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論文

In-situ measurement of radiation driven back-conversion from para to ortho liquid hydrogen state in cold moderators at J-PARC

勅使河原 誠; Lee, Y.*; 達本 衡輝*; Hartl, M.*; 麻生 智一; Iverson, E. B.*; 有吉 玄; 池田 裕二郎*; 長谷川 巧*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 557, p.165534_1 - 165534_10, 2024/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)

J-PARCの核破砕中性子源において、水酸化第二鉄触媒の機能性を評価するため、1MW運転時の積算ビーム出力9.4MW$$cdot$$hの条件で、ラマン分光法を用いてパラ水素割合をその場測定した。その結果、1MW運転におけて触媒が十分に機能していることが分かった。また、触媒を通さないバイパスラインを用いて、中性子照射によるパラからオルソ水素への逆変換率を調べることを試みた。測定されたオルソ水素割合の増加は、500kW運転で積算ビーム出力2.4MW$$cdot$$hの場合に0.44%であった。しかしながら、この結果は、冷中性子モデレータ内で引き起こされた逆変換と、バイパスされた触媒容器中の温度上昇によって発生した準静的オルソ水素のメインループへの受動的滲出との合算であることが示された。

報告書

JRR-3冷中性子源装置の新型減速材容器に関わる熱流力設計

徳永 翔; 堀口 洋徳; 中村 剛実

JAEA-Technology 2023-001, 37 Pages, 2023/05

JAEA-Technology-2023-001.pdf:1.39MB

研究用原子炉JRR-3の冷中性子源装置(Cold Neutron Source: CNS)は、原子炉内で発生した熱中性子を減速材容器内に貯留した液体水素により減速し、エネルギーの低い冷中性子に変換する装置である。CNSから発生した冷中性子は、中性子導管を用いて実験装置に輸送され、生命科学、高分子科学、環境科学等を中心とする多くの物性研究に利用されている。中性子科学における世界の研究用原子炉との競争力を維持するためには、冷中性子強度の改善は不可欠であり、新たな知見を取り入れた新型CNSの開発を進めている。現行のJRR-3のCNSの減速材容器は、水筒型のステンレス製容器を採用しており、材質及び形状の変更により冷中性子束の強度を向上させることが可能である。そのため、新型減速材容器の基本仕様は、材質を中性子吸収断面積の小さいアルミニウム合金に変更し、さらに、モンテカルロ計算コードMCNPを用いて最適化した容器形状に変更した。これらの仕様変更に伴い、発熱や伝熱の条件に変更が生じることから、熱流力設計上の成立性を確認するため、JRR-3のCNSについて自己平衡性、熱輸送限界及び耐熱・耐圧等について改めて評価を行った。本報告書は、新型減速材容器に関わる熱流力設計上の評価を実施し、その結果を纏めたものである。

報告書

J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)及び関連設備の現状と高度化戦略

勅使河原 誠; 中村 充孝; 金正 倫計; 曽山 和彦

JAEA-Technology 2021-022, 208 Pages, 2022/02

JAEA-Technology-2021-022.pdf:14.28MB

J-PARCの定格出力1MWの物質・生命科学実験施設において、今後の具体的かつ現実的な高度化戦略を展開するため、線源性能に大きく影響する加速器技術(リニアックおよびRCS)、線源技術、中性子・ミュオン輸送技術、検出技術、そしてそれらが結実する中性子・ミュオン ビーム利用装置等の現状(所期設計値に対する到達度)について整理した。さらに、現状分析に基づき出力増強に向けた改良点等について報告する。

論文

Experimental validation of the brightness distribution on the surfaces of coupled and decoupled moderators composed of 99.8% parahydrogen at the J-PARC pulsed spallation neutron source

原田 正英; 勅使河原 誠; 大井 元貴; Klinkby, E.*; Zanini, L.*; Batkov, K.*; 及川 健一; 藤 暢輔; 木村 敦; 池田 裕二郎

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 903, p.38 - 45, 2018/09

 被引用回数:14 パーセンタイル:74.75(Instruments & Instrumentation)

At the J-PARC pulsed spallation neutron source, liquid hydrogen moderators composed of 99.8% parahydrogen associated with light-water premoderator have been providing high intensity cold and thermal neutron beams. In the design stage, simulations have shown not only high total neutron intensity in the coupled moderator but also a local neutron-brightness increase at the edges. The edge-effect-brightness increase is also exploited in the design of the European Spallation Source (ESS) moderators, which are based on 99.8% parahydrogen, but thin (thickness: 3 cm) to enhance the neutron brightness. In this study, the spatial distribution of the neutron brightness at the surface of the coupled moderator in the J-PARC pulsed spallation neutron source was directly measured with the pinhole geometry to validate the calculated edge-brightness enhancement. The brightness distribution at the moderator surface was clearly observed as predicted by a Monte Carlo simulation, proving the validity of the simulation tools used in the design-optimization process of the J-PARC and ESS moderator.

