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論文

水銀液滴の衝撃挙動

伊達 秀文*; 二川 正敏; 石倉 修一*

実験力学, 2(2), p.103 - 108, 2002/06

核破砕中性子源として液体水銀の適用が計画されている。陽子入射時に生じる瞬時発熱により、液体水銀には圧力波が生じることから、ターゲット容器の健全性確保には液体水銀の動的特性に基づく固/液体連成挙動の評価が重要である。液体水銀と固体金属との衝突現象について、水銀液滴と固体壁面との衝突現象を高速度カメラで捕らえると共に、衝撃弾性棒を用いた衝撃力の計測を行った。衝突時の水銀液滴の変形は、衝撃速度と衝突壁面粗さに依存した挙動を示した。また、衝撃パルスの持続時間を衝撃体の音速と形状係数で無次元化した衝撃持続時間は、衝突速度及び液滴サイズに依存せず一定値を示すことを実験的に確認した。この関係から水銀液滴衝撃により降伏応力を越える臨界衝撃速度は、316ssの場合約5m/sと見積もられた。この値は水の場合の約1/20であり、液体水銀ターゲット容器が衝撃壊食損傷を受ける可能性を示唆した。

口頭

Core seismic experiment of a full-scale single model for a fast reactor

岩崎 晃久*; 澤 直樹*; 松原 慎一郎*; 北村 誠司; 岡村 茂樹*

no journal, , 

高速炉の炉心は数百本もの炉心構成要素で構成されている。炉心構成要素は六角柱の梁形状であり、下部の炉心支持板に差し込まれて自立している。また、隣接する炉心構成要素は小さいギャップを有して六角配列で冷却材中に配置されている。炉心構成要素は、熱膨張やスウェリングの影響を回避するため、鉛直方向には固定されていない。近年、日本では、想定される地震動が大きくなり、鉛直方向の地震動が重力加速度を超えることで、炉心構成要素の鉛直方向変位(跳び上がり)と水平方向変位を同時に考慮する必要が生じた。この3次元振動挙動は、周囲冷却材からの流体力や周囲構造物との干渉の影響を受ける。本研究では、実寸大の試験体を用いて単体振動試験を行い、炉心構成要素の3次元振動挙動の基本的な特徴を確認した。また、鉛直方向変位を抑制する構造(ダッシュポット構造)を考案し、その効果を確認した。試験の結果、雰囲気(空気中, 水中, 流水中)、パッド部隙間、加振方向、加振波形やダッシュポット構造が炉心構成要素の振動挙動に与える影響について確認した。雰囲気については、冷却材の流れを模擬した流水中では上向き流体力が作用するため、気中・水中より鉛直方向変位は大きくなった。パッド部隙間については、隙間が大きいほど水平変位による干渉効果が強くなり、鉛直方向変位を低減させた。また、ダッシュポット構造については、鉛直方向変位を低減する構造として適していることが確認できた。

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