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海老原 健一
JAERI-Research 2005-004, 121 Pages, 2005/03
本報告書は、まず、格子ガス法及び格子ボルツマン法の二相流体モデルの二相流シミュレーションへの適用妥当性及び有用性を検討した。その結果に基づき、格子ボルツマン法の二相流体モデルであるHCZモデルを、基本的かつ重要な二相流流動様式の1つである水平層状二相流のシミュレーションへ適用した。その結果、HCZモデルの界面は、Kelvin-Helmholtz不安定性を満足することが確認された。またTaitelとDuklerの理論的流動様式線図(T-D線図)の界面成長に関する曲線が再現された。さらに、幅が狭い流路では、流れの三次元性の影響が顕著となり、T-D線図が与える以上の低密度相のみかけ流速が界面成長に必要であることが明らかとなった。次に、より複雑な界面現象を伴う液滴発生のシミュレーションを行い、Ishii-Grolmesの実験相関式を、実験データの分布範囲において、再現できることがわかった。
海老原 健一
筑波大学大学院システム情報工学研究科博士学位論文, 134 Pages, 2004/09
本論文では、格子法の気液モデルの有用性を検討し、さらに格子ボルツマン法気液モデル(HCZモデル)を、格子ボルツマン法の適用例が見られていない水平層状二相流の三次元シミュレーションへ適用した。その結果、以下のことが明らかになった。(1)HCZモデルによってシミュレーションされる二相界面が、Kelvin-Helmholtz不安定性理論を、二次元及び三次元の場合について満足することがわかった。(2)矩形断面流路中の界面成長シミュレーションにおいて、界面成長と流動状態の関係が、理論的考察によって得られるTaitelとDuklerの流動様式線図を再現できることがわかった。(3)流路幅が異なる場合の界面成長シミュレーションによって、流路幅が狭くなった時、流れの三次元性の影響が顕著となり、界面成長に必要な低密度相の流量が、理論的流動様式線図から得られる値より大きくなることが明らかとなった。(4)界面成長より複雑な界面現象を示す液滴発生シミュレーションにおいて、液滴発生とその時の流動状態の関係が、IshiiとGrolmesによって提案された実験相関式を、ほぼ再現できることがわかった。
海老原 健一; 渡辺 正
ながれ, 23(4), p.253 - 261, 2004/08
一成分二相格子ボルツマン法を水平層状二相流における液滴発生のシミュレーションに適用した。幾つかの流動状態において、液滴が界面上からちぎれる様子が観察された。また同時に、各々の場合において、流動状態を特徴付ける無次元数を測定した。シミュレーションに対する計算格子の長さや幅の影響を調べた後、液滴発生と測定された無次元数との関係を、IshiiとGrolmesによって実験結果に基づいて提案された相関式と比較した。その結果、シミュレーション結果は、実験データと相関式と差の範囲において、相関式を再現していることがわかった。
海老原 健一; 渡辺 正
日本機械学会論文集,B, 70(694), p.1393 - 1399, 2004/06
一成分二相格子ボルツマン法によって、その幅が高さより狭い矩形断面流路内における水平層状二相流のシミュレーションを行った。3種類の異なる流路幅の場合について、二相間の界面成長を測定した。さらに二相流動を特徴付ける無次元数を測定し、それらと界面成長との関係とTaitelとDuklerによって提案された流動様式線図とを比較した。流路幅が狭くなるに従い、シミュレーションにより得られた界面の成長・非成長の境界が大きくなることがわかった。
伊藤 和宏*; 辻 義之*; 玉置 昌義*; 中村 秀夫; 近藤 昌也; 久木田 豊
