒子の圧縮破壊強度などの測定も行い、多くの知見を得た。
安全工学部反応度安全研究室; NSRR管理室
JAERI-M 83-193, 112 Pages, 1983/11
本報告書は、1981年7月から同年12月までにNSRRにおいて実施した燃料破損実験の結果およびその考察等についてまとめたものである。今期実施した実験は、標準燃料試験(高発熱量試験、標準燃料再現性確認試験)、燃料設計パラメータ試験(ギャップガスパラメータ試験)、冷却条件パラメータ試験(強制対流試験)、特殊燃料試験(混合酸化物燃料試験)、欠陥燃料試験(擦過腐食燃料試験)、被覆管歪測定試験、水素発生量測定試験、燃料挙動可視試験、及び高温高圧カプセル試験の総計31回である。
大西 信秋; 石島 清見; 斎藤 伸三
JAERI-M 82-050, 150 Pages, 1982/06
本稿は、軽水動力炉の事故時の燃料挙動を解析するために開発したNSR-77について、コードの構成、使用方程式、数値解法および入出力データ等について説明したものである。本コードが対称とするのは、反応度事故、冷却材喪失事故および出力-冷却材不均衡事故時の燃料挙動である。NSR-77は、燃料温度、ギャップ熱伝達係数、燃料棒の変形と応力、核分裂生成ガス、被覆管表面熱伝達および冷却材の熱水力等の時間変化を計算するサブコード群から構成され、かつ、コードの変更が容易に行えるようモジュール化されている。
反応度安全研究室; NSRR管理室
JAERI-M 9319, 85 Pages, 1981/02
本報告書は、1980年1月から同年6月までにNSRRにおいて実施した燃料破損実験の結果およびその考察等についてまとめたものてある。今期実施した実験は、標準燃料試験(燃料伸び測定試験、燃料棒支持効果試験)、燃料パラメー夕試験(加圧燃料試験、特殊被覆材燃料試験、ギャップガスパラメータ試験)、冷却条件パラメー夕試験(冷却水温パラメータ試験、バンドル燃料試験、強制対流試験)、破損伝播試験、欠陥燃料試験(浸水燃料試験、擦過腐食燃料試験)、高温高圧力プセル試験、水ループ試験およびその他の試験の総計37回である。
吉村 富雄*; 落合 政昭*; 藤城 俊夫; 石川 迪夫
JAERI-M 8152, 26 Pages, 1979/03
NSRR実験における欠陥燃料シリーズの一つとして、被覆管にフレッテング腐食による損耗欠陥をもった燃料棒について実験を行い、燃料破損のしきい値、破損機構および燃料破損の結果生ずる機械的エネルギー等を調べた。これらの結果を健全被覆管の標準燃料についての結果と比較検討し、次の点を明らかにした。1)燃料破損のしきい値は、損耗の度合が小さな場合は標準燃料と変らないが、損耗度が大きくなると若干低下する。この時の破損機構は、標準燃料が被覆管内面の溶融に起因するクラックの発生であるのに対し、損耗被覆管燃料では損耗部の内圧破損である。2)損耗被覆管燃料では、圧力パルスおよび水塊上昇等の機械的エネルギーの発生を伴なう激しい壊れ方が標準燃料の場合はより低い発熱量で生ずる。損耗被覆管の加圧燃料と浸水燃料、および切削欠陥燃料についても実験結果の概要を報告する。
石川 迪夫; 富井 格三
JAERI-M 6790, 85 Pages, 1976/11
本報告書は、NSRR実験において実施した燃料破損実験の実験結果について検討を加えたものである。本報告書では、JP-II型試験燃料に標準試験燃料と同程度の150、200cal/gUOの発熱量を与え、燃料仕様の相違による燃料挙動に及ぼす影響を調べた実験、ラインアウト出力による影響を調べた実験、繰り返し照射による燃料挙動を調べた実験および孔あき浸水燃料を用いて被覆管および上部プレナム部の孔の有無による破損挙動に及ぼす影響を調べた実験等について考察を加えた。