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武井 早憲
Journal of Nuclear Science and Technology, 45 Pages, 2025/06
日本原子力研究開発機構では、マイナーアクチニドを効率的に核変換する加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発を行っている。このシステムは、未臨界炉と大強度超伝導陽子線形加速器(ADS用陽子加速器)の組み合わせである。ADS用陽子加速器の開発を困難にしている要因の一つは、熱サイクル疲労を誘因するビームトリップ事象であり、この事象によって未臨界炉の機器が損傷するからである。ADS用陽子加速器は大強度陽子加速器の一つであるJ-PARCリニアックと比べて電流比で32倍の差がある。従って、開発段階に応じてADS用陽子加速器のビームトリップ頻度と許容ビームトリップ頻度を比較することが必要になる。今回、J-PARCリニアックの運転データに基づく信頼度関数を使ったモンテカルロ法のプログラムを作成し、ADS用陽子加速器のビームトリップ頻度を推測した。モンテカルロ法のプログラムにより、従来の解析手法では得られなかったビームトリップ事象の時間分布が得られた。その結果、許容ビームトリップ頻度を満足するには、ビームトリップ時間が5分以上のビームトリップ頻度を現状の27%に低減しなければならないことがわかった。
Mikhail, M. A. G.*; 金 政浩*; 衛藤 大成*; 塚田 和明
Scientific Reports (Internet), 14, p.27132_1 - 27132_10, 2024/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Multidisciplinary Sciences)加速器中性子技術を用いてZn(n, x)反応により合成された医療用放射性銅同位体
Cuと
Cuを分離精製するために、簡便で堅牢な一段階の陽イオン交換分離法について研究した。本研究により、分離プロセスにおける陽イオン交換カラムのリン酸緩衝液前処理の重要性を明らかにした。リン酸緩衝液をカラム前処理に組み込むと、分離手順全体を通じてカラム内の銅同位体の保持が大幅に向上することを明らかにした。この方法により、100gの出発物質に対して約5時間という比較的短い実験時間で、94.4%という高い抽出効率で高純度放射性銅同位体試料を得ることができる。
吉田 剛*; 松村 宏*; 中村 一*; 三浦 太一*; 豊田 晃弘*; 桝本 和義*; 中林 貴之*; 松田 誠
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(10), p.1298 - 1307, 2024/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)The activation level of the JAEA-Tokai tandem accelerator facility was investigated experimentally in advance of the future decommissioning. JAEA-Tokai tandem accelerator facility has a higher terminal voltage of 18 MV and a larger total floor area, Compared to other electrostatic accelerators with terminal voltage of 1 MV to 6 MV. Therefore, determination for 'where', 'what', and 'how many' nuclides are produced in the facility is crucial. Thermal neutrons generated by beam losses associated with accelerator operations contribute significantly to the activation of equipment and facilities. The accumulated activities of Co and
Eu; the most considerable radionuclides at the decommissioning, can be deduced by the thermal neutron fluence rate during the accelerator operation. In this study, thermal neutron fluence measurement on the surface of the pressure vessel and concrete building was conducted with conventional methods using dosimeters and metal foil detectors as well as a new method using a portable
-ray detector. The thermal neutron fluence in the facility during the accelerator operation ranges from 101 to 10
n/cm
/s. The sum of deduced activities of
Co and
Eu in 50 years is much lower than the clearance level of 0.1 Bq/g in all areas except in the irradiation room.
