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島田 太郎; 笹川 剛; 三輪 一爾; 高井 静霞; 武田 聖司
Proceedings of International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management (ICEM2023) (Internet), 7 Pages, 2023/10
原子力発電所の廃止措置段階の原子力規制検査をリスク情報に基づいて実施する必要があるが、このリスクを定量的に評価する手法が整備されていない。そこで、本研究では、廃止措置安全評価コードDecAssessをもとに、廃止措置段階で発生する可能性のある事故事象のイベントツリーを整備し、解体対象機器ごとに事故シーケンス別被ばく線量と発生確率から放射線リスクを評価するコードDecAssess-Rを開発した。その際にHEPAフィルタなどに蓄積し、事故時に一挙に放出される可能性のある移動可能な放射能量が解体作業の進展に伴って時間的空間的に変動することを考慮した。起因事象は廃止措置段階及び類似する分解・交換作業における国内外のトラブル情報を調査した結果をもとに設定し、その起因事象からイベントツリーを構築した。また、事象発生頻度は一般産業の情報も参考に、事象進展確率は運転段階の機器故障確率などをもとに設定した。このとき、廃止措置の進展に伴って削減される安全機能を解体作業スケジュールに沿って設定できるようにした。米国参考BWRを対象に解体作業を設定してリスク評価を行った。その結果、炉内構造物の解体作業時に火災が発生して、周囲に一時保管されていた放射性物質を含む可燃物やフィルタ類に延焼する場合に公衆被ばく線量が最大になった。本事象は、事故シーケンスの発生確率も大きいため、最大の放射線リスクを示した。
及川 哲邦; 渡邉 憲夫; 平野 雅司
IAEA-CN-61/31, 0, 15 Pages, 1995/00
本論文は、日本の軽水炉で発生した異常事象の発生頻度をカテゴリー別に評価し、主な異常事象の発生頻度を米国と比較したものである。日本の軽水炉で発生した異常事象を通産省が編集している「原子力発電所運転管理年報」から拾い出し、PWR94件、BWR188件を評価対象とした。これら評価対象事象を米国のカテゴリーに分類し、運転管理年報に記載された発電時間(1993年3月31日現在で、PWRで155.8炉年、BWRで178.9炉年)を用いてカテゴリー別の発生頻度を評価した。代表的な異常事象の発生頻度を日本と米国で比較すると、概ね米国の数分の1から20分の1となっていた。日本では蒸気発生器伝熱管漏洩下での運転が認められていないため、その発生頻度が米国より高くなっている。日本と米国で発生頻度を比較する際には異常事象の報告基準とプラクティスが異なっていることに注意すべきである。