論文

Measurements of neutronic characteristics of rectangular and cylindrical coupled hydrogen moderators

甲斐 哲也; 加美山 隆*; 平賀 富士夫*; 大井 元貴; 広田 克也*; 鬼柳 善明*

Journal of Nuclear Science and Technology, 55(3), p.283 - 289, 2018/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.14(Nuclear Science & Technology)

Extensive simulation calculations were performed in the design studies of the coupled hydrogen moderator for the pulsed spallation neutron source of the Japan Proton Accelerator Research Facility (J-PARC). It was indicated that a para-hydrogen moderator had an intensity-enhanced region at the fringe part, and that pulse shapes emitted from a cylindrical para-hydrogen moderator gave higher pulse-peak intensities with narrower pulse widths than those from a rectangular one without penalizing the time-integrated intensities. To validate the peculiar distribution and advantages in pulse shapes experimentally, some measurements were performed at the neutron source of the Hokkaido University electron linear accelerator facility. It was observed that the neutron intensity was enhanced at edges of the para-hydrogen moderators, whereas it decreased at the same part of the ortho-rich-hydrogen moderator, where the dimension of those moderators was 50 mm in thickness and 120 mm in width and height. The spatial distribution and pulse shapes were also measured for a cylindrical coupled para-hydrogen moderator that has the same dimensions as for the coupled moderator employed for J-PARC. The measured results from the cylindrical moderator were consistent with the results obtained in the design studies for the moderator for J-PARC.

論文

Current status of the high intensity pulsed spallation neutron source at J-PARC

高田 弘

Plasma and Fusion Research (Internet), 13(Sp.1), p.2505013_1 - 2505013_8, 2018/03

大強度陽子加速器施設(J-PARC)のパルス核破砕中性子源は、以下に示す独自の特長を有するモデレータを用いて高強度かつ幅の狭いパルス状の冷中性子を供給している。独自の特長とは、(1)100%比率のパラ水素を用いることでピークが高くテイル成分の低い中性子パルスをつくる、(2)直径14cm、高さ12cmの円筒形状とすることで、50.8$$^{circ}$$という広い取り出し角度範囲で高強度の中性子を利用できる、(3)銀-インジウム-カドミウム合金製の中性子吸収材を使用し、幅が狭く、テイル成分の低い中性子パルスをつくる、というものである。実際、低出力運転時の測定によって、1MWの運転時には、結合型モデレータで4.5$$times$$10$$^{12}$$n/cm$$^{2}$$/s/srの中性子束が得られ、ポイズン型モデレータを使用する中性子実験装置(BL08)では$$Delta$$d/d 0.035%の優れた分解能が得られることを確認した。ここで、dは結晶試料内のある方向の格子面と中性子の入射方向とのなす角度に垂直な方向の面間隔を意味する。1MWで年間5000時間の運転を行うという目標の達成に向けて、現在、微少気泡を水銀ターゲットに注入し、ターゲット容器に生じるキャビテーション損傷を抑制する技術開発やターゲット容器構造を溶接部やボルト接続をできるだけ減らす設計改良を行っている。

論文

Materials and Life Science Experimental Facility at the Japan Proton Accelerator Research Complex, 1; Pulsed spallation neutron source

高田 弘; 羽賀 勝洋; 勅使河原 誠; 麻生 智一; 明午 伸一郎; 粉川 広行; 直江 崇; 涌井 隆; 大井 元貴; 原田 正英; et al.

Quantum Beam Science (Internet), 1(2), p.8_1 - 8_26, 2017/09

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設では、パルス核破砕中性子源から高強度かつ狭いバルス幅の中性子を供給し、多様な中性子科学研究の推進に役立てている。この核破砕中性子源の構成機器は、エネルギー3GeV、繰り返し25Hz、強度1MWという世界最高クラスの強度の陽子ビームで駆動されルことを前提に設計されており、水銀ターゲットと3種類の液体パラ水素モデレータがその中枢の機器である。目標とする1MWの陽子ビームによる運転に向けて、まだ途上段階にあるが、本報告では、この核破砕中性子源のターゲット・モデレータ・反射体システムの特色ある性能について解説する。

論文

Deterioration of pulse characteristics and burn-up effects with an engineering model in Japanese spallation neutron source