日本原子力学会誌, 39(8), p.669 - 680, 1997/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)水平水-空気波状流における気液界面せん断応力を実験的に評価した。実験では、高さ0.7m、長さ12mの矩形ダクトにおいて水の見かけ流速を0.3m/s一定とし、空気の見かけ流速を4.2~6.8m/sに変化させた。水面にh界面波が生じ、その振幅は空気流量又は入口からの距離と共に増加した。プレストン管法を用いて測定した気相部壁面摩擦係数は、この界面波の影響によって滑面に対するBlasius式の予測値と異なったが、その差は30%であった。気液界面せん断応力は、壁面せん断応力、圧力勾配、水位及び水位勾配の各計測値を気相の運動量式に代入することで評価した。その結果、気液界面せん断応力は界面波の振幅と共に増加し、気液界面摩擦係数のBlasius式の予測値との比は4~10であった。この比は空気の見かけ流速と入口からの距離に比例して増加した。
浅香 英明; 久木田 豊
Journal of Nuclear Science and Technology, 33(9), p.696 - 702, 1996/09
被引用回数:2 パーセンタイル:25.01(Nuclear Science & Technology)加圧水型原子炉(PWR)の小破断冷却材喪失事故(LOCA)時におけるホットレグ内の流れは、重力により水と蒸気が分離した水平層状二相流で特徴づけられる。ここではホットレグ水位は、蒸気発生器(SG)内ないしは加圧器内への蒸気による水のキャリオーバー量に影響する重要なパラメータである。小破断LOCA時のホットレグ内層状二相流は、水流量が増加するにしたがい常流から射流に遷移し、これに起因する典型的な水位低下の生じることがLSTF実験により示された。Gardnerは、ホットレグ入口前後で各相のエネルギーが保存されると仮定し、常流から射流への遷移モデルを開発した。しかし、このモデルによる予測結果とLSTF実験結果との一致は、定量的に不十分であった。筆者らは、Gardnerのモデルにホットレグ入口の形状エネルギー損失項をとりいれた改良モデルを開発した。この改良モデルは、LSTF実験で見られたホットレグ内の常流から射流への遷移条件を良く予測した。さらに射流条件下の水位は、ホットレグ内における運動量保存則で予測できることを明らかにした。
中村 秀夫; 久木田 豊; 田坂 完二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 32(9), p.868 - 879, 1995/09
被引用回数:4 パーセンタイル:43.56(Nuclear Science & Technology)LOCA時の1次系内冷却材分布は、水平配管内の流動様式に依存する。特に、波状流からスラグ流への遷移は、界面波が気送流れを塞ぐ液スラグに成長する結果生じ、界面摩擦や流路の圧力損失の増加を伴うため、その予測は重要である。ところが、スラグ流遷移の予測には、波状流での水位予測が必要であるものの、予測に必要な気液界面摩擦係数は、スラグ流遷移時のような液深の深い波状流(ボイド率~0.6)でのデータや予測式が大変少なく、壁摩擦係数などで代用されることが多い。そこで、TPTF装置の水平円管テスト部(直径87及び180mm)を用いた、高圧(3-9MPa)の水/蒸気二相流実験を行い、スラグ流遷移境界近傍の波状流について調べ、界面摩擦係数を与える実験式を求めた。実験式はKelvin-Helmholtzの界面不安定性理論に基づくパラメータで構成され、TPTF実験結果での配管口径及び圧力依存性をよく表すことができる。
大貫 晃; 秋本 肇; 村尾 良夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 29(3), p.223 - 232, 1992/03
PWRホットレグでの気液対向流制限に対する二流体モデルコードのための界面せん断力モデルを、大貫らによる対向層状流での界面せん断力モデルをベースに開発した。まず、定常の包絡線モデルにより検証された大貫らのモデルが二流体モデルコードによる動的な計算において有効に機能するか否かを、代表的な二流体モデルコードであるTRAC-PF1/MOD1を使い解析した。その結果、大貫らのモデルはホットレグ内スラグ流での適切な界面せん断力モデルと組み合わせる必要のあることがわかった。ホットレグベンド部でのモデル及びホットレグ水平管内でのまき波領域に対するモデルをスラグ流モデルとして提案した。種々のスケール、圧力及び流体の種類(内径:0.025-0.75m、圧力:0.1-7.1MPa、空気-水または蒸気-水)のもとでの実験データにより本モデルを検証し、本モデルの有効性を確認した。