武井 早憲
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(8), p.1075 - 1088, 2024/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)陽子線形加速器では、機器の故障、高周波による放電などにより、陽子ビームが不意に供給できないことが知られている。このビームトリップ事象はランダムに発生しているのだろうか?従来、ビームトリップ事象はランダムに発生していると暗黙的に仮定していた。今回、加速器駆動核変換システムにおける超伝導線型加速器で生じるビームトリップ頻度を推測するため、J-PARCリニアックにおけるビームトリップ事象がランダムに発生しているかどうかを検討した。すなわち、まずJ-PARCリニアックを5つのサブシステムに分類した。そして、信頼性工学の一つの方法であるカプラン・マイヤー推定法を用いて、各サブシステムにおける運転時間の信頼度関数を求めた。この信頼度関数より、ビームトリップ事象のランダムさを調べた。5つのサブシステムにおける5年間の運転データを解析したところ、いくつかのサブシステムではビームトリップ事象がランダムに発生していることを示していた。しかし、陽子リニアックの主要なサブシステムであるイオン源と加速空洞を含む、多くのサブシステムでビームトリップ事象がランダムに発生していなかった。
方野 量太; 大泉 昭人; 福島 昌宏; Pyeon, C. H.*; 山本 章夫*; 遠藤 知弘*
Nuclear Science and Engineering, 198(6), p.1215 - 1234, 2024/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)京都大学臨界集合体A架台で測定された鉛ビスマスサンプル反応度を用いたデータ同化によって加速器駆動システムの冷却材ボイド反応度の鉛ビスマス非弾性散乱断面積に起因した不確かさを低減できることを実証した。サンプル反応度について、データ同化の式中に現れる実験不確かさと相関を再評価し、結果を明示した。不確かさ評価に用いる感度係数はMCNP6.2で評価し、データ同化はMARBLEを用いて実行した。鉛ビスマスに対してサンプル反応度は感度係数が大きいため、加速器駆動システムの冷却材ボイド反応度の断面積起因不確かさを6.3%から4.8%まで減少させ、本研究で設定した暫定的な目標精度5%を達成できることを示した。さらに、ADJ2017に使用された積分実験データを用いることで、マイナーアクチニドや鉄など他の支配的な核種に起因する不確かさを効果的に低減できることを示した。
Yee-Rendon, B.; 近藤 恭弘; 田村 潤; 前川 藤夫; 明午 伸一郎
Proceedings of 14th International Particle Accelerator Conference (IPAC 23) (Internet), p.1591 - 1593, 2023/05
日本原子力研究開発機構(JAEA)は、加速器駆動システム(ADS)の開発のため、ビーム出力が30MWとなる連続波(cw)超伝導陽子線形加速器(リニアック)を設計している。JAEA-ADSリニアックのイオン源は、エネルギーが35keV、正規化されたrmsエミッタンスが0.1mm mrad未満で、20mAを超える陽子ビームを提供する必要がある。イオン源におけるビーム引出し部がビーム特性と品質を決定するため、目標の達成のためAXCEL-INP 2-Dシミュレーションプログラムを使用して、引き出し部の設計における幾何形状に関して最適化した。本報告は、イオン源引き出し部の設計について説明し、JAEA-ADSリニアックの陽子イオン源に関するビームダイナミクスを最初の結果として報告する。
前川 藤夫
JAEA-Conf 2022-001, p.7 - 13, 2022/11
分離変換技術は、高レベル放射性廃棄物の減容、有害低減のための有望な技術である。原子力機構では、加速器駆動システム(ADS)と組み合わせで文永変換技術を開発している。ADSの実現可能性に影響を与える重要課題の1つに、加速器と未臨界炉心の境界をなす陽子ビーム窓がある。陽子ビーム窓は、高強度の陽子ビームと標的で生成した核破砕中性子、および鋼材に対し腐食性を有する高温の液体鉛ビスマス共晶合金の流動によって損傷を受ける。J-PARCでは、ADS環境下での材料損傷研究のため、400MeV、250kWの陽子ビームを入射する液体鉛ビスマス核破砕ターゲットを備えた陽子ビーム照射施設を計画している。本施設は、半導体デバイスのソフトエラー試験,RI製造,核分裂および核融合炉のための材料照射など、多様な目的にも利用できる。陽子ビームや核破砕中性子を使った核データ研究への応用も多様な用途の一つであり、核データコミュニティからの優れたアイデアを歓迎する。
方野 量太; 山本 章夫*; 遠藤 知弘*
