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神谷 健作; 川島 寿人; 井戸 毅*; 大山 直幸; Bakhtiari, M.*; 河西 敏; 草間 義紀; 三浦 幸俊; 小川 宏明; 都筑 和泰; et al.
Nuclear Fusion, 46(2), p.272 - 276, 2006/02
被引用回数:3 パーセンタイル:10.55(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2Mでは今回プラズマ周辺部のパラメータを詳細に調べ、HRS Hモードの運転領域をペデスタルパラメータの観点から調べた。HRS Hモードはプラズマ周辺部のパラメータが高密度・低温状態で観測され易く、低密度・高温状態では大振幅のELMが発生した。密度,温度、及び安全係数をスキャンした結果、プラズマ周辺部の規格化衝突周波数が運転領域を決定する重要なパラメータの一つであることが示唆され、ELMy/HRS運転領域境界は規格化衝突周波数が1付近に存在することがわかった。
関 正美; 森山 伸一; 篠崎 信一; 長谷川 浩一; 平内 慎一; 横倉 賢治; 下野 貢; 寺門 正之; 藤井 常幸
Fusion Engineering and Design, 74(1-4), p.273 - 277, 2005/11
被引用回数:3 パーセンタイル:23.95(Nuclear Science & Technology)LHアンテナはJT-60Uでの電流駆動実験等に対して貢献してきたが、LHアンテナ開口部は熱負荷でダメージを受け、入射パワーは年々低下してきた。入射パワーを回復するために、世界的にも初めての試みとなるLHアンテナ開口部に炭素製グリルを取付ける改造をした。炭素材は高耐熱性を持ち、かつプラズマの閉じ込め性能劣化させない低Z材である。炭素製グリルは、ベースフレームと高周波接触子それに炭素製先端部から成る。ベースフレームは既設のLHアンテナ開口部へ溶接され、高周波接触子はベースフレームと炭素製先端部の間の電気接触を改善する。先端部はグラファイトあるいは炭素繊維材から作られ、交換可能とするためボルトでベースフレームに取付けられるように工夫した。また実験実施後にグラファイトと炭素繊維材からできた先端部の性能を比較することができる。取付け工事の後、コンディショニングが順調に進捗し、プラズマの位置を制御することで良好な結合特性を実現し、高周波エネルギー最大約5MJのプラズマへの入射を達成した。さらに予想通りプラズマ電流を駆動していることを観測し、炭素製グリル付きLHアンテナの基本性能を確認した。
川島 寿人; 上原 和也; 西野 信博*; 神谷 健作; 都筑 和泰; Bakhtiari, M.; 永島 芳彦*; 小川 宏明; 星野 克道; 鈴木 貞明; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 80(11), p.907 - 908, 2004/11
JFT-2Mにおいて、2次元放射,ダイバータ電子温度及びイオン飽和電流などの高速計測を初めて実施し、高リサイクリング定常(HRS)H-mode及びELMy H-mode放電時のダイバータ熱負荷を比較した。HRS H-mode時のダイバータ熱負荷は、ELMy H-mode放電中の熱負荷を時間平均したレベルまで減ぜられており、ELMの瞬間の大きな熱負荷を避けられることがわかった。また、ELMは熱と粒子両者の急激な輸送増大であるのに対し、放射増大を伴うHRS H-modeは、粒子輸送の増大が支配的であることもわかった。
大山 直幸; 朝倉 伸幸; Chankin, A. V.; 及川 聡洋; 杉原 正芳; 竹永 秀信; 伊丹 潔; 三浦 幸俊; 鎌田 裕; 篠原 孝司; et al.