原田 正英; 渡辺 昇; 勅使河原 誠; 甲斐 哲也; 前川 藤夫; 加藤 崇; 池田 裕二郎

LA-UR-06-3904, Vol.2, p.700 - 709, 2006/06

JSNSにおいて、全ての中性子ビームラインに対するパルス特性データは、装置設計において不可欠である。詳細な計算モデルを構築し、PHITSコード及びMCNP-4Cコードを使用して評価を行った。これらの結果は、2004年9月よりJ-PARCのホームページ上で、公開している。製作設計を行っている中で、モデレータ形状の変更により、パルス特性(特にパルステールで)が低下していた。計算から、デカップラーと反射体容器設置する中性子吸収ライナーとの隙間からの漏洩中性子が原因であることがわかった。現在、製作設計の最終段階で、パルス特性を低下させるほかの要因を注意深く見つけ、製作設計にできるだけ反映させようとしている。さらに、デカップラー,ライナー及びポイズンの不均一な燃焼を考慮したパルス特性評価,各中性子ビームホールでのGeVまでの高エネルギー中性子エネルギースペクトルの導出も行った。

論文

大強度陽子加速器計画における中性子源施設

大山 幸夫; 池田 裕二郎

放射線と産業, (107), p.45 - 51, 2005/09

原研とKEKが進める大強度陽子加速器計画(J-PARC)の中性子源施設について、J-PARC計画の概要とともに、中性子源設計の詳細について解説をする。

論文

Neutronic performance of rectangular and cylindrical coupled hydrogen moderators in wide-angle beam extraction of low-energy neutrons

甲斐 哲也; 原田 正英; 勅使河原 誠; 渡辺 昇; 鬼柳 善明*; 池田 裕二郎

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 550(1-2), p.329 - 342, 2005/09

 被引用回数:19 パーセンタイル:75.44(Instruments & Instrumentation)

結合型モデレータに対する多数の中性子ビームの要求に応えるため、中性子ビームの取出角度を大きくする必要がある。このとき、低エネルギー中性子の時間積分、及びパルスピーク強度を最大とするため、中性子特性計算を行った。中性子強度の合計はビーム本数の増加に伴って増加したが、それぞれの中性子ビームの強度は、反射体に設けられたビーム取出孔に起因する反射体欠損により減少した。直方型モデレータにおいて取出角度が大きな場合(法線から25度)、その方向へ向かう低エネルギー中性子の空間分布を計算すると、大きく強度が減少している領域が生じていることがわかった。代案として提案した円筒型モデレータを用いることにより、強度減少の見られる領域を縮小することができた。さらに円筒型モデレータについて、時間積分,パルスピーク強度,パルス幅,パルス減衰特性をモデレータ直径の関数として計算した結果、直径140mmが最適であることがわかった。両者の比較の結果、円筒型の方が、時間積分強度とパルス減衰特性は同等で、高いパルスピーク強度,狭いパルス幅,平坦な角度依存性の中性子ビームを供給できることがわかった。両者のパルス特性の違いについての説明も行っている。J-PARC核破砕中性子源において、円筒型の結合型モデレータを採用することとした。

論文

Neutronic studies on decoupled hydrogen moderator for a short-pulse spallation source

原田 正英; 渡辺 昇; 勅使河原 誠; 甲斐 哲也; 池田 裕二郎

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 539(1-2), p.345 - 362, 2005/02

 被引用回数:24 パーセンタイル:80.59(Instruments & Instrumentation)

パラ水素濃度,デカップリングエネルギー,モデレータサイズ/形状及び反射体物質をパラメータとし、非結合型水素モデレータのニュートロニクス特性を評価した。異なるパラ水素濃度での中性子エネルギースペクトルは、修正マクスウェル関数を用いて特徴づけられることを示した。また、100%パラ水素モデレータが、最小パルス幅と最小パルステールでかつ、最高ピーク強度を与えることを示した。反射体によるパルスの広がりは、デカップラーを通してモデレータに流入するソース中性子の時間分布によって、説明できることを示し、時間分布に対する反射体材料依存性について明らかにした。デカップリングエネルギーが1eV以上の場合、中性子強度は大きく減少し、パルス幅やパルステールに大きな改善が見られないことを示した。さらに、直方体型及び水筒型モデレータに対する最適なモデレータ厚さについても検討を加えた。

論文

1-MW pulse Spallation Neutron Source(JSNS) of J-PARC

池田 裕二郎

Neutron News, 16(1), p.20 - 24, 2005/01

本稿ではJ-PARC計画で中性子利用施設として建設される1-MWパルス核破砕中性子源について全体概要を示した。ターゲット,モデレータ,反射体,遮蔽などの主要機器の概念を明らかにし、最新の設計現状を述べる。また、特にターゲットの寿命推定において深刻な影響を与えると考えられる、水銀ターゲット中で生ずるピッティングに関する技術課題について言及する。