Nuclear Science and Engineering, 196(10), p.1194 - 1208, 2022/10
被引用回数:1 パーセンタイル:14.04(Nuclear Science & Technology)本研究では、炉心核特性の核反応断面積に対する感度係数を効率的に行うROM-Lasso法を提案した。本手法は、求めたい感度係数ベクトルを、Reduced Order Modeling (ROM)の考えた方に基づき、Active Subspace (AS)と呼ばれる部分空間基底で展開する。その後、各展開係数をランダムサンプリングにより得られる多数の微視的多群断面積摂動セットと炉心核特性を用いたLasso線形回帰によって求める。本手法はForward計算のみ実施するためAdjoint法の適用が困難な場合でも適用が可能である。さらに、ASは感度係数ベクトルをより少ない次元数で再現する実効的な部分空間であり、元の次元数(入力パラメータ数)より大幅に未知数を削減することから、ASを用いないLasso推定と比較し劇的に計算コストを改善する。本論文では検証計算としてADS燃焼計算における感度係数評価を行い、ASを求める具体的な処方を示し、提案手法の適用性を示した。
有吉 玄; 大林 寛生; 佐々 敏信
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1071 - 1088, 2022/09
被引用回数:1 パーセンタイル:14.04(Nuclear Science & Technology)液体重金属中の局所流速計測において、電磁誘導を用いた計測手法は効果的手法の一つである。永久磁石を利用した流速計として、Ricou and Vives' probeやVon Weissenfluh's probeが広く知られているが、これらの流速計は液温上昇に伴う永久磁石の熱減磁により、流速感度および計測体積が低下することが問題点として挙げられる。特に、永久磁石のキュリー温度を超える温度域では流速検出不能となる。そこで本研究では、流速計が持つ温度依存性の解消を目的とし、小型電磁石を内蔵する流速計を開発した。開発された流速計の直径は6mm、長さは155mmである。流速計の基本性能は、室温環境下における矩形管内水銀流れの局所流速分布計測を通して確認され、流速感度および計測体積が評価された。計測された局所流速分布は数値計算によりその妥当性が確認された。
本多 真紀; Martschini, M.*; Marchhart, O.*; Priller, A.*; Steier, P.*; Golser, R.*; 佐藤 哲也; 塚田 和明; 坂口 綾*
Analytical Methods, 14(28), p.2732 - 2738, 2022/07
被引用回数:5 パーセンタイル:45.09(Chemistry, Analytical)環境放射線学の発展に資するために加速器質量分析装置(AMS)による高感度Sr分析法を開発した。AMSの利点は、
Sr/
Srの原子比が10
の様々な環境試料を簡単な化学分離で分析できることである。本研究では
Sr濃度が既知の3種類のIAEA試料(コケ土、動物の骨、シリアの土壌:各1g)を分析し、化学分離とAMS測定の妥当性を評価した。
Srの測定は、優れた同重体分離性能を有するウィーン大学のイオンレーザーインターアクション質量分析装置(ILIAMS)と組み合わせたAMSシステムで実施した。
SrのAMSにおける
Zrの同重体干渉は、まず化学分離によって除去された。Sr樹脂と陰イオン交換樹脂を用いた2段階のカラムクロマトグラフィーにおけるZrの分離係数は10
であった。試料中に残存する
ZrはILIAMSによって効率的に除去された。この簡単な化学分離で一般的な
線検出よりも低い検出限界
0.1mBqを達成した。
Sr濃度に関して本研究のAMS測定値とIAEAの公称値が一致したことから、AMSによる新規の高感度
Sr分析は土壌や骨の高マトリクス試料に対しても信頼できることを示した。
前川 藤夫; 武井 早憲
プラズマ・核融合学会誌, 98(5), p.206 - 210, 2022/05
加速器駆動核変換システム(ADS)の開発にあたっては、大強度陽子ビームに耐える材料の開発や陽子ビームで駆動される未臨界炉心の特性評価等、陽子ビームに関わる技術課題を解決する必要がある。そこで大強度陽子加速器施設J-PARCでは、実際に大強度の陽子ビームを利用した各種試験を行う核変換実験施設が検討されている。本稿では核変換実験施設の概要と今後の方向性について紹介する。
佐々 敏信
プラズマ・核融合学会誌, 98(5), p.211 - 215, 2022/05