Nuclear Fusion, 44(5), p.582 - 592, 2004/05
被引用回数:46 パーセンタイル:79.72(Physics, Fluids & Plasmas)ELMによるペデスタル崩壊の物理機構を理解することは、ELMに伴う瞬間的な熱・粒子パルスによるダイバータ板の損傷を防ぐために重要である。このようなELM研究を行うため、マイクロ波反射計,FIR干渉計,D線計測,磁気プローブ等の高時間分解を持つ計測器を組合せ、ELMにより密度分布が崩壊していく過程を詳細に計測した。その結果、ELMによる密度ペデスタルの崩壊が、前兆振動フェーズ,崩壊フェーズ,回復フェーズ,緩和フェーズの大きく4つに分けられること及びそれらの時間スケールを明らかにするとともに、崩壊が弱磁場側赤道面近傍に局在化していることを示した。ELMにより吐き出された熱・粒子について、スクレイプオフ層を観測する2本のマッハプローブとダイバータ領域を観測する高速赤外カメラにより計測した。弱磁場側赤道面とX点の2か所のプローブ間でイオン飽和電流のピークの時間が異なっており、この時間遅れはスクレイプオフ層を磁力線に沿って粒子が移動する時間と同程度である。また、ダイバータ板への瞬間的な熱負荷の時間幅は、X点プローブのイオン飽和電流が増加している時間と対応する。これらのことから、ELMによる熱負荷の主な部分は対流的な輸送によりダイバータ板へ到達するものと考えられる。
中村 博雄; 井田 瑞穂*; 中村 秀夫; 竹内 浩; IFMIF国際チーム
Fusion Engineering and Design, 65(3), p.467 - 474, 2003/04
被引用回数:4 パーセンタイル:31.34(Nuclear Science & Technology)IFMIFは、核融合材料開発のためのD-Li反応を用いた加速器型中性子源である。リチウム(Li)ターゲットは、ターゲットアセンブリ、Li純化系と種々の計測器から構成される。10MWの重陽子ビームが205cmの面に入射し、1GW/mの超高熱負荷に相当する。このような超高熱負荷を除熱するため、20m/sの高速液体Li流と曲面流れが必要となる。熱流動解析によれば、曲率25cmの曲面壁による160Gの発生遠心力は、IFMIF運転に十分である。模擬水実験を実施し、Li流れの流動特性を確証した。最終的にLi流の性能を確証するために、Liループを計画中である。トリチウムやC, N, O不純物を許容値以下に制御するためのコールドトラップとホットトラップを備えたIFMIFターゲットにおけるこのような技術は、核融合炉の液体プラズマ対向壁と類似性を有している。発表では、IFMIFのLiターゲット技術とプラズマ対向壁への応用について述べる。
東島 智; 朝倉 伸幸; 久保 博孝; 三浦 幸俊; 仲野 友英; 木島 滋; 伊丹 潔; 櫻井 真治; 竹永 秀信; 玉井 広史; et al.
Journal of Nuclear Materials, 313-316, p.1123 - 1130, 2003/03
被引用回数:18 パーセンタイル:73.94(Materials Science, Multidisciplinary)トカマク型核融合炉では、ダイバータ板への熱負荷低減が急務であり、そのためには高放射損失パワーが必要である。しかし大型トカマク装置では、高密度・高放射損失パワーを得るためにガスパフを行うと、リサイクリングの増加とともに閉じ込め性能が劣化する。アルゴン入射は、高密度・高放射損失パワー・高閉じ込めを両立する手段として有望である。JT-60Uでは、アルゴンガスをダイバータ配位のELMy Hモードプラズマに入射し、グリーンワルド密度で規格化した電子密度(nGW) が66%,吸収パワーに対する放射損失パワーの割合(frad) が80%で、閉じ込め改善度HH98(y,2)~1 の高性能プラズマを得た。今回、粒子補給を容易にすることを目的に、外側ストライク点がダイバータドーム上にあるドーム配位のELMy Hモードプラズマへ同じくアルゴンをパフした。その結果、nGW~80%,frad≧80%,HH98(y,2)~1と更に高性能のプラズマを生成できると同時に、ダイバータ板へのELM熱負荷を1/3-1/5に低減できた。講演では、アルゴン入射実験の閉じ込め性能の進展とアルゴン入射やプラズマ配位の効果によるダイバータ板熱負荷低減,放射損失の増大,ELM特性の変化についてまとめる。
Rognlien, T. D.*; 嶋田 道也
Journal of Nuclear Materials, 313-316, p.1000 - 1004, 2003/03
被引用回数:8 パーセンタイル:49.44(Materials Science, Multidisciplinary)周辺局在モード(Edge Localised Mode, ELM)による熱負荷の低減は、核融合炉の第一壁設計において重要な課題である。ELMが発生すると、ペデスタルの高温高密度のプラズマがスクレイプオフ層に押し出される。イオンは電子に比べて磁力線方向の動きが遅いので、磁力線方向にプレシース電場が発生し、イオンを加速する。回転変換が存在するので、プレシース電場はポロイダル方向の電場となり、トロイダル磁場の中で高温高密度プラズマは径方向に移動する。この移動距離は、ITERの場合径方向の移動距離は1cm程度と予測されるが、プラズマの場所によって電場の大きさが異なるので、ELMの熱流束が拡散する可能性もある。径方向に1cm程度であれば、ダイバータ板の上では3cm程度となるので、無視できない効果である。二次元のダイバータ輸送コードUEDGEを用いてITERにおける効果を定量的に予測し、報告する。
正木 圭; 谷口 正樹; 三代 康彦; 櫻井 真治; 佐藤 和義; 江里 幸一郎; 玉井 広史; 逆井 章; 松川 誠; 石田 真一; et al.