論文

Coupled hydrogen moderator optimization with ortho/para hydrogen ratio

甲斐 哲也; 原田 正英; 勅使河原 誠; 渡辺 昇; 池田 裕二郎

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 523(3), p.398 - 414, 2004/05

 被引用回数:39 パーセンタイル:89.52(Instruments & Instrumentation)

結合型水素モデレータの中性子性能を、パラ水素濃度,モデレータの厚さと高さ,プレモデレータの厚さを関数として評価した。100%パラ水素による厚い(120$$sim$$140 mm)モデレータが、高い15meV以下の時間-エネルギー積分強度とパルスピーク強度を得るという観点から最適であることがわかった。モデレータの中性子取出面における低エネルギー中性子強度分布より、プレモデレータ近辺の周縁部分の強度が中心部よりも高いことがわかった。この独特な分布から、プレモデレータに近いモデレータ周辺部の明るい部分を利用できるよう、モデレータと中性子取出面の設計が重要となることを示している。

論文

Optimization of poisoned and unpoisoned decoupled moderators in JSNS

原田 正英; 勅使河原 誠; 渡辺 昇; 甲斐 哲也; 池田 裕二郎

Proceedings of ICANS-XVI, Volume 2, p.697 - 706, 2003/07

NMTC/JAM及びMCNP-4Cを用いて、JSNSにおける2台の非結合型モデレータの中性子特性に関する最適化研究を行った。計算モデルはターゲット・モデレータ・反射体集合体を詳細に反映したものを用いた。水素は、100%パラを仮定した。2台のモデレータの形状は、水筒型で、13$$^W$$$$times$$12$$^H$$$$times$$6.2$$^T$$cm$$^3$$のものを用いた。ユーザーの要求に合わせて、デカップリングエネルギーは、1eVを適用した。デカップラ-材質は、銀・インジウム・カドミウム合金を採用した。非結合型モデレータでは(特にポイズンドモデレータで)、取り出し角度依存性が顕著であることがわかった。それゆえ、取り出し角度は、ポイズンドモデレータとポイズン無しのモデレータとで、それぞれ7.5$$^{circ}$$と17.5$$^{circ}$$に制限した。ポイズン材質として、カットオフエネルギーが高くピーク強度が高くなるカドミウムを採用した。ポイズン位置は、ユーザーの要求に合わせて、取り出し面から25mmとした。

論文

Thermal-hydraulic design of J-PARC cold moderators

麻生 智一; 佐藤 博; 神永 雅紀; 日野 竜太郎; 門出 政則*

Proceedings of ICANS-XVI, Volume 2, p.935 - 944, 2003/07

J-PARCの核破砕ターゲットシステムでは、高い中性子強度・パルス性能を同時に実現できる扁平型構造の非結合型モデレータ、及び、高強度冷中性子ビームを広い立体角すなわち多くの利用者に供給可能な円筒型構造の結合型モデレータを設置する。超臨界水素(1.5MPa,20K)の使用を視野に入れた冷減速材の設計においては、容器構造設計とともに、容器内流動の妥当性を最適化する必要がある。扁平型及び円筒型冷減速材容器に関して、アクリル製の模擬容器を用いた水による可視化流動実験を行い、再循環流や流れの停滞域などの流動場を明らかにした。流動解析結果と実験を比較し、解析コードを検証した。これにより容器構造に対する実機容器内水素の温度分布の予測が精度よく可能となった。

論文

Neutronic study on coupled hydrogen moderator for J-PARC spallation neutron source

甲斐 哲也; 原田 正英; 勅使河原 誠; 渡辺 昇; 池田 裕二郎

Proceedings of ICANS-XVI, Volume 3, p.657 - 666, 2003/07

J-PARC核破砕中性子源の結合型モデレータについて中性子工学研究を行った。100%パラ水素モデレータを用いることにより、最大の15meV以下の積分強度、2meV,10meVのパルスピーク強度が得られたが、最適なモデレータ厚さはそれぞれ異なっていた。最終結論としては、140mmの厚さを選択した。また、中性子取出面上の中性子強度分布評価より、プレモデレータ近傍のモデレータ周縁部が中心部分よりも強度が高いことがわかった。このことは、モデレータと中性子取出面の設計が重要であることを示している。さらに、強度の中性子取出角度依存性を評価し、大きな角度取出しでは強度減少が著しいことがわかった。円筒型モデレータを用いることにより、この強度減少を緩和することができることが明らかになった。これらをもとに円筒型モデレータの直径を140mmと決定した。