鉛ビスマス共晶合金(LBE)が、その核的・化学的特性から、次世代原子炉の冷却材や加速器駆動システム(ADS)の核破砕ターゲットとして有望視されている。LBEは重金属であり、核破砕ターゲットとしても長寿命放射性核種の核変換システムの冷却材としても良好な特性を有している。一方、その利用の大きな課題の一つである構造材との共存性を向上するための様々な技術開発とともに、ADSによる核変換技術の早期実用化を目指して進めている、LBEの高温運転、耐腐食性確保のための酸素濃度制御など最新の研究成果を紹介する。
前川 藤夫
プラズマ・核融合学会誌, 98(5), p.201 - 205, 2022/05
核変換技術は、原子力発電に伴い発生する「核のゴミ」問題の有力な解決手段である。大強度加速器と未臨界炉心を組み合わせた加速器駆動システム(ADS)は、核変換を行うための有望なツールである。本稿では、ADSによる核変換の意義と原理、ADSの設計例、核変換を含む分離変換技術とその効果、必要とされる大強度加速器の性能、海外の動向等について解説する。
明午 伸一郎; 中野 敬太; 岩元 大樹
プラズマ・核融合学会誌, 98(5), p.216 - 221, 2022/05
加速器駆動核変換システム(ADS)の実現やJ-PARCで建設を進めているADSターゲット試験施設(TEF-T)の建設には、陽子ビーム取扱い技術の開発やGeV領域の陽子に対するニュートロニクス(中性子工学)の詳細な検討が必要となる。このためJ-PARCの核変換ディビジョンでは、J-PARC加速器施設などで研究を進めてきた。本稿ではこれらの内容に関して紹介する。
永井 泰樹*; 川端 方子*; 橋本 慎太郎; 塚田 和明; 橋本 和幸*; 本石 章司*; 佐伯 秀也*; 本村 新*; 湊 太志; 伊藤 正俊*
Journal of the Physical Society of Japan, 91(4), p.044201_1 - 044201_10, 2022/04
被引用回数:4 パーセンタイル:46.56(Physics, Multidisciplinary)近年、神経内分泌腫瘍を治療するための医療用RIとしてLuが注目されており、加速器施設で重陽子を濃縮
Yb試料に照射し、高純度の
Luを製造する方法が検討されている。ただし、Yb試料には様々な同位体が微量に含まれており、
Lu以外のLu同位体が不純物として生成される。医療用として利用する
Luは一定の純度が求められるため、定量的にLuの不純物を評価する手法が求められていた。本研究では、実験値を基に関与する全てのYb(
)Lu反応の断面積を決定し、粒子輸送計算コードPHITSと組み合わせることで、Yb試料が任意の組成比をもつ場合の各Lu同位体の生成量を推定する新しい手法を開発した。他に、天然組成のYb試料へ25MeV重陽子を照射した実験も行い、本手法の有効性を検証した。また、市販の濃縮
Yb試料に照射した条件で計算を行い、重陽子のエネルギーを15MeVとすることで、純度99%以上の
Lu生成を達成できることを示した。開発した手法は、加速器を用いて高純度の医療用
Luを製造する際、必要な濃縮Yb試料の同位体組成を議論する上で重要な役割を果たすものである。
大林 寛生; 八巻 賢一*; 吉元 秀光*; 北 智士*; Wan, T.*; 佐々 敏信
JAEA-Technology 2021-035, 66 Pages, 2022/03
大強度陽子加速器施設(Japan Proton Accelerator Research Complex; J-PARC)では、加速器駆動システム(Accelerator-Driven system; ADS)による核変換技術の実現に資する研究開発を行うため、核変換実験施設(Transmutation Experimental Facility; TEF)の建設を計画している。2つの施設で構成されるTEFの内、ADSターゲット試験施設(TEF-T)では、溶融鉛ビスマス合金(Lead-Bismuth Eutectic alloy; LBE)を核破砕ターゲットおよび冷却材として用いるターゲットシステムを導入して陽子ビームを照射することにより、照射環境下でのLBEとADS構造材料候補材との共存性等のADS特有の課題に関する研究開発を行う。冷却材としての側面から見たLBEは、他の液体金属冷却材と同様に伝熱特性に優れ、ナトリウムに比べ化学的活性が低く水や空気と接触した際に火災などの事故に繋がる危険性がない。一方、一般に広く用いられるステンレス鋼等の構造材料に対し腐食性を示す他に、TEF-Tターゲットでは最大500Cに達する温度域で使用される等の理由から適応する計装や機器が限られる。このため、LBE用の機器について個別に研究開発や設計を進めてきた。LBEターゲットシステムの実現においては、これらの機器を統合して単体の大型装置として運用した際の機能や性能評価が重要である。本報告書では、LBEターゲットの一次冷却系および二次冷却系の実証試験の他、LBE用機器や計装の性能評価、遠隔によるメンテナンスを考慮した際の機器配置に関する課題抽出、さらに将来的にTEF-T施設で行う照射後試験に向けた非照射サンプルの供給を目的とした実規模試験ループである核破砕標的循環試験装置(Integrated Multi-functional MOckup for TEF-T Real-scale TArget Loop; IMMORTAL)の概要について報告する。