Fusion Engineering and Design, 61-62, p.171 - 176, 2002/11
被引用回数:19 パーセンタイル:74.28(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究所では、JT-60改修計画として、臨界プラズマ条件クラスのプラズマを電流拡散時間よりも十分長く維持することが可能な超伝導トカマク装置を検討している。この改修装置のダイバータターゲット開発のため、高い熱除去効率が期待されるスクリュウ管を採用した直接冷却ダイバータターゲットの試験体を製作し、耐熱試験及び熱伝達特性の評価を行った。試験体構造は、直接M10ネジ穴(スクリュウ構造)を加工したCu-Cr-Zrのヒートシンクに無酸素銅(OFHC)間挿材を挟み、CFCタイルと一体で銀ロウ付けしたものである。熱負荷試験条件は、1MW/m~13MW/mで、それぞれ30秒間入射を行った。また、冷却水の流速は、4m/s(0.93MPa),5.6m/s(0.88MPa),8m/s(0.74MPa)と変化させた。試験体に取り付けた熱電対の温度とFEMの解析結果とを比較することにより、スクリュウ管の熱伝達係数を評価した。解析に用いた熱伝達係数は、評価式の確立した平滑管の2倍,3倍,4倍とした。その結果、上記3つの冷却条件において、スクリュウ管の熱伝達係数は、平滑管の約3倍となることがわかった。これは、スクリュウ管の1.5倍に相当する。熱サイクル試験では、10MW/m15秒,1400回の照射においても熱電対の温度変化に異常は見られず、ロウ付け部の損傷もなかった。
関 正美; 池田 佳隆; 前原 直; 森山 伸一; 内藤 磨; 安納 勝人; 平内 慎一; 下野 貢; 篠崎 信一; 寺門 正之; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.452 - 466, 2002/09
被引用回数:14 パーセンタイル:65.07(Nuclear Science & Technology)JT-60U用低域混成波(LHRF)システムの開発及び運転結果について総合的にレビューする。LHRFシステムは、2GHz帯で1MWの大出力クライストロンを24本持ち、3つの通常型アンテナを用いて約8MWの入射を行った。電流駆動効率や放射スペクトラム制御性の改善及び入射電力の向上のため、既存のアンテナを3分岐型へ、さらに12分岐型のアンテナへと開発を進めた。12分岐型アンテナでは、既存の伝送系導波管数を1/4に削減でき、システムの簡素化に成功した。さらに7MWの入射電力を実現するほか、3.6MAの世界最高の非誘導駆動電流や3.510mAWの世界最高の電流駆動効率を達成した。アンテナからのガス放出は、コンディショニングを行うことで、約110Pam/smと低くすることができ、従来から使用されて来た専用の真空排気装置を不要とできることを実証した。アンテナとプラズマの結合可能距離は、中性ガスを注入することで遠隔化できることを明らかにした。JT-60UのLHRFシステムは、世界をリードする電流駆動研究の原動力として稼動し、上記の成果をあげ、さらに次世代のLHRFアンテナの設計指針を与えるなど大きく貢献している。
山本 巧; 梅田 尚孝; 栗山 正明; Lei, G.*; Grisham, L. R.*; 河合 視己人; 大賀 徳道; JT-60 NBI-Team
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.5, p.474 - 477, 2002/00
JT-60U用500keV負イオンNBI装置において、ビームの発散を改善したことにより、設計目標の10秒入射を達成した。また、イオン源の近くで計ったビームの空間分布では、加速電界の歪みによるビームの偏向が観測された。この偏向を補正することによって、入射ポート部のリミターの温度上昇が半減以下に減少した。負イオンビーム分光のドプラーシフトスペクトラム測定から、引出電極中で電子のストリッピングが支配的であることを示した。さらに、接地電極の熱負荷の半分は、ストリッピングに起因することが明らかになった。
山崎 裕史*; 矢橋 牧名*; 玉作 賢治*; 米田 安宏; 後藤 俊治*; 望月 哲郎*; 石川 哲也*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 467-468(Part1), p.643 - 646, 2001/07
被引用回数:8 パーセンタイル:51.97(Instruments & Instrumentation)SPring-8標準分光器には、アンジュレータビームラインでは熱負荷を軽減するために、また偏向電磁石ビームラインでは広エネルギーバンドに対応するために、分光結晶はともにインクラインド配置で設置されている。この標準分光器のスペックとパフォーマンスについて述べられている。
藤原 幸雄; 花田 磨砂也; 宮本 賢治; 奥村 義和; 鈴木 哲; 渡邊 和弘
JAERI-Tech 99-052, 52 Pages, 1999/07
ITER-NBI用加速電極の熱・機械的特性を3次元有限要素コード(ABAQUS)を用いて解析し、加速電極の機械的信頼性並びにビーム偏向量を評価した。数値解析の結果、加速電極1段あたりの熱負荷が1.5MWの場合、電極の最高温度は300C程度、ミーゼス等価応力の最大値は150MPa程度になることがわかった。したがって、融解は生じないものの、加速電極の一部が塑性変形するものと予想される。塑性変形を避けるためには、熱負荷を1MW以下に下げる必要がある。また、熱変形による電極孔の最大軸ずれ量は0.7mm程度になることがわかった。薄型レンズ理論を適用すると、電極孔の軸ずれによるビームレットの偏向角は最大で2mrad程度となり、ITER-NBI工学設計の制限値を満たすものと評価された。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 疋田 繁紀*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 日下 誠*; et al.
