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論文

Wall conditioning and experience of the carbon-based first wall in JT-60U

正木 圭; 柳生 純一; 新井 貴; 神永 敦嗣; 児玉 幸三; 宮 直之; 安東 俊郎; 平塚 一; 西堂 雅博

Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.386 - 395, 2002/09

 被引用回数:9 パーセンタイル:50.69(Nuclear Science & Technology)

JT-60Uでは、大気解放後の第一壁コンディショニングとして、ベーキング,ヘリウムTDC,ヘリウムGDC,トカマク洗浄放電と順次実施し、到達真空度10$$^{-6}$$$$sim$$10$$^{-5}$$Paを達成している。また、酸素不純物を低減するために、デカボラン(B$$_{10}$$H$$_{14}$$)を用いたボロナイゼーションを実施しており、プラズマ中の酸素不純物量を0.5%程度まで低減することに成功している。真空容器内に設置されるタイバータタイルは、高熱負荷に晒されるため高い設置精度が要求される。特にテーパー加工はタイルの段差による端部への熱集中を避けるのに有効であり、タイルの損耗を大きく減らすことができた。また、ダイバ-タ領域における堆積量及び損耗量の内外非対称性(ポロイダル方向)からは、外側ダイバータから内側ダイバータへの不純物の輸送が示唆されている。1992年及び1993年には、CFCタイルの化学スパッタリングと酸素不純物の低減を目的として、B$$_{4}$$C転化CFCタイルを外側ダイバータに設置し、その効果を実証した。JT-60Uのトリチウム挙動を調べるために、第一壁中のトリチウム量及び排ガス中のトリチウム量を測定した。その結果、生成されたトリチウム量の約50%が第一壁に残留していることがわかった。

論文

Characterization of disruption phenomenology in ITER

芳野 隆治; D.J.Campbell*; E.Fredrickson*; 藤沢 登; N.Granetz*; Gruber, O.*; T.C.Hender*; D.A.Humphreys*; N.Ivanov*; S.Jardin*; et al.

Fusion Energy 2000 (CD-ROM), 4 Pages, 2001/05

ITER物理R&Dの専門家会合においてまとめたディスラプションの諸特性(熱消滅、電流消滅、ハロー電流、逃走電子、ディスラプション頻度、等)のデータベース群とそれに基づくITERでのディスラプション特性の予測を示す。加えて、最近、顕著な研究成果の得られているディスラプションの回避・緩和の研究について報告する。

論文

トカマク炉の燃焼制御; ディスラプションと炉の緊急停止

芳野 隆治

プラズマ・核融合学会誌, 75(12), p.1337 - 1374, 1999/12

ディスラプションは、トカマクプラズマがその熱と磁気エネルギーを短時間で放出する現象であり、その放出する過程を外部より制御することはかなり難しい。このためディスラプションによりトカマク装置の受ける影響を評価するために、その特性を評価することは炉設計における最重要課題の1つになっている。緊急停止も一種のディスラプションがあるが外部より能動的に発生させること、トカマク装置の受ける影響を大きく緩和することを狙いとする点が大きく異なる。炉の緊急停止シナリオはディスラプションの研究から生み出されたものであり、炉の運転稼動率を大きく高めるために極めて重要である。加えて、ディスラプションの発生確率を大きく低減するには、ディスラプションの回避が必要である。この回避は、燃焼制御の1つと考えてよく、今後の研究課題として重要である。

論文

Characteristics of halo current in JT-60U

閨谷 譲; 中村 幸治; 芳野 隆治; 波多江 仰紀; JT-60チーム

Fusion Energy 1998, p.859 - 862, 1998/10

トカマクでディスラプション中に真空容器に流入する電流(ハロー電流)の特性を、新たにJT-60Uに設置したロゴスキーコイルタイプの検出器を用いて調べた。プラズマを下側に押しつけて垂直移動の不安定性を模擬し、ハロー電流のデータベースを構築した。最大のハロー電流(トロイダル方向の非対称性とハロー電流の初期プラズマ電流との比の積)は0.52で従来のITERのデータベースの最大値0.75に比べて充分低いことを確認した。この最大値は、ディスラプション直前のプラズマの蓄積エネルギーの増加に伴って減少する。これは、エネルギークエンチ時に発生する不純物によって周辺プラズマが冷却され、ハロー電流の流路の抵抗が増えるためと考えられる。このことから高蓄積エネルギーが想定される核融合炉では、ハロー電流が小さくなることが予想できる。また、ネオンをパフして温度を下げ、ハロー電流低減が可能なことを確認した。