中野 敬太; 岩元 大樹; 西原 健司; 明午 伸一郎; 菅原 隆徳; 岩元 洋介; 竹下 隼人*; 前川 藤夫
JAEA-Research 2021-018, 41 Pages, 2022/03
加速器駆動核変換システム(ADS: Accelerator-Driven System)の構成要素の一つであるビーム窓の核特性を粒子・重イオン輸送計算コードPHITS及び誘導放射能解析コードDCHAIN-PHITSを用いて評価した。本研究では日本原子力研究開発機構が提案するADSの運転時にビーム窓内部に生成される水素やヘリウム等の量、高エネルギー粒子により引き起こされるビーム窓材の原子弾き出し数、ビーム窓内部の発熱量及び分布を導出した。また、中性子源標的及び冷却材として用いられる鉛ビスマス共晶合金(LBE)中の生成核種、発熱密度及び放射能分布を求めた。ビーム窓解析の結果、300日間のADSの運転によりビーム窓中に最大で約12500appmのH及び1800appmのHeの生成と62.1DPAの損傷が発生することが判明した。一方で、ビーム窓内の最大発熱量は374W/cmであった。LBEの解析では、
Biや
Poが崩壊熱及び放射能の支配的な核種であることが判明した。さらに、陽子ビームによるLBE中の発熱はビーム窓下流5cm付近が最大であり、945W/cm
であることがわかった。
中野 敬太; 松田 洋樹*; 明午 伸一郎; 岩元 大樹; 竹下 隼人*; 前川 藤夫
JAEA-Research 2021-014, 25 Pages, 2022/03
加速器駆動核変換システム(ADS: Accelerator-Driven transmutation System)の開発に資するデータとして、Be, C,
Al,
Sc, V標的に対する高エネルギー陽子入射反応による核種生成断面積の測定を行った。得られた実験値は最新の核反応モデルによる計算値や評価済み核データライブラリの値と比較を行い、その再現性について議論を行った。
Hain, K.*; Martschini, M.*; Glce, F.*; 本多 真紀; Lachner, J.*; Kern, M.*; Pitters, J.*; Quinto, F.*; 坂口 綾*; Steier, P.*; et al.
Frontiers in Marine Science (Internet), 9, p.837515_1 - 837515_17, 2022/03
被引用回数:12 パーセンタイル:83.57(Environmental Sciences)Vienna Environmental Research Accelerator (VERA)における加速器質量分析(AMS)の最近の大きな進歩は、検出効率向上とアイソバー抑制向上であり、環境中の極微量の長寿命放射性核種を分析する可能性を開くものである。これらの核種はU,
Cs,
Tc及び
Srであり、通常は安定して海水中に溶存していることから、海洋混合・循環や放射性物質の広がりを研究する海洋トレーサーへの適応が重要になる。特に、同位体比
U/
Uと
Cs/
Csは元素分別の影響を受けないため、放出源の特定に有力なフィンガープリントであることが我々の研究によって実証されている。検出効率の向上により、10Lの海水試料で主要長寿命アクチニド
U,
Np,
Pu,
Amに加え、非常に稀な
Uを分析することが可能となり、北西太平洋におけるアクチノイドの典型的な深度プロファイルを得ることに成功した。特に
Sr分析に関しては、IAEAの標準物質(例えばIAEA-A-12)を用いて我々の新しいアプローチが海洋学的研究へ応用可能であることを示した。我々の推定では、
Srと
Csそれぞれの分析に必要な海水はわずか(1-3)Lである。
方野 量太
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(3), p.368 - 381, 2022/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)加速器駆動システム(ADS)の燃料装荷中の未臨界度測定手法を提案した。本手法では、未臨界度は初期状態において陽子加速器を用いた面積比法によって、続く燃料装荷時においてはマイナーアクチニドの自発核分裂中性子源を用いた中性子源増倍法によって測定され、次のステップで装荷される燃料集合体数が予測される。検証のため数値シミュレーションを行い、提案手法で推定される未臨界度が固有値計算で得られる未臨界度参照値とよく一致することを確認した。また、本手法の不確かさを見積もり、終状態の実効増倍率に1000pcm程度の不確かさがあると評価した。本手法が燃料装荷中のADSの実用的な未臨界度監視手法となることを期待する。