Proceedings of the 18th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE '99), p.133 - 136, 1999/00
JT-60用負イオン源は、これまでイオン源などの運転パラメータの最適化を行いながらビームパワーを徐々に増大させてきた。しかし、さらにビームパワーを増大させるためにはイオン源や電源にかかわるいくつかの課題を解決しなければならない。イオン源での課題の一つは、加速電極への過大な熱負荷である。この加速電極でのビームロスは加速ビームの40%にも達する。この電極への高熱負荷の原因を、ソースプラズマの一様性を測定しながら、イオン源での磁場、ガス圧等を変化させながら調べた。この結果、熱負荷過大の大きな原因として、ソースプラズマの一様性が悪いことによるビーム発散の悪化にあることがわかってきた。この対策として、ソースプラズマ生成部のアーク電流分布の調整が有効であることも判明した。
中村 和幸; 秋場 真人; 荒木 政則; 大楽 正幸; 佐藤 和義; 鈴木 哲; 横山 堅二; J.Linke*; R.Duwe*; H.Bolt*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 233-237(PT.A), p.730 - 735, 1996/00
被引用回数:7 パーセンタイル:54.07(Materials Science, Multidisciplinary)国際熱核融合実験炉(ITER)のような大型トカマク装置では、ダイバータ板の寿命を予測するためにはディスラプションによる表面材料の損耗を評価することが不可欠である。そこで、電子ビームを用いてプラズマ対向材料の損耗量を評価した。試験に供した試料は、低原子番号材料であるベリリウム及び高熱伝導の炭素せんい強化複合材(CFC材)である。特にCFC材は、スパッタリング特性を改善する目的でBCを含浸させた材料及び高引っ張強度を有する三次元CFC材を新たに開発し、試験を行った。電子ビームの熱負荷条件は、ディスラプション時に予測される2000MW/m、2msである。試験の結果、BCの含有量が5%までは損耗量が増加しないことが明らかとなった。
荒木 政則; D.L.Youchison*; 秋場 真人; R.D.Watson*; 佐藤 和義; 鈴木 哲
Journal of Nuclear Materials, 233-237(PT.A), p.632 - 637, 1996/00
被引用回数:5 パーセンタイル:44.88(Materials Science, Multidisciplinary)次期核融合実験炉、例えば、ITERでは、プラズマ対向機器表面材料にベリリウム、炭素系材料及びタングステンが選定されている。特に、ベリリウムは第1候補材料であるため、原研ではベリリウムと銅の接合体開発研究を進めてきた。そこで、この開発研究で培った接合技術を適用して、25mm角、厚み2mm及び10mmのベリリウムタイル各2個を1本の銅製冷却管に真空ロー付けしたダイバータ試験体を製作した。加熱実験は、日米核融合協力のもとで、米国サンディア研究所の電子ビーム照射装置を用いて、ITER等のダイバータ部で予想される熱負荷条件で各々のタイルに対して行った。本論文は、ベリリウム/銅接合体の接合特性及び加熱実験結果について述べるとともに、今後の開発課題についても言及した。
内藤 磨; 池田 佳隆; 関 正美; 井手 俊介; 近藤 貴; 牛草 健吉
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.425 - 428, 1995/04
被引用回数:2 パーセンタイル:27.93(Materials Science, Multidisciplinary)トカマク型定常核融合炉を実現するためには、能動的なプラズマ電流分布の制御手段が不可欠である。低域混成波電流駆動は、現状では最も実績のある電流分布制御方法であるが、これを核融合炉で使用するためには、炉環境での熱負荷に耐えうる結合系の開発が必要である。本研究では、JT-60Uの大出力低域混成波実験において、結合系先端部の熱負荷の測定を行なった。その結果、熱負荷は入射電力、平均電子密度とともに増大し、4MW、210mの時には約0.1MW/mの熱流束があることが分った。これは結合系前面の電子密度の実測値から予想される熱流束の計算値と矛盾しない。このことから将来さらに高い周波数を採用した場合の熱流束も予想でき(8GHzで0.20.6MW/m)結合系の除熱可能性が大きいことが明らかとなった。