論文

Thermal-hydraulic experiments and analyses for cold moderators

麻生 智一; 神永 雅紀; 日野 竜太郎; 門出 政則*

Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-11) (CD-ROM), 8 Pages, 2003/04

核破砕ターゲットシステムにおいて、超臨界水素を用いる冷減速材は中性子強度やパルス性能などの中性子性能に直接影響する重要な機器である。J-PARCでは、高い中性子強度・パルス性能を同時に実現できる扁平型構造と、大強度冷中性子ビームを広い立体角、すなわち多くの利用者に供給可能な円筒型構造の冷減速材容器をターゲットシステムに設置する予定である。いずれも高圧低温の液体水素を流動させるために、超臨界水素条件(1.5MPa,20K)までを視野に入れた構造設計とともに、中性子性能を低下させる局所の水素温度上昇を防止するように容器内流動を最適化する必要がある。そこで、扁平型及び円筒型冷減速材容器に関して、水による可視化流動実験をアクリル製の模擬容器を用いて行い、再循環流や流れの停滞域などの流動場を明らかにして、流動解析結果と比較評価するとともに、実機容器内液体水素の温度分布を予測した。また、容器底面における衝突噴流の熱伝達特性を予備的に求め、解析コードの検証を行った。以上の結果から、冷減速材設計における工学的な実現性の見通しを得た。

報告書

冷減速材システム試験装置による実験結果; システム特性と技術課題

麻生 智一; 神永 雅紀; 羽賀 勝洋; 木下 秀孝; 高橋 才雄*; 日野 竜太郎

JAERI-Tech 2002-096, 76 Pages, 2002/12

JAERI-Tech-2002-096.pdf:7.2MB

日本原子力研究所と高エネルギー加速器研究機構が共同して開発を進めているメガワット規模の核破砕ターゲットシステムでは、ターゲットで発生した中性子は液体水素減速材を用いて適切なエネルギーレベルに選別される。このとき、液体水素は温度上昇を抑制するために強制循環される。液体水素減速材の運転では、加速器ビームのトリップや冷減速材システムにおける異常時に、液体水素循環系を確実に制御あるいは安全に停止させる安全保護システムを確立することが必須である。そこで、システム設計及び安全評価のための技術データの取得を目的に、液体水素の代わりに液体窒素(最高1.5MPa,最低77K)を用いた冷減速材システム試験装置を設計・製作した。この試験装置を用い、システム動特性を明らかにするため極低温システムの運転制御性実験を行った。本報は冷減速材システム試験装置の運転実験を行った結果と実機液体水素ループの構築のための技術的な課題についてまとめたものである。

論文

Neutronic optimization of premoderator and reflector for decoupled hydrogen moderator in 1MW spallation neutron source

原田 正英; 勅使河原 誠; 甲斐 哲也; 坂田 英明*; 渡辺 昇; 池田 裕二郎

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(8), p.827 - 837, 2002/08

 被引用回数:19 パーセンタイル:74.07(Nuclear Science & Technology)

非結合型(超臨界)水素モデレータについて、高い中性子性能を実現するために、デカップリングエネルギーを変えて、プリモデレータと反射体材質(鉛,ベリリウム,鉄,水銀)に関する最適化研究を行った。その結果、鉛反射体中で、最適化されたプリモデレータと、適切なデカップリングエネルギーの採用により、ベリリウム反射体を用いた場合より、高い中性子性能が得られることを示した。

論文

Optimization of coupled hydrogen moderator for a short pulse spallation source

甲斐 哲也; 勅使河原 誠; 渡辺 昇; 原田 正英; 坂田 英明*; 池田 裕二郎

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(2), p.120 - 128, 2002/02

 被引用回数:13 パーセンタイル:62.47(Nuclear Science & Technology)

高い積分強度の冷中性子ビームに対する利用者からの要求が大きいため、2つの取り出し面を確保し、できるだけ多くのビームラインを配置できるよう結合型液体水素モデレータの設計検討を行っている。本研究では、これまで提案してきた背中にプリモデレータを共有する2つのモデレータを、より単純化した拡張型プレモデレータ付き単一のモデレータを提案し、さまざまな視点(モデレータ厚さ,プレモデレータ拡張寸法,反射体材料,パルス特性,等)からの最適化を行った。その結果、これまでの中性子強度と遜色なく、パルス特性が改善され、また工学的熱負荷を低減できることが示された。この結果は、統合計画の冷中性子モデレータ設計に反映させることとした。

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