論文

核融合装置における電磁解析例

小泉 興一; 山崎 耕造*

プラズマ・核融合学会誌, 72(12), p.1352 - 1361, 1996/12

強力な磁場でプラズマを閉込める磁気閉込め型核融合装置では、プラズマの生成・制御並びにプラズマの移動・消滅に伴う磁束変化によって炉心機器に過渡的な渦電流が誘起される。この渦電流は不整磁場や機器の発熱の原因となるばかりでなく、外部磁場との相互作用で機器に巨大な電磁力を発生させる。特にプラズマ自身に20MA以上の大電流が流れるトカマク装置では、プラズマの異常消滅や垂直方向移動変位(VDE)が極めて短い時間スケールで発生するため、電磁力は数百MNに達する。このため、プラズマ異常消滅時の渦電流・電磁力の解析と電磁力によって発生する応力の評価は、トカマク装置の炉心機器設計を左右する重要な作業である。本報告は、現在工学設計が進められている国際熱核融合実験炉(ITER)と大型ヘリカル装置における渦電流・電磁力の解析例と関連する各炉心機器の技術課題を紹介するものである。

論文

VDE characteristics during disruption process and its underlying acceleration mechanism in the ITER-EDA tokamak

中村 幸治; 西尾 敏; 芳野 隆治; C.E.Kessel*; S.C.Jardin*

プラズマ・核融合学会誌, 72(12), p.1387 - 1396, 1996/12

TSCコードを用いてITER-EDAトカマクにおけるディスラプション時のVDE挙動とその加速機構を調べた。ITERトカマクでは、急激な$$beta$$$$_{p}$$コラプスが生じてもVDEが発生しないことを示した。$$beta$$$$_{p}$$コラプスに続いて生じるプラズマ電流クエンチによって引き起されるVDEは、プラズマに作用する上下の不平衡電磁力が主因であること、さらに、ITERの工学設計の標準配置において、この不平衡電磁力が小さいことを明らかにした。これらの機構解明によって、ITERでは急激なVDEが発生しないことを示した。

論文

Acceleration mechanism of vertical displacement event and its amelioration in tokamak disruptions

中村 幸治; 芳野 隆治; N.Pomphrey*; S.C.Jardin*

Journal of Nuclear Science and Technology, 33(8), p.609 - 619, 1996/08

 被引用回数:9 パーセンタイル:61.58(Nuclear Science & Technology)

非円形トカマクのディスラプション放電において頻繁に観測されている垂直移動現象(VDE)をトカマクシミュレーションコードを用いて調べた。プラズマ圧力の急減($$beta$$$$_{p}$$崩壊)やこれに引き続いて起こるプラズマ電流のクエンチ(I$$_{p}$$クエンチ)などのディスラプション現象が、VDEを安定化すると考えられていた抵抗性シェルによって不安定化作用を生じ、この逆効果を通じてVDEを加速することを示した。I$$_{p}$$クエンチが上下非対称なシェルを有するトカマクで生じると、垂直方向にアンバランスな吸引力が生じ、これによって更にVDE加速が起こることを示した。シェルの幾何学的配置がVDE挙動を特徴付けること、VDEの成長率が$$beta$$$$_{p}$$崩壊の規模、I$$_{p}$$クエンチの速度、更にディスラプション直前の外部磁場のn指数に強く依存することを示した。JT-60Uの実験において、ディスラプションが起こる前のプラズマ垂直位置を最適化することで、I$$_{p}$$クエンチ駆動型のVDEを緩和することに成功した。

論文

Avoidance of VDEs during plasma current quench in JT-60U

芳野 隆治; 中村 幸治; 閨谷 譲

Nuclear Fusion, 36(3), p.295 - 307, 1996/00

 被引用回数:35 パーセンタイル:72.13(Physics, Fluids & Plasmas)

JT-60Uでのディスラプションにおいて、プラズマ電流の消滅速度が遅いときに、プラズマ電流の急速な停止現象が発生する。このとき、同時に、プラズマの垂直方向への移動現象(VDE)が起きるときは、ハロー電流が励起され、真空容器や真空容器内構造物に対して発生する電磁力が増大し、装置の健全性を大きく損なう。これは、トカマク型核融合炉の設計において克服すべき大きな課題となっている。これに対して、VDEの成長率が、初期の垂直位置に依存し、成長率が最小(ゼロ)となる中性点が、真空容器の水平面より15cm上に存在することを実験的に明らかにした。以上の結果より、(1)プラズマ電流消滅開始時の垂直位置の調整と(2)垂直位置の積極的な制御によりVDEを回避した。さらに、ネオン・アイス・ペレット(不純物ペレット)を入射し、プラズマを急速に消滅させれば、VDEを回避できることを実証した。

論文

核融合装置の電磁設計

西尾 敏

プラズマ・核融合学会誌, 72(10), p.1052 - 1060, 1996/00

トカマク装置は種々の核融合装置の中で最も電気機械としての性格が強く、過渡電磁現象の宝庫である。代表的な現象として、プラズマの初期放電破壊、プラズマ電流の急速な立ち上げ、プラズマの位置不安定性、ディスラプション、ディスラプションによる電磁力、低温構造体でのジュール損失等があり、これらの解析を通じてトカマク装置の基本パラメータが決定される。設計の早い時期に決める必要のあるパラメータには、プラズマ断面形状の非円形度、トーラス一周抵抗、電磁力の影響を緩和する機器構があり重要な設計課題として位置付けられている。

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