荒木 政則; 秋場 真人; 大楽 正幸; 飯田 一広*; 伊勢 英夫*; 関 昌弘; 鈴木 哲; 横山 堅二
Journal of Nuclear Science and Technology, 29(9), p.901 - 908, 1992/09
次期核融合実験炉用プラズマ対向機器は、プラズマからの高熱負荷を繰り返し受ける受熱機器である。工学的な観点からプラズマ対向機器を考えた場合、アーマ材と冷却構造体との接合特性を評価することが重要である。このため、異った炭素系材料をアーマとして取り付けたダイバータ試験体を製作し、次期核融合実験炉ITER/FERで予想される等価な熱流束を原研の粒子工学試験装置で模擬した熱サイクル実験を行った。実験の結果、CFCをアーマ材として取り付けた接合体において、10MW/m定常、1000サイクルの熱サイクルに損傷なく耐えることを確認した。さらに、12.5MW/m定常、1000サクイルの熱サイクル実験では、実験後の接合体観察において微小破損が接合部に確認されたが、表面温度の上昇等の変化なく、本接合体が耐え得ることを確認した。また、残留応力解析では、製作後のダイバータ試験体観察結果をよく予測しており、十分妥当であることが明らかとなった。
奥村 義和; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 水野 誠; 小原 祥裕; 鈴木 靖生*; 田中 秀樹*; Tanaka, M.*; 渡邊 和弘
Review of Scientific Instruments, 63(4), p.2708 - 2710, 1992/04
被引用回数:24 パーセンタイル:86.49(Instruments & Instrumentation)冷却構造を改良した大型の負イオン源を用いて、最大24時間の長パルスの負イオンビームを生成した。用いた負イオン源はセシウム添加された体積生成型負イオン源であり、10cm9cmの領域に11.3mmの引き出し孔38個をもつ。各電極の熱負荷を測定し、最適化された状態で50keV、0.52A(14mA/cm)、1000秒の運転を行った。その間、負イオンビーム電流は一定であり、ビーム光学の悪化もなかった。更にセシウムの消費量を調べるため、約100mgのセシウムを注入した状態で24時間の長パルス運転を行い、セシウムの効果がわずかに減少しながらも持続すること(即ち、セシウムの消費量は極めて少いこと)を確認した。
杉本 誠; 加藤 崇; 河野 勝己; 檜山 忠雄; 上谷内 洋一*; 石田 秀昭*; 岩本 収市*; 三宅 明洋*; 戎 秀樹*; 奥野 清; et al.
低温工学, 27(3), p.239 - 244, 1992/00
DPC-TJコイルの製作及び実験はDPC計画の中で位置づけられ、遂行されてきた。本論文は1991年6月より6週間かけて行われた実験のうち、DPC-TJコイルの熱・流体特性について述べる。対象となる特性項目は、(1)予冷特性、(2)熱負荷、(3)圧力損失および(4)入口流量の低下現象の4つである。
池田 佳隆; 今井 剛; 牛草 健吉; 内藤 磨; 関 正美; 小西 一正*; 根本 正博; 久保 博孝
Journal of Nuclear Materials, 176-177, p.306 - 310, 1990/00
被引用回数:2 パーセンタイル:31.22(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60のダイバータプラズマに於ける低域混成波帯用ランチャの熱負荷についての実験的研究結果を、本稿で述べる。ランチャの結合特性について、もしセパラトリックスとランチャの先端が10cm以上離れていたとしても、ランチャ先端を真空容器の第一壁より2~3mmプラズマ側へ出すことによって、反射率が15~20%という良い結合状態が得られることがわかった。距離が5cm以上離れるとランチャへの熱負荷は急激に減少し、10cmで密度が210cm以下の場合に約0.4~0.6kW/cmと見積もられる。密度が310cm以上の時、NBIとの複合加熱をするとランチャガード板のイオン側がより高熱負荷となった。この時、パラメトリック崩壊不安定性によると思われる高速イオンが周辺プラズマで観測された。これらの結果を用いて、高加熱プラズマへのLHランチャの応用について検討した。